今回は雪兎とシャルロットのコンビネーション技が御披露目になります。元ネタは某ロボット大戦の亡霊コンビの暴れまくり幽霊・・・・片方は私がバンカー好きになった一因です。
「でけぇ・・・・これが聖剣」
雪兎達が亡国機業を足止めしている間に聖剣へと辿り着いた一夏達。その圧倒的な大きさに一夏はそう声を洩らす。
「メンテナンス用のハッチは全てロックされているようだ・・・・時間が無い。どのみち最後には跡形も無く破壊するんだ。扉の一枚や二枚壊しても問題あるまい」
ハッチが全てロックされていると知るや否や千冬はハッチの一つを斬艦刀で斬り捨て強引に侵入口を作ってしまった。
「ち、力技で・・・・」
「流石は織斑先生。迷いが一切無かった」
「晶、そこは感心するとこじゃない」
「グズグズするな、置いていくぞ?」
あまりにも脳筋な突入方法に突入班の面々が唖然となるが、千冬の一言で我に返り、千冬に続いて聖剣内部へと突入した。
「これが、聖剣の中・・・・」
聖剣の内部は意外にも広く、ISが数機並んで移動出来るくらいの広さがあった。これは物資の搬入やメンテナンスの関係でそれなりに広く作られていたのだろう。
「各員油断するなよ、ここは既に敵地だ。案内は任せるぞ、ブランケット」
「かしこまりました。皆様、こちらです」
今回、チェルシーの参戦の為に雪兎から貸し出されたISの名は【
「・・・・でも、何か不気味だね」
「どうした?聖」
「うん、何かここまですんなり来てるから何かあるんじゃないか、って」
その聖の予感は的中する。順調に進んでいた一夏達の前に京都で亡国機業が使っていた機械戦乙女によく似た無人兵器が現れ行く手を遮る。
「こいつらはあの時の!」
「流石は聖。言ってる傍からだな」
「嬉しくなぁあああない!!」
「総員、迎撃しろ!」
聖の絶叫が響く中、一夏達は無人兵器の迎撃行動を取る。
その頃、雪兎達は・・・・
「やっぱりそのISって宙間戦闘考慮してねぇよなぁ・・・・」
「宇宙って燃焼三要素の酸素供給体無いもんね」
「熱伝導兵器も宇宙空間に熱が逃げちゃうからエネルギー効率悪いしね」
「というか、さっきの熱線も一発限りっぽいし・・・・オバサン、馬鹿なの?」
「オ、オバサン!?」
「いや、間違ってないだろ?随分と身体弄ってるみたいだけど、加齢臭とオバサン臭さは消せなかったんじゃね?」
「い、言わせておけば!!」
「お、落ち着けスコール!」
雪兎、シャルロット、レヴィの二人と一体で盛大にスコールをディスっていた。
「怒った?ってことは自覚あるんだね」
「レ、レヴィ、言っちゃ駄目だよ・・・・多分、気にしてるんだよ」
「うぐっ・・・・」
シャルロットの気遣いは逆にスコールにクリティカルだったようで、宇宙空間だというのにスコールは器用にorzで項垂れてしまう。
「・・・・あの子達、えげつないわね」
これには脅されて従っているナターシャも同情を禁じ得ない。宇宙空間用に装備したパッケージも雪兎達が指摘したように強力な熱線と熱伝導兵器を追加したものだが宇宙空間での燃費は悪く、普通の相手ならスコールの技量で何とか出来るものの相手はISには一家言ある兎達である。そこに女性にはデリケートな年齢の事を突かれたスコールが心折られても無理は無い。
「レヴィ、スコールの方は任せていいか?」
「オッケー!この僕に任せて!」
レヴィはそう言うと何処から取り出したのか(おそらく拡張領域)雪兎の開発した対IS用拘束ワイヤーでスコールをゴールデン・ドーンごとミノムシのように拘束してしまう。
「これで一人片付いたな」
「お前は鬼かっ!?」
この対IS用拘束ワイヤーは雪兎達のISの中でもパワー自慢の鈴の煌龍すら抜け出すのに手こずる逸品で、ISごと拘束された事で抜け出すにはISを解除する他無く、仮にその方法で抜け出せたとしても宇宙空間でそんな事をすればいくら身体のほとんどを機械に変えたスコールと言えど助かる見込みは無い。つまり、先程まで雪兎達におちょくられて攻撃を連発していた現在のゴールデン・ドーンはスコールの生命維持装置ぐらいの価値しかないのだ。
