夢のため約束のため白球を追う 作:yamayama071308
6月某日。東京都にある野球グランドにて中学軟式野球大会の関東ブロック予選が行われていた。共に勝てば関東代表として全国大会に出場出来る試合とあって白熱の展開になった。試合は3-2と1点差で迎えた最終回7回裏、2
「ピッチャーがセンター!センターがピッチャー!」
審判がバックネット裏にいる記録員に選手交代を告げる。その後三塁側ベンチの方にもすぐに同じ内容の交代が知らされた。
ここまで無名チームがここまでのし上がって来たのはここまでマウンドに立っていたエースのおかげである。何とかこのピンチを凌ぎ次の試合でとマウンドに立ってもらいたい。
肩慣らしに数球投げ込む。そしてキャッチャーの「ラストー!」という声が響きいよいよ試合再開。
左バッターボックスには4番で今大会ここまでHRも放っており今日2安打している強打者だ。
四球で逃げることさえ許されない満塁という絶体絶命のピンチの場面。
初球は低めのストレート。このコースに決まればそう打てない。バッターは見送りストライク。
2球目は低めのスライダー。これは低めに外れてボール。
3球目、4球目はそれぞれ
5球目、アウトコースへのストレート。打者有利なカウントとあってバッターもフルスイングで応えるもバットは空を切る。2ストライク3ボールのフルカウント。
そして運命のラストボール。セットポジションからゆったり右足が上げその足を力強くバッターに向けて踏み込む。鋭い腕の振りから投げ込んだ。勝負球に選んだのは
そのストレートは金属バットに当たり気持ちいいほどの快音を残した打球はライトへと向かっていった………………
ピピピピッ!!ピピピピッ!!ピピピピッ!!ピピピピッ!ピピピピッ!ピピピッ…………
アラームを設定していたスマートフォンをいつも通りに止める。またあの頃の夢を見てしまった。忘れた頃にこの夢を見るから勘弁して欲しいところだがもうどうにもならない問題だと諦めがついた。
布団から出ようとした、しかし4月と言えどまだ朝は冷える。まだ少し布団に……そう考えながらスマホでメール、SNSの確認。特に変わったことは無かったことを確認。
勇気を出して布団から出てみるもやっぱり寒い。しかしいつまでもダラダラしていたら学校に遅刻する。ポットに水を入れお湯を沸かしトースターにトーストを入れる。その間に着替えたり身支度をする。
ちょうど支度を終えるとポットもトースターも作業を終えていた。朝ごはんはトーストとココアは寒い朝にピッタリのメニューだ。
朝ごはんも食べ終え食器を片付け最後に寝癖がないか、忘れ物はないか最後のチェック。問題なし、よし行くかと玄関に向かうタイミングで
ピコーン
スマホがSNSでメッセージが来たことを知らせる音が鳴る。ブレザーのポケットからスマホを取り出しメッセージの内容をみる。
『舞音さん:ごめん今日遅れるから先行っといて』
『了解っす。気をつけてくださいね』
返信を打ちポケットにしまう。さて今日は1人での登校になりそうだな。イヤホンを取り出し耳につける。まだ寒い道を学校に向かい進んでいく。
初めまして。やまやまと申します。関西の大学に通う大学生です。初めてこういった小説書きますので至らぬ点等ございますが暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。次回から本格的にストーリーを進めていきます。