群狼戦記〜ブリッツ・フリート〜   作:ヨシフ書記長

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やっと続きがかけました



帝都ベルン

クレッチマーは軍用列車の個室の中で揺られながら、帝都ベルンへと向かっていた

 

「ふぅ…帰ってきた途端、参謀本部に出頭かぁ…大変だなぁ…」

 

そう、頬を掻きながら、目の前の机の上に積み上げられた計画書の束を

一つ一つ目を通しながらそう呟いた。

 

「ふむふむ…新しいUボートの基地開発か…。デーニッツ准将も気の早いことを…」

 

クレッチマーは苦笑いを浮かべながら、その書類をテーブルの上に置いた。クレッチマーは少し座席にもたれかかると、壁にかけてある内線用受話器を手に取りこう言った

 

(はい?御用はなんでしょうか?)

「…給仕室か?済まないが紅茶を持ってきてくれ…」

(了解致しました!紅茶には何をお入れなさいますか?)

「あぁ…砂糖は入れないでくれ…。代わりにレモンを入れてな…後、レモンタルトも頼む」

(分かりました!すぐにそちらへお運びさせていただきます!)

「あぁ…頼んだよ…」

 

受話器を壁にかけると、クレッチマーは頭を掻きながら、壁に頭をぶつけて叫んだ

 

「何故、普通に喋れないかなぁ!」

 

そしてまた座席にもたれかかると呟いた

 

「あぁ…風呂に入りたい…。ここ数日シャワーすら浴びてない…カール軍港で浴びてくればよかった」

 

ボヤいていると、個室の扉がノックされた

 

「失礼します!ご注文の品をお届けに参りました」

「あぁ…待ってたよ」

 

クレッチマーは立ち上がると扉を開けて、トレーにのせられたものを受け取った。しかし、持ってきた給仕係はクレッチマーの姿を見て呆然としていた

 

「…何か?」

「いっいえ!ごゆっくりどうぞー…」

 

クレッチマーは上目遣いで給仕係を睨むと、給仕係は慌てて戻って行った。

クレッチマーは扉を閉めると、折りたたみテーブルの上にトレーを置き

ティーポットから紅茶をカップに注ぐと、鼻をくすぐる紅茶の芳醇な香りを楽しみながらカップに口をつけた。

 

「ふぅ…いい味だ…。潜水艦じゃあ…紅茶じゃなくあのクソ不味い代用珈琲だからなぁ…。タンポポで出来てるんだったかな?あの代用珈琲…」

 

クレッチマーは代用珈琲の味を少し思い出して、眉間にシワを寄せながら紅茶をすすった。そして、皿の上に置いてあるレモンタルトをフォークで切り分けると口に入れた…。

その瞬間、レモンの香りが口の中に広がり、甘酸っぱい風味が鼻を抜けた

 

「うんうん…やはり甘いものは良いな!こっちの世界に来てからどんな食べ物も美味しくなかったがやはり甘い物は安定だ!」

 

レモンタルトの味に顔をほころばすとまた紅茶をすすった。

そしてティーカップを置き、、クレッチマーはまた書類を読み出した…

 


 

クレッチマーは書類を読むのに没頭していると、軍用列車は帝都ベルンに到着した様で汽笛共にガタンっと揺れた。

 

「む?もう着いたか…」

 

そして、クレッチマーは軍用列車を降りると、人混みをかき分けながら進み駅から出た。

駅の前には海軍省の車が止まっており、クレッチマーはそれに乗り込むと、参謀本部へと車は走っていった

 

「すまないが…。運転手君…?参謀本部に着いたら、シャワーか何か浴びさせてくれないか?ここ数日潜水艦に乗っててな…。シャワーを暫く浴びてないんだ」

 

運転手は、バックミラーでクレッチマーを見ると、ニコッと笑いながら言った

 

「それは存じております。長官からの命令で参謀本部に着いたら、大浴場にお連れしてあげるようにと命令を受けております!」

「そうか!流石は長官閣下だ!」

 

運転手の言葉にクレッチマーは笑いながら、参謀本部へと向かって行った

 

 

 

 




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