今度、クロスオーバーに関するアンケートをする予定です。といってもあんまし選択肢はありませんが・・・・少しマイナーなのあります。
雪兎の圧倒的な試合の後、残りの試合が始まろうとしていたが・・・・
「うわぁっ!?地震!?」
突如アリーナが大きく揺れる。
『全生徒は地下シェルターへ避難!繰り返す、全生徒はーーきゃあああっ!?』
教師が避難勧告のアナウンスを入れるが、その時、再びアリーナが揺れる。
「一体何が・・・・」
その揺れの原因は数体のISだった。それぞれ試合前で待機していた専用機持ちを狙ったものと思われ、各アリーナに二、三体ずつ黒いボディでバイザーを着けた明らかにマネキンと思われる何かが乗っているような不気味なISが現れ攻撃してきたのだ。
「何だ、あれは・・・・」
「前に雪兎君が倒した無人機に似てる」
だが、そのデザインは・・・・
「あれって、【ムラクモユニット】?」
そのデザインに一夏は見覚えがあった。そう、以前に弾の家でプレイしていた対戦格闘ゲームに登場する【ムラクモユニット】と呼ばれる人型兵器で、λ、μ、νの三基がゲーム中には登場する(もう一体ムラクモユニットと思われるキャラも存在する)。アリーナを強襲してきたISは本体の次元接触用素体の少女をマネキンのようなものに変え、手足のユニットをISっぽく大型化したようなものだった。この二機の違いは色、そして腕と背面のブレードだったパーツが爪と砲身になっていることだろう。
「一夏!迎撃するぞ!」
「聖、私達もいくぞ!」
このアリーナにいたのは一夏、箒、ラウラ、聖の四名。この無人機を仮にゴーレムα、βとし四名はISを展開して迎撃に移った。
一方、鈴、セシリア、シャルロット、マドカのいるアリーナには鋏のようなシザークローを持つγとパイルバンカーを持つδにチャクラムのようなものを持つεの三機が襲撃して来ていた。
「何よこいつら・・・・」
「前のクラス代表戦の無人機に似てはいますけど・・・・」
「ともかく、他の生徒が避難する時間を稼がなきゃ!」
「何であろうと敵であるならば倒すまでだ!」
簪、本音、楯無、忍のいるアリーナにはチェーンソーを持つζ、トンファーを持つη、蟷螂の鎌のようなものを持つθの三機が現れる。
「これって・・・・」
「あの時の無人機?」
「随分と強化されてるみたいね」
「みたい」
「あいつが警戒していたのはこいつらか!」
突如現れた無人機達に指令室にいた千冬はすぐに自身も参式で迎撃に向かおうとするが・・・・
「織斑先生!まだ別の無人機が!」
真耶がそう言い反応を調べると雪兎のいたアリーナに三機、更に上空に二機の無人機がいた。
「くそっ!天野、お前は出られるか?」
『幸いダメージもないので出られます・・・・織斑先生は上空の二機をお願いします』
「無理はするなよ?足留めで十分だ」
『了解・・・・でも、倒してしまっても構わないのでしょう?』
明らかに危機的状況だというのに雪兎は某錬鉄の英雄のようにそう言う。
「構わん、私が行くまでに片付けば他の援護に向かえ!」
千冬も無人機ごときでやられるとは思っていないようで少し冷静さを取り戻しそう指示する。
「束さん、俺殺しにきてないよな?」
千冬との通信を切り雪兎が対峙したのはλ、μ、νと思われるゴーレム。ダリルとフォルテは雪兎がボロボロにしてしまったので出られないことを考えると雪兎が三対一で一番不利な状況だ。
「調子にのってムラクモシリーズ全部作るんじゃなかったわ・・・・」
そう、このムラクモシリーズは雪兎が束のところで改修したゴーレムなのだ。それぞれの武装は雪兎の創作ではあるが、元のゴーレムⅢをフルボッコ出来る性能はある。しかも限りなく原型の武装を再現した武装を持つため能力は高い。
「少し勿体ない気もするが、あいつらの援護もせにゃいかんし、速攻でいくぞ?」
そう言うと雪兎は再び【LF:ルシフェリオン】を纏い瞬時加速で一気に距離を詰めるとμの胸部を貫手で貫く。原型と違い少女の姿をしていないからか雪兎に躊躇いはない。
