カントーの波紋 この星の行方   作:切断厨

1 / 1
カントーの波紋 この星の行方

フライゴンが自宅のソファーに座りチョコレートをつまみながらテレビを見ている。


フライゴン「ふぇ......はっ......はくしょん!......風邪引いたかな? それとも誰かが噂しているのかな?」


そう言いながらティッシュで鼻をかむ。ふと後ろを見ると何故か窓ガラスが割れてしまっていた。


フライゴン「いつ割れたかな? もしかして泥棒? でも盗まれたものは無いし......その辺の子どもがボールとかぶつけちゃったんだろうね」


そのとき呼び鈴がなった。フライゴンは小走りで玄関へ向かう。


フライゴン「チルタリスかな? 今開けるよ!」


扉を開けるとそこにはメタグロスの姿が。


フライゴン「どちら様?」

メタグロス「......」

フライゴン「どうしたの?」

メタグロス「オマエハフライゴンカ?」

フライゴン「そうだけど?」


メタグロスはフライゴンにコメットパンチを繰り出すが外れる。


フライゴン「えっ......ちょ......ま......」

メタグロス「タオス」

フライゴン「状況がさっぱりわからないけどやるしかないか」


フライゴンのじしん。


フライゴン「効果は抜群!」

メタグロス「ヌルイ」

フライゴン「えっ?」(僕一匹で勝つのは難しそうだ。こんなときはこの技)

メタグロス「キゼツスルクライガマンシロ」


フライゴンがメタグロスより早く行動し突っ込む。
メタグロスは鋼の足に冷気を纏いフライゴンにれいとうパンチを繰り出したが......


メタグロス「フライゴンハドコダ? ニガシテシマッタカ」
         

チルタリスの家


チルタリス「フライゴンいらっしゃい。どうしたの?」

フライゴン「僕の家にポケモンが攻めてきたんだ。強すぎたからとんぼがえりで撤退してきた。一緒に戦ってくれない?」

チルタリス「え? なに?」


家の壁が破られメタグロスが現れる。


メタグロス「ミツケタゾフライゴン」

チルタリス「何よ! 勝手に私の家に入って!」

メタグロス「チルタリスカ」

チルタリス「え? 私?」

メタグロス「チルタリスモツカマエル」

フライゴン「そんなことさせない!」       
         
チルタリス「覚悟しなさい!」


フライゴンはじしんを、チルタリスはかえんほうしゃをメタグロスに放つ。


チルタリス「どんなもんよ!」

メタグロス「ナントヨワイチカラダ、コレデジャクテンカ」

チルタリス「効いてない!?」


メタグロスのれいとうパンチが決まりフライゴンが戦闘不能になってしまう。


チルタリス「そんな......フライゴン!」


チルタリスはコットンガードを発動。防御力をぐぐーんと上げる。


チルタリス(これでれいとうパンチを耐えて......その後は......)


