IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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対楯無用決戦兵器登場!?
簡単にいうとイージスコンビのISの上位互換です。
これをあの二人に使わなかったのは慈悲です。


68話 学園最強VS学園最凶 兎、公開処刑開始

楯無が雪兎に連れて行かれてからしばらくすると、校内放送で雪兎と楯無の模擬戦が行われると連絡があり、アリーナに行かなくとも校内ローカルネットや各所のモニターでも観戦出来ることも通知される。これにより楯無は完全に逃げ場を失う。

 

「覚悟は決まりましたか?生徒会長殿」

 

「・・・・ええ、もうやってやるわよ!」

 

逃げ場を失った楯無は半ば自棄になりつつもミステリアス・レイディを展開し雪華を纏った雪兎と対峙する。

 

「では、こちらも・・・・こい、【CF:コールド・フレイム】」

 

すると、雪兎は雪華に新たなるパックを展開させる。その姿は【W:ウィザード】のようにローブのような白い装甲を纏い、他にも手足に追加された装甲の縁には透明なパーツが取り付けられており、見るものに神秘的なイメージを与える。楯無は外見から【W:ウィザード】系の発展型のアドヴァンスドシリーズと推測する。そして名前である『冷たき炎(コールド・フレイム)』の意味が楯無の予想通りのものであれば、この模擬戦は楯無にとって厳しいものになるのは間違いない。

 

『それではこれより更識楯無と天野雪兎の模擬戦を始めます・・・・試合開始!』

 

開幕と同時に仕掛けたのは意外にも楯無の方であった。雪兎に試合のペースを握らせまいと楯無は槍に付いたガトリングガンで牽制しつつ接近を試みるが、雪兎はそれを円形のシールドビットを展開して防ぎつつ接近し両手に背面にマウントしていた半月状の刃を持つショーテルという武器を持ち左右から挟み込むように斬りかかる。

 

「またマニアックな武器を!」

 

「驚くのはまだ早いぜ!」

 

このショーテルは17世紀頃にエチオピアで使われていた武器で盾を持っている相手や馬上の相手を引き摺り落とすのに有効だったとされる武器だ。まあ、雪兎が使うのが普通のショーテルな訳がなく、これにも更なる工夫が施されており、楯無が水のベールで防ごうとすると片方は凍てつき砕かれ、もう片方は熱で蒸発させられる。これに慌てた楯無はすぐさま回避して事なきを得るが、その表情は険しいものに変わる。

 

「やっぱり!そのパックの特性は【温度変化】ね!!」

 

「厳密に言えば【分子活動の活性・停滞化】だけどな」

 

そう、雪兎が今回使っている【CF:コールド・フレイム】はフォルテが使っていたコール・ブラッドの【分子活動を停滞化させて氷結させる】の上位互換とも言える能力。分子活動を活性化させて高速振動を起こし熱を生み、逆に停滞化させて氷結させる。それが【CF:コールド・フレイム】の能力なのだ。コール・ブラッドの開発元であるギリシャの技術者連中は泣いていい。

 

「それ、この子と相性最悪じゃない!?」

 

「それくらいしなきゃ制裁にならんだろうに」

 

楯無のミステリアス・レイディは水をナノマシンで変幻自在に操る機体。だが、雪兎の【CF:コールド・フレイム】はその水をナノマシンごと蒸発させたり氷結させることが出来る。楯無の言う通りはっきり言って相性最悪である。

 

「他にもこんなことも出来るぜ!」

 

ショーテルをしまい雪兎が次に繰り出したのは左腕に装備されたシールドの先から先端の尖った鞭のようなものを伸ばし楯無に向けて放つ。それは熱されているのか赤くなっており、直に触れたら火傷では済まないのは明白であった。

 

「ちょっ、それは危ないでしょ!?」

 

回避はしたものの、もし捕まっていたらを想像し楯無は冷や汗を垂らす。拘束されてじわじわ熱され、万が一にもその間にシールドエネルギーが尽きれば丸焼き確定。えげつなさ過ぎる装備である。

 

「まだまだ付き合ってもらうぞ、生徒会長殿。こいつは流石にシャル相手でテスト出来なかったからな」

 

「いぃ~やぁ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何、あれ・・・・」

 

アリーナで観戦していた一夏達を代表して鈴がそう呟く。

 

「やっぱゆーくんの作る装備は面白いね!流石は我が弟子!」

 

一夏達が絶句する一方で束は嬉しそうに雪兎の【CF:コールド・フレイム】を見つめる。

 

「蒼流旋のアクアナノマシンを許容値以上の高周波で破壊するとか流石は雪兎。あっ、ラスティー・ネイルが凍った」

 

簪も姉である楯無のミステリアス・レイディをよく知るが故に雪兎が何をしているのか理解し、その出鱈目さに驚く。

 

「今度は右手で掴んだビットが弾けた・・・・右腕の籠手は振動制御出来るのか?」

 

「それって、右腕が電子レンジと高速冷凍庫ってこと?」

 

それ、どこの輻射◯導ですか?と言いたい。出力は抑え目であったが、最大出力でビットではなく本体が捕まれていれば装甲はおろか肉体ごと吹き飛んでいただろう。

 

「アイツ、ストレス溜まってたんだな・・・・」

 

最後の一夏の一言を聞き、今後は絶対雪兎を怒らせないようにしようと一同は誓うのであった。




という訳で楯無フルボッコ回です。
楯無ファンに色々言われそうですが・・・・

【CF:コールド・フレイム】の装備のモデルはサンドロック、エピオン、紅蓮弐式とかです。他にもシールドビットが氷の刃を纏った手裏剣化したり、ヒートブレード化したソードビットなどもあります。


次回予告

楯無の制裁を終えスッキリとした雪兎。そんな雪兎はシャルロットと二人三脚に出場する。

次回

「レースにならない?二人三脚 兎、見せつける」

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