IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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亡国蹂躙回再び・・・・
今回は初っぱなから飛ばしていきます。


109話 駆ける蒼き閃光 兎、ぶちころがす

「とは言ったものの、流石に人数が拮抗していては辛い・・・・少し間引くか」

 

雪兎はそう告げるや否や目にも止まらぬ速さでたかが学生だと慢心していたカルキのIS【断ち切る巨蟹(セイバーキャンサー)】の前に姿を現しスラッシャーを一閃、その両腕とサブアーム大鋏を砕くとそのままカルキの腹部を蹴りプレアデスへとぶつける。

 

「がはっ」

 

「だから侮るなといったのだ、カルキ!」

 

「プレアデス!」

 

「なっ!?」

 

「おせぇ!雷刃封殺爆滅剣!」

 

プレアデスは自身のIS【猛進する金牛(ラッシャー・タウルス)】で蹴り飛ばされたカルキを受け止めるが、同時展開していた【YK:エルシニアクロイツ】のビット・ランスロットから蒼い稲妻が剣のように放たれ、カルキとプレアデスのISに突き刺さった。

 

「爆発」

 

そして雪兎がそう言うと稲妻の剣が爆発し、二人のISのシールドエネルギーを削り切る。仕組みとしては突き刺さった稲妻の剣がシールドエネルギーを漏電させ、それを爆破のエネルギーにするというえげつないものだ。

 

「まずは二人」

 

「カルキ!プレアデス!」

 

「あの二人が瞬殺だと!?」

 

全くもって何もする間も無く国家代表クラスの使い手が二人も無力化された事に亡国機業の面々は動揺するが、すぐにそれを成した雪兎を警戒する・・・・しかし、それは雪兎の狙い通りだった。

 

「きゃあああああ!?」

 

直後、アルマが突然悲鳴を挙げ意識を失う。

 

「い、一体何が!?」

 

「あれだ!」

 

またしても混乱する亡国機業の面々。だが、レピオスがアルマの背後にいた小さい何かに気付いた。それは雪兎の【VF:バルニフィカス】を小型化し三頭身くらいの人形サイズの蒼い髪をツインテールにしたチビッコだった。

 

「な、何、あれ?」

 

「僕の名前はレヴィ!」

 

「しゃ、喋った!?」

 

「あれはこのバルニフィカス用のサポートツールでチヴィットシリーズ1号【レヴィ・ザ・スラッシャー】だ。見ての通り小さいがバルニフィカスと大体同じ事が出来る。自律型のビットロボってとこかな?」

 

どうやらアルマはこのレヴィに背後から襲われたようだ。

 

「・・・・1号って事は他にもいるの?」

 

「ルシュフェリオンにはシュテル、エルシニアクロイツにはディアーチェ、スピリットフレアにはユーリってのを製作中だ」

 

ちなみにこのチヴィットシリーズ、IS非展開時にも出せるらしい。

 

「ほらほら、ぼさっとしてると」

 

「僕達にぶちころがされるよ?」

 

雪兎とレヴィに陣形を掻き乱され、カルキ、プレアデス、アルマに続きアリエスもやられ大混乱となる亡国機業の面々。人数も減った事でIS学園と代表候補生達は二人一組でそこを強襲。普段から特訓メンバー同士で連携訓練をしていた為かロラン、コメット姉妹、ベルベットとも上手く連携し二対一もしくは三対一に持ち込んでいる。

 

「こいつら・・・・代表候補生の小娘ばかりじゃなかったのか!」

 

「悪いけど、あんた達の相手なんて雪兎との特訓に比べればマシなのよ!」

 

「我が祖国のものに手を出した罪、償っていただきますわ!」

 

鈴・セシリアコンビVSタリアス

 

「今こそあの特訓とあの世界を培った力を見せる時ですわ!」

 

「ファニール、私達も頑張ろ?」

 

「ええ、オニール」

 

「いきますわよ、双子さん!」

 

「「はい!」」

 

「この娘たち、京都の時より強くなってる!?」

 

