IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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早速雪兎とジョイがやらかします。
そして、ロシェットはISでのオータムポジションに・・・・つまり、咬ませ犬。


83話 ネオアムジャケットと新たなる力 兎、ジョイとやらかす

プロメテウスを格納したフライング・ラビットで(一応目立たないように陸路で)ミュネーゼ・タウンを目指すジェナス達ピュアアムドライバーと雪兎達ISチーム。そんな中、雪兎とジョイの二人はあるものを弄っていた。

 

「ガン=ザルディの使っていたアムジャケット、ネオアムジャケットか・・・・コイツをジェナス用に?」

 

「はいッス。戦闘スタイルもジェナスと似てたみたいッスから。それにダークさん達が託されたのはジェナスだからって・・・・」

 

「なるほどな。よし、俺で良ければ手を貸そう。こんな面白そうなもん手を出さずにいられるか」

 

「雪兎ならそう言ってくれると思ってたッスよ」

 

「「ふっふっふっふっふ・・・・」」

 

この二人、似たもの同士のようでお互いに出会った瞬間に自分と同類と直感したんだとか・・・・

こうしてガン=ザルディのネオアムジャケットは雪兎とジョイの手でジェナス用に魔改造されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、他の面々は・・・・

 

「へぇ、ジェナス達は私達より年下なのね」

 

「ワァオ、年上だったのかよ!?」

 

意外にもジェナス達は十四歳、シーンやジョイは十七歳と若いことに鈴達は驚くが、ラグナもまさか年上とは思っていなかったのか驚いていた。

 

「セラさんはマドカや私と同い年なんだ」

 

「うん」

 

「じゃあ、セラって呼んでも?」

 

「いいよ。私も蘭、マドカって呼んでもいい?」

 

「ああ、よろしく頼む、セラ」

 

「よろしくね、セラ」

 

同い年の蘭、マドカ、セラは早速仲良くなったようだ。

 

「で、次に向かうミュネーゼ・タウンってJAとかいう連中の拠点なんだろ?どうやって潜り込むんだ?」

 

「ニルギースが言うには俺達が陽動を仕掛けて、その間にピースに関しての情報を持ってるっていう工作員と接触するんだとさ」

 

一夏の質問にシーンが答える。だが、どうもシーンはダークと同様にニルギースを信用していないらしい。

 

「ふーん・・・・ところで、雪兎とジョイは?」

 

「何かガン=ザルディのジャケットがどうとか言ってたな・・・・」

 

「それ、絶対に改造・・・・ううん、魔改造されてるよ」

 

「魔改造って・・・・ジョイならやりかねないな」

 

シャルロットの言葉をジェナスは否定する事が出来なかった。むしろ、絶対にやっていそうな気すらする。

 

「雪兎もジョイと同類か」

 

「お互いに別系統の技術を持ってるからな・・・・混ざってとんでもない装備になってたりしてな」

 

「そんなまさか・・・・」

 

「「「「・・・・」」」」

 

ダークが冗談混じりに呟いた言葉だが、誰も否定する言葉を告げれない。それだけあの二人はやらかす実績があったのだ。

 

「敵の本拠地を攻めるんだ。戦力が向上する事に何の問題がある?」

 

ニルギースはそう言うが、問題はそこではないのだ。だが、ニルギースがそれに気付くのはもう少しだけ後になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミュネーゼ・タウンが目前に迫ってきた頃、雪兎とジョイはジェナス用に魔改造されたネオアムジャケットを完成させてしまっていた。

 

「ネオアムジャケット、中々の強敵だったが・・・・」

 

「僕らの敵じゃなかったッスね」

 

この二人、一体何と戦っていたのだろうか?

