IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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学園祭が迫る中、更識姉妹と亡国機業の襲撃に対し雪兎が動きます。

シャルロットの閑話もそのうち書くつもりです。


36話 学園祭準備と亡国機業 兎、メタの準備を始める

楯無と対話した翌日、全校集会にて学園祭の話が出たため、その日のホームルームで出し物を決めることになったのだが・・・・

 

「何で学園祭の出し物の投票で一位になった部に俺が入ることになってるんだよ・・・・」

 

結局何の部活にも入っていない一夏は景品にされていた。尚、雪兎は事前に生徒会所属で本人の希望から整備部と料理部も兼任ということが発表され集会が少し荒れたが、千冬の一喝で静かになった。雪兎の役職は原作で一夏がなる予定だった副会長である。

 

「一夏、それよりもクラスの出し物を何とかするべきだ」

 

何故なら・・・・『織斑&天野のホストクラブ』『・・・・とツイスターゲーム』『『・・・・とポッキー遊び』などと原作通りまともな案が何も出ていなかったのだ。

 

「「却下!」」

 

「「「「えーっ!?」」」」

 

「言いたいことはわからんこともないが俺達二人への負担が大き過ぎるわ!あと今の案だと客に対して対応する人数も合わん!まともな案を出さないなら問答無用で休憩所にするぞ!!」

 

非難の声は雪兎の一喝で沈黙した。正論過ぎて先程の案を強行出来る理由がなかったのだ。

 

「ならば、メイド喫茶はどうだ?」

 

そこでラウラが意見を述べた。

 

「確かに客受けもいいし、飲食店での経費回収も出来るな」

 

「そうだ。それに招待客もいるのだから休憩所としても需要があるはずだ」

 

普段のラウラからは想像できない意見にクラスメイト達は少々驚いていたが、実現性などを考えれば今までの案より随分とまともで、クラスメイト達はラウラの案に割りと乗り気である。

 

「メイド服については私にツテがある。そこの二人の執事服も含めて借りられないか聞いてみよう」

 

ツテとは@クルーズのことだろう。どうやらラウラはあの制服が少し気に入っているようだ。

 

「なら、1年1組はメイド喫茶・・・・いや、御奉仕喫茶だな。それで決定でいいな?」

 

「「「「はーい!」」」」

 

こうして1組の出し物は御奉仕喫茶に決定した。

 

「クラス委員、俺なんだけど・・・・」

 

クラス委員である一夏を半ば無視して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の特訓終了後、一夏と楯無とメイド服の件を連絡しにいったラウラを除くメンバーは食堂に集まっていた。

 

「ーーという訳で、会長も簪とは仲直りしたいんだってよ」

 

面と向かっては言えないと言う楯無に代わり、雪兎が先日の話を一同に聞かせていた。

 

「お姉ちゃん・・・・」

 

信じたいけどまだ信じ切れないといった表情を見せる簪だが、少なくとも否定的ではなさそうだ。

 

「俺が話してみた感想だが、会長ってどうも説明下手っていうか言葉が足りないというか・・・・」

 

「あー、なんとなくあまあまが言ってることわかるよー」

 

「うん、今のは私にもよくわかった。お姉ちゃんっていつも肝心なとこ言わないから・・・・」

 

つまり、「簪が大事だから」その一言さえ伝えていればこんなのややこしい事態にはならなかったのだ。

 

「束さんの場合は大事ってのは伝えくれてるが、本心的なもんが見えなくて信用できない・・・・違うか、箒」

 

「う、うむ、その通りだ・・・・」

 

箒と束の場合は束の普段の態度のせいか本音が見え難く、どこまで本気なのかわからないのだ。

 

「俺が二人に言えるのはもう少し姉を信用してやれってことと、もう少し話をしてみろってことくらいだ」

 

「箒はすぐに会えないからまた何れってことになるけど。簪はすぐ近くにいるんだ。明日、特訓の後くらいに時間取ってもらうよう俺から言っておくから少し話してみろよ」

 

「うん、雪兎がそう言うなら私、お姉ちゃんと話してみる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って話になりました。なんで、少し簪とちゃんと話してやってください」