「お前が一番厄介だからな」
遠距離での封殺を得意とするμのコアを抜き取り機能停止させると雪兎はすぐに後方に跳ぶ。すると、雪兎が先程いた場所を左右からソードビットが飛ぶ。
「あっぶねぇ!」
λとνのソードビットを避けつつ、νへと接近した雪兎はνの放った蹴りを受け止め逆に投げ飛ばし胸部を貫きコアを抜き取る。
「二体目。やっぱりあいつ先潰して正解だったな」
順番を間違えていればソードビットとμの射撃で封殺されていた可能性を考え雪兎はゾッとする。そこにλのソードビットが迫る。
「ちっ、少しは休ませろっての!」
それを雪兎はルシフェリオンの固有武装である大型の槍のような武装を取り出しソードビットを薙ぎ払う。
「ルシフェリオン・ドライバー!ぶち抜けっ!」
そしてそのままλに接近して胸部を突く。
「三体目っと・・・・少し時間かかったな」
ちゃっかり三体分のコアをゲットしておいてこれである。
「さてと、他の連中の様子を見に行くとしますか」
そう言うと雪兎はルシフェリオンからイェーガーへとパックを切換て他のアリーナへと向かった。
一夏達はそれぞれ二人で一機の無人機を相手にしていた。一夏と箒が近接型のαを、ラウラと聖が砲戦型のβを相手にしている。
「くっ、こいつ、硬い」
「下手に近付けばあの爪のビットで狙われ、隙を見せれば強力な一撃・・・・厄介な相手だ」
何度かαと切り結んでいる一夏と箒だが、思った以上にαの爪を用いた格闘戦能力とネイルビットが二人を苦しめていた。
「雪兎ならどうしただろうか・・・・」
そこで一夏の脳裏を過ったのは先程の雪兎の試合だった。
「一か八か・・・・箒、援護を頼む!」
「一夏!?」
そう言うと一夏はいきなりαへと向かっていく。αもそれを感知すると一夏にネイルビットを飛ばし迎撃しようとするが。
「今だ!」
突然一夏の姿が消え、αが周りを見回す。
「こっちだ!人形野郎っ!!」
その隙に背後へ回っていた一夏は零落白夜を起動させαを一刀両断する。
「ふぅ、なんとかなったか・・・・」
「一夏!今のは雪兎の・・・・」
「ああ、瞬時加速で背後を取る技。なんとか物にしたぜ」
そう、一夏がやったのは雪兎がフォルテに対して使った瞬時加速の応用技。それを一夏は一回見ただけで覚え、物にしてしまったのだ。
「おかげでエネルギーはほとんど使っちまったがな」
瞬時加速二連打と零落白夜でエネルギーを使い果たしてしまった一夏は苦笑する。
「まったく、お前というやつは・・・・」
そんな一夏に呆れつつも徐々に強くなっている一夏に箒は嬉しさを感じていた。
一方でラウラと聖はというと・・・・
「捉えた!」
砲戦型のβになんとか接近したラウラがAICでβの動きを止め。
「私だってやってみせる!」
近接戦仕様のバイザーボード【ソードダイバー】で動けないβへと迫り、ボードから降りて加速させたボードを掴み敵に叩き込むウェーブ・ライダーの元となったアニメで使われる高等テクニック【ボーダタック】でβを貫く。
「よし!」
「やったな、聖!」
それは丁度一夏がαを倒したのと同じタイミングだった。
「一夏のやつ、ちゃんと見てたみたいだな・・・・それに聖もボーダタックとかどこで覚えたんだよ」
一夏達の様子を見に来た雪兎だったが、既にαとβは二組に撃破されていた。
「まあいっか、次のアリーナに行くか」
一夏達の成長を見届けつつも雪兎は別のアリーナへと向かうのであった。
雪兎は瞬殺、一夏は雪兎の技を盗み、聖がやらかしました。
という訳で改修されたゴーレムはムラクモユニットをベースに魔改造されたゴーレムⅣってとこですかね?
αからνまでの13機です。予告では八機って言ってたって?それは一夏達が戦うゴーレムⅣの数です。雪兎には数機当てないと足留めできないし、千冬の参式も同じく。
次回予告
なんとかゴーレムⅣを撃破した一夏達四人。一方で別のアリーナでは他のメンバーがゴーレムⅣと対峙していた。
次回
「それぞれの戦い 兎、見学する」