「ん?通信か」
そんな時、雪兎に通信が入った。
『雪兎兄様、工作員のカレンからナターシャ=ファイルスの家族を保護したと連絡がありました』
「だとよ」
「!?」
以前にIS学園に潜入し、失敗した事で米国の捨て駒にされた特殊部隊【
「これであんたがそいつらに、そして国に従う理由は無くなったと思うんだが?」
「・・・・本当に君は規格外だね」
家族の無事を知り、フルフェイス越しでも涙しているのが判る。
「という訳で、完全に形勢逆転したんだが・・・・まだやる?」
「ふざけるなっ!私は例え一人になっても戦う!それが負け戦だろうともっ!」
あっという間に一人になってしまったレピオスだが、それでも一部隊の長としての矜持かその目に諦めの色は見られない。
「仕方ない・・・・やるぞ、シャル」
「うん!」
「先に仕掛ける。タイミングは任せる」
「OK!」
すると、雪兎は【NS:ネオストライカー】とネオガンナーに換装し先行しつつアサルトライフルで牽制、シャルロットもライトニング・アサルトとネオイェーガーに換装しレピオスの上に回り、アサルトライフルがヒットしガード状態のハイドラにガングニールのEモードで砲撃の雨を浴びせながら背後に回る。
「くっ、挟まれたか」
前方からは大型の
「がぁ!?」
「吹っ飛べ!」
そのまま撃鉄を打ち鳴らし薬莢を炸裂させ重量級であるハイドラを難なく吹き飛ばす。
「これもあげるね」
吹き飛ばされたハイドラに並走しつつ、Bモードで弾丸を叩き込みつつ、シャルロットがハイドラの前方に回り込み再びEモードでハイドラを雪兎の方へと撃ち返す。
「そら、もう一発っ!」
「ごはっ」
「もう一回っ!」
「ちょっ、まっ!?」
それを雪兎もシャルロットへとバンカーで返し、シャルロットもEモードで撃ち返す。
「今度はこいつで!」
ネオストライカーをネオブレイドに切り換えてバルムンクで打ち返し。
「なら僕はこれ!」
シャルロットはネオイェーガーからネオフォートレスに切り換えグランドスラムの砲撃を連射して弾き返し。
「大出血サービスだ!全弾持ってけ!」
ネオガンナーの全弾発射を浴びせる。
「雪兎!」
「おう!」
最後に【C:カスタム】の
「これで止めだ!」
「「いっけぇえええええ!!」」
シャルロットがバンカーを放った直後にドライバーから収束砲が放たれる。明らかにオーバーキルの攻撃を受け、ハイドラはボロボロ、レピオスも白眼を剥いて気絶してしまっていた。
「これが僕達の」
「
決め台詞とハイタッチを交わす雪兎とシャルロットだが、それを見ていたレヴィとナターシャはその
「うん、ご主人達は怒らせないようにしよう」
「あれ、マニュアル操作よね?あんなの絶対プログラムパターンじゃ制御出来ないわよ・・・・」
一歩間違えばフレンドリーファイアになりかねない、お互いを信頼するが故の連携攻撃にナターシャは戦慄する。
「あれ?そういえばオバサンが静かだけど・・・・」
「気絶してるわね・・・・まあ、あんなの見せられたらそうなるわよね」
そして、スコールも次は我が身と感じ取ったのか気を失っていた。
スコール&レピオス瞬殺・・・・
というかスコールのゴールデン・ドーンは絶対に宙間戦闘考慮してないと思う。
そして、レピオスのオーバーキルっぷりがヤバい・・・・ちょっとやり過ぎたかもしれない。
次回予告
スコールとレピオスが敗れ、ナターシャも戦闘せずに投降した。その一方でレピオスの敗北に動揺する星座の面々。一夏達も無人兵器を破り聖剣の中枢へと向かう。そんな中、聖剣が突如チャージを始め・・・・
次回
「聖剣VS聖剣 兎、ぶった斬る」