雪兎「今回もやるよ、前回のあらすじ!」
龍我「やっぱやんのか・・・・」
雪兎「不審者・万城龍我を指導室へ連れて行こうとしている途中、帰りが遅い"俺"を心配して見にきたシャルに驚く万城龍我」
龍我「だから不審者じゃねぇ!!」
雪兎「その後何だかかんだといちゃもんをつけてくる龍我を黙らせるべく俺は龍我をアリーナへと連れ出した」
龍我「いちゃもんって、お前がシャルに何かしたんだろ!」
雪兎「その辺は向こうサイドでシャルに聞け。てっきり専用機を持ってるものと思ってた俺に対し龍我が取り出したのはまさかのライダーシステム・・・・そう、万城龍我は仮面ライダーだったのだ」
龍我「仮面ライダークローズだ」
雪兎「し~か~し、天災(誤字にあらず)たる俺に敵うはずもなく龍我はフルボッコに」
龍我「だけど、最後に一発入れてやったぜ!」
雪兎「あれ、俺じゃなきゃヤバかったからな?そんじゃ、アレ、いくぞ?」
雪・龍「「さてさてどうなる第115話!」」
雪兎「この掛け合い、面白いな・・・・」
気を失った龍我を医務室に運び、雪兎は龍我の持っていたベルト・ビルドドライバーとフルボトル、そして折ってしまったビートクローザーを回収する。ベルトに填まっていたクローズドラゴンも大人しく雪兎についてきている事からこのクローズドラゴンがそこそこ賢いと雪兎は理解した。
「シャル、悪いんだが
「うん、それはいいんだけど・・・・龍我って一体何者なの?僕の事も知ってるみたいだったけど」
「多分だが、アイツは平行世界から来たんだと思う」
「平行世界?異世界とは違うの?」
「ああ、アイツの言動から推察するにアイツの世界もベースはISの世界なんだろう。違いがあるとすれば俺の代わりにアイツがいて、仮面ライダーが実在するってとこだな」
「仮面ライダー・・・・試合中にも言ってたけど仮面ライダーって何なの?」
「仮面ライダーってのは俺の前にいた世界で流行ってた特撮ヒーローでな、こういうベルトとアイテムを組み合わせて変身するんだ」
そう言って雪兎はビルドドライバーとフルボトルを取り出す。
「アイツが変身したところを見るにベルト、ドライバーのこの穴にボトルをセットする事でそれに対応したハーフボディを精製させるタイプのライダーだな」
「でも、龍我はそこのドラゴンにボトルを差してたよ?」
「それは多分このドラゴンのボトルのエネルギーが凄まじいんだろ・・・・それをあのドラゴンで二倍に薄めて左右のハーフボディにする事で制御してるってとこか?」
一度戦っただけだというのに雪兎はビルドドライバーの概要をある程度理解したようだ。
「おそらくドラゴンを介さずに二本のボトル使うとバックファイアが酷いんだろう」
「そんな小さなボトルにそんな力が・・・・」
「話を戻すと、アイツはその仮面ライダーであり、二人目のIS操者として学園に通ってたんだろう。それが何らかの理由でこの世界に跳ばされてきた」
「ふーん」
「そこでだ、どうも向こうのシャルと関係があったっぽく、シャルの話なら聞いてくれそうだから龍我に色々説明してやってほしい。勿論、シャル一人だとアイツが何するかわからんからレヴィもつける」
「ん?呼んだ?ご主人~」
「ああ、ちょっとシャルの護衛を頼む。あと、龍我ってやつにこれ渡しといてくれ」
そう言うと、雪兎はレヴィにドラゴンフルボトルを渡す。
「いいの?」
「そいつのデータはさっきあらかた取ったからな。俺は織斑先生にアイツの事話してコイツの解析をする。ライダーシステムだからよっぽど大丈夫だとは思うが念の為にな」
「・・・・雪兎、解析したいだけじゃないの?」
「・・・・それもある」
生のライダーシステム等、そうそうお目にかかる機会が無いので一技術者としては解析したくて堪らないのだ。
「それに・・・・コイツも直してやんなきゃな」
そう言って雪兎は折ってしまったビートクローザーを掲げる。
「改造は程々にね?」
「・・・・わかった」
「よし、行こっか、レヴィ」
「うん」
雪兎に釘を刺したシャルは龍我の元へと向かい、雪兎は千冬に事情を説明すべく職員室へと向かった。
「なるほど、大体の事情は理解した」
あれから千冬に事情を説明しに行ったのだが、雪兎という前例がいたおかげか千冬はすんなり雪兎の説明を理解した。
「あと、お前が出会ったというブラッドスタークとかいうやつもその万城とやらと同じ世界の住人だと?」
「ええ、チラッとでしたが、アイツの持ってた銃にこれと似たボトルが刺さってたのを見ましたので」
「だろうな・・・・で?お前はどうするつもりだ?」
「と、言いますと?」
「万城の事だ。どうせお前の事だ、面倒を見るつもりなのだろう?」
「・・・・ええ、おそらくですが、万城の世界にいた怪人がこの世界にも現れる可能性がありますので」
これはかつて雪兎が見たライダー作品にあった展開で、ライダーがいない世界にライダーが現れると、その敵もしくは新たなライダーがその世界にも生まれるというものだ。
「デュノアを説明役にしたのはその為か・・・・」
「多分、アイツがこの世界で心を許してるのはシャルでしょうから」
「まあいい、面倒を見るのであれば責任はお前が取れ、いいな?」
「了解しました」
千冬からはとりあえず龍我をIS学園預りにするよう呼び掛けてもらい、雪兎は一度自室へと戻るのであった。
「なるほど、そういう事か・・・・」
ビルドドライバーを解析するうちに雪兎は先程シャルロットに語った推測が正しかった事と、ハザードレベル、ネビュラガスの性質等の情報を得た。
「確かライダーの力は敵の持つ力の応用だってどっかの敵が言ってたな・・・・」
それは仮面ライダーウィザードの最終回である特別編にて敵のアマダムが言っていた「ライダーは悪の存在があるからこそそこから生まれる事ができた」と言う言葉だ。
「それはいいとして・・・・問題はこっちだな」
それは龍我が持っていたUSBメモリに記録されていたデータだ。
「これ、スタークの野郎だろ?クローズの強化アイテムとか何考えてやがんだアイツ・・・・」
龍我が脳筋だと半ば確信している雪兎はそのデータを作ったのが龍我で無いと気付いており、あの意味深発言をしていたスタークの仕業だと見抜いていた。
「だが、渡す相手を間違えたな、スターク・・・・俺がそのままきっちり同じもん作るなんてつまらん真似する訳ねぇだろうに」
それをスタークからの挑戦状と受け取った雪兎はその強化アイテムのデータの改造を始める。
「ぜってぇ一泡吹かせてやる・・・・」
自分を利用しようとしたスタークに雪兎は犬歯を剥き出しの笑みを見せ必ず驚愕させる事を誓う。
「第二の天災と呼ばれた俺の力、見せてやんよ!」
ドライバーに関する考察は私個人の考察です。
そして、雪兎が早くも暴走モードに・・・・スターク、何やってくれてんのよ。
次回予告
帰る手段が見つかるまで学園にお世話になる事になった龍我。自分の世界と勝手の違いに戸惑いながらも持ち前の前向きさで溶け込んでいく。一方、雪兎はそんな龍我の為にあるものを作成していた。
次回
「龍我の平行世界での日常 兎、龍に何かを作る」