IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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多分、皆さんのお察しの通り修羅場回です。

~前書きあらすじ劇場~

雪兎「前回までのあらすじ!」

龍我「どうせ、こっちみたいにグダグタになるんだろ?」

雪兎「聖剣事変を解決して残りの冬休みを満喫していた俺達。だが、突如俺の前にブラッドスタークを名乗る謎の人物が現れる」

龍我「ま、まともにあらすじ紹介してるだと!?」

雪兎「ブラッドスタークに言われるまま俺は学園に戻るのだが、そこには季節を間違えたようなヤベーイ格好をした脳筋・・・・もとい謎の男・万城龍我の姿が」

龍我「ちょっと待てやコラァ!」

雪兎「話を聞いてみても何やら食い違う事に疑問を持った俺は万城龍我を学園内へと連行するのだが」

龍我「無視すんなや!」

雪兎「はいはい、アレやるぞ?せーの」

雪・龍「「さてさてどうなる第114話!」」

龍我「・・・・ちゃんと全部やりきられた」

雪兎「凹むとこそこかよ!?」


114話 雪兎VS龍我!? 兎、龍と喧嘩する

「イテテッ!いい加減放しやがれ!!」

 

「出来る訳ねぇだろうが・・・・お前にも事情あるっぽいが、今のお前は不審者以外の何者でもねぇんだぞ?」

 

「誰が不審者だ!俺には万城龍我って名前があんだよっ!!」

 

雪兎が校門で拘束した自称「万城龍我」と名乗る謎の男。その力は雪兎が思ったよりも強く、雪兎は相手が力を込めにくい方法で龍我を拘束しつつ学園内にある生徒指導室にて事情を聞こうと思っていた。

 

「そういうお前は何者なんだよ!」

 

「俺か?俺は天野雪兎・・・・天の野原に雪の兎と書く」

 

「なるほどなるほど・・・・じゃなくてっ!お前が何でこの学園にいるんだよ!?って言ってんだよ!」

 

「そんなもん俺がここの生徒だからに決まってるだろうに・・・・」

 

「はぁ!?俺はお前なんて知らねぇぞ!」

 

(こいつ、馬鹿っぽいけど嘘はついてないっぽいな)

 

龍我があれこれ騒いでいるが、対する雪兎は冷静に龍我から得た情報を整理しつつ先程考えついた仮説が正しいのではないかと考えていた。すると・・・・

 

「雪兎、遅かったね?何かあったの?」

 

そこにシャルロットが雪兎の帰りが遅いからと心配してやってきた。

 

「「シャル・・・・ん?」」

 

その時何故か雪兎と龍我の言葉が被った。

 

「な、何でお前がシャルを知ってんだよ!?しかもシャル呼ばわりしやがって!」

 

「いや、それはこっちの台詞なんだが・・・・」

 

「雪兎、その人は?」

 

「エッ?お、俺だよ!龍我!万城龍我!」

 

「シャル、知り合いか?」

 

「う、ううん、知らないよ」

 

雪兎は答えが判っていながらシャルロットに問うが、シャルロットは知らないと首を横に振る。これに龍我は酷くショックを受けた表情を見せるが、すぐに雪兎に食ってかかった。

 

「オイ!てめぇ!シャルに何しやがった!!」

 

だが、龍我は雪兎がシャルロットに何かしたのでは?と思ったらしく雪兎の拘束を無理矢理引き離すと雪兎の胸ぐらを掴んだ。

 

「俺がシャルに何かするだと?見損なうなっ!何となくお前の事情は把握したが、とりあえずお前の頭を一度冷やす必要が有りそうだ」

 

「やるってんのか!やってやるよ!」

 

すると龍我は雪兎から手を放しファイティングポーズをとる。

 

「そう焦るな。お前もここの生徒だったって言うんだろ?なら持ってんだろ?専用機を」

 

そう言うと雪兎は何処かに連絡をしながら龍我とシャルロットを連れてアリーナへとやってきた。

 

「とりあえず俺とシャルロットで模擬戦をやるってことで申請を出した。ここなら思う存分やれるだろう」

 

