キャラ設定やオリジナルISの設定も少し更新してありますので気になる方はチェックしておいてください。
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まず雪兎達が向かったのは女性物の服が売られているエリア。ISの普及に伴い女尊男卑が蔓延ること世界では女性物のエリアが圧倒的に広い。しかも、下手に女性物のエリアに男性が足を踏み入れると見知らぬ女性に命令され、断れば警備員を呼ぼうとする。そして「この人に暴力を振るわれました」などと言われようものなら問答無用で御用という理不尽すらあるのだ。なので、男性連れでこのエリアに足を踏み入れるのであれば連れの女性がしっかり側にいておかないと何をされるかわかったものではない元の世界のことを知る雪兎には魔境と言っていい場所だった。
「頼むから離れないでくれよ?昔、姉さんと来たときにはぐれちまって、姉さんと客がめちゃくちゃ揉めてエライ目に遭ったんだ」
雪兎も既にその洗礼を受けていた。その時は雪菜が代表候補生ということもあり雪兎達の言い分が正しいとわかり客の方が迷惑行為で店に起訴されたという珍事で終わったのだが。
「な、なら・・・・えい」
ならば、とシャルロットは雪兎の左腕に抱き付き両手でしっかりとホールドする。
「しゃ、シャル!?それはいくらなんでも歩き難くないか?」
「だ、大丈夫だよ!それに今日はデートなの!これぐらい当たり前だよ!」
「そ、そういうもんか?なら仕方ない」
女性関係に疎い雪兎はシャルロットの言い分を信じそのまま買い物へ。
「うわぁ、この服、可愛い・・・・」
「確かに、これって◯◯ってブランドの新作だったか?」
「よく知ってるね、雪兎」
「姉さんが昔モデルの仕事とかやってた時、付き添いでブランドの人と知り合っててな」
「ふーん。雪菜先生とねぇー」
「ちょっ!?シャルロットさん!?姉さんは姉弟だぞ!そんなんでスネられたら学園の話題とかオールアウトじゃねぇか!?」
「つーん」
「うわぁ・・・・いきなりこれかよ」
「あれ?そこにいるのは雪兎君?」
するとそこに店員と何か話していた女性が雪兎に声をかけてきた。
「えっ?あっ、千春さん!お久しぶりです」
千春は先の雪菜がモデルをした時に現場にいたデザイナーの女性で、その時に色々と話す機会があって知り合った人だ。フルネームは二村千春である。実は雪兎、こういう知り合いが結構いる。師匠の束と違い人の繋がりはばかにできないと、そこそこ人脈はある方なのだ。
「あら?そっちの娘は彼女?また可愛い娘捕まえて」
「ま、まだ彼女って訳じゃ・・・・」
「ほうほう。アプローチ中?でもその制服IS学園のだよね?勿体無い!デートならもっといい服着ないと!」
「ええっと、その・・・・」
千春のデザイナーとして何かに火がついてしまったようだ。
「ええ、彼女ちょっと訳有りで私服をあまり持ってこれなかったんですよ。そこでデートですのでプレゼントしようと思ってたんですが」
「なるほどなるほど。雪兎君、予算はおいくら?」
「このくらいなら・・・・千春さんのとこならこのくらいはいるでしょう?」
「ふんふん。これなら・・・・彼女のコーディネート私に任せない?」
「お願いしても?俺ってそういう経験無いんでちょっと困ってたんですよ」
「あー、それで私のとこのブランドを見てたのね?」
「ええ、数少ない知り合いのブランドですから。その経緯を話してたらスネられちゃって」
「あらあら、青春してるわねぇ、雪兎君」
そうこうしている間に雪兎と千春の間で何か決まってしまった。
「ゆ、雪兎?」
「心配すんなって、千春さんはデザイナーでセンスもいい人だから」
こうしてシャルロットはしばらく千春に着せ替え人形にされるも、雪兎が毎回ちゃんと感想を言ってくれるので途中からノリノリになり、それを見ていた一般客が挙ってそのブランドの服を買い、売り上げがかなり伸びたんだとか(千春と雪兎の狙い通りに)。その後、その内の何着かを雪兎がシャルロットにプレゼントし、その中でも最も気に入った服に着せ替えたシャルロットは機嫌を直してくれた。
「すいません。お仕事中だったのに」
「いいのよ、シャルロットちゃん。おかげさまで今日の売り上げ大分増えたから」
本当に強かな人である。
「雪兎君、この娘。大事にしなきゃ駄目よ?」
「わかってますって、こんな俺がいいって言ってくれる娘ですよ?」
(ふしゅー)