メタグロスのれいとうパンチ、チルタリスは耐えきれずダウン。


チルタリス「なんて力なの......」


数時間後


フライゴンとチルタリスは漆黒に包まれた空間にいた。


フライゴン「うっ......むにゃ......ここは?」

チルタリス「大丈夫? どこかは私にもわからない。だけどどうやら移動しているようなんだよね......」

フライゴン「おのれメタグロス! どういう事情か知らないけど絶対に倒す!」

チルタリス「それにしてもここ本当に狭いよね......」

フライゴン「破壊出来ないかな?」

チルタリス「無理ね。さっきからやっていたんだけどてんで駄目だった」

フライゴン「そうだ、チルタリス確か冷凍ビーム覚えてたよね」

チルタリス「えっ? まあ一応あるけど......あれじゃ火力が足りなすぎる」

フライゴン「それでも構わない。とにかく壁に向かって撃って!」


その指示にしたがいチルタリスは壁に冷凍ビームを撃ち込む。壁が凍りつきはしたが破壊するには至らなかった。


フライゴン「いくよ、チルタリスは僕とタイミングを合わせてかえんほうしゃをお願い」

チルタリス「それで壊せるのね?」


フライゴンはストーンエッジを生成し飛ばした。チルタリスがそれにかえんほうしゃを発射し炎を纏った岩石が壁に衝突していく。


フライゴン「これでも厳しい......?」

チルタリス「でもこれで大分脆くなったはず! いくよ、フライゴン!」


更に威力を上げ攻撃を続ける二匹。その思いは形になり、とうとう壁を破壊することに成功した。


チルタリス「眩しい......」

フライゴン「やった! 外に出よう!」


二匹は見覚えの無い建物の中にいた。そして隣にはメタグロスが。


メタグロス「オマエタチ......! ダガモウイチドヒネリツブスマデ」

フライゴン「チルタリス、僕に掴まって」


そう告げるとフライゴンはメタグロスに蜻蛉返りで突っ込み逃げ出した。


建物の外


チルタリス「ふー。助かった! それにしてもここは何処なんだろ?」

フライゴン「すみませーん! ここは何処ですか?」

ウツボット「ここはクチバシティだ」

フライゴン「ありがとうございます」

ウツボット「いえいえ」

チルタリス「親切なポケモンもいるものね......それよりも......ここカントーなの!?」

フライゴン「そうみたいだね......海越えちゃったよ......」

フライゴン「取り合えずボーマンダに助けを求めようか。彼がいればメタグロスでも倒せるはず!」

チルタリス「そうね。あいつを倒さないとどこに逃げても追いかけてきそうだし」


──────────────────────


携帯電話を取り出したフライゴンはボーマンダと連絡を取りこれまでの経緯を説明した。ボーマンダはこれに快く承諾する。


ボーマンダ『だが少し時間がかかる。だから俺が来るまではなんとか持ちこたえていてくれ』

フライゴン『わかった。ありがとう!』


電話を切る。


メタグロス「ミツケタゾ」

フライゴン「メタグロス......! もう見つかってしまったか......」


フライゴンが地震を放つが耐えられる。
メタグロスは高速移動を発動し、素早さがぐーんと上がった。


メタグロス「ニガサンゾ」


そこから繰り出された思念の頭突きはフライゴンを怯ませるには充分だった。そしてフライゴンが気づいたときには......


フライゴン「メタグロスがいない? チルタリス、大丈夫?......」


チルタリスの姿が見えなくなっていた。


フライゴン(どう考えてもこれは罠......チルタリスを餌に僕も捕まえるつもりだろう......)

フライゴン(ボーマンダの到着を待とうか? いやチルタリスの安否に関わってくるか......アイツが何故僕をつけ狙っているのかがわからない以上危険すぎる......)

フライゴン(ひとまずポケセンで体力を回復しつつ作戦を練ろう)


──────────────────────


ホウエン地方


ボーマンダが携帯片手にキョロキョロしながら飛行している。暫くすると何かを発見できたのかその場に降りた。


チルタリスの家の前


ピカチュウ「どうやら留守のようだな......」

ボーマンダ「久しぶりだな、ピカチュウ」

ピカチュウ「何故貴様がここに? それとチルタリスはどこに行った?」

ボーマンダ「チルタリスとフライゴンは今カントーのクチバシティにいる。ポケモンに誘拐されてな」

ピカチュウ「誘拐だと? それで貴様は助けにいかないのか?」

ボーマンダ「勿論今から行くつもりさ。だがここで巡りあったのも何かの縁。協力してくれんか?」

ピカチュウ「俺が敵である貴様の指図を受けるだと?」

ボーマンダ「お前はチルタリスとの再戦を望んでいたよな......だがここであいつが死ねば永遠にその約束は果たされないまま......それにお前がフライゴンに対する好意を失っているとはとても思えない......」

