IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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今回は真面目にやります。

今回で第四試合、一回戦の丁度真ん中です。

一回戦第四試合

凰鈴音VSエリカ=ピーリ

ファイッ!


128話 鈴の本気とエリカの意地 兎、笑い疲れてお休み

『え~、雪兎君は笑い疲れて倒れてしまったので今回はマドカちゃんに解説をお願いしました』

 

『どうも』

 

『それじゃあ次の試合にいきましょうか!第四試合はこのカード!』

 

『え~っと、兄さんの台本には・・・・あ、青コーナー、セカンドなんて返上だ!凰鈴音!』

 

「雪兎、余計な事を・・・・」

 

雪兎が自作したと思われる台本にこめかみに青筋を浮かべつつ、まずは鈴がフィールドへ。

 

『赤コーナー、セシリアより料理も狙撃も上手い!エリカ=ピーリ!』

 

「セシリアさん・・・・すみません」

 

謝りはするが、否定しないところからもエリカの腕前が判る。実際、セシリアは実弾の反動が苦手で、エリカはどっちも得意だ。

 

「ガト・グリスは狙撃メインの射撃型だったわね。言っとくけど、私はセシリアをよく相手にしてたから簡単に当たるとは思わないでよ?」

 

「私の射撃をセシリアさんと一緒だと思ってますと、痛い目を見ますわよ?」

 

『何故だろう・・・・二人の背後に猫が見える』

 

『あ~、二人ともタイプは違うけど、猫っぽいものね』

 

『縄張り争い?』

 

『マドカちゃん、結構ストレートに言うわね』

 

マドカも雪兎に保護されて自身の存在価値を見出だしてからは外観年齢相応の少女っぽいところも出てき始めたのか、結構ストレートに言う事も多い。ミュウや蘭の影響だろうか?

 

『さてさて、今回のフィールドは・・・・ぷっ』

 

ARプログラムが今回選んだフィールドは・・・・巨大な家具の置かれ、まるで自分達が小さくなったように感じるステージだった。

 

『兄さん手製の資料によると、自身が玩具になったように感じるステージだそうです』

 

『雪兎君、なんて今回の試合にベストマッチなステージを・・・・』

 

狙っていたのではないだろうが、えらくピンポイントなステージセレクトだ。

 

『と、とにかく、それでは一回戦第四試合、試合開始!』

 

「このステージ、やり難いわね・・・・」

 

どうやらISも玩具扱いになるのか、障害物になりそうな家具や他の玩具は攻撃をしても破壊する事は出来ず、崩したり動かす程度しか出来ない設定のようだ。つまり、ラウラがやったような障害物の除去は出来ないステージらしい。そして、障害物が多いとなれば・・・・

 

「エリカが有利なステージね」

 

エリカのガト・グリスはこういう障害物が多いステージからの不意討ちを得意とするISで、各部に装着しているミサイルポッド等を取り外して設置し撹乱したり、レーダーを阻害するチャフスモークを撒いたり、トラップを設置したりと嫌がらせに関しては流石は兎製なISだ。そんなガト・グリスに破壊不能な障害物があるステージなど、水を得た魚のようなものだ。

 

「ちっ、もう準備完了ってわけ!」

 

すると、ステージの所々からチャフスモークが撒かれ、あちらこちらからミサイルが鈴目掛けて発射される。チャフスモークの影響を受けるのは鈴だけでエリカのガト・グリスは高性能レーダーを装備しているため鈴の姿は丸見えなのだろう。

 

「でも、この煌龍を嘗めるな!」

 

鈴はそう言うと、龍咆を自分の真下に向かって放ちチャフスモークを吹き飛ばす。だが、その為に足を止めてしまったのは不味かった。

 

「がっ!?この弾丸はアルテミス!」

 

「私とて皆さんの一員。このガト・グリスを任された以上はこのくらいこなしてみせますわ」

 

その後もエリカは障害物を巧みに利用し、鈴に位置を把握させぬようにステージを動か回りながらチクチクと鈴のシールドエネルギーを削っていく。

 

『あれは鈴もやり難くかろう』

 

『ある意味今回のステージはガト・グリスの為にあるステージよね』

 

『煌龍も強力なISだが、相手を捉えれねば無力だからな』

 

そんな中、チクチクと攻め立てられ続けたせいかとうとう鈴がキレた。

 

「あ~もう!まだるっこしい!視えないなら手当たり次第攻撃するまでよ!四聖龍っ!」

 

四聖龍を呼び出した鈴はステージ全域への攻撃を指示。自身も拡散放射龍咆で辺りを攻撃し始めた。そう、鈴はまさかのローラー作戦を決行したのだ。

 

「オラオラオラオラ!」

 

いくら障害物が破壊出来ないとはいえ、この飽和攻撃には流石のエリカも驚き動きを止めてしまう。それを発見した四聖龍がガト・グリスに襲い掛かる。

 

「そんなゴリ押しとかありなのぉ!?」

 

『ルール上の不備は無い。有効だ』

 

エリカの悲痛な叫びはマドカの一言でバッサリ。それからはまるでネズミを追う猫のように鈴がエリカを攻め立てていく。

 

『あれは煌龍のパワーがあって成立する戦術だ。他の皆さんは決して真似はしないように』

 

『マドカちゃん、意外と律儀ね』

 

「トドメの覇龍咆哮ォ!」

 

そうこうしている間に鈴の覇龍咆哮が炸裂し、エリカのシールドエネルギーが底をついた。

 

『そこまで!勝者、凰鈴音!』

 

「おっしゃー!!」

 

『力こそ正義!な試合だったわね』

 

『ん?どうした、ミュウ・・・・雌猫にしては上出来だ、だって?』

 

「覚えとけよ!バグ兎ィ!!」




真面目に書いたつもりが半分ギャグに・・・・

やっとまともにガト・グリスの戦闘描写出来たのにこんな結末なんて・・・・


次回予告

続いての対戦は箒とカロリナ。今まであまり接点がなかったこの二人の試合。雪兎の弟子になったカロリナは全く予想の出来ない行動で箒を惑わすが・・・・

次回

「兎妹VS小兎、武士道とビックリ箱 兎、解説を譲る」

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