そして貴公子・シャルルの秘密とは?(実はもう知ってる)
雪華の新パックも登場!
「ゆーくん、久しぶり」
「久しぶり、じゃねぇよ。バカ姉。そのIS、学生相手に使うもんじゃねぇだろ・・・・」
久しぶりの姉弟の会話はそんな罵倒から始まった。
「第3世代IS【シルフィオーネ】そんなもん持ち出しやがって」
「ゆーくんだって【雪華】使ってるじゃない。それに勝とうと思ったらお姉ちゃんも
第3世代IS【シルフィオーネ】雪菜専用機として開発された
「【
【
「でもほとんど攻撃方法ないよ?」
「その数少ない攻撃方法も厄介だろうが」
シルフィオーネの数少ない攻撃方法は背面の非固定浮遊部位から放たれるビーム攻撃。しかも、羽がリフレクションビットというビームを反射するものでそれによるオールレンジ攻撃を可能にしている。ブルー・ティアーズの
「ほんとなんて機体作るんだよ、あの人は・・・・」
この機体を破るにはオールレンジ攻撃を掻い潜り反射反応装甲以外の部位を攻撃するか、零落白夜のようなバリア無効化攻撃くらいしか攻略法が存在しないのだ。ちなみに、ブルー・ティアーズにはその機体特性上天敵と言っていいレベルで、余裕で完封出来る。
「仕方ない・・・・トーナメントまで使うつもりはなかったが、こいつを使わせてもらう。来い【W:ウィザード】!」
なので雪兎はトーナメント用に用意していた新たなパック【W:ウィザード】を展開した。その装甲の色は紫で、肩と背面に大型のローブのような非固定浮遊部位を持つパック。そして手にする武器はビームの刃を持つ大鎌。それを纏った雪華はその名の通り魔法使いを彷彿させる。
「それ、新しいパック?」
「ああ、セシリアのブルー・ティアーズと簪の打鉄弐式のデータを元に作った今の俺が姉さんに対抗できる可能性がもっとも高いパックさ。悪いが今回は勝たせてもらうぞ、姉さん!」
「私もこの娘を持ち出した以上、それにお姉ちゃんの意地にかけても勝つよ!」
そして二人の模擬戦は始まった。
「いけ、グラスパービット!」
先手を取ったのは雪兎だった。シルフィオーネはその特性上、攻撃展開速度に難があるため(リフレクションビットを展開してからしか攻撃できないため)どうしても先手を相手に譲ってしまう傾向があるのだ。対して雪兎が展開したグラスパービットは雪菜を取り囲むように展開させるだけでいい。
「雪兎、この娘に光学兵器は通用しないのは知ってるよね?」
「当たり前だ。そいつの設計に俺も咬んでるからな」
そう、シルフィオーネに使われている技術は雪兎の前世にあったアニメ等の知識を束が実用化したもの。当然そのスペックは把握済みである。
「言っとくがグラスパービットに攻撃機能なんざ付いてねぇぞ?」
「えっ?」
「
そういうと雪兎は多数のミサイルを同時展開し雪菜に向けて放つ。
「それくらい!・・・・って、えええええ!?」
対して雪菜はリフレクションビットを展開しビームで迎撃しようとするもリフレクションビットが上手く機能せずミサイルで撃ち落とされてしまう。
「
「そう、このグラスパービットは相手の遠隔操作系兵器のコントロールを文字通り
簡単に言えばサイコジャマーみたいなものである。このグラスパーシステムはブルー・ティアーズや打鉄弐式に対抗するために作られた装備。ビット自体の耐久値は低いので通常火器を使われればあっという間に潰されるが、遠隔操作武器オンリーのシルフィオーネやビットを多様するブルー・ティアーズには天敵と言っていい装備だった。
「メタ装備とかズルくない!?」
「一応これ制御下に置くのに演算能力かなりいるんだぞ。それに・・・・対策してないやつが悪い!拡張領域に少し空きあんだから銃の一個や二個入れとけよ!」
「だってこの娘、銃器の好き嫌い激しいんだもん!」
こうして姉弟対決は雪兎のメタ装備による完封というあんまりな結果で終わった。
「うわぁーん、ちーちゃん。ゆーくんがいじめるよー」
「ちーちゃん呼ぶな!織斑先生と呼べ、この馬鹿者!それに天野の言う通りメタ対策くらいしておけ!」
試合後、弟にフルボッコにされた姉が親友に泣きつき出席簿アタックの餌食になり、なんとも締まらない授業となってしまった。
「雪兎さんのあれ・・・・わたくしにもメタ装備になってますわよね?」
そして、自身の専用機と似たようなコンセプトの機体が完封されセシリアが震えあがることになったのだが、御愁傷様である。
その日の放課後。
「「部屋割りの変更?」」
「はい。デュノア君の部屋なんですけど、転入したばかりですのでお二人のどちらかと同室になってもらって補佐してあげて欲しいと」
教室に残された一夏と雪兎は真耶からそんなお願いをされた。
「もちろん、残った方の引っ越し先は一人部屋ですよ。流石に男女が一緒の部屋というのは色々問題ですし」
(いや、原作では普通にやってたよな!?それにシャルルは本当はシャルロットって女の子だから同室って結構ヤバいんですけど!?)