ピカチュウ「......」

ボーマンダ「これまで必死に修行をしてきたんだろ? それを無駄にするつもりか?」

ピカチュウ「...... た......」

ボーマンダ「?」

ピカチュウ「わかった。俺も行こう」

ボーマンダ「そうか、ならば俺に乗れ。振り落とされないようにしっかり掴まっておけ!」


ボーマンダがピカチュウを背に乗せクチバへ飛び立つ。


ボーマンダ(馬鹿め......ここで会ったのは偶然なんかじゃない。こいつも我々のコレクションに加えるには充分だ)


──────────────────────


クチバシティ


体力を回復させたフライゴンは一目散に先程の建物に戻る。そこにはメタグロスと新手のポケモン、ウツボットの姿があった。


クチバビル一階


ウツボット「お前を倒す!」

フライゴン「ちょっと......何のつもりなの!?」


ウツボットのリーフブレードとフライゴンの炎のパンチが激突。その力はほぼ互角で、何度も打ち合ったが決着はつかない。
      

メタグロス「ウツボット、オマエデハソイツニカツノハムズカシイダロウ。ゲボクヨアイツヲコウゲキセヨ」

フライゴン「下僕?」


奥から姿を現したのは裏世界の探偵のジュカインとそれに同行していたリザードンだった。


ジュカイン「了解しました。ウツボット様」

リザードン「いくぞ! フライゴン!」

ウツボット「これで4体1。奴を捕まえろ!」

フライゴン「そんな......」

フライゴン「でも僕はこんなところで負けるわけにはいかない! チルタリスを助けるんだ!」


フライゴンは鬼神の如く奮戦するが数の差を埋めることは出来ず次第に劣勢になっていく。それでも必死に立ち向かうがリザードンのかえんほうしゃ、ウツボットのリーフブレード、ジュカインのソーラービーム、メタグロスのコメットパンチを受けて、倒れてしまった。


フライゴン「はぁ......はぁ......」(このままじゃ......死ぬ!)

チルタリス「大丈夫ですか? 助けに来ました!」

フライゴン「チ......チルタリス! そっちこそ大丈夫なの?」

ウツボット「こっちは問題ない。洗脳は済んだのかチルタリス」

チルタリス「はい! 私これからはここのため身を粉にして働きます!」

フライゴン「チルタリス......そんな......嘘だ......嘘だ......」

フライゴン「嘘だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


フライゴンは現実を受け止められず絶叫した。だがこの叫びは新たな技・爆音波となり周りのポケモン達を襲う。

         
ウツボット「音技だと!? まずい......」

ウツボット(リザードン、ジュカイン、チルタリスは体内に埋め込んだ特殊な機械と対応するメガストーンで操っているが......その機械は非常にデリケートな作りになっている)

ウツボット(通常ならば先に本体が駄目になるが音技の場合は違う! 機械に直接技が伝わってしまう!)

ウツボット(だが......こっちにはメタグロスと......あいつと......まもなく来るあいつと......ボスがいる。まだ負けた訳じゃない)

フライゴン(これは新技? まさかあのとき窓ガラスが割れていたのはくしゃみの際に爆音波を発動してしまっていたからなのか?)

