雪兎がお説教です。
今度、アムドラ編に関するアンケートを活動報告に上げるのでご協力をお願いします。
雪兎達が水路を進行している頃、パフ達は水路の出口の広場に待機していた。そこでセラは改めてパフの真意を問う。
「パフ」
「何?」
「兄が今生きていたら私達をどう思うだろう?」
「どうって?」
「バグシーンの真実を何か知りたがっていた兄は」
セラの実の兄・ジョナサン=メイナードはバグシーンの真実を求め、バグエリアと呼ばれるバグシーンの拠点と思われる場所に単身で侵入した。
「バグシーンはウィルコットが操っていたものよ」
だが、ジョナサンはおそらくバグシーンが人工的に産み出された存在であると知ったが為に行方不明となり、その後、遺体として発見された。
「そう、それはそうかもしれない。でも・・・・」
「でも、何?」
「私は真実が知りたい」
セラはジェナスと共にファーストアムドライバー・ガン=ザルディに会い、そして、バグシーンとアムドライバーの真実を知った。
「真実?・・・・セラ、何か知っているの?」
「言えない、でも」
「何?」
「パフは何かを信じてる?誰かを信じてる?」
「なんですって?」
「少なくとも私は、いえ、私達は誰の命令も聞かず、自分で考え、自分達で判断して行動している」
これはピュアアムドライバーと呼ばれている全員に言える事だ。
「何を言い出すの?」
何故セラがこんな話をするのか、パフには分からなかった。
「なら、何故ここにきたの?」
「それは・・・・」
「私を信じてくれたからじゃないの?」
パフはずっとそう思っていた。
「パフ、パフみたいな人がどうして?」
だが、いくら命を救われたからといえどセラはやはりパフがJAに身を寄せている事が納得出来なかった。
「貴女の、大切なジョナサンの妹。だから私にとっても妹と同じ」
「分かってるよ、パフの気持ちは、でも!」
セラもパフの事は姉のように慕っていた。だからこそパフには戻ってきて欲しかったのだ。
『パフ!ロシェット達が抜かれたわ!』
その時、通信でキャシーのヒステリックな叫び声が聞こえた。どうやらロシェット達が雪兎達にやられたようだ。
「了解、こちらで対処するわ」
元々、ロシェット達に期待していなかったパフはすぐに臨戦態勢を取る。
「どう思っているかしら、兄さんは」
「えっ?」
(でも・・・・でも、私は・・・・)
そこでセラが思い返したのは今までジェナス達と過ごしてきた日々だ。
(私は・・・・)
その時、雪兎達が水路を抜けパフ達の前に姿を現す。パフはすぐさま気持ちを切り替えジェナス達に銃口を向ける。
「ジェナ!ラグ!」
「その声はセラ!?」
「何!?」
「そういうことだったのね」
そこでパフは侵入者がジェナス達だと知る。そして、パフはジェナス達を射とうとするが、それをセラが阻む。
「射つなら私を先に射って!」
「セラ!?」
これにはパフも動揺を隠せない。だが、ここで空気を読まない男が一人。
「あ~、お取り込み中悪いんだけどさ、射たないんならこっちが射つぜ?パフ=シャイニン」
いつの間にか【NJ:ネオイェーガー】を纏い、バスターライフル改を改修したネオバスターライフルをパフ達に向けていた。しかもチューブを接続しチャージ済みだ。
「こ、この熱量・・・・ストームバイザーの比じゃない!?」
「俺としてはその銃を下げて欲しいところだが、やるってんなら容赦しねぇぜ?」
「・・・・わかったわ」
少し考えはしたが、パフはストームバイザーのライフルを下げる。
「パフ・・・・」
パフと戦わずに済んだ為、セラは安堵の息を吐くが、雪兎はまだネオバスターライフルを構えたままだ。
「そいつは良かった・・・・そういや、この水路ってもう使われてないんだよな?」
「え、ええ、それがどうかしたの?」
「なら、ぶっ壊しても問題無いよな?」