 

「完成したのか?」

 

丁度そこにジェナスがやってくる。

 

「ああ、俺の持つ技術とジョイの持つ技術を複合して改修したネオアムジャケット。コイツなら今までのアムドライバーやバグシーンなんぞバイザー無しで蹴散らせるぜ」

 

「そうッスよ!IS由来の拡張領域にネオアムジャケットのチューブチャージシステムを組み合わせた現在僕らが作れる最高のアムジャケットッス」

 

なんとこの二人、ネオアムジャケットをジェナス用にチューンするのに加えてISの技術を融合させ更なる改修まで施していたのだ。

 

「ついでにもう一つ一から作れたしな!」

 

「雪兎が手伝ってくれたおかげで時間に余裕が出来たッスからね!」

 

更にこの二人は本来ならもう少し先に登場する筈のラグナ用のネオアムジャケットまで完成させていた。

 

「・・・・やっぱりやらかしてたよ」

 

心配になって見に来たシャルロットも流石に呆れている。

 

「おーい、ニルギースの野郎が呼んでるぜって、なんじゃこりゃ!?」

 

「ん?新しいお前とジェナスのアムジャケットだが?」

 

「おいおい、マジでとんでもないことなってんじゃんか!」

 

こうしてネオアムジャケット二つが原作より早く誕生しミュネーゼ・タウン攻略が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新しいアムジャケットの調子はどうだ?ジェナス、ラグナ」

 

「ああ、問題無い。今までとは完全に別物みたいだ」

 

「こっちもノープロブレムだぜ」

 

新しいアムジャケットのテストも兼ねて先行偵察に出る事になった雪兎、ジェナス、ラグナ、シーンの四人。雪兎はネオアムジャケットの機能確認として同行している。

 

「この調子なら全員が新型になるのも時間の問題だな・・・・」

 

「っ!全員散開!おいでなすったぞ」

 

そんな話をしていた時、雪兎達目掛けて突如ビーム砲による襲撃が起きた。

 

「へぇ~、今のを回避するなんてやるね。流石はシーン」

 

「見慣れない奴もいるが他のアムドライバーはジェナスとラグナか」

 

「その声は!?」

 

「ま、まさか!?」

 

「ロシェ、KKか・・・・」

 

襲撃してきた者達の声を聞き、ジェナス達はその正体がかつてシーンとユニット(チーム)を組んでいたロシェット=キッスとKKことクック=カーランドである事に気付いた。

 

「久しぶりだね、シーン」

 

すると、ロシェット達はヘルメットを外し、その素顔を現す。更に二人と一緒に現れたのはガン=ザルディの隠れ家で遭遇したJAのシャドー=エーリックだった。

 

「寝返っていたのか、JAに」

 

「シーンこそ、ジェナスの子分か?」

 

「何っ!」

 

「お前達、俺達を倒すつもりか?」

 

シーンがそう訊ねると三人はヘルメットを着け襲いかかってくる。

 

「ふふっ!」

 

「させるか!」

 

真っ先に飛び出してきたロシェットをシーンはエッジバイザーをブリガンディ・モードへと変形させ迎え撃つ。しかし・・・・

 

「いくよ!」

 

「ぐぁああああ!!」

 

シーンの攻撃をものともしないロシェットはシーンにボディブローを叩き込み崖の壁まで吹き飛ばす。

 

「シーン!」

 

「行かせるか!」

 

吹き飛ばされたシーンに駆け寄ろうとするジェナスだが、そんな事を敵が許す訳が無く、KKは二本のガンサイズを合体させたドレッドアーバレストでジェナスを狙うが・・・・

 

「そっちこそ、やらせねぇよ!」

 

雪兎が【F:フォートレス】を展開し、大型シールドビット・アイギスでそれを防ぐとお返しにとばかりに大型バズーカ・グランドスラムを放つ。

 

「ぐっ!?」

 

KKは直撃こそ避けたものの、グランドスラムの放った一二○㎜弾の衝撃で仕切り直しを余儀なくされる。

 

「ナイス、雪兎!こっちもいくぜ!」

 

「何っ!?こいつら俺にダメージを!?」

 

ラグナもエーリックに向けてアサルトガンで攻撃を仕掛けダメージを与える。

 