リザードン「あれ? 俺は何を......」

ジュカイン「不覚をとったか......」

チルタリス「ここどこ?」

リザードン「おいウツボット! 世界をお前らの物なんかにさせないからな!」

ウツボット「そうか。なら止めてみよ」

チルタリス「一連の事件の黒幕はあんたね!」

ウツボット「そう思っていろ......改造されていないお前らなど恐れるに足らない」

ウツボット「私は最上階にいく。用があるなら遠慮せずこい」

フライゴン「ここを通すと思う?」

ウツボット「それで?」


一瞬にしてウツボットの姿が消え去った。


メタグロス「イヤチガウ。ウツボットガシュンカンイドウシタノダ。キサマラハワタシガコロシテヤロウ!」

リザードン「ここは俺が引き受ける! お前らは最上階にさっさと向かえ!」

フライゴン「大丈夫なの?」

リザードン「相性は有利......最低限足止めにはなれる......」

ジュカイン「任せたぞ......リザードン...... 」

リザードン「さて、ぱぱっと倒すか。メタグロス!」

メタグロス「ミノホドシラズガ」


二階


フライゴン「それにしてもどうしてジュカインがここに?」

ジュカイン「俺はずっとあの事件謎を追っていた。その結果ここを突き止め忍び込んだんだがメタグロスにやられた......そのあと操られていたようで記憶はない」

チルタリス「そんな......」

ジュカイン「!」
       

ジュカインがきあいだまをチルタリスの足下に放つ。      


チルタリス「え!? 何!?」

フライゴン「罠か!」

ジュカイン「見た目はショボいが喰らったら死んでいたな......」


三階


三匹が階段を登るとそこにいたのはガブリアス。どうやら待ち伏せしていたようだ


ガブリアス「よくここまで来たわね! でもあたいに敵うはずはない! 逃げるなら今のうちよ!」

ジュカイン「フライゴン、チルタリスお前たちは先に行ってくれ。あとで合流しよう」

フライゴン「わかった! 必ず来てよね」

ジュカイン「ああ、約束する」

ガブリアス「まずは一匹......」

ジュカイン「それは俺の台詞だ。改めて聞く、逃げるなら今のうちだ!」

ガブリアス「あたいを怒らせて生きて帰れると思わないでね!」


四階


フライゴン「罠だ!」
       
チルタリス「こっちも!」


二匹は技を繰り出して罠を破壊し、安全に進んでいる。
        

フライゴン「ふー。そろそろ最上階かな?」

  
ガラスが割れる大きな音が辺りに轟く。二匹は驚くが、そこにいたのはボーマンダとピカチュウだった。



ボーマンダ「すまん遅くなった。まさか本当にここに来るとはな!」

チルタリス「助けてくれるのね。ありがとう」

ピカチュウ「勘違いするな。俺は貴様らに死なれては困るだけ」

フライゴン「ピカチュウ......」

フライゴン「ボーマンダありがとう! これでもう百ポケ力だよ!」

チルタリス「頼もしいね!」

フライゴン「ところでどうやってここを? ここら辺のビルをしらみつぶししたとか?」

ボーマンダ「そんなことする必要はないさ。ここは俺たちのアジトだからな」

チルタリス「え?」

ボーマンダ「計画の邪魔は排除するのみ。ここで死ね!」


本性を現したボーマンダとそれに困惑する一同。


フライゴン「そんな......じゃあなぜ前に助けてくれたの? 同士討ちだったってこと?」

ボーマンダ「ピカチュウとリザードンは改造のデータを集めるために利用したまでだ。だからほんの数日しかもたず、俺やメタグロスやウツボットより弱い改造しか施していなかった」

ボーマンダ「だが奴等は得た力を使い暴れまわった。だから改造がおおっぴらになることを防ぐため協力したまでだ。それにグラードンを勝手に持ち出したしな」

ボーマンダ「そういえばジュカインは何故俺がグラードンの位置を特定出来たか不思議がっていたが、俺はピカチュウ、リザードンが何処にいるか常に解るんだよ。改造した際に奴等に埋め込んだ極小の機械を通してな」

ピカチュウ「貴様......何故俺を改造の実験体に選んだんだ?」

ボーマンダ「選んだんだ? 違うな、誰でもよかった。それでたまたまお前になっただけだ」

フライゴン「どうしてメタグロスは僕を狙っているんだ?」

ボーマンダ「戦力増強のためだ。皮肉にもあのときの事件はお前らの強さを見せつけられる結果になった。ならお前らを仲間にすれば更に繁栄出来ると踏んだからだ」

ボーマンダ「メタグロスが手荒なことをしたことは謝る。一緒に来ないか?」

フライゴン「嫌だね! あんな奴等がいるところになんて来たくない」

ボーマンダ「なら力づくで従わせるとしよう......」

ボーマンダ「俺の新たな力......見せてやる」


ボーマンダはメガシンカをした。その威圧感に圧倒される一同。


チルタリス「あれからメガストーンをゲットしたのね」

フライゴン「ボーマンダ......」

メガボーマンダ「くたばれフライゴン、チルタリス、ピカチュウ!」


メガボーマンダは圧倒的な素早さでチルタリスに近づき捨て身タックルを浴びせる。更にピカチュウにハイパーボイスを振り向き様に喰らわせた。フライゴンのドラゴンダイブをかわしこれもハイパーボイスで制圧。


