雪兎に対してはラウラは特に悪感情を持っていないためあまり絡まないので難しいんですけどね
とりあえずデュノア社はボコすのは確定。11巻の内容からデュノア社の扱い少し変更します。
雪兎と
この日から雪兎達の一夏強化特訓にシャルルも加わることとなった。
「助かるよ。今までまともな説明できんの俺と簪くらいだったんだ」
「うん、シャルル君の説明はわかりやすいから私も楽」
「そんなことないよ。雪兎は要点がしっかりまとまってるし、簪さんも教え方上手いと思うよ」
「「「うぐぐぐぐ・・・・」」」
コーチとして箒達も下手ではないのだが、箒は擬音だらけ、セシリアは色々と細かすぎ、鈴は感覚的、と三人は説明に向いていなかったのだ。その点、雪兎、簪、シャルルは親切丁寧で一夏もやり易かった。
「白式は雪片以外の武装を嫌う傾向にあるが、別に絶対に使えないって訳じゃないんだ。持ち主が使用許可を出してれば一時的に使うこともできる。白式みたいな極端なのは姉さんのシルフィオーネくらいだからタッグ戦とかで武装を共有する場合とか状況は限られるがな」
「一度使ってみればどういうものかもわかるから対処がしやすくなるし、機会があれば色んな武装を使ってみるといいよ」
「一夏はいきなり専用機だったみたいだから専用機じゃなくて訓練機でそういうのを使ってみるのもいいかもね」
「なるほど・・・・」
シャルルから銃を借り試し撃ちをしてみた一夏は三人の説明を聞き納得する。
「もしかしたら
「二次移行ってそんなに変わるのか?」
「まだ実例が十件もないから何とも言えないが、長所を伸ばす特化型とか、弱点を補うように機能が追加されるパターンもあったみたいだから可能性はあるんじゃないか?」
(原作通りなら技量が半端なく必要になるんだがな)
「あと、お前らも一夏にばっかかまけてないで自分のメニューもやれよ?トーナメントで無様な姿を晒しても俺は知らんからな」
「「「うぐっ!?」」」
そう実は一夏だけでなく箒達にも雪兎それぞれ課題を与えている。雪兎、簪、シャルルはこのメンバーの中で行う模擬戦での成績が良いため一夏の指導に回っているのだ。ちなみに下から一夏、箒、セシリア、鈴、シャルル、簪、雪兎の順で専用機の無い箒は仕方ないとしてもセシリアと鈴の勝率は少し問題である。雪兎はほぼ全員に対するメタ装備があるし、簪の打鉄弐式もかなり凶悪な性能を誇るため勝率は高い。それに第2世代機の改修型で食いついてくるシャルルの技量も中々のものである。
「箒は一夏程じゃないが銃器の扱いが雑だし、セシリアはインターセプターの即時展開と近接対策。鈴は近接と射撃の切り換え・・・・他にもトーナメントまでに改善できるとこは多いんだ。徹底的にやるぞ。怠けようもんならどうなるかわかってるな?」
少し前に模擬戦で改善がされていなかった時はメタ装備(箒には【G:ガンナー】で近付けさせず完封、セシリアには【W:ウィザード】でライフル以外を封じてチマチマ攻撃、鈴には【S:ストライカー】のアンカークローで捕まえて延々と振り回してバンカー)で延々と模擬戦を繰り返すという鬼畜の諸行だったのを思い出し、箒達はすぐに自分のメニューへと戻っていった。
「・・・・おいでなすったか」
しばらくするとアリーナが騒がしくなり、もう一人の転入生ラウラ・ボーデヴィッヒが専用機【シュヴァルツェア・レーゲン】を纏って姿を現した。
そして、ラウラは一夏の姿を見つけると開放回線で声を飛ばす。
「おい」
「・・・・なんだよ」
「貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話が早い。私と戦え」
「イヤだ。理由がねえよ」
「貴様にはなくても私にはある」
ラウラが一夏を敵視するのは第2回モンド・グロッソで千冬が優勝を逃したのが一夏のせいだったからだ。その時、一夏は謎の組織(後に亡国機業の仕業と判明)に拐われ千冬は決勝戦を辞退してまで一夏の救出に向かった。その際、手を貸してくれたのがドイツで、その見返りとして千冬は一時ドイツで教官をしていたのだ。ラウラは千冬の指導を受け心酔するようにすらなった。そんな千冬の経歴を汚した一夏をラウラは認められなかったのだ。
「また今度な」
一夏もそれを承知の上で戦う気は無いと返すが。
「ふん。ならばーー戦わざるを得ないようにしてやる!」
