とりあえず今回はタッグパートナーが決まり、その特訓の模様です。一夏は誰と組んだのかな?
専用機持ち限定タッグマッチは文字通りタッグ戦。千冬に言われてソロプレイとなった雪兎を除き、それぞれペアを組むことになったのだが・・・・
「まさかお前も出ることになるとはな・・・・」
「前みたいに雪兎と組みたかったけど織斑先生の指示じゃ仕方ないよね」
「私も出来れば兄さんと組みたかった」
「きゅ」
『頑張って、シャル、マドカ』
そう、マドカまでも参加することになったのだ。しかも、シャルロット・マドカチームというとんでもペアで。その他のメンバーはというと・・・・
「頑張ろうぜ、箒」
「うむ(少し複雑だが、よしとしよう)」
前回組んだという理由で一夏・箒チーム。
「鈴さん、今回は一時休戦ですわ」
「そうね、セシリア。私達を選ばなかったことを後悔させてあげるわ!」
選ばれなかった怨み(完全に逆怨み)でセシリア・鈴チーム。
「一夏君と組めなかったのは残念だったかもだけど、私はまたラウラと組めて嬉しいよ」
「悪いな、聖。今回は前回のような失態は犯さん」
ラウラは親友である聖とチームを組み。
「本音、頑張ろう」
「うん、かんちゃん」
「私も簪ちゃんと組みたかった」
「たっちゃんとは私が組んであげる」
簪は本音と組み、楯無は意外にも友達だった忍と組むことになった。そして、原作通りのダリルとフォルテのイージスコンビにソロの雪兎で計八組15名が競うことになる。
(原作より増えたよなぁ・・・・専用機持ち)
原作一巻でもセシリアが言っているが、専用機持ちというのは一種のエリートであり、学生の時点でそれを保有するというのは極少数である。それが一夏(と雪兎)という起爆剤がいたためにセシリア、鈴、シャルロット、ラウラといった専用機持ちの代表候補生が入学してきたのだ。更に雪兎の関与で聖や本音も専用機持ちになった。それを考えれば一年生に専用機持ちが10名もいる今年は間違いなく異例のことだろう。
「さてと、皆の様子でも見てくるか」
普通ならこの期間中は各自が特訓を行うため雪兎が様子を見に行くのは偵察になるのだが、一年生の専用機で現在雪兎が関与していないISは無いと言ってよく、更に言えばメタ装備やアドヴァンスドというキチガイシリーズを持つ雪兎にまともにやって勝てるとは特訓メンバーも思ってはいるはずがない。そこで、他のメンバーに勝つためにもそれぞれが雪兎に特訓メニューを組んでもらっているのだ。
シャルロット・マドカペアの場合。
「行くよ、マドカ」
「ああ、シャル姉さん」
二人とも戦闘スタイルが似ていることもあって特に問題はなく、ひたすらコンビネーションを鍛える特訓を雪兎は課していた。
「この二人ならまず大丈夫だろ」
この二人に限って言えば技量はメンバーの中でもトップクラスであるため雪兎はあまり心配はしていない。片や雪兎の雪華と同じスペックを持つリヴァイヴⅡSを操るシャルロットに、片や凶鳥の名を冠する自重無しのフッケバインを乗りこなすマドカだ。間違いなく優勝候補だろう。雪兎も流石にアドヴァンスド無しでこのペアはキツい。
一夏・箒ペアの場合。
「はぁっ!」
「くっ!また太刀筋がよくなってきたな、一夏」
「ああ、雪兎のくれたあのディスクで色々学んだからな」
そう、一夏は誕生日に雪兔から貰ったあのディスクを何度も見返してその技術を吸収しており、朝練で取り戻しつつある昔の勘も合わさって急激に成長していた。その一つが千冬が試合で使っていた戦術「先の先、後の先」を体現した抜刀術だ。零落白夜は確かに消耗が激しい。では、千冬はどうしていたのか?簡単だ。一撃で決めてしまえばいい、とばかりに瞬時加速と抜刀術の合わせ技による一撃必倒の斬撃。やはり姉弟と言うべきか一夏にはこれが一番合っていたのだ。
「あとは雪羅も使いこなせれば完璧だろう」
「雪兎に言われるまであの使い方は思い付かなかったよ」
「零落白夜のクローで掴んでの継続ダメージとはな・・・・盲点だった」
