夢のため約束のため白球を追う   作:yamayama071308

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第1球目 新学期スタート!

学校に着くなり校舎前の人だかりを発見。クラス分けの掲示板だろう。A組からF組までの240名近くの中から自分の名を探す。A組から探していく。C組のところに名前があった。

 

2C-37 森内 雄大

2C-38 山本 大地

 

 

同じクラスに1人同じ軟式野球部員がいることと自分の名前の下に見慣れた名前があるのも確認し早速教室へ。教室に入ると

 

出席番号順に窓側から順に座ってください

 

と書かれていた。窓側から一番遠い廊下側に座る、するとすぐに聞きなれた声がした。

 

「よっ!久しぶりやな、おはよう!」

 

「おはよー久々言うても春休み明けやから久しぶり感なんか薄いわー」

 

「めっちゃわかるわ」

 

出席番号一つ後ろの山本大地(やまもとだいち)。去年も同じクラスで高校で最初に出来た友達だ。新クラスでやっていけるか不安は毎年ある。だが親友である大地がいる、心強い存在だ。

 

「テニスの方どうやった?ほら春休みに団体戦あるとか言うてたやつ」

 

「あー優勝したけどさ、組み合わせで1回戦から優勝候補やで……何とかなったわけど、やっぱり普段の行い悪いんかな?それとも藤原先生の運のなさ?」

 

「優勝するような奴がくじ運とか言うな、まあくじ運の悪さに関しては顧問の授業中に寝てるからやろ。やから引いてきたんやろ」

 

「うわー絶対それやなー!そっちの大会はどうやったんよ?」

 

「ああうちはな」

 

その後も春休み中に起きたお互いの近況報告などしているうちにチャイムがなった。担任の先生らしき人が入ってきた。黒髪のショートカットに自分と同じぐらい背丈の女性。見たことない顔だし多分新しく来た先生かな?

 

入ってくるなり黒板に白いチョークで大きめの文字で何かを書き込む。クラス全員が静まりながらその一挙一動に注目する。

 

黒田 彩香

 

黒田彩香(くろだあやか)です。今年から教師になりました。こっちの方に来たのは初めてで分からんことも多いと思いますがよろしくお願いします!」

 

拍手が飛び交う。それから簡単な諸連絡があって始業式と着任式。着任式では我らの担任黒田先生も自己紹介をした。その後まあ中身もなんもない校長の話を寝て過ごし始業式も無事終了。

 

明日の連絡だけ簡単にされて解散の支持が出た。今日は学期始め特有の午前中で解散だ。

 

 

大地は部活に向かうといい走っていった。忙しいやつだ。

自分も部活があるので向かおうとすると見慣れた姿がこちらに向かって歩いてき自分の机の前で立ち止まった。

 

「おっす雄大(たけひろ)

 

「おっこーちゃん!」

 

石川宏太(いしかわこうた)、同じ軟式野球部の部員。同じクラスだったことは朝で確認しているがやっぱり会ってからようやく同じクラスという実感が湧いてきた。その後一緒に話しながら部室に向かう。

 

「いやー雄大ってホンマにあの山本と仲良かったんやな」

 

「疑ってたんかよ……」

 

「そんなことないってー!んなことより明日から部活見学会やでええ所みせなあかんで頼むよエースさん」

 

「そんなプレッシャーかけんなっつーの、だいたい俺は今日と明日は投げられへんからやること限られてるわ」

 

「そんなん知ってるわ、まあ今日は軽めにランニングしてストレッチ中心な昨日結構投げてるし無理だけすんなよ」

 

「んーおっけー」

 

そうこうしてるうちに部室近くに着いた。どうやら一番乗りだ。部室前に見知らぬ顔の女子生徒が立っており自分立ちの姿を見るなり近づいてきた。胸のバッチを見る限り3年生だ。

 

「軟式野球部の方々ですか?」

 

「あっはい何のようでしょうか?」

 

こーちゃんが答えると1枚の紙をこちらに渡してきた。

この紙はどうやら部活見学に来る生徒のようだ。羽沢学園(はねざわがくえん)は文武両道を目指す高校ということもあり、必ずどこかの部活に所属しなければならないというルールはないが、新入生は1度だけでも見学しないといけない。そのため生徒会がその見学の出欠をとっているのだという。1通りの説明をされ生徒会の人は立ち去って行った。

こーちやんは紙全体を見通すと今度は俺に紙を渡してきた。

 

「知ってる人おる?同じ中学の後輩とか」

 

「んーまあ俺中学神奈川やしな」

 

「あっそーか、ほな知ってる人とかおらんか?」

 

「んー、まあな……ん?」

 

俺は一瞬ここにはないであろう名前を発見し思わず声が出てしまったこーちゃんはそれに気が付き名簿を覗いてきた。

 

「どないしたん?なんかあったんか?」

 

「いやなんでもない悪い悪い」

 

「なーんやなんかおもろいもんでも見つかったんかとおもったわー」

 

とゲラゲラ笑うこーちゃんに名簿を返した。

 

まあ、まさかな。いくらなんでもあいつの名前がここにあるわけないよなうん。名簿の一番下に見つけた名前と過去の記憶がどうしても引っかかるが、

 

きっと同姓同名、会ってみれば普通のやつだ。

 

そう自分で自分を無理やり納得させ、部室に入っていった宏太に付いていくように部室に入った。

 

 

 

 

 

 


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