雪兎はどこまで語るのか?そして二人の関係は?
やっとアニメ一期分終わる・・・・
「・・・・知らない天井だな」
目覚めて早々元の台詞とは少し違うが転生者がよく使うテンプレの台詞を口にする雪兎。やはりこの手の場面になれば言ってみたい台詞なのだろう。
「ここは病室?ってことはあの後すぐに移送されたのか。それはさておき・・・・」
あれだけの無茶をやらかしたのだ。病室送りも妥当と言ったところだろう。そこで雪兎はあることに気付いた。
「何でシャルがここにいるんだ?」
見れば眠っていた雪兎の足元の辺りにもたれ掛かるようにシャルロットが眠っていたのだ。
「・・・・ん、あれ?僕いつの間に・・・・」
「おはよう、シャル」
「おはよう、雪兎・・・・えっ?雪兎?」
「おう、心配かけたな」
目を覚ましたシャルロットは雪兎が起きているのを知ると目に涙を浮かべながら雪兎に飛びついた。
「雪兎ーっ!」
「うごっ!?」
「雪兎!夢じゃないよね!?ほんとに雪兎だよね!?」
「シャ、シャル・・・・苦し、い・・・・それ、に、傷に、響く・・・・」
雪兎がそう言いながら懸命にタップするとシャルロットは慌てて雪兎を解放した。
「ご、ごめん!あれから3日も寝たきりだったから、つい・・・・」
「3日か、それは心配かけたな」
あれから雪兎は3日も寝ていたらしい。それは確かにシャルロットでなくとも心配になるだろう。
「そ、そうだよ!僕、物凄く心配したんだからねっ!」
それはもう、毎日千冬の懲罰用トレーニングメニューをこなした後に病室に来る程だ。ちなみに雪兎への罰は目を覚ましてから一週間の病室軟禁である。
「すまん、これからはこういうのはなるべく控えるよ」
「なるべく?控える?」
「あっ、いえ、ないよう努力します!」
そう言わせるだけの何かがその時のシャルロットにはあった。
「まったく、これは僕がしっかり見張ってないと安心できないよ」
「信用ねぇな、俺・・・・それはそうと、何か聞きたいことがあったんじゃないのか?」
そこで雪兎は福音戦の時にシャルロットが言っていたことを思い出す。
「うん・・・・雪兎、雪兎は今回のこと、こうなるって知ってたよね?」
「気付いたか」
「うん、僕の時も雪兎は情報源は明かせないって言ってたけど、僕のこと詳しく知ってた。だから気が付いたんだよ」
「これで二人目だな、気付かれたの」
実は雪兎は何れ誰かにバレるのを覚悟していた。その上で気付かれた以上はシャルロットにも事情を話すことを決めた。
「他にも気が付いた人がいたの!?」
てっきり自分だけだと思っていたシャルロットは雪兎のその言葉に酷く動揺していた。
「束さんだよ。まあ、「聞いちゃったらつまらないから聞かないけど」とか言って詳しくは聞いてこなかったがな」
「な、なるほど・・・・」
束であれば納得だと、シャルロットは落ち着きを取り戻す。
「聞きたいって言うんなら話すが、結構無茶苦茶な話だから信じるか信じないかはシャルに任すわ」
「う、うん・・・・」
そしてシャルロットは予想もしていなかった雪兎の秘密を知る。
「説明が難しいから簡単に結論だけ言うとだな。俺、実は転生者ってやつなんだわ」
「転生者?それってよく創作とかであるあの転生?」
「そっ、俺は一回別の世界で死んで、こっちの世界で天野雪兎として生まれ変わったってことだ」
「そ、それと今回や僕のこととどういう関係が?」
転生のことはとりあえず置いておいて肝心な雪兎がそれらのことを知っていた件の説明がまだだ。
「こういうのはちょっとシャル達には申し訳ないんだが・・・・」
そう前置きして雪兎が口にしたのは転生よりもとんでもないことだった。
「前の世界にな、この世界を題材にした
「えっ?」
これにはシャルロットも驚いた。無理もない。まさか自分たちの世界が小説の世界だった、などと言われてはいそうですかと言える訳がないのだ。
「その舞台がIS学園で主人公が一夏だった。俺はそれを読んでたからある程度のことは知ってたんだ。って言っても俺というイレギュラーが増えて細かいとこは大分変わってるけどな」
「それが・・・・雪兎の秘密?」
「ああ、これが俺の秘密だ。話したのはシャルが初めてだがな」
あまりの内容にシャルロットが絶句していると雪兎は少し寂しそうな顔をする。
「やっぱ信じられないよな?こんな話。それに、俺は結局一夏を見殺しにしかけたんだ。そんな俺が仲間面とかおかしいよな」
「そ、そんなことないよ!」
そんな雪兎を見てシャルロットは何故か物凄く腹が立った。
「そんなことない!雪兎は知ってたから皆が立ち向かえれるように皆を鍛えてたんでしょ!色々と対策を練ってたんでしょ!」
「シャル・・・・」
「僕のことだって本当は別のやり方があったんだろうけど、雪兎は僕のこと助けてくれたじゃないかっ!」
雪兎は驚いた。シャルロットが今にも泣きそうな顔で必死にそう言ってくれたからだ。
「あんまり僕を見くびらないで欲しいよ、雪兎。僕はそんなことで雪兎を嫌いになんかなれないよ・・・・僕はそんな雪兎も引っ括めてもう大好きなんだからっ!!」
そして、さらっとシャルロットは更なる爆弾を投下した。
「えっ?」
好意を寄せられていたのは知っていたが、まさかここで告白されるとは思ってもみなかった。むしろ、雪兎は先程の話で嫌われるとすら思っていたのだが、恋する乙女にそんな細かいことは関係なかったのだ。
「雪兎は僕のこと嫌い?」
その聞き方は狡いと雪兎は思った。こんな聞き方をされて嫌いだと言える訳がない。
「あー、もう降参だ、シャル。だからそんな捨てられた仔犬みたいな顔はやめてくれ」
「・・・・まだ雪兎の返事聞いてない」
今日のシャルロットはいつになく積極的だった。
「好きだよ。俺も・・・・」
雪兎は観念した。この娘にはおそらく一生、いや生まれ変わっても勝てないな、と。
「シャル、いや、シャルロット。こんな俺と付き合ってくれるか?」
「うんっ!」
その時のシャルロットの表情は今までで一番輝いて見えた。
「覚悟してよね、雪兎。僕は結構独占欲強いし甘えん坊でしつこいよ?」
「問題ねぇよ。シャルこそ覚悟しとけよ。俺は恋愛経験なんざねぇから加減できねぇからな」
こうして二人はとうとう付き合うこととなったのだった。
とうとう二人がくっつきました。
結局、ほとんどバラしちゃいましたよ、雪兎君。
なのにどうしてこうなった?ほぼ勢いでこうなりました。
そんなこんなで四章は閉幕です。
次回予告
ついに付き合い始めた雪兎とシャルロット。そして訪れた夏休み。二人は改めてデートをすることに!?
次回
「二度目のデート!ミックスベリーは恋の味? 兎、シャルとデートする」
五章は夏休みネタだぁああああ!!