ラウラは問答無用と左肩の大型レールガンを一夏に向けて放つも、それは間に割り込んだ雪兎の【S:ストライカー】の大型シールドに阻まれた。
「随分と血の気の多いやつだな、ラウラ・ボーデヴィッヒ。挨拶代わりに対ISアーマー用徹甲弾とはな。こいつじゃなきゃただじゃ済まなかったぞ?」
「天野雪兎か、お前には用はない。そこをどけ」
「お前にはなくても俺にはある。ダチを守るって理由がな」
「貴様っ!」
ラウラの「貴様になくても私にはある」をそっくりそのまま返す形で雪兎はラウラと対峙する。
「・・・・今お前とやり合うのは割りに合いそうになさそうだ。今回は引いてやる」
「次はちゃんとアポとってから来るんだな」
「ふんっ!」
ラウラはISを待機状態にするとアリーナから去っていった。
「すまない、雪兎。助かった」
「いや、気にすんな。だが、あのラウラってやつ、そのうちまたちょっかい出しに来るぞ」
「ああ、そうだな」
(あっぶねぇ・・・・原作と違っていきなり徹甲弾とか、原作通りシャルロットが庇ってたらヤバかったな)
とりあえず退かせることはできたが、雪兎は原作とは違うラウラの攻撃に内心ヒヤヒヤしていた。
(これは最悪のパターンも想定しといた方がいいな)
原作以上の何かが起こる気がして雪兎はトーナメント、いや、ラウラ対策として用意していたある物の完成を急ぐことにした。
「雪兎、放課後からずっと険しい顔してるけど、ボーデヴィッヒさん関係?」
「ああ、あいつ、徹甲弾とか持ち出してきたからな。次は何やらかすかわかったもんじゃない」
原作通りであれば少しして鈴とセシリアが大怪我をするあの事件が起こるはずだ。それを知っていて黙っていられる程雪兎は薄情ではなかった。
(そのために一夏以外も鍛えてたんだ。あとはタッグパートナーとかがどうなるかってとこだな)
その後、学年別トーナメントが先日の無人IS襲撃事件のせいでタッグマッチになり、原作では一夏とシャルロットがペアとなるのだが・・・・
「そういえば、今度のトーナメントってタッグ戦になるんだよね?」
ここでもう一つ想定外の事態が起きていた。そう、タッグトーナメントという告知が原作より早く行われたのだ。一夏は例によって箒達三人からタッグを組めと迫られており、簪は幼馴染の本音と組むと聞いている。雪兎はまさかシャルロットと同室になるとは思っていなかったのでペアに関してはノータッチだった。
「より実戦的な状況を想定してってやつだったな」
「雪兎はもうペア決めたの?」
この聞き方は「もし決めていないんだったら僕と組んでよ」のパターンではないか?と雪兎が思っていると。
「もし決めていないんだったら僕と組んでよ」
一字一句間違わずシャルロットは雪兎の思っていた通りの言葉を口にした。
「お、俺と?」
「うん、同室で時間も合わせ易いし、何より僕が女の子だって知ってるしね。他の人だとそこのところが・・・・」
「あー、確かにやりづらいわな」
「だからお願い!僕と組んでよ」
雪兎としてはありがたい申し出だが、そうなると一夏が誰と組むのか完全に予想がつかない。一番確率が高いのは箒だろうが、そうなると必然的にラウラが一般生徒と組むことになるのだろう。雪兎はその哀れな一般生徒の武運を祈った。
「ダメ?」
その様子を否定的に捉えたのかシャルロットが上目遣いでそう聞いてくる。
「あーもう、そんな顔するな!困ったら手を貸すって約束したろ?」
「じゃ、じゃあ!」
「ああ、俺がペアを組んでやんよ。やるからには優勝以外ないからな」
「うん!」
こうして雪兎はシャルロットとペアを組むことになった。後日、それを聞き箒達にペアになることを迫られる一夏が「雪兎とシャルルの裏切り者ー!」と叫ぶことになったとか。
しかし、その数日後。雪兎の努力も虚しく原作通り鈴とセシリアはラウラにISを大破させられトーナメント出場を辞退することとなった。
雪兎はシャルロットとペアを組むことに。
そして一夏は箒と鈴やセシリアの無念を晴らすべくペアを組む。
ラウラと組むことになる生徒さんには合掌。絶対ろくな目に遇いません。
次回予告
ついに始まる学年別タッグトーナメント!色々と原作と違いトーナメントは大混戦に!果たして雪兎とシャルロットペアの実力とは!?
次回
「開催!学年別タッグトーナメント!! 兎、疾風と共に」