エリカ・コメット姉妹トリオVSサダル

 

「久しいな、ベルベット」

 

「シルヴィア=メルクーリ、いえレグルス!貴女は私が倒す!」

 

「私が援護するからベルベットさんは思いっきりやって」

 

「・・・・わかったわ」

 

カロリナ・ベルベットコンビVSレグルス

 

「私も本気、見せちゃうわよ」

 

「では、私は騎士として君をサポートさせて貰うよ」

 

「あら、それは貴女の恋人達に嫉妬されそうね?」

 

「私の恋人達はそこまで矮小ではないさ」

 

「くっ、この二人、隙があるようでお互いに隙を潰してる」

 

アレシア・ロランコンビVSストレア

 

「さて、残るはそこの三人か・・・・」

 

「たった二人で私達三人の相手とは・・・・舐められたものね」

 

「ご主人と僕に速攻で四人やられたくせによくそんな台詞言えるよねぇ」

 

「レ、レヴィ!?」

 

「落ち着けシャル。スコールのゴールデン・ドーンと福音のデータは既に持ってるし、あのレピオスとかいうやつのISの性能も大体予想がついた。負ける要素は無い」

 

「言ってくれるね、兎の皮を被った災害(ラビット・ディザスター)。だが、私の【ハイドラ】の毒は凶悪だよ?」

 

「このゴールデン・ドーンにもパッケージを追加しているわ。今までのようにはいかないわ!」

 

雪兎の発言にレピオスとスコールが反論するも、雪兎は呆れたような表情でスコールを見る。

 

「はぁ・・・・宇宙空間で炎が使える訳ねぇのに炎特化ISなんか使うとか馬鹿なの?パッケージって言っても宇宙空間用の武装追加しただけで本来の機能十全に使えないだろ?そんなISにされたISコアが可哀想だわ」

 

「あ、そうだね・・・・なんだろう、僕も負ける要素が無い気がしてきた」

 

言いたい放題である。でも、雪兎の言う事も間違ってはいない。本来宇宙空間メインのISに宇宙空間で十全に機能を発揮出来ないゴールデン・ドーンは雪兎からしてみれば欠陥機もいいところであった。そして、ゴールデン・ドーンに追加したパッケージも雪兎の指摘通り宇宙空間で炎熱機能を使う為の応急処置に過ぎない。また、レピオスのハイドラも背面から伸びる大蛇を模した二本の攻撃用サブアームと蛇使い座の元となったアスクレピオスからメデューサ関連の(ウィルス)を利用した剥離剤のような武装があると雪兎は推測しており、その程度(・・・・)の対策をしていない訳が無い。更に福音とはある意味一番戦闘経験がある雪兎が対策済みの為、正直なところ雪兎が本気(・・)を出せば一人でも三人を完封する自信もある。だが、その本気(・・)をここで出すのは少し不都合があった為、今回はシャルロットの手を借りる他にレヴィを使用する事にしたのだ。

 

「シャル、って事でこいつら例のコンビネーションパターンの実験台にするわ」

 

「うん、早く片付けて皆の援護に行こっか」

 

「さて、覚悟しとけよ?・・・・亡霊が暴れ回るからな」

 

そう告げると、雪兎とシャルロットはそれぞれパックを換装しスコール達へと突撃した。




カルキ、プレアデス、アルマ、アリエスの四名は活躍する間も無く退場ですw
それぞれのISのモデルはカルキのキャンサーはガンダムアシュタロンハーミットクラブ、プレアデスのタウルスはFGOのアステリオス、アルマはストライカージンクス、アリエスはガンダムWのメリクリウスです。多分出番もう無いけど・・・・
新規組で残ってるのはタリアスのケイローンとレピオスのハイドラだけ。


次回予告

雪兎達が亡国機業と激突する中、一夏達も聖剣内部へと突入。しかし、聖剣内部は機械戦乙女の技術を得た米国が配備し、暴走する聖剣に制御を奪われた無人兵器が存在した。

次回

「突入!聖剣(エクスカリバー)! 兎、シャルと暴れる」

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