八章は専用機持ち限定タッグマッチのお話ですが、更識姉妹の問題は解決済みのため特訓メンバーのパワーアップがメインとなります。
特に一夏とセシリアが七章で学んだことをからパワーアップします。
それではISー兎協奏曲ー第8幕開演です。
50話 専用機限定タッグマッチ!一夏のパートナーは? 兎、ハブられる
ミュウが学園にやってきた翌日の昼休み雪兎達と昼食を取ろうとマドカが授業中はマドカに預けられているミュウと共にやってきた。
「兄さん、昼食の時間だ」
「きゅ」
「あっ、マドカちゃんいらっしゃい。って、それ兎?」
マドカもすっかり1年1組の生徒にはお馴染みとなっているが、ミュウを見るのは初めてであるため驚く。そもそも学園に兎はいなかったはずなので驚くのも無理は無い。
「兄さんの兎でミュウという」
「きゅ」
『ご主人がお世話になっております』
すると、ミュウはプラカードを出して挨拶する。
「えっ?」
普通に考えて兎がプラカードなんか出して挨拶したら驚くに決まっている。
「ん?その兎ってミュウなのか?」
そんな中、以前にも雪兎に預けられた時に会っている一夏がミュウに近付く。
「やっぱりミュウだ。久しぶりだな」
「きゅ」
『あっ、一夏だ』
ミュウも一夏を覚えていたのかマドカの腕の中から飛び出すと一夏に飛び付いた。
「おっと、相変わらずだな、お前は」
「雪兎が動物を飼っていたとは初耳だな」
「正確には束さんのとこから預かってるというのが正解だ」
「何、姉さんの?」
「きゅ?」
『貴女が箒?』
「あ、ああ、私が箒だ」
すると今度は箒に飛び付くミュウ。
「きゅ」
『よろしくなの、箒』
「ああ、よろしくな、ミュウ」
早くも箒とも打ち解けようだ。
その後、屋上でお弁当会となったのだが・・・・
「げっ!ミュウじゃない」
「きゅ」
『久しぶりなの、雌猫』
そう、鈴もミュウとは面識があり、何故かこの一人と一羽は物凄く仲が悪いのだ。
「こっちも相変わらずだな」
しかし、鈴以外のメンバーとは仲良くなった模様。
「あんた達は知らないのよ、そのバグ兎の本性を・・・・」
「きゅっ!」
『失礼な!元はと言えば雌猫が悪い!』
どうも鈴がミュウに何かしたのが原因っぽいが・・・・
「ふん!」
鈴には言う気は無さそうだ。
その日の午後、全校集会にて専用機持ち限定タッグマッチの開催が知らされた。しかし、雪兎だけは一人で参加が言い渡される。
「何で俺だけ?」
「お前がキャノンボールでやり過ぎたからに決まっているだろうが、馬鹿者」
不思議そうにしていると千冬の主席簿アタックが久しぶりに雪兎に炸裂した。
「・・・・そういう訳ですか」
「その代わり、アドヴァンスドの使用は許可してやる」
「つまり仮想敵をやれと?」
「そういう訳だ」
この瞬間、専用機持ち達の、特にキャノンボールでボコられた一同の表情が凍る。あのアドヴァンスドシリーズが解禁される。つまり、あのキャノンボールでの悪夢が再びということだ。
「マズイな、まだあれに対抗する手段は・・・・」
「シャルロットさんの話ではアレ以外にもアドヴァンスドはあるとのこと・・・・」
「つまり、アレよりヤバいのが出てくるかもってこと?」
(ガクガクブルブル)
「シャ、シャルロット?何故震えているんだ?」
「他のアドヴァンスドはアレよりヤバいのね・・・・」
「不幸だよ・・・・」
「うん、無理だねー」
特訓メンバーは未知のアドヴァンスドを、シャルロットは以前に見たアドヴァンスドシリーズの性能を知るが故に身体が震えていた。
「・・・・」
「先輩?」
そして、震えている生徒はもう一人いた。
(ヤバい、何故だか知らないが身体が震えてしょうがない)
震えていたのはダリル・ケイシーという三年生でアメリカの代表候補生だった。そして、このダリル・ケイシー。本名はレイン・ミューゼルといい、あのスコールの姪で亡国機業のスパイでもある。それゆえなのかアドヴァンスド解禁の知らせを聞いた雪兎の笑みに物凄い悪寒を感じたのだ。
(ん?何か視線が・・・・!?)
