IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

76 / 167
遅くなりました。
雪兎達のコスプレはこんな感じになりました。

若干、簪がキャラ崩壊してるかも・・・・


70話 パン食い競走とコスプレリレー 兎、仮装する

二人三脚を終えて1年1組の学年別得点はトップ。残すパン食い競走とコスプレリレーをそれぞれ三位以内で終えればそのまま入賞は狙えるところにいる。

 

『続けてはパン食い競走です』

 

このパン食い競走はラウラが出場している。理由はパン食い競走に使うあんパンを一夏と買いに行ったラウラがこの競技に興味を持ったかららしい。

 

「む、また会ったな神宮寺」

 

「ほう、ラウラ殿もこの競技に出てくるとは」

 

そこでラウラは騎馬戦の時に対峙した神宮寺晶を見つけ声をかけた。

 

「どうやら同じレースのようだな」

 

「それでは騎馬戦で着けなかった決着。このレースで着けるとしようか」

 

「その挑戦、受けてたとう」

 

この二人、似た者同士のようですっかり意気投合している。そして、先の騎馬戦でもわかる通りこの神宮寺という少女は一年生の非専用機持ちの中でも近接戦闘に関してはトップクラスの実力を持っており、これから多くの人材を必要とするプロジェクト・フロンティアに欲しい即戦力の逸材だった。実は今回の体育祭は専用機持ちの影に埋もれてしまっている優秀な人材の再発掘も兼ねており、神宮寺以外にも何人か雪兎が目を付けている生徒がいた。

 

(やっぱり何人か楯無先輩に言って1組に再編させてもらおうかな?)

 

クラスの再編はそう何度も行えるものではないので一度しかできない以上、神宮寺らを獲得するチャンスは次の再編くらいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パン食い競走での勝負はラウラに軍配が上がり、1組は以前トップを独走しつつ最終競技であるコスプレリレーまで辿り着いた。

 

「ここまで順調だな」

 

「だが、最終競技の配点が高い。ここで下手な順位となれば逆転も有り得る」

 

そう、このコスプレリレーではリレーでの順位は勿論、コスプレの完成度にも配点が存在するのだ。

 

「衣装の完成度に関しては問題無い。そっちに関しては簪のいる4組以外に負けるつもりはない」

 

「ず、随分と自信があるのだな」

 

「当たり前だ。何せ俺の自信作だからな」

 

「雪兎が裁縫まで得意とは思わなかったよ・・・・」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

シャルロットの一言でその場にいた一夏、箒を除く1組の皆も驚き視線を雪兎へと向ける。

 

「色々と言いたいことはあるだろうがそれはリレーが終わってからだ」

 

そう言うと雪兎はリレーに出る一夏、箒、セシリア、シャルロット、ラウラに衣装の入った紙袋を手渡す。

 

「サイズはちゃんと合わせてあるが違和感とかがあれば言ってくれ直ぐに直すから」

 

紙袋を受け取った面々はそれぞれ仮設の更衣室へと向かい着替え始める。雪兎も自分の衣装の入った紙袋を手に更衣室へと向かう。数分後、着替えを終えた一夏達が姿を現す。

 

「本当にサイズぴったりでしたわ」

 

「でしょ?」

 

最初に出てきたのはセシリアとシャルロットの二人。そして、その二人の衣装を見れば1組の衣装が何をモチーフにしているかは一目瞭然だった。まずシャルロットの衣装だが、淡い水色の服の上に白いエプロンを纏い、兎の耳のような大きなリボンをした衣装。一方のセシリアは赤と黒のドレスにトランプのマークをちりばめ、頭に金の王冠を乗せている。もうお分かりだろう。1組のコスプレテーマはズバリ『不思議の国のアリス』だ。

 

「うむ、嫁とセットの役とはアイツも気が利いているな」

 

「本当によく出来てるよな、この衣装」

 

「私の衣装は何故こんな・・・・」

 

続いてラウラ、一夏、箒の三人の衣装だが、ラウラは茶色のウサミミに同じ色のスーツ姿の三月兎で、一夏は緑のスーツに帽子を被った帽子屋、箒は紫とピンクの縞模様のネコミミと尻尾付きワンピースに肉球付きの手袋とブーツを着けたチェシャネコだ。

 

「うむ、見立て通りだな。箒はチェシャネコなのは他に主要なキャラが思い浮かばなかったからだ」

 

最後に出てきた雪兎は赤いスーツに白いウサミミ、懐中時計とモノクルを着けた白兎である。

 

「ふーん、1組はアリスなのね」

 

そう言って現れたのは金の輪を頭につけ、朱色の棍を持った孫悟空のコスプレをした鈴だ。

 

「そう言うそっちは西遊記か」

 

他の面々も三蔵法師一行や道中の妖怪のコスプレをしている。

 

「聖が三蔵法師で、鈴が悟空・・・・うん、イメージピッタリだな」

 

「雪兎、今の間は何よ!?私が猿っぽいとでも言いたいわけっ!」

 

「うん」

 

「ウキー!!」

 

いつものように雪兎が鈴をからかい鈴が怒る。それを見ていた面々が「あっ、確かに猿っぽい」と思ってしまったのは無理も無いだろう。

 

「不思議の国のアリスに西遊記、基本に忠実」

 

続いて4組の簪達の衣装は魔女と戦う某魔法少女達のコスプレである。ちなみに簪は剣を使う青髪の娘である。

 

「簪、確かにそのコスは動き易いし、肌の露出も少ないが・・・・」

 

あの作品は色々な意味で魔法少女達に救いがなさすぎる。喰われたり、魔女になって倒されたり、救えなかったり、マミられたり・・・・

 

「正直に言えばま○かとほ●らは魔法少女版か究極・悪魔で迷ったけど動き易さ重視で魔法少女にした」

 

「確かにあの衣装は走るのには向かないだろうけどさ・・・・おっ、そろそろ入場か」

 

他のクラスは流行りのアイドルグループだったり、着ぐるみだったりで1、2、4組ほど目立つものはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リレーは第一走者の鈴がドレスで出遅れたセシリアを離し2組がトップでバトンを渡すも、続く第二走のラウラが軍人の意地を見せ抜き返して逆転。三人目は一夏と神宮寺の勝負かと思われたが3組の陸上部の生徒が二人を追い抜きトップになるが、バトン渡しに手間取り第四走者の箒と聖がツートップに。そして第五走者の雪兎で差がつき、雪兎からバトンを受け取ったアンカーのシャルロットがリードを維持したままゴールイン、という結果に終わった。5組?聞いてやるな・・・・強いて言うならば着ぐるみはリレーには向いていない、とだけ言っておく。




コスプレ描写で気力を失いリレーはダイジェストに・・・・
すいません、この手の描写苦手で。

一応、次でこの章を終え、その次で京都編に入る予定です。


次回予告

体育祭で学年優勝をもぎ取った1年1組。だが、直ぐにクラスの再編があり慌ただしくも平和な日が続いていたが、亡国機業の日本での拠点が京都にあることが判明し・・・・

次回

「体育祭の終わりと新たなる火種 兎、備える」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。