IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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早いもので、もう十章です。
原作の9巻に当たるシナリオですが、大幅に変更点がございます。

それではISー兎協奏曲ー第十幕開演です。


十章「兎と秋と体育祭」
61話 開幕!IS学園秋の体育祭!! 兎、走る


束がIS学園に来て数日が経った。

とはいえ、たった数日で劇的に何かが変わる訳ではない(束がやろうと思えば数日でも劇的に変わるが)。そんな中、秋ということでIS学園でも体育祭が迫っていた。

 

「という訳で出たい種目に手を挙げて下さい」

 

1年1組もクラス代表の一夏の仕切りで出場種目について話し合いが行われていた。その種目はスタンダードなものからネタとしか思えないものまで多種多様だ。

 

「体育祭ねぇ・・・・」

 

割りと美少女率の高いIS学園の体育祭ともなれば世の男達ならば見たがること間違いなしの光景なのだろうが、雪兎はそういうのにはあまり興味が無かった。

 

「雪兎はどの種目に出るの?」

 

「無難にリレーとかの徒競走もんかね?騎馬戦や障害物競走とか接触事故の無いやつ」

 

「それ、一夏が出たら絶対やるよね・・・・」

 

「やるな。あのラッキースケベ系の主人公スキル持ってる一夏なら確実に」

 

今まで散々ラッキースケベイベントをこなしてきた一夏ならば、と雪兎とシャルロットには妙な勘がそう囁いている。

 

「そこ!聞こえてるんだが?」

 

「聞こえるように言ったからな。それに本当に気を付けないと後ろから刺されるぞ?」

 

その瞬間、箒、セシリア、ラウラ、そして何故か隣のクラスの鈴から一夏に鋭い視線が飛ぶ。

 

(原作よりはマシなんだがなぁ・・・・)

 

原作ではこの体育祭は文化祭の時と同様の修羅場と化すのだが、それは雪兎がなんとか阻止した模様。代わりに専用機持ちを中途半端に分散させるくらいなら一つのクラスにまとめては?と提案して原作通りに専用機持ちを集結させることになっている。これは体育祭の後に公表される予定だ。ちなみに各種目は・・・・

・50m走

・クラス対抗リレー

・軍事障害物競走

・パン食い競走

・騎馬戦

・スプーン競走

・玉打ち落とし

・二人三脚走

・コスプレリレー

色々ツッコミたいだろうが、コレが伝統なんだとか・・・・それでいいのか、IS学園。

 

「二人三脚・・・・」

 

そんな中、シャルロットは二人三脚の文字をじっと見つめていた。

 

「ん?シャルは二人三脚に出たいのか?」

 

「えっ!?で、出たいには出たいんだけど・・・・」

 

どうやら雪兎と一緒に出ている姿を妄想していたようだ。しかし、シャルロットが「一緒に出たい」とは言い出せずにいると・・・・

 

「出るか?一緒に」

 

まさかの雪兎の方からお誘いがあった。

 

「えっ?いいのっ!?」

 

「出たいんだろ?ならそのパートナーは俺がやってやるよ(まあ、こういうのって誘うの勇気要るからな)」

 

しかも、雪兎はシャルロットの内心を完全に把握していた。なので雪兎から誘ってみたら、もうそれは嬉しそうにしている。

 

「じゃあ、二人三脚の一組目は雪兎とシャルロットな」

 

この二人は普段からコンビネーションに隙が無いため、クラスメイト一同の賛同もあってすんなり決定する。箒達も一夏とペアで出ようとするも、一夏はこの競技の時に実況担当ということで残念ながらそれは叶わなかった。

 

「よし、それじゃあこの通りにいくから皆しっかり練習してきてくれ!」

 

「「「「おー!」」」」

 

なお、この体育祭は学年別のクラス対抗戦になっており、優勝したクラスにはデザートフリーパスが配られるんだとかでクラスメイト達の気合も十分だ。

 

「デザートの力ってすげー」

 

「女の子は恋とデザートのためなら強くなれるんだよ」

 

「みたいだな」

 

こうしてIS学園体育祭までの日数は皆各競技の練習に燃えるのであった。




短いですが、プロローグ的な部分なのでご勘弁を。

そして、割りとギリギリですが・・・・箒さん、お誕生日おめでとう!


次回予告

体育祭当日。様々な思いを胸に熱い戦いの幕が上がる。

次回

「IS学園体育祭開幕! 兎、彼女を応援する」

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