雪羅の一番有効な使い方はクローで斬ったり、0距離で荷電粒子砲を射ったりするよりクローで掴み続けることだった。一人目を瞬時加速からの抜刀術で瞬殺し、二人目を零落白夜のクローで掴み続ける限り絶対防御を強制発動させ続けてシールドエネルギーを削る。自身のエネルギーが少なくなったら荷電粒子砲で吹っ飛ばしてからか常時紅椿が接触し絢爛舞踏で回復。雪兎が二人に教えた戦術だ。それは実に雪兎らしいえげつない戦術だった。
(簪と本音にも似たような戦術教えたしな)
セシリア・鈴ペアの場合。
「お前らは機体相性はいいんだからもっと連携を鍛えろ」
こちらもシャルロット・マドカペアと同じく連携を重視したメニューだった。連携に関しては以前の真耶との模擬戦の時にも散々言って聞かせたが、この二人のISは確かに相性がいい。近接に強く、衝撃砲という攻撃手段を持つ甲龍。ビットによるオールレンジ攻撃と偏向射撃を可能とする遠距離型のブルー・ティアーズ。上手く立ち回れば衝撃砲で牽制しつつスナイプすることで相手は近付くことも出来ずやられるか、ビットで翻弄されているところを衝撃砲や双天牙月でバッサリ、という戦術が使える。
「この連携、使えるわね。セシリア」
「ええ、まるで
「「ふふふふふ・・・・」」
「やっぱりお前ら仲良いよな?」
ラウラ・聖ペアの場合。
「静と動、お前らはある意味対極にいるISを使うペアだな」
AICによる停止と防御を得意とするラウラと、バイザーボードで縦横無尽に駆け抜ける聖は普通の連携は難しいと考えた雪兎が二人に与えた戦術は・・・・
「あえて連携をせずに相手を分断しろ」
その対極に位置する戦闘スタイルから逆にそれを利用して敵を分断して一対一にして各個撃破というものだった。
「なるほど、停止結界は一対一なら非常に有効だからな」
理想としてはラウラがAICで一人を停め、その間に聖がもう一人を潰して残りを二人で叩くというもの。原作でラウラ戦の一夏とシャルロットがやった戦術だ。
「私無視してラウラに向かっていったら私がソニックブーストアタックで突っ込んで蹴散らせればいいんだよね?」
「高速移動によるバリアタックルか・・・・」
ソニックブーストアタックとは某神聖十字軍製のロボットなどが使った高速移動時に形成されるブレイクフィールドによる突撃技などのバリア系を攻撃に転用した技を再現した技で、バイザーボードに特殊なフィールド発生装置が積んであり、高速移動時にそれを展開して敵を蹴散らすのだ。この手の攻撃は割りと昔からアニメ等で存在し、その有用性は実証済みだ。
「こっちも問題なさそうだな」
簪・本音ペアの場合。
「なるほど・・・・そうきたか」
二人の戦術はこうだ。まず、簪がオートクチュールである【剣山】の大型クローで相手を拘束し、本音のナインテイルの九尾で打鉄弐式にエネルギーを供給しながら相手のシールドエネルギーを食らい尽くす。単純だが有効な戦術だった。
「この前のレースを参考にした」
「私も頑張る!」
「少し入れ知恵したとはいえその戦術に至るとはな・・・・」
この戦術、一夏と箒のものに似ているが、大型クローによる拘束があるためこちらの方が確実性は高い。ただ、もう片方の相手を拘束しつつ簪が相手しなければならないのがネックだが、拘束した相手を盾にする戦術も雪兎は教えておいた。
「うん、やっぱり雪兎はえげつない」
「あまあまって本当に敵にしたくないね・・・・」
特訓メンバーはこんな感じだ。
そして、タッグマッチ当日。トーナメント表が公開された。
「へぇー・・・・少しは楽しめそうじゃん」
一回戦で雪兎と当たった不幸なペアは・・・・ダリル・フォルテペアだった。
という訳で雪兎の相手はイージスコンビです。ちなみに襲撃は一回戦後です。
イージスコンビに合掌。
次回予告
雪兎の相手は鉄壁と呼ばれるダリル・フォルテペアのイージスコンビ。そんな彼女らに雪兎が用意した装備とは?
次回
「タッグマッチ開幕! 兎、蹂躙する」