IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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兎協奏曲も四章に突入。兎師匠や福音なども登場します。

今回は水着回。いつも以上に頑張っていきます。

それではISー兎協奏曲ー第4幕開演です。


四章「兎師弟と紅椿 新たな力と暴走IS」
19話 夏真っ盛り!IS学園臨海学校! 兎、海にいく!


7月6日、臨海学校当日。

 

「海っ!見えたぁっ!」

 

トンネルを抜け窓から海が覗くとバスの中でクラスメイト達が声を上げる。

 

「テンション高いなぁ、まあ、海って何かテンション上がるのはわかるけど」

 

「そうだね。皆、普段は学園から出ることがないからそれもあるんじゃない?」

 

「かもな」

 

しかも、初日の日中は自由時間となっており、海で遊びたい放題なのだ。遊びたい盛りの高校生にテンションを上げるなという方が無理があるだろう。

 

「雪兎は楽しみじゃないの?」

 

「ん?ああ、ちょっと心配事があってな」

 

そう言うと、雪兎は箒の方を見る。

 

「箒がどうかしたの?」

 

「箒というかな。明日、箒の誕生日だろ?あの人が何かやらかさないか心配でな」

 

「あの人って、篠ノ之束博士のこと?」

 

「そう、俺の師匠でもある束さんな。あの人、箒の誕生日だから何かしそうでな」

 

そう、箒大好きなあの束が何もしないというのはあり得ない。それについ先日、雪兎にも束から「近い内に会いにいくよー」とメールが来ていたのだ。それで箒の誕生日間近となれば、この日以外ないだろう。

 

(原作なら確か紅椿持ってくんのこの時期だったはず)

 

紅椿、現行のISを遥かに凌駕する第4世代IS。束が自重の一切をせず作り上げた箒の為のISだ。

 

「ほう、面白い話をしているな?」

 

「お、織斑先生」

 

「やっぱ気になります?あの人こと」

 

「先日のVTSに関してあいつに問い合わせてな。あの件は無関係だったそうだ」

 

「あれ、あの人嫌いな類いですしね。むしろ、作ってたとこ殲滅とかする方ですよ?」

 

あんなの無粋だ、とか言い出して色々やってそうである。

 

「確かにな。それで、やはりあいつは来るのか?」

 

「近い内に会いにいくよ、とメールが来てました。なので多分明日かと」

 

「そうか」

 

それだけ聞くと千冬は自分の席へと戻っていく。

 

「雪兎、話を聞いた限りだとものすごい人みたいだね・・・・」

 

「本物見たらもっと驚くと思うぞ。あと、あの人は身内認定してない人は基本的にどうでもいいって人だから注意してな」

 

「うん、覚えとくよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一同は三日間お世話になる旅館・花月荘に到着した。

 

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

 

「「「「よろしくお願いしまーす」」」」

 

「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があってよろしいですね。あら、こちらが噂の・・・・?」

 

「ええ、まあ。今年は二人男子がいるせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません」

 

「いえいえ、そんな。それに、いい男子じゃありませんか。しっかりしてそうな感じを受けますよ」

 

「感じがするだけですよ。挨拶をしろ馬鹿者共」

 

「お、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

「天野雪兎です。よろしくお願いします」

 

「うふふ、ご丁寧にどうも。清洲景子です」

 

そんなこんなで女将さんの景子に挨拶をした後に一夏と雪兎の二人は教員の隣の部屋に宛がわれた男子部屋に荷物を置き、別館で着替えて海に行くことにした。途中、箒と出会いどっかで見たことのあるウサミミを見つけたが、雪兎と箒はスルーして海へと向かった。その後、人参型の何かが降ってきた気もしたが、雪兎はスルーした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、俺は何をしようか」

 

「雪兎ー!」

 

海岸に出た雪兎に後ろからシャルロットがやってきた。

 

「おっ、そっちの水着にしたのか。やっぱ似合ってるな、その水着」

 

シャルロットの着ていた水着は原作で着ていた水着だった。

 

