IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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今回は前半がマテリアルズ回、後半はとある準備回です。
マテリアルズがとあるパワーアップ?をするらしいですよ?



141話 マテリアルズ、パワーアップ? 兎、準備する

紫音が学園に保護されてから数日が経ったある日、雪兎はフライング・ラビットの開発室にてとあるものを開発していた。

 

「ご主人ご主人、まだ出来ないの?」

 

「落ち着いて下さいレヴィ、そんなに急かしては余計に時間が掛かります」

 

「シュテル、お前も楽しみにしておるのか・・・・」

 

「そういうディアーチェだってさっきからそわそわしていますよ?」

 

「ユーリ!?」

 

「気が散るから完成するまでどっか行ってろよ、お前ら・・・・」

 

今回雪兎が作っているのはマテリアルズに関するもので、それをマテリアルズは楽しみにしており、さっきから雪兎の傍をうろちょろしていたのだ。

 

「でもでも!僕達も楽しみにしてるんだもん!」

 

「だからって、人の周りでうろちょろすんな!」

 

そんな雪兎達の前には4つのカプセルがあり、その中にはそれぞれマテリアルズを人間サイズにした身体が入っている。そう、雪兎が今作っているのはマテリアルズ用のニューボディなのだ。何故こんなものを作っているのかと言うと、紫音の入学に際し、そのボディーガードとしてマテリアルズも同じように入学させてしまおうと考えたのだ。なお、このニューボディ、人間に限りなく近く作られており、ちゃんと成長もするし、鍛えればそれも反映されるようになっている。

 

「これで皆様ともっと対等な勝負が・・・・」

 

「シュテル、ほどほどにしておけよ?」

 

「ディアーチェ、完成したらまたお料理しましょうね?」

 

「ふん、ユーリの頼みとあらば仕方あるまい・・・・塵芥共にも特別にまた振る舞ってやるか」

 

「・・・・よし、これで完成だ!」

 

そうこうしてる間に雪兎は最終調整を終え、ニューボディが完成する。

 

「「「「おー!」」」」

 

「よし、新しい身体に移すから準備しろ、って早いな」

 

雪兎がそう言うとマテリアルズはすぐにカプセルの前の装置へと移動する。

 

「そんじゃ、始めるぞ?」

 

雪兎が装置のスイッチを入れるとマテリアルズはそれぞれのニューボディに取り込まれていき、それぞれのカプセルの中で目を覚ます。だが、レヴィはカプセル内の培養液を飲んでしまい、カプセル内でもがき始める。

 

「レヴィ・・・・」

 

そんなレヴィに呆れつつ、雪兎はカプセル内の培養液を抜く。

 

「ゲホゲホッ」

 

「何やってんだか・・・・着替えはそっちに用意してあるからシャワールームで着替えてこい」

 

カプセルの中ではISスーツ姿だったマテリアルズ。そのままでうろちょろされては敵わないと、雪兎はシャワールームに用意した服に着替えてくるよう指示する。

 

「う~ん」

 

しかし、レヴィはその場で何やら首を傾げている。

 

「どうかしたのか?レヴィ」

 

「うんとね、服ってご主人が用意したんだよね?」

 

「・・・・ああ」

 

「なら下着もーー」

 

「それはシャルに頼んだわ!!男が女物の下着買いに行くとか変態か俺は!!」

 

「わぁ~!ご主人が怒った~」

 

レヴィの言葉につい怒鳴る雪兎。そんな雪兎からレヴィは慌てて逃げようとするが・・・・

 

「ふべぇ!?」

 

突如バランスを崩してレヴィがビターン!という音と共に転倒する。

 

「馬鹿者、慣れない身体でいきなり走るからだ」

 

「うう、痛かった」

 

「大丈夫ですか?レヴィ」

 

「うん、何とか」

 

てとてとと近付いてきたユーリの手を借りて起き上がるレヴィ。

 

「マスター、後日アリーナの使用許可申請をお願いします」

 

「後日?てっきり俺は今日いきなりやるとか言い出すと思ってたが」

 

「レヴィを見て考えを改めてました。まずはこの身体に慣れるところから始めます」

 

「ちょっ!?それどういう意味!シュテルン!」

 

「そのまんまの意味だろう」

 

「そのまんまだな」

 

「・・・・そのまんまですね」

 

「王様にユーリまで!」

 

その後、着替えを終えたマテリアルズを一夏達に御披露目したり、ディアーチェがニューボディのお祝いに料理をしたり、レヴィが食べ過ぎて倒れたり、シュテルが倒れたレヴィを部屋に連れ帰ったり、アレシアがまたしてもユーリをお持ち帰りしようとして泣かれたり、と毎度の如く騒がしく時間は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、雪兎は各種点検を行っていた。雪華は勿論、その他に作った発明品の数々の点検となればそこそこ時間が掛かるので、何組かに分けて月に一度点検をしているのだ。

 

「これはこれでよし、と。次は・・・・こいつか」

 

その日点検していた物の中には前に一度使った異世界転移装置・クロスゲートも含まれていた。

 

「こいつは誤作動なんかしたらマズイし、ちゃんとメンテしとくか」

 

そのメンテは約一時間程で終わり、最後に座標を指定せずに起動させ、ちゃんと起動するかどうか確認することに。

 

「起動っと・・・・ん?」

 

すると、座標データを入力するコンソールのモニターに見知らぬ座標が表示される。

 

「こんな座標入力したか?でも、あの馬鹿(龍我)の世界の座標に近いな」

 

表示された座標データの軸のいくつかが以前遭遇した万城龍我の世界と同じ値だった。つまり、この座標の世界は彼の世界と比較的近い平行世界なのだろう。また、雪兎のいる世界と龍我の世界とも一致する軸もある。

 

「ふむ・・・・これはIS系にライダーもしくは龍我関係がクロスした世界という事か?」

 

異世界の座標には様々な軸が存在し、雪兎はその軸を以下のように定義している。

 

①ベースとなる世界

これは地球か全くの異世界か等を示す軸。

②その世界の方向性

剣と魔法のファンタジーかロボや戦隊等の科学技術系等の方向性を示す軸。

③クロスオーバー等の追加要素の有無

これはAの世界にBの世界の要素が含まれている割合やクロスした世界数を示す軸。

④乖離率

ベースとなった世界との歴史等の乖離の度合いを示す軸。

etc…

 

今回はこの①②の数値が極めて龍我の世界に近い事が判明したのだ。

 

「何か罠っぽくはあるが、調べてみる価値は有りそうだな・・・・丁度テストしたかった装備もあるし」

 

そう言って雪兎は作業台の上に置かれた少しゴテッとした黒い銃のようなものを手に取る。他にも紅いメリケンサックに似たものや蒼いパスケース、黒と金の装飾がされた指輪に4つのスイッチが取り付けられた白い装置等がある。

 

「誰だか知らんが、その招待、受けてやろうじゃねぇか」




はい、という訳で次回はコラボ第二弾となります。
お相手は次回をお楽しみに、ということで。
今度は雪兎とそのお供が何やら新しい装備(オモチャ)を引っ提げて異世界に行く事になります。

そして、マテリアルズもニューボディを得てパワーアップ!
尚、従来のボディにも任意で戻れます。

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