IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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十章の最終話です。
続く次章は戦闘色強めかも・・・・

そして、今回は新キャラ祭りデス!


71話 体育祭の終わりと新たなる火種 兎、備える

リレーで一位になったこともあり、1年の学年優勝は1年1組となった。つまり今までは無人機の襲撃等でお流れとなっていたデザートフリーパスがクラスに配布されるということでもあり、クラスメイトの歓声はそれはもう凄まじいものであった。祝勝会ではそのフリーパスを早速使ってデザートバイキングのような状況になり、後日体重を気にする生徒が多発した(自業自得である。そしてお菓子やデザートは控えめに)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育祭から数日後。プロジェクト・フロンティアが正式に発表され、それに伴いプロジェクトに所属する生徒が多くいる1年1組に関係者を集めて一括管理するという名目でクラスの再編が行われ、雪兎を始めとしたプロジェクト所属生徒の他にプロジェクトに推薦された生徒や参加を希望する生徒が1年1組に集った。これにより旧1年1組から三分二(プロジェクト所属者・1組からの参加希望者を含む)、残り三分一が他のクラスからの推薦・希望者が新1年1組となった。新たにクラスに加わった者の中には体育祭でラウラと競い合った神宮寺晶の他にもスペインのエリカ・ピーリ、イタリアのアレシア・ロッタ、スウェーデンのカロリナ・ゼンナーシュタット、といった代表候補生が名を連ねていた。エリカ、アレシア、カロリナの三名はプロジェクト参加に伴い代表候補生から外れる(※1)ことも本人・国が了承しているらしい。おそらく、三国がプロジェクト・フロンティアへ参入するために少しでも束と雪兎の心象を良くしようと非専用機持ちとはいえ虎の子の代表候補生を差し出したと思われる。

※1 プロジェクト所属者はプロジェクト・フロンティアにおける代表と扱われるため。

 

「3組から来たエリカ・ピーリよ。よろしくお願いするわ」

 

エリカは元3組の生徒で専用機は持ってはいないもののクラス代表だった生徒で実力は十分なのだが、国の国家代表が去年代替わりしたばかりなので国家代表よりはプロジェクト・フロンティアの方が活躍の場があると判断して志願したらしい。特技は狙撃と料理。

 

「元4組のイタリアのアレシア・ロッタです!よろしくね」

 

アレシアは簪と同じ4組の生徒で明るい印象の娘だ。戦闘スタイルは二本の短剣による近接格闘。二つ上の姉であるカテリナも代表候補生でその筆頭らしく、姉とは違う道に進みたいと志願したんだとか。特技は大食い。そしてイタリアと言えば現在の世界大会優勝者アリーシャ・ジョセスターフのいる国。しかし、そのアリーシャはテンペスタⅡの機動試験で大怪我を負っており、テンペスタⅡも現在は開発が凍結されているため新型開発が遅れているらしく、プロジェクトを通して技術交流を謀るつもりなのだろう。

 

「元5組、カロリナ・ゼンナーシュタット・・・・よろしく」

 

最後はカロリナ。彼女は5組から来た生徒で先の二人はそれぞれ前衛・後衛型なのに対しどちらもこなすバランス型。口数が少なく、また表情の変化も少ないので手を動かしたりして感情表現を行う。代表候補生ではあったが雪兎が作るISやパッケージ類に興味があるらしく、整備・開発方面でも色々学べるかもしれないと志願したとのこと。先日の体育祭ではコスプレリレーで着ぐるみを着ていたらしい。特技はプログラミングと機体整備。ちなみに鈴やラウラより身長が低いせいで小・中学生と間違われるのが悩み。

この三名も雪兎がチェックしていた生徒で背後関係は楯無率いる更識によって調べられており、亡国機業等との関わりが無いと確認されている。

 

「1年の代表候補生が集結か・・・・また賑わしくなるな」

 

「織斑先生、代表候補生=問題児とか思ってません?」

 

「国家代表も癖の強いやつが多いからな。代表候補生もあまり変わらんだろう」

 

「やけに実感篭ってますね?」

 

「実体験だ」

 

そんなこんなで新たなクラスでの日々が幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラス再編から数日後、いつもの特訓に晶、エリカ、アレシア、カロリナの四人も参加するようになっていた。この日は四人に専用機が無いため基礎トレーニングと対人組手がメインだ。

 

「あなた達、毎回こんな訓練をしていたのね・・・・」

 

「うん、こんなのやってればあの実力も納得だよ~」

 

「同意・・・・でも、あの二人についていけるアキラも十分可笑しい」

 

今回は四人が初参加ということで少し軽めとはいえ、ピンピンしているのは雪兎とラウラ、そして晶の三人だけだった。流石は空手部といったところだろうか?

 

「そうか?今日はまだ軽い方だと聞いたのだが・・・・」

 

「あ、アキラさんは既にあちら側ということですのね・・・・」

 

「ラウラと対等にやれる時点で察しとくべきだったわ」

 

そんな晶に戦慄するセシリアと鈴。

 

「代表候補生でもキツイ特訓についていけるようになった私って・・・・実家でお菓子作ってた頃に比べて遠いとこ来ちゃったなぁ」

 

「私も結構体力ついたし」

 

「本音は前が動かなすぎだっただけ」

 

遠い目をする聖といつもの調子な本音と簪。参加した当初など本音は直ぐにバテていたものだ。

 

「うむ、これはうかうかしていられないな」

 

「だな」

 

逆に気を引き締めている箒と一夏。この二人も初期からのメンバーとあって雪兎達程ではないが余裕がある。

 

「そういや今日は楯無さんいないんだな」

 

「うん、お姉ちゃんは会議があるって言ってたけど・・・・」

 

どうも楯無は学園の上層部の面々との会議らしく、今日は姿を見ていない。

 

(そろそろ京都の亡国機業の拠点攻略作戦か・・・・例のアレ(・・)は一応完成してるがもう少し念を入れた方が良さそうだな)

 

マドカやアラクネを失い、束を味方に出来なかった亡国機業がどんな行動に出るかは雪兎にも分からない。また、レインとフォルテの二人も原作とは違い既にあちら側にいることを考えれば更なる戦力の増強をしていると考えてもおかしくはなく、雪兎も以前の福音での一件で不覚をとったことから今まで以上に対策を練っている。

 

(多分、こっからが原作との完全な乖離になる。やらずに後悔するくらいならやって後悔した方がマシだ。だから、もう出し惜しみはしねぇ)

 

新たなる戦いを前に雪兎は決意を新たにした翌日。楯無より専用機持ち達が召集される。




これにて十章は閉幕です。

新キャラであるエリカ、アレシア、カロリナを今後よろしくお願いします。
キャラの詳細は後日キャラ設定に上げておきます。


次回予告

亡国機業の拠点攻略に際して戦力増強の為に雪兎は晶達四人に専用機を用意することに。
新たなる四機の専用機とは・・・・
そして、亡国機業にも新たなるもの達が・・・・

次回

「新たなる専用機と闇夜の星座 兎、戦力増強を謀る」

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