「あ、ありがとう、雪兎」

 

「そういやラウラは一緒じゃなかったのか?」

 

「うん、さっきまでは一緒だったけど聖さんが連れていくからって」

 

「そっか、聖なら大丈夫だろう」

 

原作のシャルロットの役目は聖が引き受けたようだ。

 

「なら、一緒に泳ぐか?」

 

「うん!」

 

それからしばらく二人で泳いでいると海岸の方が騒がしい。

 

「また一夏か・・・・あいつの周りはいつもあんなんだな」

 

「みたいだね。アレはセシリアと鈴かな?」

 

「あの二人は・・・・もう少し仲良くできんのか、まったく」

 

「あっ、雪兎さんにシャルロットさん!一緒にビーチバレーしませんかー!」

 

すると、聖が雪兎とシャルロットをビーチバレーに誘う。

 

「ビーチバレーか、シャルはどうする?」

 

「せっかくだしやろっか、雪兎」

 

チームは雪兎、シャルロット、櫛灘(クラスメイト)のチーム対、一夏、ラウラ、聖のチームである。

 

「ふっふっふっ。7月のサマーデビルと呼ばれたこの私の実力を・・・・見よ!」

 

そう言うだけの実力はあるようでいきなり鋭いジャンピングサーブが一夏のチームを襲う。

 

「任せろ!」

 

だが、原作と違い早々に照れ状態から復帰していたラウラが拾い上げ。

 

「一夏さん!」

 

「おう!」

 

聖がトスを上げ一夏がスパイクを放つ。

 

「任せて!」

 

しかし、こちらもシャルロットがレシーブで上げ。

 

「天野君、お願い!」

 

「任せろ!しゃあ!」

 

櫛灘、雪兎と繋ぎ鋭いスパイクが飛ぶ。

 

「やるな、雪兎!」

 

「勝負というからには負けられん!」

 

その後も激しい打ち合いとなり、気付けばギャラリーが周りを囲っていた。

 

「随分と白熱してるな」

 

「織斑先生!」

 

更に千冬や真耶も参戦して試合は更に加熱していった。

 

 

 

 

 

 

「こんなとこにいたのか、箒」

 

「雪兎か」

 

箒の姿が見えないと思い探してみれば箒は崖の上で一人佇んでいた。

 

「束さんのことか?」

 

「やはりお前にはお見通しか」

 

「明日は箒の誕生日だもんな。あの人が何もしないなんて思えないだろ?それに近い内に会いにいくよ、ってメールが来てたからな」

 

「そうか」

 

「まだ許せないのか?束さんが」

 

箒はISを開発したことで何度も引っ越しを繰り返すことになる生活を強いられるようになり、一夏と離ればなれになったことで束のことを少なからず憎んでいた。それを察して雪兎はそう訊ねた。

 

「恨んでいないと言えば嘘になる・・・・しかし」

 

「頼んだのか、自分の、自分専用のISを」

 

「ああ、やっぱりお前は何でもお見通しだな」

 

「いや、あれだけライバルが専用機持ちばかりじゃそう思うのは無理ないだろう?」

 

確かに今は雪兎の打鉄・参式を借りているが、それは借り物に過ぎない。だから欲したのだろう自分の専用機を。

 

「それを悪いとは俺は言わない。だが、専用機持ちには責任ってのがある。それだけは忘れんなよ」

 

雪兎はそれだけ言うと箒の元を去っていった。

 

「専用機持ちの責任・・・・」

 

雪兎に言われたそれが箒の心に深く突き刺さるように残った。




水着描写とかそんな真似は私には無理でした。
そんなこんなで次はとうとうあの兎師匠こと束が降臨する。


次回予告

臨海学校2日目、箒の誕生日に姿を現したIS開発者・篠ノ之束!その目的は箒に自分の作った専用機を渡すことだった。そして、何故か雪兎と箒が模擬戦をすることに!?

次回

「登場!篠ノ之束!激突、雪華VS紅椿!? 兎、箒とガチバトル!?」

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