そう、雪兎が連絡していたのは学園で、このアリーナの使用許可を取る為だった。

 

「俺が勝ったら金輪際シャルに近付くなっ!」

 

「それじゃあ、俺が勝ったらお前の専用機を調べさせろ。あと俺の話を聞け」

 

「いいぜ!だが、俺は負けねぇ!」

 

「いくぞ、雪華!」

 

「こっちもいくぜ、ドラゴン!」

 

『ギャーォッ!』

 

「「はっ?」」

 

雪兎が専用機・雪華を展開すると龍我はスカジャンのポケットから小さなドラゴンのようなものを取り出し、その背中に蒼いボトルのようなものを嵌め込んだ。

 

『ウェイクアップ!』

 

「「えっ!?」」

 

更に龍我はハンドルのついた機械を取り出すと腰に装着する。

 

「おい、ちょっと待て!?それってまさか!!」

 

それを見て雪兎はソレ(・・)が何であるか気付いた。

 

『クローズ・ドラゴン!Are You Ready?』

 

「変身!!!」

 

龍我がそう叫ぶとベルトから伸びたチューブが前後で左右半分ずつのアーマーを形成し、それが龍我を挟み込むように合体した。その後、アーマーを纏った龍我の後ろから翼龍のようなアーマーが追加される。

 

『ウェイクアップバーニング!ゲットクローズ・ドラゴン!イエーイ!』

 

「・・・・仮面、ライダー、だと!?」

 

そう、龍我が変身したのは仮面ライダーと呼ばれる雪兎の前世で流行っていた特撮ヒーロー。

 

「クローズ、仮面ライダークローズだ!覚えとけ!」

 

更にベルトから剣を抜き取り龍我は雪兎に斬りかかってきた。

 

「やっぱり仮面ライダーかよ!?というかISじゃねぇのかよ!?」

 

龍我が振るう剣・ビートクローザーをソードライフルで受け止める雪兎。

 

「ちっ、流石は仮面ライダー・・・・パワーが桁違いだ」

 

このまま斬り合うのが不利だと察した雪兎は龍我から一度距離を取ると雪華のパックをトライアルからネオガンナーに切り換える。

 

「はっ!?そんなの有りかよ!?」

 

今度は龍我が驚く番だった。それもそのはず、龍我の知るISは武器を切り換える事はあっても雪兎の雪華のように装甲等のパーツまで丸っと切り換えてしまうようなISは存在しなかったのだ。

 

「こんなもん高速切替の応用だ。それにやっちゃ駄目だなんてルールも無いからな!」

 

そして、雪兎はお返しとばかりに両腕の計四門のガトリングガンをぶっ放ち龍我を攻撃する。

 

「ちょっ!?あ、あ、あ、危ねぇだろ!?」

 

「これも持ってけ!」

 

更に追撃として全身に備えたミサイルを龍我目掛けて放つ。

 

「ぎゃあああ~っ!?」

 

ミサイルとガトリングの雨霰に翻弄される龍我を余所に雪兎は再びパックを切り換えネオイェーガーのネオバスターライフルで龍我を狙う。

 

「fire」

 

「うわぁああああ!?」

 

今まで受けた事の無い攻撃に龍我は手も足も出ないようだ。

 

「そ、空から射ってくるなんて卑怯だぞ!」

 

「そんなもん飛べないお前が悪い」

 

抗議する龍我に雪兎は問答無用とネオバスターライフルを連射する。

 

「・・・・」

 

その光景に唯一の観客であるシャルロットは少し呆れながらも雪兎に提案する。

 

「雪兎、ちゃんと戦ってあげたら?じゃないと龍我は納得しないんじゃないかな?」

 

「・・・・分かったよ」

 

シャルロットにそう言われては雪兎も聞かざるえず、ネオブレイドに切り換えて地上に降りた。

 

「サンキュー、シャル!」

 

自分を気遣うシャルロットの言葉に気分を良くした龍我がシャルロットに手を振るのだが・・・・

 

「余所見してんじゃねぇよ!」

 

そんな隙を雪兎が見逃す訳もなく、バルムンクで龍我をぶん殴りアリーナの壁へと叩きつける。

 