フライゴン「強い......僕は上、チルタリスは下......それで仕留めよう......」

チルタリス「わかったわ!」

メガボーマンダ「作戦でも決まったのか?」

チルタリス「いくわよ!」

メガボーマンダ(正面から突っ込んできた......囮か?)


チルタリスは真っ直ぐメガボーマンダに向かって飛行し、冷凍ビームを発射。


メガボーマンダ「そんな素早さでは俺をとらえるのは不可能だ!」


冷凍ビームは紙一重で当たらなかった。だがそれも計算の内、フライゴンはメガボーマンダの上を取るとそこからありったけのパワーを込めて流星群をぶっぱなす。しかし......


メガボーマンダ「当たらねえよ! まずは一匹」


捨て身タックルがチルタリスに直撃。スカイスキンで強化されたそれはチルタリスに大ダメージを与えた。


フライゴン「チルタリス!」

ピカチュウ「貴様!」

チルタリス「はぁ......はぁ......」

メガボーマンダ「次はお前だフライゴン!」

フライゴン「ボーマンダ・・よくも・・よくも・・チルタリスを・・」

ボーマンダ「すぐに貴様もチルタリスに会わせてやる!」         
      
フライゴン「負けるもんか!」

      
メガボーマンダのスカイスキン捨て身タックルとフライゴンの渾身のドラゴンダイブが激突。両者一歩も譲ることの無い意地と意地がぶつかり合う。


メガボーマンダ「無駄だ!」


メガボーマンダは更に力を込めた。それに為すすべなくフライゴンは吹き飛ばされてしまった。


フライゴン「がはっ......」

メガボーマンダ「これでわかっただろ。自分達の力のなさを。改造によりこの世界を支配する! そしてウツボットも最終的に殺しこの世をすべて俺のものにする!」

メガボーマンダ「死ねええええええ!!!!」

      
破壊光線を放ったメガボーマンダ。そのパワーは辺り一面を凪ぎ払い、その爆音は建物内全てに響き渡る。


一階


メタグロス「ナ・・ナンダ コノオトハ?」

リザードン「隙を見せたな......!」


リザードンは特性猛火を発動させたオーバーヒートを撃った。その軌道はメタグロス本体ではなく足下に逸れ、地面をドロドロと融かしていく。

        
リザードン「かかったなメタグロス!」

メタグロス「クッ......ウゴケナイ......」

リザードン「俺の火力ではお前を倒すことはできないが柔らかい地面に押し込むことはたやすい!」

メタグロス「マテ!! ヤメロオオオオオオオ!!」


炎を纏い天高く舞い上がるリザードンは加速をつけ、メタグロスに向かってフレアドライブを発動した。


メタグロス「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


フレアドライブの衝撃でメタグロスは柔らかくなった地面に押し込まれていく。


リザードン「楽勝!......」

リザードン「ここ......まで......か......」


力尽きその場に倒れてしまうリザードン。


二階


ガブリアス「なぜ改造されていないのにあたいと互角に戦える?」

ジュカイン「踏んだ場数の違いだろうな。はっきり言って単純な戦闘力はお前の勝ちだろう」

ジュカイン「最後にもう一度聞く。逃げるなら今のうちだ。」

ガブリアス「でも! あたいには使命がある! たとえ勝てなくても最後まで戦い抜いてみせる!」

ジュカイン「そうか。いい言葉だ」


ジュカイン渾身のリーフストームがガブリアスに命中した。耐えきれず壁を突き破り、地面に落下する。
        

