IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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雪兎の名前修正してて更新できず申し訳ありませんでした。やっと更新再開です。


67話 ランチタイムパニック 兎、堪忍袋の緒が切れる

「あっ、戻ってきた」

 

雪兎達が戻ると遅れて来た束達が既に合流しており、一夏も先程とは違い何とかいつも通り箒達と接しようとしているのがわかる。

 

「そっちも何とかなったみたいだな」

 

「うん、マドカがね・・・・」

 

「へえ、マドカが・・・・」

 

シャルロットに自分がいない間のことを聞き、雪兎はマドカも少しずつ一夏に対する態度を軟化させていることを嬉しく思う。そして、雪兎がシャルロット特製の弁当を食べていると・・・・

 

「私達も一緒してもいいかしら?」

 

楯無と虚の二人も雪兎達のところへやってきた。

 

「構いませんよ」

 

「それじゃあお邪魔するわね」

 

すると、楯無は一夏の隣(・・・・)に座る。

 

「「「「えっ?」」」」

 

これには箒達だけでなく雪兎も驚いた。何せ楯無が一夏に惚れるようなイベントは別の危険を回避すべく雪兎自ら潰していたので楯無がこんな行動に出るとは思っていなかったからだ。そして、楯無は更に予想外の行動に出る。

 

「ちゅっ」

 

「「「「なぁっ!?」」」」

 

「い、いきなり何するんですか!楯無さん!?」

 

何と楯無が一夏の頬にキスをしたのだ。この楯無の行動に箒達はいつものように暴力を振るいそうになるも雪兎の言葉を思い出してぐっと堪える。それを見て楯無は意外そうな顔をするもすぐに意地の悪そうな笑みを浮かべる。

 

「最近の一夏君頑張ってるし、ちょっといいかなぁって」

 

おちょくっているように見えて楯無は満更でもない顔でそう言う。どうも一夏の強化特訓が楯無の好感度を上げてしまったようで。つまり、楯無も一夏争奪戦に加わろうと言うのだ。そして楯無は一夏の腕に胸を押し付けるように抱きつく。

 

「た、楯無さん!?」

 

そんな楯無の行動に慌てる一夏。それを見て我慢の限界に達しそうな箒達。だが、それより先にぶちギレそうな人物がいた。

 

「・・・・せっかく人が鎮めた騒ぎを掘り返すとか、何考えてるんです?生徒会長殿?」

 

その人物とは雪兎だった。元々、この体育祭でも色々企てていた楯無だったが、一夏の身を案じて普通の体育祭になるよう人力した雪兎。それに先程説得したばかりの箒達を煽るような楯無の行動。そして何よりこの騒ぎで彼女の弁当を味わう邪魔をされ雪兎の堪忍袋の緒は切れる寸前だったのだ。

 

((((あっ、これはマズイパターンだ))))

 

幾度となく雪兎のお仕置きを受けてきたor目の当たりにしてきた特訓メンバーはそんな雪兎を見て顔を真っ青にする。

 

「え、えっと、これは・・・・」

 

そこでようやくマズさに気付いた楯無が弁解しようとするももう手遅れだった。

 

「昼休みに何の余興も無いのは寂しいですよね、虚先輩?」

 

「えっ、あ、はい・・・・」

 

虚も今の雪兎に逆らわぬ方が良いと察する。

 

「せっかくですから俺と生徒会長殿で模擬戦でもしましょうか」

 

即ち、「公開処刑だ」と雪兎は言っているのだ。

 

「で、でも、そんな簡単にアリーナの使用許可は」

 

「面白そうだからちーちゃんに聞いたらOKだって」

 

楯無の抵抗も束によって打ち砕かれる。どうも束も箒を煽ったのがお気に召さなかったようだ。

 

「さて、許可も出ましたし、行きましょうか生徒会長殿」

 

「い、いや!助けて簪ちゃん!!」

 

「ごめん、お姉ちゃん」

 

楯無は最後の手として簪に助けを求めるも雪兎は容赦無く楯無を引き摺りアリーナへと向かって行った。

 

「きゅ」

 

『たっちゃん、短い付き合いだったの』

 

「い、いや、死んでないから!って、皆も黙祷捧げちゃ駄目だって!」

 

こうして楯無のお仕置きもとい公開処刑が始まるのであった。




先日、家でバーベキューをしたのですが、炭を片付けにいったら服越しに乳首の真下を蜂に噛まれました。滅茶苦茶痛かった・・・・


次回予告

ひょんなことから決まった雪兎と楯無の模擬戦。皆の注目が集まる中、雪兎のとった戦法とは?

次回

「学園最強VS学園最凶 兎、公開処刑開始」

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