ラウラのパートナーになった娘はトーナメント中のみのオリキャラです。(要望があればまた出るかもですが)
そして、箒がちょびっと覚醒モードです。
今回は構成の関係上ちょっと短めです。
学年別タッグトーナメント当日。
トーナメント表が公開され、一夏・箒ペアはAブロック、簪・本音ペアはBブロック、雪兎・シャルルペアはCブロック、そしてラウラは抽選により二組の
(かなり原作から変わったなぁ・・・・そろそろ原作知識も通用しないかもな)
「綺麗にバラけたね」
「ああ、しかも順調にいけば一番最初にあいつと当たるのは俺達だ」
各ブロックを勝ち上がるとAブロックはBブロックと、CブロックはDブロックの代表と当たることになる。見た感じ一夏達や簪達がそんな簡単に負けるとは思えないのでこの二組のどちらかが決勝に上がってくるだろう。
「雪兎、負けんなよ」
「一夏、お前こそちゃんと勝ち上がってこいよ」
「私も負けない」
「簪もやる気だな。だが、私も負けるつもりはない」
「僕だって皆が相手でも簡単には負けないよ」
一夏、雪兎、簪、箒、シャルルの気合は充分。ただ、本音は一人場違い感がして一人あわあわしていたが。
「・・・・」
(私、何か悪いことしたかなぁ・・・・)
一方、ラウラとペアになった聖は途方に暮れていた。専用機持ちの代表候補生とペアになれたのはラッキーであったが、そのペアになったラウラは聖のことなど試合に出るための付属品くらいの認識しかしておらず、聖は凄く居心地が悪かった。
「おい」
「は、はひ!」
「宮本と言ったな?お前は何もするな。ただ私の邪魔にならないよう隅によっていろ」
「は、はい」
(うう、もうやだぁー)
聖の受難はもう少し続く。
Aブロック
「はぁっ!」
「きゃっ!?」
今日の箒はいつもと違った。気迫は勿論、中学の剣道の試合の時のように八つ当たりの剣を振るう訳でもなく、怒りに身を任せた剣でもなく、真っ直ぐ、鋭い剣筋で相手を圧倒していた。
「ま、まだよ!」
相手のリヴァイヴは近接戦では勝てぬと悟り、距離を置いてアサルトライフルで攻撃するが。
(この程度、雪兎の弾幕に比べれば!)
するりとそれ避け、箒は自分の間合いへと再び持ち込む。
「くっ!」
だが、相手もすぐに近接ブレードを取り出し応戦する。
(こんなもの、鈴の双天牙月に比べれば軽い!)
「はぁっ!!」
打鉄・改の対ビームコーティング刀が二振り振り抜かれ相手のリヴァイヴのシールドエネルギーを削り切る。
「悪いな。今の私はこんなところで負ける訳にはいかんのだ」
「箒、お疲れ」
一夏も相手を下したのか箒を労う。
「それにしても今日の箒は凄いな」
「何、負けられない理由がある。それだけだ」
実は箒、鈴やセシリアと今回のタッグトーナメントが終わってから改めて一夏と付き合う権利を賭けた試合をすると決めており、他の有象無象に優勝を譲るつもりはなかったのだ。別に鈴やセシリアを待ってやる必要などないのだが、そこはこの真面目武士道少女、抜け駆けなど己の矜持が許さなかった。
「そうか、なら俺も頑張んなきゃな」
一撃必倒の一夏と気迫の乗った箒を止められるペアは残念ながらAブロックにはいなかった。
Bブロック
「かんちゃん!」
「いけ!【山嵐】!」
一方のBブロックの簪・本音ペアは本音が防御、簪が攻撃、と役割分担して試合をしていた。打鉄弐式は攻撃を決めてしまえば普通の訓練機など相手にならず、装備を防御重視で固めてひたすら簪を守ることに専念するという運用法で経験の少ない本音でも何とか簪の僚機を務めていた。
「【春雷】モードB。本音、退避して!」
「がってん!」
止めは荷電粒子砲【春雷】の広域攻撃モードの一撃で相手ペアを撃墜。このペア、幼馴染というだけあって連携は中々である。
「そういえばかんちゃん」
「何、本音」
「優勝したらかんちゃんはどっちとお付き合いするの?」