ジュカイン「さっきの爆音が気になる......急がねば!」


三階


メガボーマンダ「バカなやつだ」

フライゴン「そんな......僕を庇って......」

チルタリス「はぁ......はぁ......いい? 今ボーマンダは反動で動けないはず。チャンスはこの一瞬よ!......」

ピカチュウ「そうゆうことか......まさか貴様に借りを作るとはな......」

フライゴン「いくよ、ピカチュウ!」


ピカチュウはフライゴンの背中に乗ると電気を体に纏いボルテッカーの準備を開始する。フライゴンはメガボーマンダに勢いよく突撃の体勢に。


メガボーマンダ「しまった......反動が!」

ピカチュウ「くたばれ!」

フライゴン「......そこだ」


ドラゴンダイブとボルテッカーの合体技・雷龍潜が動けないメガボーマンダに炸裂。その威力は凄まじく、衝撃で周りも破壊され破壊光線を越える轟音が響き渡った。


ボーマンダ「いつの間に......こんな......力をつけやがったんだ......」

フライゴン「......」

ボーマンダ「やるな......」


その言葉を最後にボーマンダの声が途切れた。


フライゴン「......」

チルタリス「フライゴン......やったね......」

フライゴン「ごめんチルタリス......もし僕があのとき君の家に逃げなかったら......」

チルタリス「過ぎたことを考えるのはやめよう? 今のこと、どうやって倒すかだけを考えよう?」

フライゴン「そうだね、ごめん」

ピカチュウ「......」(チルタリスめ......必ず貴様を倒してフライゴンを手にいれてやる!)


階段の方から大きな足音が鳴る。ジュカインが走って駆けつけたようだ。


ジュカイン「大丈夫か?」

フライゴン「何とかね......」

ジュカイン「そこにいるのはピカチュウ!? 何故お前がここにいる?」

ピカチュウ「貴様に語る気はない。ともかくここは一時休戦と行こうぜ。今ここにいる奴等は全員理由はどうあれこの組織の奴等をぶっ殺したいと思っているだろ? 利害の一致だな」

ジュカイン「いいだろう......」

フライゴン「でも最上階まではまだまだかな......」

ウツボット「その必要はない」


そこに現れたのはウツボットと5匹のスピアー。更に奥にもポケモンの姿がうかがえる。


ピカチュウ「お前がボスか?」

ウツボット「いや、俺ではない」

フライゴン「最上階で待っているんじゃなかったの?」

ウツボット「貴様らは俺の想像より遥かに強力だった......だからこれ以上犠牲を増やさぬようここでなぶり殺す」

ウツボット「そしてこいつが改造のデータを結集して作られたポケモン......マギアナ。かつてピカチュウに一度奪われたグラードン、そして最強の我らがボス、カイオーガ様だ!」

チルタリス「マギアナにグラードンにカイオーガ......」

ウツボット「まずは......行け! スピアー」

スピアーs「了解、ウツボット」

ジュカイン「っち......」


襲いかかるスピアーの群れ。しかしそれは死角からの大文字で燃やし尽くされた。


スピアーs「ぎゃあーー!」

ピカチュウ「リザードンもいたのか......」

リザードン「久し振りだな、ピカチュウ」

フライゴン「生きててよかった......」

ジュカイン「スピアーがやられたからこれで敵は四体、対してこちらは五匹......戦況はこちらに傾いている! 俺がカイオーガと交戦する、リザードンはマギアナを頼む、フライゴンはグラードンを」