そして視線を感じてそちらを向くと、犬歯を剥き出しにして笑う雪兎の顔があった。
(・・・・ヤバい、これバレてんじゃね?)
そう思わずにはいられないダリル。何故なら、以前から雪兎達の情報を得ようと周りを嗅ぎ回っていたのだが、ダリルは中々雪兎達に接近する機会を得ることが出来ずにいたのだ。そこであの笑みである。全てを見透かすような雪兎の視線にダリルは恐怖を感じるのであった。
その日の放課後、早速一夏のパートナーを賭けてラバーズ達が言い争いや一夏に迫ったりしていると・・・・
「きゅ」
一夏の前にミュウが立ち塞がる。
「ミュウ?」
「きゅっ!」
『そんなことばっかりしてるから選んでもらえないんじゃないの?』
グサッ!とプラカードに表示された言葉がラバーズに突き刺さる。
「きゅ」
『迫るのは脅迫してるってこと。一夏が怯えてる』
「「「「・・・・」」」」
「きゅきゅ」
『パートナーになりたいならタッグマッチでパートナーになる利点をちゃんと示してお願いするの。少しはシャルを見習うの!』
兎に説教される女子四人という謎の光景が出来上がっていた。
「ミュウちゃん凄い・・・・あの四人を止めた」
だが、ここで一人キレるラバーズがいた。
「一夏は私と組めばいいのよ!」
鈴だ。ミュウと対立する鈴は一夏に手を伸ばそうとするが。
「きゅっ!」
そこにミュウのジャンピングローリングソバットが鈴の顔面に直撃し、吹っ飛ばされる。
「「「「えっ?」」」」
「やったわね!このバグ兎!!」
そして鈴はついいつもの癖でISを部分展開してミュウに殴りかかってしまう。
「あっ、やばっ!?」
鈴も途中で気付いたのだがもう遅い。しかし、鈴の攻撃がミュウに届くことはなかった。
「「「「えっ!?」」」」
何故ならミュウを何処からともなく現れた白い機械の腕がガードしていたからだ。
「きゅ」
『今の私じゃなかったら危なかったの』
「人の台詞真似してんじゃないわよ!って、その腕ってまさか・・・・」
「きゅ!」
『来るの!束ご主人特製IS【月光】』
ミュウが鳴くとミュウの周りに透明の球体が現れ、それに先程の腕や脚自体がブレードになっている脚部に兎を模した頭部、背面にスラスターを持つマドカくらいの大きさの小型IS【月光】が出現した。
「「「「う、兎がISに乗ってる!?」」」」
そう、ミュウが束の興味を引いた最大の理由はミュウがISを使えることなのだ。つまり、ミュウは世界でたった一羽のIS操者兎なのだ。
「しかもあれ、モビルトレースシステム使ってるな。脚のブレードからして近接格闘型か・・・・」
そんな中、雪兎は一人。月光に使われてる技術を観察していた。
「きゅ」
『雌猫、かかってこいなの!』
「上等じゃない!今日こそ人間様の力を思い知らせてやるわ!!」
その後、ミュウVS鈴の戦いが繰り広げられたのだが、小回りが効くミュウに翻弄された鈴が敗北するという結果に終わった。
「きゅ」
『笑止、なの』
「「「「兎つえー」」」」
やはり束が気に入っただけあってミュウも細胞単位で普通の兎ではなかったのであった。
ミュウ無双です。
ISまで操る兎とかどんだけ・・・・
25日に出た新巻の内容から少し修正を入れています。
デュノアの正妻いい人やん!新しいシャルロットのISもおもしろい。あれはどっかでどういった形かは未定ですが使うつもりです。
次回予告
すっかりメンバーに馴染んだミュウも加わり特訓は続く。そしてとうとうタッグパートナーが決定する。
次回
「決定タッグパートナー! 兎、皆を鍛える」