IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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次章より麦ちゃさんのINFINITE・CROSS-Z コラボ編となります。
あちらとは前書きやラジオネタ等で何度かコラボしておりますが、今度は本編でのコラボになります。お楽しみに。

という訳で今章はこの回で終了。アムドラ編は長かったが、今回は元の話数で安心した。


112話 後片付けと新たな仲間 兎、暗躍する

聖剣事変が終わって数日後。ちょっと後始末の話をしよう。

 

「わ、私は悪くない!私は悪くないんだ~!」

 

雪兎によってナターシャを脅していた事が明るみに出てISが登場して以降強行な政策が目立っていたアメリカ大統領がその地位を剥奪された。代わりに新たに大統領になったのはその反対派閥のリーダー。彼はナターシャに非礼を詫び、険悪になっていたIS学園とも和解に成功し世論を味方につけた。

 

「という訳で私もIS学園で教師をする事になったわ」

 

そして、そのナターシャは福音と共にIS学園に教師として赴任する事になった。新大統領曰く「友好の証」なんだとか・・・・

 

「本当にありがとうございました」

 

「ありがとうございました!」

 

救出されたエクシアもエクシア=カリバーンではなくエクシア=ブランケットとしてセシリアに仕える事になったのだが、埋め込まれたISコアは完全に彼女と一体化してしまっているらしく、そのコアの保護の為に雪兎が新たにエクシアに専用機を作成する事になった。クロエという生体融合型ISの見本がある為、そこまで苦労はしないとの事。だが専用機の訓練の為にエクシアは来年度にマドカ達と一緒に学園へ入学が決まってしまった。エクシア本人は嬉しそうなので問題無いとは思うが・・・・

 

「私もIS学園に編入する事にしたよ」

 

更に、箒に一目惚れしたロランがIS学園に編入してきた。これには箒が渋い顔をしていたが・・・・箒、頑張れ。今回の件で雪兎達との繋がりを欲したオランダ政府の意向もあるとは思われるが、ロラン本人も乗り気なので問題無いだろう。

 

「それにしてもまさか全員捕らえられるとはな」

 

雪兎達が拘束したスコール達の他にも聖剣内部で捕らわれていたピスケス、レイン、フォルテの三人もあっさり捕まり、表立って動いていたモノクローム・アバターと闇夜の星座のメンバーは全て捕らえられた事になる。まだ彼女達の上位者達がいると考えられ油断は出来ないが、亡国に関しては一区切りついたと言える。ちなみに彼女達が使っていたISは全てプロジェクト・フロンティアに回収され再利用される事が決定している。

 

「全く、大事な話があるって聞いてたけど・・・・そんな事とはね」

 

「・・・・俺にとってはすっげー一大事だったんだが」

 

「いえ、驚いてはいますよ?でも・・・・」

 

「雪兎だったらあり得るって感じで、なぁ?」

 

「「「「うんうん」」」」

 

「マジかよ・・・・」

 

「あっ、雪兎が凹んだ」

 

雪兎は聖剣に関する事が一通り片付いてからプロジェクト・フロンティアに関わる一同に自身が転生者である事を明かしたのだが、雪兎が今までやらかしてきた事がやらかしてきた事だけに随分とあっさり受け入れられてしまった。その為、罪悪感とか色々なものを抱えてきた雪兎はがっくりと項垂れてしまう。

 

「・・・・俺、一応皆が傷付かないように気にしながらとはいえ色々暗躍してたの気にしてたんだぞ?なのにそんなにあっさり受け入れられたら俺の頑張りは何だったんだよ・・・・」

 

「ヤバい、雪兎が滅茶苦茶凹んでる・・・・」

 

「彼からしたら本当に一大事でしたものね」

 

「拒絶される事すら想定していたのだろうが・・・・」

 

「皆あっさり許しちゃったものね」

 

「だけど雪兎が色々な物を思い付く要因の一つは判ったね」

 

「それを実際に作っちゃえる時点で普通じゃないけれどね」

 

「つまり、師匠の頭の中にはまだまだ色々な異世界の知識が詰まっていると!」

 

「むしろ喜んじゃってる娘もいるわね・・・・」

 

「もう、『雪兎だから』で済んじゃうわね」

 

「「「「うんうん」」」」

 

「てめえら・・・・全員アリーナに出ろや!新しいアドヴァンスドシリーズの実験台にしてやる!!」

 

「「「「ちょっ!?」」」」

 

その後、一同は雪兎の新型アドヴァンスドのテストでボコボコにされはしたが、彼らの結束はより強いものになった。

 

「お前は知っていたのか?束」

 

「うん、それでも私は狡いとは思わないよ?だって、ゆーくんはそれをちゃんと活かせるように努力したんだし」

 

「なるほどな」

 

「それに、私達の弟(分)なのは変わらないでしょ?」

 

「それもそうだな」

 

「え~っと、ということは天野君って精神的には私達より年上?」

 

「「「・・・・」」」

 

「今まで通りでいいのではないかな?ヤツは結局はヤツでしかないだからな」

 

「いーくんは良いこと言うね」

 

「い、いーくん?」

 

「イヴァンだからいーくん」

 

「・・・・出来ればやめてほしいのだが」

 

「「え~!」」

 

「雪菜、お前もか」

 

教師達大人勢も結局は「雪兎は雪兎」と考える事にしたらしい。

 

「良かったね、雪兎」

 

「はぁ、ずっと悩んでたのが馬鹿らしくなるよ、まったく」

 

そう告げる雪兎の顔は言葉とは裏腹に嬉しそうな笑みだったと後にシャルロットは語る。




今章はこれにて閉幕です。
今回は短いですが事後処理のお話がメインなのでご了承下さい。

そして、雪兎がとうとう転生者とカミングアウトしましたが・・・・雪兎だった故にそんな大して驚かれませんでした。

次回からは前書き通りコラボシナリオとなります。


次回予告

聖剣事変によるあれこれが片付き冬休みを満喫していた雪兎達。そんなある日、雪兎はIS学園に侵入しようとしていたとある男と出会う。

次回

「交わる世界 兎、龍と遭遇する」

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