IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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新章となる十四章です。
今回は麦ちゃさんとのコラボシナリオです。

それぞれ雪兎と龍我がメインで書かれているので双方読んでいただけると色々と見えてくると思います。


それではISー兎協奏曲ー第十四幕開幕です。


十四章 兎と龍とシャルロット
113話 交わる世界 兎、龍と遭遇する


聖剣事変と呼ばれた事件が終息し、雪兎が転生者とカミングアウトしてから更に数日が経った。あれからセシリアの誕生会に出席した後、雪兎達は日本に戻り残りの冬休みを満喫していた。そんなある日の事・・・・

 

「さてと、これで全部か・・・・ん?」

 

買い出しに出ていた雪兎がIS学園と外を繋ぐモノレールを降りたところで何者かの視線を感じる。雪兎はゆっくりと人気の無い場所に移動し、視線の主がついてきているのを確認すると視線の主に訊ねる。

 

「・・・・何者だ?」

 

『ほぅ、こちらの視線に気付いていたか』

 

その声はボイスチェンジャーで加工されたような声で、その声の主の姿もISとは似つかない血のように赤い装甲に全身に張り巡らされた管のようなもの、コブラの意匠が施された宇宙飛行士の服に似たパワードスーツらしきものを身に着けており、素顔はわからない。

 

「あんなねばついた視線を向けられれば嫌でも気付くさ・・・・で?あんたは何者だ?」

 

『そう慌てなさんな、イレギュラー。ブラッドスターク、そう名乗ってる』

 

ブラッドスターク(正統なる血)ねぇ・・・・そのブラッドスタークさんとやらが何の用だ?」

 

『だから慌てなさんなって』

 

ブラッドスタークを名乗る人物はおどけた様子でそう言うが、雪兎としてはIS学園の敷地内にあっさり侵入したブラッドスタークを警戒していた。

 

『IS学園の校舎に行ってみな・・・・面白いものが見られるよ』

 

「面白いもの、だと?」

 

『伝える事は伝えたし、退散させてもらうよ・・・・チャオ!』

 

「お、おい!?待て!」

 

言いたい事だけ言って去っていくスタークを追う雪兎だったが、スタークはその手に持つ黒い銃のようなものから黒い煙を放つとその姿を眩ませてしまう。

 

「ブラッドスターク、何者なんだ?あいつは・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタークを見失った雪兎はスタークの言っていた事が気になり校門の方へと歩いていく。すると、龍の描かれたスカジャンにジーンズという格好の見覚えの無い男がいた。

 

「何だアイツ?見覚えがねぇし、あんな格好で寒くねぇのか?もしやスタークの言ってた面白いものってアイツの事か?」

 

「・・・・の性格上、遅れる事はねェと思うんだけどな・・・・何でだ?つーか寒いなオイ・・・・」

 

雪兎が近付いてみると、その男は若干雪兎より背が高く、髪の毛をエビフライのように編み込んでいる。寒いのには今気が付いたようだ。

 

「おい、お前ここで何してんだよ?」

 

「あ?ンだよ?」

 

後ろからその男の肩に手を置き振り返らせると一昔前の不良を彷彿とさせる口調でそう聞き返してきた。

 

「テメーこそ誰だ。IS学園の制服着やがって」

 

「いやお前が誰だよ。この季節に半袖Tシャツに前が全開のスカジャンとか、ヤベー奴じゃねえか」

 

振り返らせて判った事だが、この男、スカジャンの下は半袖のTシャツだった。

 

「は?今6月だろ」

 

「何言ってんだ?今は1月だぞ?」

 

「「は?」」

 

どうも話が食い違う。そう思った雪兎は彼から事情を聞く為に彼を連れていく事にした。

 

「・・・・とりあえず、来てもらうぞ。どうやってこのIS学園に入ったか知りたいしな」

 

「どうやってって・・・・オイ!離せ!」

 

男は抵抗するが、どうも疲弊しているようで雪兎にあっさり拘束され連れて行かれる。

 

「クッソ・・・・何でこうなるんだよーッ!」

 

(こいつ、さっき俺がIS学園の制服な事に反応してたな?それに6月・・・・まさかな)

 

これが雪兎と・・・・謎の男こと万城龍我のファーストコンタクトであった。




という訳でコラボシナリオスタートです。

111話でチラッと出たのはブラッドスタークでした。詳しくは麦ちゃさんとこのINFINITE・CROSS-Zを見て下さい。


次回予告

ブラッドスタークの言う面白いものこと謎の男・万城龍我。彼から事情を聞こうと雪兎は彼をIS学園に連れていくのだが、雪兎を出迎えたシャルロットと遭遇した途端、龍我がおかしいな事を言い始め・・・・

次回

「雪兎VS龍我!? 兎、龍と喧嘩する」

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