束の愛機や新たな登場人物も出ます。
雪兎と一夏達が襲撃を受けている頃、楯無率いるもう1つの班も襲撃を受けていた。その襲撃者は楯無達もよく知る彼女達だった。
「そちらについたとは聞いていたけど、こんなに早く再会出来るとは思わなかったわ。イージスのお二人さん」
「うげっス」
「お前は、サラ・ウェルキン・・・・」
「私もいるわよ」
「生徒会長まで」
そう、亡国機業へと与したイージスの二人だ。
「ところで・・・・お二人だけですか?こちらは会長やサラ先輩含めて一番人数がいるのですけど」
そんな中、聖が一人疑問に思っていたことを口にする。無理も無い。レインとフォルテはたった二人でこの場にいる。対して楯無班は楯無、サラ、忍、聖、晶、エリカの六名。いくらイージスと云えどこの人数差を何とか出来るとは考え難い。
「オメエはあのクソ兎のとこの・・・・その疑問は最もだ。だが、それくらいちゃんと準備してんだよ!」
レインは聖を見て雪兎のことを思い出し苦虫を潰したような顔をするも、すぐに余裕の表情を見せ指を鳴らす。すると、物陰からモーター音を鳴らしながら数十機もの全身装甲の
「あれは・・・・EOS?」
「いえ、アレからは人の気配を感じない・・・・無人機よ」
エリカはその人型をEOSかと思ったが、忍がそれを否定する。そもそもEOSはその重量とパワーアシストの脆弱性、エネルギーの問題から装甲は必要最低限しかないため、目の前のモノのような全身装甲は不可能なのだ。
「その通り!こいつらは初代ブリュンヒルデや過去のモンド・グロッソ出場者の戦闘データをインプットしてある【
そこで亡国機業が開発したのがこの【機械戦乙女】。これは以前ラウラのシュヴァルティア・レーゲンに内蔵されていたヴァルキリー・トレース・システムを元に同じく亡国機業が造ったオリジナルの半分以下の性能しかない模倣ISコアを用いて量産された束や雪兎からすれば出来損ないと言うべきものなのだが、インプットしてあるデータのせいでEOSとは比べ物にならない戦闘力を獲得した兵器なのだ。それでもその性能はリヴァイヴ一機に対して十機で互角といったところだ。EOSが千機で一機だったのに比べれば十分に使い物になるのだが・・・・それが数十機、飛行能力は無いとはいえ武装はISのものであるため苦戦は必須だ。
「忍と晶ちゃんとエリカちゃんは無人機の迎撃!私とサラであの
楯無が指示を出すとそれぞれISを展開し迎撃態勢を取る。
「丁度いい、学園最強の名。ついでにいただかせてもらうぜ!」
「ふふっ、やれるもんならやってみなさい!」
「こ、こうなったらもう自棄っス!」
「生まれ変わった
そして、各班の様子をモニターしていた千冬達はというと・・・・
「シルヴィアの奴もあちらに与していたか」
「どうするの、ちーちゃん?」
「やられっぱなしが性に合わんのはお前がよく知っているだろう?」
「だよねぇ~。それじゃあ私達も行こっか」
「天野君にお借りした
千冬と束、それと雪菜、更にいつもは止める側の真耶までもが今回はやる気満々である。そんな四人の前に現れたのは・・・・
「申し訳ないけれど、貴女達の相手は私達よ」
スコールに闇夜の星座のサダルにストレアの三人にイージスの二人が連れていた機械戦乙女達。
「丁度三対三でいいですわね」
「こちらには機械戦乙女もいます。例え相手がブリュンヒルデだろうとそう簡単にはーー「それはちょっと違うんだなぁ、これが」何っ!?」
サダルとストレアが千冬、雪菜、真耶を見てそう言うが、その声を遮り束がにこやかに前に躍り出る。
「そこの出来損ないには流石の束さんも激おこプンプンって感じだけど・・・・いつこの束さんが
「「「!?」」」
束から告げられる言葉にスコール達は自分達がとんでもない勘違いをしていることに気付く。確かに束はISが不要な程にオーバースペックな存在だが、「専用機を持ってない」とは誰も言っていない。むしろ、何故持っていないなどと勘違いしていたのか。
「ISの開発者たるこの束さんが専用機を持ってないはずないじゃない。まあ、その初陣が君達程度になるなんて思ってもいなかったけど、仕方ないか」
そう言うと束はとびきりの笑顔をしつつ
「それでは本邦初公開!おいで、束さんの専用機【ワンダーランド】!」
現れたのは束の普段着である「一人不思議の国のアリス」に合わせたハートの女王やトランプ兵などのアリスの登場人物を彷彿とさせるデザインのIS【ワンダーランド】。ファンタジーな見た目ではあるが、スコール達の本能は今までの経験から「アレと戦ってはならない」と警鐘を鳴らす。
「私も前回は消化不良とも言えるレベルだったからな・・・・貴様らは楽しませてくれるんだろうな?」
「私もゆーくんに負けてからまだ一度もまともに動かしてなかったっけ?」
続けて千冬も打鉄・参式を展開。雪菜もシルフィオーネを呼び出す。
「先輩方、私にも残しておいて下さいね?」
真耶もいつになく黒い笑みを浮かべて雪兎の手の加わったリヴァイヴⅡ改を纏う。
「「「「さあ、覚悟はいいか(かな・かしら・ですか)?亡国機業」」」」
そこには本当の絶望が存在した。
「シア達は無事だといいのですが・・・・」
そしてもう一人、戦場と化した京都の地に助っ人が姿を現す。
「待っていて下さい、シア!お姉ちゃんが今助けに行きますから!」
一夏の戦闘まで行けなかった・・・・
つ、次こそは戦闘シーンや!
最後に出てきた人物?それも次回!
次回予告
戦場と化した京都。一夏は現世界第二位という強敵と対峙し追い込まれていく。一方で雪兎も戦闘狂のアンタレスと激戦を繰り広げる。
次回
「狂える獅子対白き刃 兎、奥の手発動!」