 

食堂での話し合いを本人達の許可を得て雪兎は楯無に伝えた。

 

「ごめんね。こんなメッセンジャーみたいなことさせて」

 

「そう思うならさっさと仲直りしてください。それで俺の仕事が一つ片付くんですから」

 

「はい、善処します」

 

この手の話だと楯無は何故か雪兎に強く出れない。

 

「・・・・それと、学園祭の時に一夏に接触してくる企業の人間がいたら警戒しておいてください。おそらく、最近起きているIS強奪グループの人間です」

 

「聖ちゃんや本音ちゃんも貴方の新型を持ってるけどそっちはいいの?」

 

「俺がそんなこと対策してないとでも?盗難防止措置はしてありますし、出来るだけ他の専用機持ちと一緒に行動するよう言ってあります。でも、一番狙われるとしたら一夏です」

 

「わかったわ。私の方も警戒はしておくわ」

 

(亡国機業、俺がいる限り悪いがお前らに好き勝手はさせねぇからな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無との話を終えて雪兎が部屋に戻ると部屋の前にシャルロットの姿があった。

 

「シャル?どうしたんだ、一体」

 

「うん、ちょっと雪兎に聞きたいことがあって」

 

「とりあえず部屋に入れよ」

 

他人には聞かせられない話題だと察した雪兎はシャルロットを部屋に招き入れた。

 

「それで?」

 

「うん、前に雪兎が言ってたIS強奪犯の話だよ」

 

以前、雪兎は自身が知る原作知識で起きた大きな事件について大まかに聞かされており、学園祭で起きる一夏襲撃事件についても聞いていたのだ。

 

「犯人グループは亡国機業っていう全貌がわかってない組織だ。俺が知ってる構成員は四人でスコール、オータム、エム、レインで、今回動くのはオータムとエムだ。使用ISはアメリカの第2世代【アラクネ】とイギリスの【サイレント・ゼフィルス】だ」

 

「!?サイレント・ゼフィルスってセシリアのブルー・ティアーズの・・・・」

 

BTシリーズ2号機であるサイレント・ゼフィルスが奪取されているという雪兎の言葉にシャルロットは驚愕する。

 

「亡国機業ってのはそういう組織なんだ。まあ、使用機体さえわかってれば対策のしようなんていくらでもあるからな」

 

すると、雪兎は投影モニターにアラクネとサイレント・ゼフィルスのデータを表示する。

 

「アラクネはデータがあったから詳細まではっきりしてる。そして、サイレント・ゼフィルスは俺の記憶通りならブルー・ティアーズと同じ対応でいけるはずだ。まあ、偏向射撃も使ってくるから警戒は怠るなよ?」

 

「偏向射撃ってブルー・ティアーズのBT兵器が最大稼働した時に使えるっていうあれだよね?」

 

「ああ、それを苦もなく扱うやつが亡国機業にはいる。そいつがエムだ。そんで、一夏に接触してくる巻上礼子を名乗る女がアラクネを使うオータムだ」

 

そんな組織すらメタを張ろうとするのが雪兎なのだ。

 

(悪の組織っぽいけど、亡国機業って組織の人達には同情するよ・・・・)

 

理由は不明だが、各国のISを強奪している亡国機業。となれば次に一夏の白式や雪兎のISが狙われるのは無理もないだろう。だが、相手が悪過ぎたのだ。このメタに定評がある雪兎に事前に使うISを把握されるというのがどれだけ致命的なことなのか、亡国機業はこの学園祭で思い知ることになる。




という訳で雪兎が亡国機業の歓迎準備を開始・・・・原作での強敵感が大幅ダウン確定です。
福音の時と違い遠慮する必要性ゼロのため、雪兎はガチモードです。(終わったな、亡国機業)


次回予告

やってきた学園祭当日。一夏と雪兎、それとシャルロットに招待券をもらった五反田兄妹と御手洗数馬の三人がIS学園を訪れる。一方、亡国機業から白式強奪の任を受けやってきたオータムは雪兎や更識によって徹底的な妨害を受けることに・・・・

次回

「学園祭開幕 兎、更識と一緒に妨害工作に回る」

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