IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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残り二組の戦闘模様です。
今回は雪兎は戦わない予定です。

活動報告にてアンケート実施中です。


54話 それぞれの戦い 兎、見学する

雪兎が次に訪れたのは鈴、セシリア、シャルロット、マドカのいるアリーナだった。

 

「あの二人がいるからここはそんなに心配してねぇんだけどな・・・・」

 

そう、このアリーナにいるシャルロットとマドカは特訓メンバーの中でもトップクラスの実力を持つ二人。雪兎のように瞬殺とはいかないまでも負けはしないと雪兎は考えていた。そして、鈴とセシリアも連携さえしっかりすれば負けはしないと踏んでいた。

 

「やっぱりこのメンバー相手じゃ三機でもキツいか・・・・」

 

見れば最後まで残ったチャクラムを持つεがマドカのフッケバインのレーヴァテインで両断されるところだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時間は遡り、突如γ、δ、εが現れアリーナは騒然となる。

 

「何よこいつら・・・・」

 

「前のクラス代表戦の無人機に似てはいますけど・・・・」

 

鈴とセシリアにとっては苦い思い出となっている無人機襲撃事件。それと似たISの出現に雪辱戦と闘志を燃やす鈴とセシリア。

 

「ともかく、他の生徒が避難する時間を稼がなきゃ!」

 

(雪兎から聞いてたのと違う無人機?)

 

「何であろうと敵であるならば倒すまでだ!」

 

今回が初の遭遇となるシャルロットとマドカだが、シャルロットは前に雪兎が言っていた原作の無人機との違いに少し困惑していたが、すぐに切り替えて現場の指揮をとる。

 

「僕と鈴とマドカでそれぞれ一機ずつ、セシリアはそれぞれのフォロー・・・・いける?」

 

「この面子じゃそうなるわよね」

 

「わかりましたわ」

 

「了解だ、義姉さん」

 

そしてシザークローのγは鈴、バンカーのδはシャルロット、チャクラム持ちのεはマドカが担当することに。

 

「いけ!龍顎!」

 

七機では狭いアリーナで誤射の危険のある衝撃砲は使えないため、鈴はアンカークロー【龍顎】と双天牙月しかまともに使えない。対するγは両腕のシザークローと背面のシザービットで攻撃してくるので鈴の方が不利と言える。だが、それは一対一の場合であり。

 

「はぁっ!」

 

精密狙撃を得意とするセシリアがフォローに回りシザービットを撃ち落としていくことで戦況は鈴の方に傾きつつあった。

 

「所詮は無人機のパターン化した動き。であればわたくしにも」

 

セシリアのビットで逃げ場を失いとうとう鈴の龍顎がγを捕らえる。

 

「ナイス、セシリア!そいやっと!」

 

そして、鈴はその捕まえたγを何故か放り投げる。しかし、鈴とて何も考えずそんなことをした訳ではない。

 

「こっちもいくよ!」

 

放り投げられたγに向かってシャルロットも【一角獣の紋章】で突き刺したδを吹き飛ばしγにぶつけ・・・・

 

「鈴!」

 

「いくわよ!【覇龍咆哮】!!」

 

二機まとめて六基連動衝撃砲【覇龍咆哮】を上から撃ち込み、地面にクレーターを作りつつ二機をスクラップへと変える。

 

「相変わらずえげつない威力よね、コレ・・・・」

 

「うん、絶対防御なかったら受けたくないね」

 

一方、マドカはいくつものチャクラムを操るεを相手にしていたが・・・・

 

「その程度か?」

 

軽々しくレーヴァテインを振るい全てのチャクラムを両断すると一気に距離を詰めてεをも両断する。

 

「拍子抜けだな・・・・」

 

あっさり片付いてしまったことに落胆するマドカだったが。

 

「よっ、援護に来てみたが・・・・必要なかったみたいだな」

 

「当然でしょ?」

 

「兄さんの方は?」

 

「こっちも三機だ。あの二人は出れなくて一人だったが、面倒だったから速攻で片付けたわ」

 

「相変わらず規格外ですわね・・・・」

 

「雪兎だからね」

 

最早特訓メンバーの中では雪兎=規格外という式ができていた。

 

「この分だと簪達の方も片付いてそうだな・・・・」

 

「その様子ですと一夏さん達も?」

 

「あっちはもう片付いてる。二機だけだったしな・・・・他は三機ずつだったみたいだが」

 

「雪兎がアドヴァンスド使わなきゃ一夏達も三機だったんだろうなぁ・・・・」

 

雪兎一人に対し三機投入する相手の気持ちが少しだけ理解できた四人。

 

「他にも二機いたけど、織斑先生も参式で出たしな」

 

「「「「えっ?」」」」

 

もう一人の規格外(ブリュンヒルデ)も出ていたと知り、四人も驚く。

 

「今頃は真っ二つだろうなぁ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、当の簪達はというと・・・・

 

「ご馳走様でしたー」

 

無人機のうち二機は既に簪の打鉄弐式【剣山】の大型クローで拘束されナインテイルによってシールドエネルギーを吸い尽くされ機能停止していた。

 

「ISの無力化という点においては本音のナインテイルは優秀」

 

残る一機も楯無のミステリアス・レイディの清き熱情(クリア・パッション)による爆破攻撃でボロボロになったところを試作バイザーボードに乗った忍の不知火のブレードで両断される。

 

「ふぅ、スッキリしたわ」

 

「たっちゃん、ストレス溜まってる?」

 

こちらは楯無がいたことと、簪との仲が拗れていなかったことが幸いし、見事に無人機は鎮圧されていた。

 

「ほぅ、二機も確保したか」

 

「あっ、織斑先生」

 

そこに上空の二機を片付けた千冬が降りてきた。

 

「かんちゃんと私が連携したんだよー」

 

「なるほど、布仏のナインテイルの九尾か・・・・使えるな、その装備は」

 

「ええ、本家の方でもこのまま譲ってもらえないか検討中らしいですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この戦いで回収されたコアは雪兎が三つで学園が五つ(残りはスクラップ同然らしい)となったが、そのことは前回同様秘匿されることになった。元々雪兎の持つコアは束から貰った476外のものではあるが、それ以上にコアが存在すると知られれば各国がそれを求めて争うことは目に見えているからだ。

 

「IS学園め・・・・今に見ていろ」

 

しかし、そんな中、IS学園がコアを秘匿していると気付いたある国はとある手段に手を出した。

 

名も無き兵たち(アンネイムド)を出せ。無人機のコアと白式、それを奪取するのだ」

 

それが兎の皮を被った災害(ラビット・ディザスター)の逆鱗とも知らずに・・・・




次回で八章も終わりです。
そして、とうとうあの国が動きます・・・・あの国ってどれだけ雪兎の逆鱗刺激する気なんだか。


次回予告

無人機の襲撃を切り抜けた雪兔達。しかし、今回の襲撃で思うところがあったのか一夏は雪兎にある相談を持ちかける。

次回

「一夏の決意 兎、親友に技を教える」

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