IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

63 / 167
一週間近く空いてすいません。

参式無双回。やはり世界のCHIHUYUは化け物だった・・・・

最近、他のISのSSを読んでいかにISの世界が歪か思い直しました。



57話 我に断てぬもの無し 兎、トラップで翻弄する

「・・・・」

 

今回の襲撃にて名も無き兵達が請け負った任務は「白式及びIS学園に出現した無人ISのコアの奪取」。特に無人ISのコアはとある計画において大きな意味を持つ物らしく、その重要性は隊長に支給されたステルス仕様の能力試験型のファング・クエイクの存在が雄弁に語っている。しかし、名も無き兵達に指示を出した米国は忘れていた。兎の皮を被った災害がその程度で出し抜ける相手では無いことを。そして知らなかった、世界最強(ブリュンヒルデ)の称号を持つ織斑千冬が守護者の剣(打鉄・参式)を手にしているということを。

 

「すまないがここから先は関係者以外立ち入り禁止だ。お引き取り願おうか」

 

その時隊長が見たのは暗闇に佇む藍色のボディに金色の装飾、巨大な刀を装備した鎧武者のような未知のISを纏う千冬だった。

 

「それでもここを通りたいと言うのなら私が相手になろう。出し惜しみなどするなよ?目の前にいるのは元世界最強(ブリュンヒルデ)だ。全身全霊でかかってこい、一兵士」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、一夏達電脳ダイブ組は雪兎の特製プログラムによってデフォルメされたアニメやゲームの敵キャラクターのように見えるウイルスをISで駆逐していた。

 

「何か昔の電脳バトル系のゲームを思い出すな、これ」

 

『確かにこの敵のデザインはあのゲームそっくり』

 

一夏が昔にプレイしたゲームを思い返していると、オペレートをしていた簪も同じようなことを考えていたらしく、一夏に同意する。

 

『というか、まんまあのゲームのデータ流用したぞ?今回は一からデザインしてる暇なんてなかったからな』

 

すると、復旧作業をしている雪兎からそんな言葉が返ってくる。

 

『ついでにウイルスどもにもあのゲームと同じ攻撃パターンしか出来ないプログラム組んでやったぜ』

 

「・・・・お前がこの襲撃を予測してこのプログラム組んでたって言われても俺は納得出来る気がするよ」

 

実際はその通りなのだが、一夏はそれを知らない。

 

「あー、雪兎が弾のやつを嵌めコンしてたゲームね?ノーダメワンターンキルとか平気でやってたわよね、あんた」

 

『ラビリング(麻痺攻撃)からのプリフォレボムのことか?あれくらい上級者なら対策してくるぞ?まあ、あれやれたの2だけだったけどな』

 

ちなみにプリフォレボムことプリズムフォレストボムは公式大会使用禁止コンボであり、プリズム(攻撃を周り8マスに拡散する設置物)とフォレストボム(着弾点から8マス拡散する木が生えるボム)のプリズムが消えるまで無限に攻撃が続くという悪夢のコンボである(ボスクラスの敵も大抵瞬殺可)。

 

「そういや3でカスタムバグで無限キューブと設置物飛ばしでフルボッコしてなかったっけ?」

 

「ゼリーでエリア削って地雷とかもやってたわね」

 

『ファラオ毒沼とかもやったよなぁー・・・・今度久しぶりやろうかな?』

 

それらのコンボも全て弾が食らったコンボである。

 

『鬼だ・・・・あまあまは鬼だよ・・・・』

 

簪に付き合ってやっていた本音もそれらのコンボを聞いて戦慄する。

 

「それよりもウイルスどもを駆逐するぞ。動きがワンパターンならば恐るに足らずだ!」

 

その後も一夏達は特に問題もなくウイルスを駆逐していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、別口で潜入していた名も無き兵達はというと・・・・

 

「何なんだこの学園は!?」

 

突如出現した通路一杯の大きさの鉄球に追われていた。しかもこの鉄球、曲がり角を曲がっても角でバネ仕掛けで弾かれて追い続けてくるのだ。

 

「こんなトラップがあるなんて聞いてないぞ!」

 

無理もない。何せこのトラップを仕掛けたのは雪兎なのだ。

 

「わ、分かれ道だ!二手に分かれるぞ!」

 

すると、名も無き兵達の前に丁字路が現れたので左右に分かれ鉄球から脱するも、床がパカッと開き名も無き兵達は落ちていく。そう両方共落とし穴が仕掛けられていたのだ。更にその底には強力な粘着力を持つ粘性の液体で満たされており、名も無き兵達はあっさり御用となったのであった。この映像を見た簪は「これ、どこの罠ゲー?」と呟いたんだとか・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、千冬と隊長の戦いはやはりと言うのか、終始千冬の優勢であった。

 

「どうした?その程度か?」

 

それもそのはず、ファング・クエイクは元より安定稼働を主として開発された機体で攻撃手段は拳とナイフ、それから拡張領域に収用していたアサルトライフルだけに対し、打鉄・参式は可変式の大型実体刀【参式・斬艦刀】に高周波刀が二振りとアサルトライフルに炸裂装甲楯、ドリルブースターアームなど多彩である。ライフルは既に両断され、ナイフなど斬艦刀や高周波刀の前では無力でしかなく、拳はドリルブースターアームで左を破壊された。

 

「これが世界最強(ブリュンヒルデ)・・・・」

 

最早、満身創痍に近い隊長に千冬は斬艦刀を向ける。

 

「さて、そろそろ終わりにするか。あちらもあらかた片付いたようだしな」

 

雪兎のトラップで捕縛されたグループの他にも真耶、楯無によって無力化されたグループもあり、名も無き兵達は千冬と交戦していた隊長以外は全滅していた。仕込んだウイルスも一夏達に消去(デリート)されている。

 

「何、殺しはせんさ。だから気にせず眠るといい」

 

最後に自身が最も得意とした抜刀術でファング・クエイクのシールドエネルギー及び隊長の意識を削り撃破すると、参式が仮想モニターに新たに発現した単一仕様能力が表示される。

 

「【我に断てぬもの無し】か・・・・暮桜の【零落白夜 】といいまたピーキーなものが出たものだ」

 

シールドバリアを無効化する【零落白夜】と違い、シールドバリアすら切断することで破り、絶対防御を強制的に発動させるという【我に断てぬもの無し】。それを見て千冬は苦笑しつつも隊長を捕縛し皆の待つオペレーションルームへと帰投するのであった。




戦闘描写は苦手なのでこんな風になってしまいました。
ファング・クエイク自体があまりどういうISなのか分かりにくい・・・・せめてもう少しコンセプトがはっきりしてれば。

【我に断てぬもの無し】は防御不可攻撃と思ってください。食らったらあっという間にシールドエネルギー削られます。そして【零落白夜】より燃費いい・・・・


次回予告

名も無き兵達の起こした騒動はあっさりと鎮圧され、すぐに日常が戻ってくる。そんな中、一夏達と共に雑誌の取材を受けることになった雪兎。そこで雪兎が口にしたこととは?


次回

「代表候補生のお仕事 兎、取材を受ける」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。