そう言って雪兎はネオバスターライフルを水路の出口に向ける。
「待て~!!」
そこに態勢を立て直したロシェット達が水路を通って追ってきていた。
「あっ、ロシェット・・・・」
その時、ジェナス達はこの後の展開が読めたのか、ロシェット達に同情した。そして合掌した。
「Fire♪」
雪兎が笑顔で放ったネオバスターライフルは無情にも逃げ場の無い水路にいたロシェット達を襲う。
「「「えっ?」」」
「お前らもやろうとしてた事だ。俺らの代わりにお前らが食らっとけ」
「「「ぎゃあああああ!!」」」
更にネオバスターライフルの威力に水路が持たず崩落、ロシェット達はそのまま生き埋めにされるのだった。
「ロシェ、今回ばかりは俺もお前の事を咬ませ犬と呼ばれても擁護出来ない・・・・」
「雪兎にかかれば完全に落ち要員だな、アイツら・・・・」
「踏み台か?踏み台だな!踏み台乙!」
「ほんと容赦ねぇな、アイツ・・・・」
上からシーン、ラグナ、タクト、ダークのコメントである。
「・・・・彼、いつもあんな感じなの?」
「うん」
「敵対すると情け容赦無しにボコボコにされて・・・・何故かギャグになるんだよなぁ。この前もクレイモア仕掛けてきたんだが、逆にロシェットがそこに落とされて自爆してたし」
「「うわぁ・・・・」」
「敵対しなくて正解だったな」
こちらは上からパフ、セラ、ジェナス、ジュリとジュネ、合流したジャックだ。
「あ~、あのロシェットってやつ見ててなんか懐かしくなったと思ったら、いつぞやのワルガキそっくりだからか!特に性格が」
※ワルガキ→三章一話で話題になった『雪兎の顔面にウシガエルをくっつけ、お返しに全裸で縛られ赤ペンキまみれで吊るされた』やつ。これに懲りずに何度か雪兎に突っ掛かったある意味で
その後、セラの説得で協力してくれる事になったパフ達を交えてシシー救出の為の作戦会議をしていると、雪兎に通信が入る。
『・・・・あの、兄さん』
「マドカ、お説教は帰ってきてからだ。で、勿論何か成果はあったんだろうな?」
その時、雪兎は初対面のパフ達から見ても明らかにキレていた。
『は、はい!シシー・クロフトの身柄を確保し、蘭と三人でミュネーゼ市街にて潜伏中です!』
だが、マドカはちゃんと成果を上げていた。予想以上に良い成果を。
『しかも、ニルギースが言っていた協力者はどうやら彼女の様です』
「「「「な、何だってぇえええええ!?」」」」
聞けば、蘭がシシーと仲良くなり、ガン=ザルディの話題を出したところ、彼女はゼアムのピースを持っていた協力者からその一片を預かったのだとか。キャシーはジェナス達を誘き出す餌としてしか見ていなかった為バレずに済んだそうな。
「どのみちシシーは救出する必要があったって訳か・・・・まあいい、身柄を確保しているんだったら話は早い。こっちから迎えを出すからそのまま待機してろ」
『はい』
「今回の活躍に免じてお説教は一時間で勘弁してやる」
((((それでも一時間なんだ・・・・))))
そして、パフの協力でミュネーゼ市街に入りマドカ達と合流するという作戦でいく事になった。
「・・・・何?シシーに逃げられた!?何をやっているの!!あ~!!ロシェット達とも連絡は途絶えたままだし!パフ達は裏切るし!どうして私の思い通りにならないのよぉ!!」
その頃、シシーに逃げられたと知ったキャシーは悔しそうにハンカチを噛みながらシシー捜索の指揮を取るのだった。
マドカが順調に雪兎色に染まってます。
そして、今回も蘭がファインプレーして色々前倒します。
次回予告
シシーを救出したマドカと蘭に合流すべくミュネーゼ市街に潜入する雪兎達。合流後、ミュネーゼに残れないと知ったシシーはしばしのお別れとピースと一緒に協力者から預かった物を受け取るべく孤児の保護施設に向かい・・・・
次回
「潜入、ミュネーゼ・タウン 兎、キャシーをおちょくる」」