IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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今回は原作でいう38話【エンド・オブ・ムーロン】に該当するお話。ほとんどオリジナルになってますけどね。前半はギャグです。
やっとここまで書けた・・・・一応、あと数話でアムドライバー編はおしまいの予定です。
次は少し日常やって聖剣事変に入ります。



アンケートやっといて今更ですが、イヴァン含めて数人引き抜いていく予定。


99話 開戦!アムドライバーVSジャスティスアーミー! 兎、喧嘩両成敗する

『ぷ~、クスクス。ねぇ、どんな気持ち?どんな気持ち?』

 

『うがぁあああ!!絶対に殺してやる!!』

 

『お、落ち着けロシェット!』

 

無事にピースを集め終えた雪兎達。近く連邦アムドライバーとJAの全面衝突が起こるという中、雪兎達はというと・・・・決戦の準備の合間に捕虜にしたロシェット・K.K.・エーリックの三人をVR空間で弄っていた。

 

「やはりライ◯ン大迷宮をベースにしたのは正解だったな」

 

「・・・・そりゃああの魔王様がぶちギレるダンジョンよ?あの咬ませ犬の煽り耐性で耐えられるわけないじゃない」

 

尚、このVR空間は・・・・

・ダンジョンをクリアしないと出られない。

・ダンジョンで死んだらスタート地点に戻される(冒頭の煽り付き)。

・所々で煽られる(某駄女神voice等)。

・エネミーが超COOLなヒトデっぽいアレ等。

・トラップが半分ギャグ系、もう半分ガチ系。

・装備はお情けで各ネオアムジャケット。

etc・・・

 

「お前が関わると本当にギャグにしかならないな・・・・」

 

「一夏、原作の最後に比べたらまだまし」

 

「だよね~、特にエーリック。彼、途中で死ぬキャラだし」

 

「ひじりん、それを言ったらおしまいだよ」

 

「あっ、またエーリックがトラップで死んだ」

 

「エーリックが死んだ、この人でなし!・・・・で、いいんだっけ?」

 

「アレシアもノリノリ」

 

「いくらリアルでは死なないとはいえこれは・・・・」

 

一夏達もこんな事が言える時点でだいぶ雪兎に毒されてきたと言える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※以下はロシェット達の様子のダイジェストです。

 

『エーリック!上だ!』

 

『う、うわぁああああ!!!』

 

『エーリーック!!』

 

上から飛び掛かってきた生物に喰われるエーリック。

 

『よし、これで完成だ!』

 

パカッ

 

『えっ?』

 

『地面がな~い!!』

 

扉を開ける為にパズルを解いたら(不正解)床が開いて真っ逆さま。

 

『よし!こっちだ!』

 

『本当に大丈夫なのか、ロシェット』

 

『ロシェット!K.K.!レールが切れてーー』

 

『『『うわぁああああ!!!』』』

 

トロッコで道を間違えて溶岩に落下。

 

『二人共!こっちだ!』

 

『ふぅ~、助かったぜ』

 

『・・・・二人共、ここ、スタート地点じゃ?』

 

NDK(ねぇ、どんな気持ち)?』

 

『『『うっぜぇえええええ!!!』』』

 

モンスター部屋から隣の部屋に逃げ込んだらスタート地点(煽り付き)。

 

『こ、今度こそ!』

 

『バッカも~ん!』

 

『うぎゃ!?』

 

『『ロシェット!?』』

 

再びパズルを解いたら(不正解)タライ(超合金)落下。

 

『ふぅ~、やっと一息つけるぜ』

 

デデン!

 

『一発ギャグを言う。つまらなかったらお仕置き』

 

『え、ええっと・・・・猫が寝込んだ!』

 

『・・・・ポチッとな』

 

バシュン!

 

『ぐふっ!?』

 

『『ロシェット!?』』

 

椅子があったので座ったら無茶振りされ、お仕置きとして椅子ロケットで天井に衝突(切りもみ回転とBGM付き)。

 

『・・・・ぷっ』

 

『K.K.、アウト~』

 

『がふっ』

 

『『K.K.~!!』』

 

笑ってはいけない部屋で笑ってしまい、巨大な丸太で横殴りにされる。

 

『もう嫌だ~!お兄ちゃ~ん!!』

 

パカッ

 

『うわぁああああぁぁぁぁ・・・・』

 

『『エーリーック!?』』

 

何度もスタート地点に戻され嫌になり走り出したら落とし穴。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・くくっ・・・・もう、限界・・・・何、こいつら、俺を笑い殺す気?」

 

三人をモニターしていた雪兎は面白いくらいにトラップに引っ掛かる彼らを見て大爆笑していた。

 

「確かにここまでお約束なの見てると狙ってんじゃねぇ?としか思えないぜ」

 

