IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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体育祭本格始動。
オリジナルISと白式の改修版(魔改造)のデータをアップしました。こいつら、割りと洒落にならん性能です。
この二機は次章に登場予定です。あともう二機敵側にもオリジナルISが出る予定。一機はオータムの新型、もう一機はオリキャラの機体になります。

アンケートとポケモンのSSもよろしくお願いいたします。


62話 IS学園体育祭開幕! 兎、彼女を応援する

なんやかんやあって体育祭当日。

 

「何か賑わってるなぁ・・・・」

 

「今年は男子が二人もいるんですもの。皆張り切ってるのよ」

 

雪兎の言葉にいつの間にか隣に来ていた楯無が答える。

 

「あー、なるほど。そりゃあ張り切りますわな」

 

雪兎はともかく箒達四人が周りを囲っていて普段は近付けないフリーの一夏に自分をアピールするチャンスと一部の女子がテンションMAXになっているらしい。無論、箒達も同様だ。

 

「雪兎君の甲斐性ならもう二人くらい余裕でしょ?」

 

「俺はハーレムとか興味無いんで・・・・ってか、シャルと妹分二人で結構手一杯なんですが」

 

束と一緒にIS学園にやってきたクロエは本来はラウラの姉に相当するのだが、彼女は成長しきる前に失敗作の烙印を捺されて処分されかかっていたためかラウラより肉体的に幼いらしく、マドカ同様に来年度からIS学園に通うことになっている。その為、今日は二人共束と一緒に応援という形で教員テントの傍で見学している。

 

「そういえばあの二人仲良いのよね?」

 

「二人とも同じような出自ですからね」

 

片や世界最強のクローン。もう一方は遺伝子操作されたデザインベビーであり、真っ当な出自では無い。そして、同じく雪兎を兄と慕っている者同士ということもあって初対面の時には無言で握手を交わしていた。それからは割りと二人で行動していることが多く、そこに同じく遺伝子操作されたバグウサギことミュウも一緒に行動している。この二人と一匹はその容姿から既に学園では一種のアイドル・マスコット扱いされている。

 

「いっくん!箒ちゃん!ゆーくん!頑張れー!」

 

「「兄さん(兄様)!頑張れー」」

 

「きゅっ」

 

『皆、頑張るの!』

 

天災、世界最強のクローン、デザインベビー、バグウサギ・・・・そう思うと、この応援席の面子の濃さも中々侮れない。

 

「頑張ってね、お兄ちゃん」

 

「楯無さん、次の模擬戦でアドヴァンスド使われたいですか?」

 

「すいませんでしたっ!」

 

マドカとクロエの応援を聞き、早速雪兎を茶化す楯無だったが、雪兎の発言を聞き慌てて謝罪する。流石の楯無もタイマンでアドヴァンスドとの模擬戦は嫌らしい。

 

「さてと、最初はシャルも出る50m走だったな」

 

楯無のことは放っておいて雪兎はシャルロットの応援をすべくクラスのテントへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルロットside

 

「体調は万全!頑張るぞ」

 

今日の体育祭は普段良いところを見せられてばかりの雪兎に良いところを見せるチャンスということで僕は猛練習をしてきた。

 

「シャル!頑張れよー」

 

すると、クラスのテントから雪兎の声援が聞こえる。

 

「相変わらず愛されてるわね、あんた」

 

「あはは・・・・」

 

たまたま一緒のレースに出る鈴に茶化されつつもスタート位置に着く。

 

『On your mark・・・・Set。Go!』

 

ピストルの音と共にスタートを切る。僕は鈴の少し後ろにつき必死に鈴を追うも鈴はトレードマークと言っていいツインテールの髪を地面と平行するように靡かせながら疾走していく。

 

(このままじゃ追い付けない!)

 

半分の25mを越え差が開く一方だった。僕はその時、既に「相手は鈴だし・・・・二位でもいっか」と諦めかけていた。だが・・・・

 

「シャル!諦めるなっ!!」

 

その一言。世界で最も僕が信頼する彼の一言で僕の心に火が灯る。

 

「負けるもんかーっ!!」

 

「えっ!?嘘っ!?」

 

そして、気が付けば僕は鈴より先にゴールテープを切っていた。

 

「えっ?僕、勝ったの?」

 

雪兎の声援を聞いて無我夢中で走っていたからか、僕は鈴を追い抜いていたのに気が付かなかったみたいだ。

 

「やるじゃない、シャルロット!」

 

「ううん、僕一人だったら途中で諦めてたよ」

 

「愛の力は偉大よねぇー」

 

「も、もうっ!鈴ったら・・・・っとと」

 

鈴にからかわれて言い返そうとするも、途端に力が抜け倒れそうになるが。

 

「よっと。大丈夫か?シャル」

 

それを多分おめでとうと言いに来てくれた雪兎が受け止めてくれた。

 

「ごめん、ちょっと気が抜けちゃって・・・・」

 

「まったく、まだ一つ目の種目だぞ?」

 

「はいはい、いちゃつくなら自分達のクラスのテントに戻ってからにしなさいよ」

 

そんな様子を見て鈴がやれやれといった顔で言う。鈴は冗談のつもりで言ったみたいだけど、雪兎は違った。

 

「そうだな。そんじゃあ、頑張ったお嬢様をテントにお連れしますか」

 

「えっ?えーっ!?」

 

雪兎はそう言うと僕をお姫様抱っこで抱え上げ、テントへと向かって歩き出す。

 

「ゆ、雪兎!僕は歩けるからっ!」

 

「さっきフラついたやつが何を言うか。それに、これはご褒美なんだから大人しく抱っこされてろ」

 

「うう・・・・」

 

結局、雪兎はテントに着くまで僕を下ろしてはくれず、僕は自分でも分かるくらい顔を真っ赤にしてテントへと戻ることになった。

 

side out




シャルロットの50m走を少し弄って甘々にしてみました。
やぁー、コーヒーが砂糖無しでも甘くなりそうだ。

前書きの続きですが、オータムの新型の名前が浮かばない・・・・アラクネ同様の蜘蛛型のつもりなんですが、いい名前はないものか。


次回予告

50m走の次は玉打ち落とし。この独自の競技に雪兎がとった行動とは?

次回

「激闘!玉打ち落とし! 兎、クールに決める?」

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