IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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一夏と白式の魔改造回です。
白式をどう改修するか考えてたら原作にヒントが・・・・本体の容量無いなら外付けすればいいじゃない!
原作のやつを先取り・強化することにしました。

活動内容のアンケートにもご協力ください。


55話 一夏の決意 兎、親友に技を教える

二度目の無人機襲撃事件は色々と原作との違いはあったが怪我人も大きな問題なく解決した(襲撃前のダリルとフォルテを除く)。それでも各専用機の受けたダメージは少なくないため一年生の専用機と忍の不知火は雪兎が、楯無のミステリアス・レイディは楯無と整備科がそれぞれ修理することに。ダリルとフォルテは専用機のアップデートも兼ねて一時帰国して修理するらしい。

 

「で、頼みたいことってのは何だ?」

 

そんな中、一夏は雪兎の部屋である相談をしていた。

 

「それなんだが・・・・特訓のレベルを上げてくれないか?」

 

「急にどうした?それに今のお前の担当は楯無さんだろ?」

 

「それとは別にこの前のタッグマッチの時の技とかちゃんと教えて欲しいんだ。頼む、この通り!」

 

確かに雪兎は前のタッグマッチで一夏に見せるような試合をした。まさか無人機戦で早速使うとは雪兎も思ってもみなかったが、どうやら一夏は己の目指す戦闘スタイルをそこに見たらしく、改めて雪兎に教えを乞うたのだ。そのせいか一夏は土下座までして雪兎に頼み込んでいる。

 

「だぁー!もうわかったから土下座はやめろ」

 

「よっしゃ!」

 

「とはいえまだ白式とかは修理中だしなぁ・・・・先にあっち教えるか」

 

「?」

 

連れていかれたのは武道場。一夏にとっては箒に鍛えられたり、楯無にボコボコにされたりした思い出深い場所である。

 

「こんなとこに連れてきて何をするんだ?」

 

「一夏、お前に一つ技を教えておく」

 

そう言って雪兎は試し切りで使われる的を用意する。

 

「見せるのは一回だけだ・・・・見逃すなよ?」

 

そして的から離れた場所に立つと一気に距離を詰めてすれ違い様に抜刀し的を切り落とす。

 

「・・・・八葉一刀流、四の型【紅葉切り】」

 

雪兎が使ったのは某軌跡シリーズにて一夏と同じ中の人が演じるキャラも使う八葉一刀流の技だった。

 

「他にもいくつか知ってる技はあるが、今の一夏に必要なのはこの紅葉切りだろう」

 

「紅葉切り・・・・」

 

「ほれ、やってみ」

 

そう言い雪兎は使っていた特殊合金製の打刀を一夏に渡す。

 

「練習用に作ったやつだから簡単には歪まないから遠慮なく使え」

 

「お、おう」

 

それから何度か一夏も試してみるが太刀筋が悪いのか中々両断できない。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

 

「少なくとも半分以上は切れてるから最初にしては上出来か」

 

普通の抜刀術ですら半分切れるのは素人にしては上出来な方であると考えればダッシュからすれ違い様に行う紅葉切りでここまで出来れば上出来な方だ。

 

「その打刀は暫く貸してやるから練習してみな」

 

「わかった」

 

こうして雪兎の手により一夏は原作とは違う新たなスタイルを学んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、お前もか、白式」

 

修理中の白式用のモニターに表示された文字を見て雪兎は苦笑する。

 

『私にもどうにか追加装備を付けれませんか?』

 

似た者主従とでも言うのか以前のリヴァイヴのように雪兎に改修を願う白式。

 

「拡張領域無いのにどうやって追加装備する気だよ?そもそもお前は好き嫌い多すぎだろ」

 

白式は使用許可(アンロック)した武装を使うことですら機嫌を損ねる気難しいISなのだ。それが自ら追加装備を願うなど雪兎からすれば驚くべきことだ。

 

「まあ、拡張領域の方は試作してるアレ(・・)使えば何とかなるか・・・・でも武装はどうする気だ?」

 

すると、白式はモニターに雪兎が試作していたいくつかの武装を表示する。

 

「お前、どんだけ一夏にハードモードさせる気だよ・・・・」

 

確かに今の白式にある欠点を埋める武装ではあるが、一夏の操縦技量を超える代物になりそうである。

 

「しょうがねぇな、アドヴァンスドシリーズでやる予定だったあっちも組み込むか・・・・」

 

雪兎が新たにモニターに表示したのは今までに無い新たなカテゴリーの武装だった。

 

「これの試作機の一個を回してやる。お前の我が儘で追加するんだから拒否とかすんなよ?」

 

こうしてリヴァイヴに続き白式までもが雪兎によって新たな姿へと変貌を遂げることとなるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏side

 

雪兎にあの技を見せてもらってから数日が経った。その日も俺は雪兎に借りた打刀を手にあの技【紅葉切り】を習得すべく特訓に励んでいた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

 

幸いなことに雪兎の打刀は強度だけならば既存の刀に喧嘩を売っているようなとんでもないもので、どれだけ振るっても歪み一つ無いのでいくらでも練習することができた。

 

「もう一度っ!」

 

雪兎の動きを思い出し、的の懐に飛び込んで抜刀。

 

「はぁっ!」

 

それは今までと違いスッと打刀を振り抜けた。

 

「・・・・できた」

 

見れば切り口こそ荒いが、確かに的を両断していた。

 

「ほぅ、あいつに習ったのか」

 

すると、そこに千冬姉が近付いてきた。

 

「千冬姉・・・・見てたのなら声くらいかけてくれよ」

 

「織斑先生と呼べと言っているだろうが・・・・」

 

そう呆れたように言ってはいるが、その時の千冬姉は少し嬉しそうに見えた。

 

「八葉一刀流、その名の通り八つの型から成るあいつが篠ノ之道場とは別で学んだ剣らしい。その中でも紅葉切りは確かにお前にピッタリの剣だろう」

 

「ああ、雪兎も今の俺に必要な技だって言ってた」

 

初めて使う技なのに何故かこの紅葉切りはしっくりくる感じがする。

 

「上手くいかないのはお前の体重移動が雑だからだ。貸してみろ」

 

打刀を受け取ると千冬姉は雪兎と寸分も変わらない紅葉切りで的を両断する。

 

「体重移動がしっかりしないから軸が振れて剣筋が荒くなるんだ。普通の抜刀術とは異なり相手との距離を詰めながらの抜刀だ、そこを怠るな」

 

それだけ言うと千冬姉は打刀を俺に返し武道場を去っていった。

 

「体重移動と軸か・・・・」

 

それから俺は下校時刻ギリギリまで何度も剣を振るい千冬姉のアドバイスのおかげか確実に的を両断できるようになった。

 

side out




という訳で雪兎が一夏に仕込んだのは同じ中の人が演じるリィンの使う八葉一刀流です。

今回は少し中途半端な形で章を終えますが、次の本来ならばワールド・パージに該当する章の関係です。
ワールド・パージが発生しないため半ばオリジナルの章となります。

これにて八章は閉幕となります。


次回予告

ワールド・パージは事前に防いだものの、それと期を同じくして発生する名も無き兵たち(アンネイムド)の襲撃は別の形でIS学園を襲う。だが、それすら予期していた雪兎によって解き放たれた守護者の剣が動き出す。

次回

「名も無き兵と守護者の剣 兎、罠を仕掛ける」

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