考えてますので少し更新は遅いですが
申し訳ありません
クレッチマーはティルピッツ元帥に急に抱きつかれた事に、目をぱちくりしていたが、大きくため息をつくといった。
「お戯れはおやめ下さい…。元帥閣下
私生児の私に対する嫌味ですか?」
クレッチマーの言葉にティルピッツは
クレッチマーの肩をガシッと掴むと言った
「何を言うか!お前は私の息子だとも!その証拠に!お前の首にかけてあるペンダントはワシがエリカにあげたものだ!」
ティルピッツはクレッチマーの顔を見ながら泣きそうな声を出した。
ティルピッツの言葉にクレッチマーは首に下げてあるペンダントを弄びながら言った。
「確かにこのペンダントは私が赤子の頃からあったそうですが…」
クレッチマーがさらに言おうとしたその時…クレッチマーの顔が濡れた。クレッチマーはティルピッツの顔を見ると、ティルピッツは目にいっぱいに涙を貯めて泣いていた。
「済まない…!済まない!エリカ!うっ…くくく…!」
クレッチマーはティルピッツの様子を見て、ため息を吐くと制服から白いハンカチを取り出し、ティルピッツを顔を拭いた。
「お辞め下さい…。御父様
お父様の涙がほかの誰かに見られたら
兵の士気に関わります…」
「今…!今、ワシのことを父と…!」
「今回…だけですよ…。」
「うむ!済まない…!」
クレッチマーのハンカチでティルピッツは涙を拭き、鼻をかむと机に戻り座った。
その瞬間…!顔つきが変わった。先程の好々爺のような表情ではなく、帝国海軍の最高指揮官に相応しい顔つきに…。
「今回の作戦は本当によくやってくれた!クレッチマー少尉!潜水艦による輸送船団襲撃作戦は成功したようだが…。少尉…貴官は今回の戦果をどう分析する?」
「ハッ!協商連合の輸送船団を襲撃するのはとても効果的と言えます。輸送船団を破壊出来れば補給でき無くなり、兵站戦も維持出来ないと思われます。協商連合は戦闘を続けづらくなるでしょう」
「ふむ…。それと…新型の潜水艦の使い心地はどうかね?」
「とても良い艦だとは思いますが…。しかし…一々バッテリーを充電するのに、浮上しなければならないのは中々不便ではあります。後は、潜行している間の速度が遅いぐらいであります」
「そうか…その不便な点や改善点をあとで渡す書類に事細かく書いておいてくれたまえ…。その報告書を海軍工廠に渡せば工廠の連中も喜ぶだろう」
ティルピッツは机に置いてあった葉巻入れから葉巻をとり、葉巻の両端切ると火をつけて吸い始めた。
「一つ…報告したいことがあります。元帥閣下…」
「何だ?」
「拿捕に成功した輸送船の中にこのような兵器がありました」
クレッチマーは机に写真を4枚並べた
「む…?」
その写真には野戦砲と戦車が写っているのもあれば…分解された戦闘機の写真もあった。その写真を指さしながらクレッチマーは言った
「この兵器は前線に運ばれようとしていましたが……この兵器は協商連合が持っているものでは無いのです」
「というと?」
「この兵器はフランソワ共和国製の兵器です」
ティルピッツはクレッチマーの言葉に眉間にシワを寄せると写真を睨みつけながら言った。
「なるほど…。協商連合の後ろにいるのはフランソワ共和国か…。合点がいったな…。帝国より工業力ない協商連合のどこにこれだけ戦争を続けられる力があるのかと思えば…」
「元帥閣下…。今回の戦争は何も協商連合との戦いでは済まないかも知れません…。下手をするとフランソワいや、連合王国などを巻き込んだ大戦に発展するものと私は推理します」
クレッチマーの言葉にティルピッツは少し驚いた顔をしながら言った
「大戦…列強国を巻き込んだ戦争か…。つい2ヶ月前に協商連合との戦争が始まったと思えば…。その次はフランソワとも戦わねばならんか…
早めに協商連合との戦いを終えなければ…。このままでは、我が祖国は二正面で戦わねばならんの…。さてと…どうしたものか…」