ピカチュウ「じゃあ残りの二匹でウツボットか?」

ジュカイン「そうだ。一番弱そうな奴を先に倒す」 

ウツボット「私を倒せるかな? その傷ついた身体で」

ピカチュウ「当たり前だ!」

チルタリス「いくわよ!」


チルタリスはかえんほうしゃ、ピカチュウは10万ボルトをそれぞれ繰り出した。それらを喰らい苦しむウツボット。


ウツボット「何故だ? 貴様らは全員傷つき、疲れはてているはず!」

ピカチュウ「知るかそんなこと! ムカつくからぶん殴る、それだけだ!」

チルタリス「そうね。私も自宅の壁を壊されて、ここに連れてこられて、頭に来てるんだから」

ウツボット「おのれ......仕方がない、逃げる!」

チルタリス「そうはさせるか!」


チルタリスの全身が光に包まれる。直後眩く閃光は背を見せているウツボットを貫いた。


ウツボット「あっ......」


何かを言い残すことも出来ずウツボットは倒れた。


ピカチュウ「ゴッドバード!? こいつめ......さらに腕を上げやがってる」

チルタリス「うっ......」


これまでの疲れからかチルタリスは力なく横たわった。


ピカチュウ「さて、これで残りは三体......」


一方......


マギアナ「・・」

リザードン「何て強さだ......」


ゲンシカイオーガ「わらわには勝てん」

ジュカイン「はぁ......はぁ......」


グラードン「ぐゅららら!」

フライゴン「強い......!」

ピカチュウ「あれを使え......そうすれば勝てるはずだ」

フライゴン「......でもあの技は......」

ピカチュウ「この状況じゃもうあれに頼る他ない......幸い奴等は飛行タイプでも浮遊でも無さそうだしな」

リザードン「何をする気かは知らんが俺たちで時間を稼ぐ! その隙にやれ!」

フライゴン「ありがとうみんな! 必ず当ててみせる!」

ジュカイン「できればこの技は使いたくなかったが......そうもいってられん」

    
ジュカインのハードプラントがゲンシカイオーガに詰め寄る。
しおふきの圧倒的な火力に押されるも後退することはない。


ゲンシカイオーガ「よもやうぬがここまで出来るとは想定しておらんかったわい」

ジュカイン「皮肉にしか聴こえないな......」


リザードン「こいつを使うのはこれで最後にしたいぜ!」


ブラストバーンを撃ち込むリザードン。


マギアナ「ピピピ・・フルールカノン・・」


マギアナの右腕から放たれた禍々しい光の束はブラストバーンに一歩も引けをとらず、拮抗状態になる。


リザードン「くっ......何て威力だ......」


フライゴン「今? いや......今じゃかわされる......」

ピカチュウ「グラードンは俺が気を向けさせる。お前はその技を当てることに全てを注げ!」

フライゴン「わかった......」

リザードン「うぐぅ......」

ジュカイン「もたん......」

ピカチュウ「あっ......」


ピカチュウはでんこうせっかでグラードンのだんがいのつるぎを紙一重でかわしつつ注意を引いていたが、一発の剣が命中してしまった。


フライゴン「ここだ!!」


地面に拳を叩きつけるとそこから溝が発生し広がっていった。
フライゴンの地割れはグラードン、マギアナ、ゲンシカイオーガを飲み込んでいく。


フライゴン「き.....決まった......」

リザードン「地割れか......」

ジュカイン「だが......ここは四階......下の階に落ちただけでは?」

フライゴン「大丈夫! ちょうど真下に位置するところも地割れを発動させたから......」

ピカチュウ「だからあれほどの集中力と大規模な囮が必要だったのさ」

ジュカイン「ほら行くぞウツボット! ん?そこかガブリアス。ボーマンダはえぇっと......いくぞたて! メタグロスはいないな......スピアーども!」


警察につき出すためにポケモンを片っ端から連れ出そうとしているが悪戦苦闘。


リザードン「やつも大変だな」

フライゴン「じゃあ僕はいくよ」

ピカチュウ「そうだな! 折角だし乗せろ」

フライゴン「トホホ......」

チルタリス「誰か私を運んでくれない? 自力じゃ帰れそうにない」

リザードン「しょうがないな。このあと特にやることもないしホウエンに俺もいくぜ。ついでにチルタリスも運んでやるよ」

チルタリス「ワーイ!」

フライゴン「ありがとう! じゃあ頼むよ」

ピカチュウ「いざ、ホウエンヘ!」


おしまい



フライゴン編はこれで完結です。ご観覧ありがとうございました。






※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。