「大丈夫か!シーン」

 

「ああ、だが、どういうことだ?まるでパワーが違う」

 

「そりゃそうだろ。アイツらのアムジャケット、ネオアムジャケットだ」

 

「何だって!?」

 

そう、彼らが纏っているアムジャケットはJAによって作られたネオアムジャケットだったのだ。

 

「今まともアイツらとやれんのはジェナスとラグナ、それと俺くらいだろう。いくらシーンが強かろうと装備性能が段違いだ」

 

「くっ」

 

「悔しいのはわかるが、ここは俺達に任せろ。いくぜ、ジェナス!ラグナ!」

 

「ああ!」

 

「こっちのネオアムジャケットの力、見せてやろうぜ!」

 

向かってくるロシェット達に対し雪兎達はそれぞれ新たなる力を解き放つ。

 

「来い、【NB:ネオブレイド】!」

 

雪兎が展開したのは【B:ブレイド】をネオアムジャケットの技術を流用して改修した強化モデル。チューブチャージシステムも搭載しており、今までよりも性能が格段と上昇している。

 

「展開、ヴァリアブルソード!」

 

ジェナスの展開したヴァリアブルソードは右腕と一体化した小型のシールドと十徳ナイフのようにシールド内部に格納させたブレードを切り替えることでショートソードから大型ソードまで多彩なソードを展開可能な装備。当然チューブチャージシステム対応だ。

 

「俺様も、ハイコートカノン!」

 

ラグナのハイコートカノンは特殊コーティングを施された弾丸を撃ち出す中型砲で、元々装備していたアサルトガンとコアガンを組み合わせて使うマルチジョイントガンに接続することで高威力砲や超長距離狙撃にも組み換え可能した装備だ。

 

「何だと!?」

 

エーリックにダメージを与えたことからジェナス達もネオアムジャケットを着用しているのは察していたが、新たに彼らが装備したものはロシェット達からすれば突如何処からともなく出現したもの。雪兎の雪華に至っては装備がガラッと変わっており彼らが困惑したのは無理も無い。だが、それは雪兎達に見せてはいけない隙を生んでしまう。

 

「バルムンクⅡ、チューブ接続」

 

「ヴァリアブルソード、モード・クレイモア!」

 

「マルチジョイントガン、ブラストモードだぜ!」

 

「しまっーー」

 

「竜殺しの一撃、受けてみろ。ドラグバスター!」

 

「撃っ!!」

 

「アロンジー!!」

 

雪兎とジェナスの地を裂く斬撃とラグナの高威力砲が炸裂し、ロシェット達は返り討ちにされてしまう。

 

「くっ、くそっ!」

 

「ちっ、一旦退くぞロシェット」

 

「覚えてやがれ!」

 

ボロボロになったロシェット達はそのままミュネーゼ・タウンへと引き返していく。

 

「口ほどにも無い奴め・・・・だが、これはちょっとマズイことになったな」

 

「ああ、ロシェット達にこっちの存在が知られた」

 

「それにあの様子だと他の連中もネオアムジャケット持ってそうじゃね?」

 

「そうだな、俺達も一旦退こう」

 

ロシェット達は追い返せたものの多くの問題が露呈し、雪兎達はその対策の為に一度フライング・ラビットへと帰還するのだった。




ロシェット達惨敗。
キャシーさん、計算違いで怒り狂うこと間違いなし!
そして、対策を始めた雪兎が妥協などする訳ないよね?


次回予告

JAがネオアムジャケットを作成していることを知った雪兎達。そこで雪兎とジョイはこれを機にピュアアムドライバー一同の装備を一新することに。だが、リベンジに燃えるロシェット達は新たな戦力を率いてフライング・ラビットを強襲。アムジャケットの改修で出撃出来ないアムドライバー達に代わり一夏達が迎撃に出る!そして、ついに鈴達の専用機達が新たな力を生む!

次回

「月夜の攻防と進化する力! 兎、大改修に取り掛かる」

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