原作知識で
「そういうことだったら面倒見のいい雪兎の方が適任だよな?」
「はい、私もそう思います!」
「ちょっ!?」
そうこうしてる間に一夏と真耶の間で話がついてしまい雪兎がシャルルの同室となってしまった。
(マジかよ!?俺がシャルルと同室だと!?正体知ってるっていうのがこんな形で仇となるなんて・・・・)
原作知識とはこういう時に不便であると雪兎は思った。
「これからよろしくね、雪兎」
「・・・・おう」
結局、シャルルの正体を勝手にバラす訳にもいかないので了承せざるを得なかった雪兎のテンションは凄まじく低かった。
「大丈夫?僕が同室になったの迷惑だった?」
「そんなことはねぇよ・・・・ちょっと思うことがあってな。それに今日は色々ありすぎた」
「はは、その色々の一つとしてはなんとも言いづらいね」
「まあ、同室になったんだ。何かあったら遠慮なく言えよ?俺にできることなら手を貸してやる・・・・どんなことでもな」
「うん!頼りにさせてもらうよ、雪兎」
その眩しいくらいの笑顔に雪兎はある覚悟を決めた。
「・・・・あと、この部屋にいる時は無理はしなくていいからな、
「えっ?」
突然隠していた本名を呼ばれ固まるシャルロット。
「な、なな、何でそれをっ!?」
「俺はお前が女だって知ってるし、親に言われて俺と一夏のデータ取りにきたのも知ってる。情報の出所は訳あって言えないが、別にそれを理由に脅す気もねぇし、ここから追い出す気もないよ」
「ど、どうして?」
「そんなことする理由がねぇし、友達をそんな形で売るなんてのはクズのすることだ」
「と、友達・・・・?」
「違ったか?俺は少なくともシャルロットを友達だと思ってるんだが」
「ううん!僕もだよ!」
「ま、そうこうことだ。俺はシャルロットがしたいってことを尊重するし味方でいてやる。だから本当に困ったことがあればちゃんと言えよ?」
「うん!ありがとう、雪兎!」
こうして雪兎とシャルロットは秘密を共有する関係になった。
(さてと、あとはデュノア社の馬鹿共をどうしてやるかだな)
そして雪兎は密かに
雪兎がデュノア社をロックオンしました。
結局、雪兎は早々にシャルロットの秘密を看破し秘密を共有するという選択をしました。
原作知識あると「実は知ってる」っていうのやりにくいんですよねぇ。
姉弟対決は雪兎がやらかしました。
まあ、あんなチートIS相手じゃメタ張らないと勝てませんから。
雪菜がモンド・グロッソとかに出ない理由は、1:先手が取りにくい(千冬とか天敵です)。2:アリーナとか狭いフィールドでは瞬時加速を用いた無限加速モードがいかせないから。
【W:ウィザード】のイメージはGデスサイズと革命機の6号機です。
次回予告
シャルロットと秘密を共有することになった雪兎。一方、一夏はラウラに一方的に敵視される理由を知ることに。
そして、ラウラは一夏と勝負するべく強行手段に出る。
次回
「一夏と黒兎の因縁 兎、友達のために頑張る」