「がぁ・・・・」

 

「安心しろ、峰打ちだ」

 

「・・・・いってぇじゃねえか!?」

 

「ほう、あれをモロに食らって起き上がるか・・・・ライダーシステムの強度が高いのか、それとも万城龍我の耐久値が高いのか・・・・」

 

「てめぇこそ余裕ぶっこいてんじゃねぇ!!」

 

雪兎がまだ起き上がる龍我に感心していると、龍我は手に持ったビートクローザーを雪兎に投げつける。

 

「甘い。というか、これはそうやって使うもんじゃねぇだろ・・・・」

 

しかし、雪兎にそんな不意打ち紛いの手が通用するはずもなく、ビートクローザーは受け止められてしまう。

 

「もうちょっと道具は大事にだな・・・・」

 

「隙有り!!」

 

『レディー・ゴーッ!ドラゴニック!フィニッシュ!』

 

だが、龍我の目的はビートクローザーを囮にし、雪兎の視線を逸らす事であった。雪兎がビートクローザーに気を取られている隙にベルトのハンドルを回し必殺技を発動させた龍我が蒼い龍のオーラ纏った拳を放つも雪兎はそれが判っていたかのようにネオフォートレスに切り換え、大型シールドビット・アイギスでそれを受け止めた。その一撃はアイギスの装甲を大きく凹ませる事は出来たが、雪兎に届かせる事はおろかアイギスを破壊する事すら叶わなかった。

 

「30点、そんな攻撃が俺に通用すると思うな」

 

「畜生!なら!」

 

すると、今度は雪兎に止められたビートクローザーを拾い柄の下にあるレバーを引くのだが・・・・

 

『ヒッパレー!ヒッパr「バキッ」』

 

「えっ?」

 

何と龍我が勢い良く引き過ぎたのか、そのレバーが折れてしまったのだ。

 

「何だか知らんがそれはもう使えないみたいだな・・・・だからと言って容赦する気はないが」

 

唖然とする龍我に雪兎はいつの間にか切り換えたネオストライカーの大型シールドを振りかぶる。

 

「もっかい壁とお友達になってこい!」

 

勢い良く叩きつけられたそれを龍我はビートクローザーでガードするも、続けて放たれたシールド内蔵バンカーによってビートクローザーの刀身は真っ二つに折られ龍我自身も再び壁に叩きつけられ変身が解除されてしまう。

 

「勝負あったな」

 

変身が解け、アリーナの地面に倒れる龍我に雪兎がISを近付くと、龍我はまだ意識があったのかフラフラと起き上がる。

 

「頭は冷えたか?」

 

「うるせェ、てめぇにシャルは渡すかよ」

 

龍我はまだやる気のようだ。

 

「おい、やめろ!お前の身体はもうボロボロなんだぞ!」

 

「知るか!だりぁあああ!!」

 

龍我を止めようとする雪兎の顔面に龍我の渾身の一撃が炸裂し雪兎を2メートル程吹っ飛ばすと、龍我はそのまま崩れ落ちるように気を失った。

 

「・・・・ったく、今の俺じゃなかったら本気でヤバかったぞ」

 

吹っ飛ばされた雪兎は勢いを殺す為にあえて後ろに跳んでいたようで、すぐに文句を言いながら起き上がった。

 

「雪兎!大丈夫!?」

 

「ああ、何とかな・・・・それにしても、コイツは本当に一体何者なんだ?」

 

仮面ライダーに変身する事といい、先程の一撃といい、万城龍我の謎は深まるばかりであった。




とりあえず勝負は雪兎の勝ちとなりました。
まだアドヴァンスドとか使ってない分、手加減はしてたんですがね・・・・

珍しくストライカーがフィニッシャーになりました。


次回予告

龍我との勝負に勝った雪兎は龍我の持ち物を調べるうちに龍我が平行世界からやってきたと確信を持つ。また、龍我の持ち物の中にあったUSBメモリから雪兎はあるデータを発見し・・・・

次回

「ライダーシステムと万城龍我の謎 兎、解析する」

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