「えっ?」
突然の本音の言葉に簪がフリーズする。
「やっぱ、あまあま?あれは絶対ゆーりょー物件だよ?」
「な、なな、何言ってるのよ!?雪兎はただの友達でーー」
「じゃあ何で顔真っ赤なの?」
「本音ー!!」
本音がいる以上、どうしても締まらないのは仕方ないだろう。
Cブロック
「雪兎!」
「おう!」
連携という意味ではこのペアが一回りも二回りも抜きん出ていた。雪兎は
「やっぱ、シャルルがペアだとやり易いわ。援護が的確で助かる」
「それはこっちの台詞だよ。雪兎もこっちに合わせてくれるから凄くやり易いし」
まるで長年ペアを組んでいたパートナーのような二人の連携は一年生は勿論、上級生や教師陣すら絶賛するレベルでいつの間にやら優勝候補筆頭にあげられていた。
Dブロック
「・・・・私、いる意味あるんでしょうか?」
Dブロックはタッグマッチのはずなのにラウラの独壇場であった。聖は文字通り隅に追いやられ相手二人をラウラが蹂躙する試合が続いており、聖は自身の存在意義を見失っていた。
「もう、ボーデヴィッヒさん一人でいいじゃないですか・・・・成績とかもうどうでもいいので帰らせてください」
聖、君は泣いていい。相手のペアにすら相手にされず隅で小さくなる彼女の乗る打鉄からは哀愁が漂っていた。
結局、各ブロックの代表は番狂わせが起こることなく一夏・箒ペア、簪・本音ペア、雪兎・シャルルペア、ラウラ・聖ペアが勝ち残った。
「まあ、予想通りと言うかなんというか・・・・」
「そうだね。明日の準決勝と決勝も頑張ろう、雪兎」
「ああ、シャルロットとなら負ける気がしねぇよ」
学年全員の試合となればいくら早く決まっても1日で終わる訳がなく、準決勝と決勝は翌日の2日目に行われる。だが、雪兎にとっては物凄くありがたかった。
(それにしても今日は箒が大分頑張ってくれたからデータがかなり蓄積できたな)
それはもう獅子奮迅の活躍だった。正直、「我に断てぬもの無し!」とか言い出してもおかしくないレベルだった。
(いっそのこと参式作る?液状形状記憶合金って束さん作ってたよな?)
打鉄が超闘士化しそうである。
(簪からも打鉄弐式の戦闘データ回してもらえたし、タッグトーナメント様々だな)
雪兎はEVOLsystemの関係上、データが蓄積されれば新しいパックや武装を手にできるので、こういうのは大歓迎だった。
(新しいパックも完成したし、ラウラ対策は充分だと思いたいが、少し念を入れとくか)
「シャルロット、リヴァイヴの拡張領域に空きあるか?」
「うん?少しならあるけど・・・・」
「明日のボーデヴィッヒ対策でこんなもん用意したんだが・・・・」
「うわ、雪兎は容赦ないなぁ」
「でもAIC対策はいるだろ?シャルロットのリヴァイヴは基本的に実弾メインだし」
「確かにこれならAICで防げないとは思うけど・・・・雪兎のメタっぷりはある意味感心するよ」
「わかってることを対策して何が悪い。逆に対策してなくて詰むなんて俺からすれば怠慢だからな。セシリアは国の方針であの装備オンリーでやれってことらしいから同情するわ」
「うん、雪兎が敵じゃなくて良かったよ」
この男は敵に回すと厄介すぎるとシャルロットは改めてそう思った。
箒さん、雪兎達と模擬戦のしすぎで基準が上がり過ぎていて一般生徒じゃ相手にならなくなってます。
そりゃ、代表候補生とかと常日頃模擬戦してりゃそうなりますわ。
そして雪兎はまたしてもメタを張る。雪兎の基本戦術がそれなんで仕方ないんですがね。
次回予告
学年別タッグトーナメントもいよいよ準決勝!
一夏・箒ペアと簪・本音ペアが激突!
そして雪時・シャルロットペアもラウラに挑む(聖?いらない娘扱いです)
ラウラのAIC対策として雪兎が用意した物とは?VTSは原作通り起動するのか?雪兎のメタっぷりにも御注目。
次回
「決着!タッグトーナメント 兎、黒兎と激突す!」