IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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兎師弟が本格的に行動開始です。

やっと束が学園に合流できます。

あと今回でこの章は終わりです。次、体育祭なんで・・・・


60話 プロジェクト・フロンティア 兎、開拓への準備を開始する

IS学園に着くと、そこには既に連絡を受けていた千冬と雪菜、真耶の他に一夏達専用機持ち達とクロエの姿があった。

 

「天野が突然ISの使用許可を求めてきたと思えば、お前が発端とはな、束」

 

「めんごめんご。あっ、ちーちゃん。私、しばらくIS学園(ここ)でお世話になるから」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

これに驚いたのは雪兎とシャルロット、楯無に忍を除く専用機組だった。

 

「学園長から話は聞いている。随分と長い遠回りだったな」

 

「世話になるとは一体・・・・」

 

「あれ?ゆーくんに聞いてない?この度束さんはプロジェクト・フロンティアの開発チーム主任兼代表に任命されたのだよ!」

 

「プロジェクト」

 

「フロンティア?」

 

その言葉に多くが首を傾げるが、一夏と箒はそこで先日のインタビューを思い出す。

 

「それって、もしかして」

 

「雪兎が先日言っていた宇宙開発事業がどうのというやつのことか?」

 

「そのとーり!」

 

「その正式名称がプロジェクト・フロンティア。ISを使った宇宙開発事業プロジェクトで。代表は俺と束さんで、参加企業は棗宇宙開発局やデュノア社、他数社さ」

 

その他数社の中に他の作品に登場する企業・研究所名がちらほらあったが、雪兎は別物・似ただけだと思いたい。

 

「あんた、とうとうデュノア社取り込んだのね・・・・」

 

「言っとくが、俺は強制もお願いもしてねぇぞ」

 

鈴の発言に雪兎は強く否定する。

 

「僕は前にIS一本で倒産しかけたから保険のつもりなんだと思うよ」

 

「リヴァイヴⅡは換装用のパッケージだけでそっち方面にも対応できるもんね」

 

「リヴァイヴⅡは元よりそういう設計だからな」

 

なお、このプロジェクトに参加している国は日本、イギリス、中国、フランス、ドイツ、ロシアと見事に専用機持ちの国である。アメリカが参加してないのは先日のアレのせい。ちなみに参加国には数個ずつ新規に製造されたISコアが贈られている。

 

「束さんをここで保護するのはプロジェクトの拠点がまだ無いのと警備的な問題な」

 

「あー、そんな一大プロジェクトだと拠点の設営だけでも問題だものね・・・・」

 

それこそ各国が我こそは!と言い争っているくらいだ。

 

「ああ、だからこそ各国の代表候補生のいるIS学園が適任ということになってる」

 

「もしかして私達もそのプロジェクトに?」

 

「多分な。ここに集められた面子はほぼ関係してくるんじゃないか?ちなみに箒に関しては確定だ」

 

「な、なんだと!?」

 

「いつまでも無所属のままではいられんだろう。丁度良いな」

 

そう、箒は未だに無所属の専用機持ち。なので手に余り扱いに困った参加各国は姉であり紅椿の製作者である束のいるプロジェクト・フロンティアに箒を丸投げしてきたのだ。

 

「詳しくは各国の政府から通達があると思う。参加は強制ではないはずだが、俺としては皆と一緒にやりたいと思ってる。本格的に動くのは卒業後だからすぐに決めなくてもいい。じっくり考えてみてくれ」

 

こうして兎師弟の夢は着実に実現に向けて歩み始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクトの説明を終えた後、雪兎とシャルロットは学園長室にいた。

 

「そうか、彼女らは・・・・」

 

「はい、ダリル・ケイシーもといレイン・ミューゼル及びフォルテ・サファイアは亡国機業に与したと思われます」

 

その場にいるのは雪兎、シャルロット、千冬、楯無の他にIS学園の真の学園長・轡木十蔵だった。

 

「レイン・ミューゼルに関しては元より亡国の人間のようで叔母に当たるスコール・ミューゼルの命でヘル・ハウンド奪取のためのスパイだったと推測します。スコール・ミューゼルに関しては米軍にて十二年前に死亡扱いになっています。おそらく今の彼女は機械移植(インプラント)もしくは機械義肢(サイボーグ)でしょう」

 

「それは本当かね?」

 

「ええ、この前の仕返しで調べておきました」

 

サラッと前世で知った知識を調べたと言って明かし、その他亡国機業に関して知っていることを報告書として提出する。

 

「幹部ではあれど彼女らは一部隊に過ぎないか・・・・」

 

スコールの属するモノクローム・アバターも所詮は一部隊に過ぎず、いざとなれば簡単に切り捨てられると雪兎は考えている。

 

「それに女性権利主義団体にもパイプがあるようね」

 

「どうりであの無能集団(女性権利主義団体)が大きな顔をしてる訳だ」

 

これは楯無が更識として調べたものらしい。

 

「亡国機業、実に厄介な存在だね・・・・君と君の師はどうするつもりなのかな?」

 

「邪魔をするなら叩き潰す。それだけです」

 

十蔵の問いに雪兎はそう即答した。




短くてすいません・・・・
束がこの世界で亡国機業に与しなかった最大の理由はこのプロジェクトのせいです。
そりゃあ、夢が叶いそうなのに犯罪者に手なんて貸しませんよね?
今章はこれにて閉幕です。


次回予告

束がIS学園にやってきたものの、すぐに大きな変化はなく、秋も深まる中。IS学園でも体育祭のシーズンを迎える。
IS学園の体育祭が普通の体育祭な訳がなく・・・・

次回

「開幕!IS学園秋の体育祭!! 兎、走る」

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