「でしたら、上陸作戦などはどうでありましょうか?」
クレッチマーの言葉にティルピッツは目を見開くといった。
「上陸作戦だと?」
「ええ…協商連合の首都は嬉しいことに海に面しております。そこを上陸さらに空挺で襲撃し首都を陥落させるのであります」
「不可能だ…。あそこにはハリネズミの様に建設された沿岸砲台や要塞島が沢山ある…。さらに陸軍にそれを要請するのは不可能だ」
「確かに沿岸砲台や要塞のあるところを上陸艇では進めません…。しかし、潜水艦ではどうでありましょうか?潜水艦で兵士を輸送し上陸させます。そして、橋頭堡を築きそこから侵攻していくのであります」
「しかし、そんな潜水艦を作る事は…。それにその上陸部隊は陸軍からの了解も得られるかどうか…わからんぞ?」
「上陸部隊が無ければ我が海軍で作ればいいだけの話であります。。輸送潜水艦が無ければ元帥閣下が技術局に命令すれば動くでしょう?」
クレッチマーの言葉に息大きく吸い…葉巻の煙を吐くと呻いた。
「ぬぅ…。」
「我々の目標としている敵は共和国海軍いや…連合王国海軍であります…。まだ我が帝国海軍の主力艦はまだそれ程目立った損害はないですが…しかし、それは協商連合が海軍国家ではないからです…。
これから、もしも戦うことになる連合王国などは海軍国家です。
早めに協商連合を片付けなければ…このまま泥沼になる可能性もあります…。どうか、お考えください。それと、私が士官学校の卒業論文に書いたものですが…これを」
クレッチマーは鞄から論文の束を机に置くとそう言った。
ティルピッツは片手に葉巻を持ったままうつむき加減で論文を見ると
「うむ…。分かった」
「それと、元帥閣下…。私の考えた新戦術なのでありますが…」
「ほう…?新戦術?」
「ええ…潜水艦同士で無線で連絡し合い連携を取り…。もしも敵の船団を襲う時などには…まるで狼の集団のように襲いかかる戦術であります」
「ほう…」
「しかし、私はこの作戦いや戦術にもう一つ何かが足りないと思っているのであります」
「というと?」
「潜望鏡だけだと…どうしても分かりにくい部分もあります。
もしも、輸送船団だと思って襲撃したら駆逐艦がいるかも知れません」
「なるほど…確実性にかけるというわけか…」
「ええ…そうです…」
「ふむ…空からはどうかね?」
「空でありますか?」
「ああ、そうだとも」
「空ですか…。しかし、潜水艦は止まれますが…
航空機は留まってはいられません…旋回させるのがせいぜいです。航空魔導師なら可能かも知れませんが…航続距離を考えると…」
「なぁに…。何も空は航空機や魔導師のものでは無いぞ?少尉?」
ティルピッツは机の引き出しを漁ると、一枚の書類を取り出し判子を押してクレッチマーの前に出した。それを見てクレッチマーは言った
「クルスコス陸軍航空隊試験飛行場?」
「そうだ…。何もそこは陸軍だけのものではない。海軍も間借りさせて貰っているのだよ…。そこにお前の求めてる答えがあるかもしれんぞ?そこで少し艦の改装が済むまで見てきたまえ」
「分かりました!有難く見させていただきます」
クレッチマーは敬礼すると、その書類をカバンに突っ込んだ
「それで?少尉…その戦術をなんと名付けるかね?」
「私はこの戦術いや、作戦を群狼作戦と名付けます」
「なるほど…ウルフ・パックか…。いい作戦名だ」
ティルピッツはポケットから懐中時計取り出して見ると、先程の好々爺の顔に戻り言った
「おおっと!いかんいかん!こんな時間か…。息子よ…忘れていたがお前に贈りたいものがあるのだ!付き合ってくれ!」
ティルピッツは立ち上がると扉の方に向かって歩き出した
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ティルピッツ元帥のの人間性のモデルとしたのはダンブルドア校長です
優しい時は優しく、軍人の時は軍人らしく
切り替えのあるスイッチのような人物です