「ん?シャル!?大丈夫か、顔真っ赤だぞ!?」
「雪兎君、ほどほどにしてあげなさいよ」
「どっちですか!」
シャルロットの恋はある意味前途多難であった。
「大丈夫か、シャル?」
「う、うん、もう大丈夫。次は水着だね」
先程の雪兎の不意討ちから何とか復帰したシャルロットは更なる難所・水着売り場へと雪兎を誘う。
「シャルはスタイルいいし、選ぶの大変そうだよな」
「そ、そうかな?」
「これとか似合いそうだな」
「どれどれ?」
そう言って雪兎が選んだのは特に捻った訳でもないオレンジのビキニだった。
「そ、そうゆうのが好きなの?」
「い、いや、シャルに似合いそうだったな、と・・・・ん?あの水着は」
その時、雪兎の目に飛び込んきたのは原作でシャルロットが着ていた水着だった。
(そういや、アニメでもあの水着似合ってたよなぁ)
「あの水着が気になるの?」
そんなことを思っているとシャルロットがその水着を手に取る。
「あっ、確かにこれもいいなぁ」
「・・・・絶対に似合う。それは保証する」
「どうしたのいきなり?まだ試着もしてないのに」
「すまん、それを着てるシャルを少し想像した」
「・・・・雪兎のえっち」
「ぐはっ」
生で聞くその台詞は結構な破壊力があったそうだ。
結局、水着は雪兎が選んだものと原作のものの二つを買い、他にも次の臨海学校の準備なども済ませ、休憩のため二人がやってきたのはオープンテラスのあるカフェだった。
「ふぅ、これで買い物は全部か?」
「そうだね、これで臨海学校も大丈夫だよ。でも、デートって言っておきながら買い物ばっかでごめんね?」
「いいって、色んなシャルが見れて俺は楽しかったから」
「うう、僕は少し恥ずかしかったよ」
「どれも可愛いかったぞ?」
「もう!雪兎はそうやって僕を弄ぶんだから」
「割りと真面目に答えたつもりなんだがなぁ」
この二人、これでまだ付き合ってないんだぜ?付き合ったら一体どうなることやら。
「さて、荷物も
「ほんと、雪兎のツールってとんでもないよね・・・・」
「ん?でも、これってISの拡張領域の応用だしな・・・・こういう技術こそ普及しなきゃいかんと思うんだがなぁ。エコバッグよりエコだぜ?」
「確かに・・・・雪兎って、そういうとこ変わってるよね」
「他の連中が気付かないだけだと思うんだがなぁ」
拡張領域をエコバッグと同列で語るなと言いたい。
「そういや、シャルはリヴァイヴどうするんだ?」
今は待機形態でシャルロットの首にかけられたペンダントトップになっている彼女の愛機ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ。タッグトーナメントまでは問題なかったのだが、皆のISは箒や本音、聖といった専用機持ちでない者以外は全員第3世代以上のISの所持しており、ランク戦などでは雪兎を除くとシャルロットが抜きん出ているが、専用機戦になると少し押され気味になることも少なくはなくなってきていた。これは雪兎の特訓の成果とも言えるのだが、シャルロットの場合、リヴァイヴが若干シャルロットに合わせれなくなってきているのだ。
「やっぱり改修はしてるけど第2世代機で第3世代機の相手は難しくなってきてるかな?皆が成長してると思えばいいんだろうけど・・・・」
「俺が弄っても多分、少しの延命措置レベルだろうな」
二次移行でもすれば別なのだが、二次移行で強化されるのは精々1~2世代分。第3世代機が二次移行するのと第2世代機が二次移行するのではやはり差があるのは否めないのだ。
「いっそのこと第3世代機に改修しちまった方が早いか。いや、むしろシャルのリヴァイヴは雪華よりだし、雪華のデータ使って第3,5世代機にするのも・・・・」
またしてもとんでもない言葉がポンポンと・・・・
「ゆ、雪兎?」
「お、おう、悪い癖だな。またやっちまったか」
「とりあえずまだいいよ。本当にどうしようもなくなったら雪兎にお願いするから」
「ああ、任せろ」
「じゃあ、この話はここまで!そろそろ行こっか」
二人のデートはもう少しだけ続く。
リヴァイヴ強化フラグです。
今回は半ば勢いだったから不自然なとこがあるかもです。
さて、次回で今回のデート回は最後。
どんな風になるやら・・・・
次回予告
雪兎のシャルロットのデートは続く。しかし、二人のデートは思わぬ事態に!?
次回
「デートの終わりは事件とともに 兎、アクション映画の真似事をする」