「ロシェ・・・・K.K.・・・・」

 

「いくら敵対していたとはいえ、これは流石に同情するよ」

 

「一つだけ確かなのはコイツ(雪兎)と敵対しなくてよかったってことだな」

 

ロシェット達がVR空間から帰還したのはその三日後のことだった。その頃には三人共すっかり精神的に疲弊しており、ロシェットなんかは「兎怖い兎怖い兎怖い・・・・」と何やらトラウマを植え付けられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしている間にJAは包囲網こそ未完成ではあったがムーロンに向けて進攻を開始。その情報を得た連邦評議会も多くのアムドライバーをムーロンに集結させ迎撃態勢を整えた。

 

「・・・・どっちも随分と戦力を集めたもんだな」

 

ムーロンベース近郊で睨み合っている双方を見て雪兎は呆れたように呟く。

 

「この戦いがこの戦乱の終わりを左右するものだと双方理解しているのだろう」

 

その呟きにイヴァンも少し緊張したようにそう答える。

 

「まあ、俺達にとってもこの状況は都合が良いんだがな」

 

「アレを使うのか?」

 

「使うさ。誰も殺さずにこれだけの数を制圧する事にかけてはアレは最適な装備だからな」

 

そう、雪兎は今回の決戦に向けてある装備を準備していた。カテゴリー・ダークマテリアルズの最後にして最凶のアドヴァンスド・・・・砕けえぬ闇(アンブレイカブル・ダーク)を模したアドヴァンスドを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるJAの技官side

 

ムーロンに程近い荒野にて連邦アムドライバーとJAの全面衝突が始まろうとしていたその時、ソレは上空より姿を現した。

 

「何だ、アレは・・・・」

 

ソレは我々JAや連邦アムドライバーが身に纏っているアムジャケットに似て非なるパワードスーツで、背面に備えた大きな掌にも見える翼から淡い赤色の粒子を放ち浮遊していた。

 

『双方、直ちに武器を納めろ』

 

そして、ソレはオープンチャンネルで双方にそう要求してきた。しかし、その要求はJA側の無言の砲撃により拒絶の意志を示された。

 

「やったか?」

 

だが、その言葉がフラグだったのか無情にも煙が晴れた先には無傷で佇むソレがいた。

 

『・・・・それがお前達の回答か?』

 

その砲撃は機動力を犠牲に限界まで出力を追い求めた母艦の主砲である高出力収束砲。例えネオアムジャケットであろうとも直撃すれば只では済まない威力のそれをソレはまるで蚊にでも刺された程度と言うかのように平然としている。

 

「に、二射目、てぇーっ!!」

 

それをまぐれか一度限りのものだと思った司令官が二射目を指示し放たれるが、ソレは背面の片翼を間に割り込ませ赤色の粒子でバリアを展開し二射目をも防ぎ切った。これには我々JAはおろか、おそらく連邦アムドライバー達も唖然としたことだろう。この段階で実力のある者達はソレが自分達とは全く別次元の域にいる存在だと察したに違いない。だが、司令官は愚かにも三度目の砲撃を敢行し二射と同じように防がれてしまう。それでも司令官は諦めず四度目の砲撃を行おうとチャージを開始するが・・・・

 

『仏の顔も三度までと言う。それにいい加減に目障りだ』

 

ソレも効かぬとはいえ鬱陶しく感じたようで片手を母艦に向けバリアにも使われた赤色の粒子をリング状に展開する。すると、母艦の主砲が突然爆発し主砲の内部から粒子と同じ赤色の結晶体が食い破るように生え主砲を破壊した。正直に言って何が起きたのか自分にも理解が及ばない。何なんだアレは!?

 

『再度言おう。双方、直ちに武器納めろ・・・・聞かぬと言うならばこちらも武力行使を辞さない』

 

そう言ってソレは我々JAと連邦アムドライバー達の間にある戦場の中央部に降り立つ。そこで真っ先に動いたのはJAに所属する戦闘狂・ディグラーズと連邦アムドライバーのジン=クロスの二人だった。

 

『また貴様かっ!丁度良い、以前の借りを今ここで返してくれる!!』

 

『悪いがこちらにも面子ってもんがあるんでねっ!』

 

本来は敵同士の二人が意図せずとはいえ同時にソレに仕掛けるも、ソレは翼を巨大な手のように操りディグラーズのハンマーとジン=クロスのブレードを受け止めた。

 

『血の気の多い奴らだな、お前らは・・・・面倒だ、少し大人しくしてろ』

 

武装解除勧告の時とは違い乱雑な言葉遣い(おそらくこちらが素なのだろう)でソレは両手に先程と同じ粒子のリングを発生させ二人を弾き飛ばすと、二人の手足を何処からともなく発生させた結晶体を使って拘束する。

 

『う、動けねぇ・・・・』

 

『それにアムジャケットのエネルギーが急速に失われていくだと!?』

 

注意して見れば結晶体が輝きを増すのに比例してディグラーズとジン=クロスのアムジャケットのアムエネルギーの輝きが失われていく。まさかあの結晶体、いやあの赤色の粒子は!?

