IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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やっと原作8巻・・・・
ワールド・パージが発生しないこの世界にて雪兎達に襲いくる事件とは?
その他にも色々な事件が・・・・

それではISー兎協奏曲ー第9幕開演です。


九章「兎と千冬と襲撃者」
56話 名も無き兵と守護者の剣 兎、罠を仕掛ける


無人機襲撃事件から数日が経ち、修理のためISを預けている専用機持ち達は暇をもて余していた。一方で雪兎はその修理中のISについて千冬に呼び出され説明をしていた。

 

「では、まともに動かせるのはお前の雪華と私の参式、それと山田先生のリヴァイヴⅡに楯無のミステリアス・レイディだけか」

 

「ええ、ダメージこそあまり無いですが、実戦稼働となるとフルメンテはしておきたいですね」

 

「そうか・・・・」

 

「せっかくですし、あのExpected Operation Seeker(外骨格攻性機動装甲)略してEOSでしたっけ?あれの試験運用でもやらせたらどうです?」

 

「ああ、あの国連が寄越した玩具のことか・・・・いいかもしれんな」

 

「まともに動かせるのはラウラくらいでしょうけどね」

 

EOSにはISのようにPICなどの補助機構がなく、パワーアシストはあれど稼働時間や能力はISには劣り、EOS千機でIS一機と同等とすら言われている。そのため使用したことがあるのは本格的に軍属経験のあるラウラくらいのものなのだ。

 

「お前もあれくらい余裕だろう?」

 

「俺はあんな不細工なの使うくらいなら自作しますけどね。というか作ってありますよ?」

 

「お前というやつは・・・・今回は国連の寄越したやつを使え。データ取りの必要があるらしいからな」

 

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の実習で早速EOSの試験稼働を行ったのだが、雪兎の予想通りまともに動かせたのは雪兎以外ではラウラだけだった。

 

「お、重い・・・・」

 

「ISと同じに考えるからそう感じるんだ。はい、終了」

 

全員で模擬戦を行うも一夏は早々に雪兎の足払いを食らい転倒、そこにペイント弾を食らいリタイア。セシリアは銃の反動に慣れる前にラウラに転倒され、ペイント弾の掃射を受けてリタイア。鈴もラウラの隙を狙い殴りかかるも簡単に回避されてつまづいて転倒してリタイアした。

 

「残るは箒とシャルロットに雪兎か」

 

「箒とシャルなら終わったぞ」

 

言われて見てみれば箒とシャルロットは既にペイント弾まみれになっていた。

 

「やはりお前もこれ(EOS)の扱いに慣れていたか・・・・」

 

「まあな、というか、これより少し小型なもん自作してたら束さんに目を付けられてね」

 

「・・・・お前はやはり弟子になる前から規格外だったのだな」

 

雪兎が束の弟子となった意外な理由がここで発覚する。というか、どこにそんな部品を買うお金があったのやら。

 

「つうわけで決着つけるか、ラウラ」

 

「そうだな」

 

それから二人の壮絶なEOS戦が始まるが、結局決着はバッテリー切れでドローという結果となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、突然学園の電源が落ちる。それどころか防御シャッターが降り、緊急用電源にも切り換わらず、非常電源も点かない。雪兎の部屋は雪兎個人で緊急用電源を持っていたため無事だった。

 

「来たか」

 

「みたいだね」

 

この襲撃を予期していた雪兎は部屋のセキュリティレベルを上げ皆の専用機を納めたケースを手に部屋を出る。

 

「全員のstorageに通信機能付けといてよかったわ」

 

「そういえばこの前一夏達にもあげてたもんね」

 

そう、今まで渡していなかった一夏や箒にもstorageを渡していたのだ。当然、緊急用の装備も入れてある。

 

『全員聞こえているな?各自、地下のオペレーションルームへ集合。今からマップを転送する。防壁に遮られた場合、破壊を許可する』

 

そして、またしてもIS学園は何者かの襲撃を受けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が地下のオペレーションルームへと到着するとそこには千冬に真耶、それに雪菜の姿があった。

 

「全員揃ったな?それでは現状の説明をする」

 

千冬の説明から今IS学園は何者かによってハッキングを受けていること。同時に何者かが侵入して来ていることが説明される。

 

「IS学園は独立したシステムで運用されているが、どうやら内部から干渉する為の装置を設置されたらしい。信じたくはないが内通者がいるとみて間違いないだろう」

 

しかもハッキングは常時行うものではなくウイルスを送り込む為のものらしく、装置を取り外してもすぐに復旧できるものではないらしく、電脳ダイブを用いて撃退するとのこと。

 

「天野と更識姉妹に布仏、それと棗以外の八名で電脳ダイブを行ってもらう」

 

「何故八名なのですか?」

 

「電脳ダイブ用の装置は八つしかない。それに更識妹と布仏、そして棗には各員のオペレートを。天野にはシステムの復旧という仕事がある」

 

それを聞いてダイブ組は納得する。

 

「残った私と山田先生、それと楯無は侵入者の排除だ。天野先生にはここの統括を頼む。まだ一般生徒に被害は出ていない今の内に片をつけるぞ」

 

「「「「了解!」」」」

 

こうしてハッキングを仕掛けてきた侵入者を撃退するというミッションが発令されるのであった。

 

「マドカがダイブ組なのは万が一にもマドカを糾弾対象にしないためですか?」

 

「ああ、十中八九今回の襲撃はお前が予想していたあの国だろう。代表候補生であるあいつを国に戻したこのタイミングだ、まず間違いないだろう」

 

「それじゃあ、約束通り今回は先生にお任せしますよ?でも、復旧がてら防壁や侵入者用のトラップを起動させてしまうくらいのことならやってもいいですよね?」

 

「・・・・好きにしろ。但し、やり過ぎるなよ?」

 

そう言い残し千冬は参式を手に侵入者達の元へと向かう。

 

「私のいるこの学園で好き勝手できると思うなよ?米国」

 

学園で敵対してはならないとされる世界最強(ブリュンヒルデ)守護者の剣(打鉄・参式)と共に今動き出す。

 




という訳で米国襲撃です。

今回はワールド・パージが無いのでこんな形となりました。


次回予告

侵入した名も無き兵達を迎撃すべく、千冬が参式で、真耶がリヴァイヴⅡで出撃する。
対する敵はファング・クエイクで対峙するが・・・・

次回

「我に断てぬもの無し 兎、トラップで翻弄する」

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