まあ、兎が絡んでる時点でかなり原作乖離していますので「原作と全然違うじゃねぇか!」という方はバックで。
それではISー兎協奏曲ー第十三章開幕です。
103話 冬休みとシャルロットの誘い 兎、彼女の故郷へと誘われる
それはクリスマスが20日後に迫った12月4日の事だった。その日、シャルロットは少し緊張した面持ちで雪兎にある話をする事に。
「ねぇ、雪兎」
「うん?何だ、シャル」
「僕ね、冬休みに一度フランスに帰ろうと思うんだ」
その話とはシャルロットの帰省に関するものだった。
「そういや夏休みに言ってたな、母親のお墓参りに行くって話だろ?一緒に行くって約束してたやつ」(※26話参照)
「お、覚えててくれたんだ」
「当たり前だろ?シャルとの約束だからな」
「雪兎・・・・」
その約束を覚えていてくれた事にシャルロットは嬉しさを隠せない。
「その約束もあるが、デュノア社も色々落ち着いたらしいし、一度直に会いたいってシャルの親父さんにも誘われててな」
「そうなんだ・・・・」
しかし、その後に雪兎が口にした言葉で一気にテンションが下がる。やはりシャルロットと父親であるアルベールの溝は深いようだ。
「デュノア社には俺だけで行ってもいいが」
「ううん、僕も行くよ」
「そうか・・・・(まあ、あっちも落ち着いたし、今なら本当の事話してくれるだろう)」
実は雪兎は以前シャルロットの為にデュノア社を調べた時にとある事を知り、シャルロットの父・アルベールにそこまで敵意を持たなくなっていたのだ。その事については先の誘いの連絡の際に本人にも確認しており事実だと判明している。
「大丈夫だシャル、俺が一緒だ」
「うん・・・・って、ゆ、雪兎!?」
雪兎がそう言うもシャルロットは不安そうだったので、雪兎はシャルロットを軽く抱き寄せた。
「大丈夫だって、俺の事が信じられないか?」
「・・・・雪兎はいつも僕が無茶しないでって言ってるのに無茶するくせに?」
「ぐっ、痛いとこを・・・・」
少し調子が戻ってきたのか、シャルロットの毒舌が雪兎に突き刺さる。そんな苦い表情をする雪兎を見てシャルロットはくすりと笑う。
「でも雪兎の事は信じてる・・・・僕が言っても聞かないくせに自分から言い出した事はちゃんと守ってくれるからね。あの時を除いて」
「シャル、まだ福音の時の事根に持ってる?」
「当たり前だよ・・・・あの時、僕がどれだけ心配した事か」
「うっ・・・・」
雪兎にとってもあの福音と一対一で対峙した撤退戦は色々トラウマらしい。アドヴァンスド等、その後に雪兎が自重しなくなったのもこの事が少なからず影響していると言ってもいい。
「今度あんな無茶したら簡単には許してあげないからね?」
「お、おう」
早くもシャルロットの尻に敷かれつつある雪兎。それから楽しげに冬休みの予定を立てる二人はまだその冬休みにあんな事件が起こるとは思ってもいないのであった。
ところ変わって衛星軌道上。そこにただの人工衛星とは思えない人工衛星が存在した。
「これが
そこには亡国機業・モノクローム・アバターのレイン、フォルテ、そして京都で雪兎達と交戦した
「既に
「本当に上手くいくのかねぇ」
今回も協力する事になった二部隊だが、レインはどうにも闇夜の星座のメンバーを信用出来ずにいた。確かに実力は元国家代表や代表候補生レベルの者が多く所属している闇夜の星座だが、そのメンバーの秘匿の為と言って今まで大した成果を挙げていないのだ。それ故にレインは叔母であるスコール以上に闇夜の星座を信用していないのだ。
「私はあの
この
『ピスケス、終わった』
そのアリエスからクラッキングが済んだと通信が入り、聖剣のハッチが開く。
「よし、突入するぞ、小娘共」
「命令すんなよな、おばさん」
IS故に生体コアとなっている少女以外に無人の人工衛星などすぐに掌握出来ると突入した三人だったが、その後すぐに通信が途絶えてしまう。慌てたアリエスが通信を復旧しようとするも、通信の代わりに聞こえたのは少女の歌声・・・・その歌は原作とは少し違い『清しこの夜』だったと言う。
という訳で新キャラとして闇夜の星座からアリエスとピスケス登場です。
ピスケスは雪兎や束とは別の意味で女性権利主義者の被害者です。まあ、雪兎と束の逆鱗踏み抜きそうなキャラだよなぁ。
原作の曲を知らんので代わりに清しこの夜を選んだのは完全に趣味です。くぎゅvoiceです。これで何が元ネタか判れば同類。
次回予告
フランスに向かう事になった雪兎とシャルロット。それに合わせそれぞれの理由でヨーロッパの母国へと一夏を招待するセシリアとラウラ。抜け駆けは許さんと同行する箒と鈴。更にそれに便乗してヨーロッパ旅行といつもの面々が集い結局大所帯に・・・・
次回
「旅は道連れ、欧州旅行? 兎、欧州に立つ」