 

『もういいだろう・・・・蒐集開始』

 

再び上空に浮かび上がったソレが手を上翳すと我々のアムジャケットやバグシーン達からも結晶体が現れアムエネルギーを奪っていく。その奪ったエネルギーを更に結晶体を介してソレに集積されていく。そう、あの結晶体、あの赤色の粒子はおそらくナノマシンか何かで作られた「エネルギー蒐集兵器」だ。多分だがあのパワードスーツは恐ろしくエネルギー消費の激しいものなのだろう。だが、このナノマシン型のエネルギー蒐集兵器を用いる事で敵からエネルギーを奪いつつ無力化し、奪ったエネルギーで戦闘可能時間を延長する。そういうコンセプトなのだろう。それに加えてあの防御性能だ。あれはきっと「対軍戦闘用兵器」に該当するもの。これを開発した技術者に私は嫉妬した。私もJA側でネオアムジャケットの開発に携わってきたからこそ判る。アレを開発した技術者は間違いなく天才だ。だが、ソレはまだ私を驚かせるようだ。

 

『ユニゾンモード・デュアル【LF:ルシフェリオン】展開』

 

ソレは新たに赤紫の装甲を纏い、槍のような武器を手にする。そして、その槍の先端に赤色の粒子を収束させていく。

 

『天より来るは明星の光、その光を業火に、全て焼き払う焔と変われ!』

 

ソレは我々に見せつけるかのように槍の先端を離れたところに見える山に向け、戦場からかき集めた膨大なエネルギーを解き放つ。

 

滅焔の明星(ルシフェリオン・イレイザー)!!』

 

轟音と共に放たれたその砲撃は遠く離れた山に着弾するや否や山頂から中腹までを消滅させた。もし、アレが我々に対して放たれていたら・・・・そう考えただけでゾッとする。そう思ったのは私だけではなかったようで、司令官を含めた多くの者達が顔を蒼白くしている。

 

『これが最終通告だ。双方、直ちに武器を納めろ』

 

その最終通告から程なくして我々JAと連邦アムドライバー達は武器を納めた。ムーロンにおける我々JAと連邦アムドライバーの戦いは後に【人の姿をした兎という破壊神】と呼ばれた彼の介入により僅か30分程で幕を閉じたのであった。

 

side out




はい、またしても兎がやらかしました。
後半に登場した技官はJAに参加したのは「好きにアムテクノロジーを研究させてもらえるから」という雪兎達の同類な方です。
というか、【SF:スピリットフレア】の特性をほぼ初見で見抜いているあたりJAには勿体無い人材。

雪兎は地味に魔王様信者。

ジン=クロスはシムカ派所属のアムドライバーです。シーンやエーリックの同期で刀剣系の扱いに長けた凄腕のアムドライバーですが、シムカにはジェナス達の代替品みたいな扱いをされてた不遇な人。おそらく連邦アムドライバーで唯一のネオアムジャケットを使っていたアムドライバー。元はゲーム版のオリジナルキャラでアニメに逆輸入されたキャラらしいです。


次回予告

雪兎の【SF:スピリットフレア】を用いた介入で無理矢理停戦状態となった連邦アムドライバーとJA。その両者のトップであるウィルコット議長とジノベゼを集めた雪兎はイヴァンとの約束を果たすべく、両者の断罪を開始する。そして、沈黙を続けていたガン=ザルディが集まったピースを求め姿を現す。

次回

「断罪と究極の力 兎、論破する」






ジョイ「今回のメカは今回登場した新アドヴァンスド【SF:スピリットフレア】ッス」

シャルロット「まあ、本編中でJAの技官さんがほとんど解説してたけどね」

ジョイ「そうッスね・・・・最大の特徴はエネルギー蒐集型汎用粒子ナノマシン【エグザミア】ッスね。何処ぞの太陽炉みたいに常に放出してるッスけど、バリアやエネルギー蒐集、ビーム兵器に使用出来るッス」

シャルロット「今回は使わなかったけど、集めたエネルギーをそのまま巨大なビームソードにして振るったりも出来るんだよね」

ジョイ「それと今回は【LF:ルシフェリオン】と合体してたッスけど、他のダークマテリアルズ系のアドヴァンスドとも合体出来るッス」

シャルロット「しかも、【YK:エルシニアクロイツ】のトリニティモードの発展系カルテットモードで全部盛りになるともう手がつけれないよ」

雪兎「(・・・・まだそれを超えるヤバいのあるなんて言えねぇ)」

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