コズミックプリキュア   作:k-suke

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第47話 「死闘!! 海底研究所 (後編)」

 

 

 

 

 

海底 Dr.フライ秘密研究所

 

 

 

三冠号で突っ込み、内部へと突撃を敢行したリーフ達にマイナーが次々と襲いかかってきた。

 

 

リーフ「えーい!! どきなさいよ!!」

 

ダイーダ「あんたらに構ってる暇はないのよ!!」

 

 

そんなマイナーを片っ端から叩きのめしていたリーフとダイーダだったが、次々と襲い来るマイナーにいい加減うんざりし始めていた。

 

 

ダイーダ「いいかげんにしろってのよ!! チェンジハンド・タイプグリーン!! 超高温プラズマ火炎、超低温冷凍ガス、同時発射!!」

 

ダイーダは両腕を噴射口のようなもののついた緑色の腕に換装し、右手から噴射したプラズマ火炎と左手からの冷凍ガスでマイナーを一網打尽にしていた。

 

 

リーフ「チェンジハンド・タイプブルー!! エレキ光線連続発射!!」

 

リーフもまた両腕を稲妻模様の走った青い腕に換装し、電撃光線を連続で放ちマイナーを蹴散らしていた。

 

 

 

豪「この!! このこのこの!!!」

 

豪も負けじとアンチマイナーガンを連射し、マイナーを浄化して元のアリに戻していた。

 

 

 

ダイーダ「おかしい。マイナーしか出てこないなんて、どういうこと?」

 

リーフ「ここが連中のアジトなら少なくともゴーロやファルがいるはず。それすら出てこないとなると…」

 

 

戦い続け、内部を突き進んでいったリーフとダイーダだったが、いつまでたってもマイナーしか出てこないことに疑惑が膨らんでいった。

 

 

豪「やっぱりこれ、罠だってこと?」

 

ダイーダ「ありえるわね。前にマルチハンドを強奪した時みたいに何か企んでるか… それとも…」

 

 

リーフ「私達をこっちに呼び寄せておくことが目的なのかもしれないよね」

 

 

豪「じゃあ、もしかしたらこうしてる間にも何かが起きてるかもしれないってこと?」

 

 

リーフ「可能性の話だけどね。でもだからって引き返すわけにもいかないし」

 

ダイーダ「やな作戦ね。こうなったら一刻も早く博士達を見つけて脱出しましょう、それしかないわ。 それに河内警部にも連絡はしておいたし、あの人がいるならしばらくは安心できるわ」

 

 

そんな会話をしている間にも続々とマイナー達が現れて、三人の進路を妨害せんとしてきた。

 

 

ことここに至っては、前に進んでいくしかないと判断したリーフとダイーダは、力強く頷き合った。

 

 

 

リーフ・ダイーダ「「ゴー!!」」

 

そのまま二人はジャンプしてトンボを切った。

 

 

その瞬間、二人の体は光に包まれ、着地した時には姿が大きく変わっていた。

 

 

ショートカットだったリーフは、ボリュームのある濃いピンクの髪に変化し、着用している服も、ごく普通の服からフリルのついた赤を基調にしたドレスのようなものになっていた。

 

 

 

ダイーダのポニーテールは、一本から五本にまで増え、背中にかかるかかからないかだったそれも、腰まで伸びて金色になっていた。

 

 

そしてリーフ同様のデザインの純白を基調にしたフリルのついたドレスを着用していた。

 

 

 

そしてマイナー達をキッと睨むと二人は名乗りをあげた。

 

 

リリーフ「闇を吹き消す光の使者 キュア・リリーフ!!」

 

ダイダー「悪を蹴散らす光の使者 キュア・ダイダー!!」

 

 

リリーフ・ダイダー「「ピンチ一発、大逆転! コズミックプリキュア!!」」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、独房のようなところには京香先生とラン、そして節子が閉じ込められていた。

 

 

節子「くっそ〜、あんのインチキ野郎め。覚えてなさいよ、絶対に正体を突き止めてやる!!」

 

 

憤っていた節子に、ランはため息をついていた。

 

 

ラン「正体もクソも、あいつはDr.フライ本人よ。パーフェクトの力で生き返らされたのよ」

 

 

節子「? どういうことよ? それにあの遠藤博士 あなたのおじいさんよね。Dr.フライのこと知ってるの?」

 

 

節子の質問に、京香先生は仕方がないというように話し始めた。

 

 

京香「この状況で隠してても仕方ないから話すけど、博士はかつてDr.フライと同じ研究室にいたのよ」

 

節子「ええっ!? そういえばあいつのいた研究室の他の人の名前にそんなのが…」

 

 

驚いていた節子に、ランは続けた。

 

 

ラン「この際だからついでに話すけど、コズミックプリキュアは今うちにいるわ。リーフさんとダイーダさんって言って…」

 

節子「え? あああのぐるぐるメガネをかけた女の子たちでしょ…ってまさか!?」

 

 

京香「そうあの二人がコズミックプリキュアよ。正確には博士の作ったロボットの身体に、光の精霊が宿った姿らしいけど」

 

 

続けざまの爆弾発言に節子はパニックになりながらも激しい後悔をしていた。

 

 

節子「くぅっ!! 前に牧場まで付いて行った時に、切り捨てずにもっとしっかり調査していれば… 甲斐節子一生の不覚!!」

 

ラン「えっ? あの時付いてきてたの? 全く…だからマスコミって嫌いよ」

 

 

 

京香「それより博士は無事かしら? 一人だけどこかに連れて行かれたけど…」

 

目の前の喧騒に半ば呆れていた京香先生だったが、一人連れて行かれた遠藤博士の心配をしていた。

 

 

すると突然彼女達が閉じ込められていた牢屋の扉が力任せにこじ開けられた。

 

 

ラン「えっ? なっ何!?」

 

 

 

 

 

一方、一人連れて行かれた遠導博士はある部屋で椅子に縛り付けられていた。

 

 

遠藤「貴様ら、いったい何が目的じゃ!? 老人をこんな目に合わせおって!!」

 

目の前のゴーロとファルを睨みつけるように怒鳴った遠導博士にゴーロは鬱陶しそうに顔をしかめた。

 

ゴーロ「チッ!! どうしてシジィってのはどいつもこいつもやかましいんだ」

 

 

ファル「まぁいい、どうせ貴様ももうすぐ死ぬんだ。最後に教えておいてやる。デビルの塔を建築するのさ」

 

 

遠藤「デビルの塔? なんじゃそれは?」

 

 

ゴーロ「この世界の暦で半年に一度暗黒世界というべき異世界との壁が薄くなる時がある。その時その場所にデビルの塔を建設し、負の感情を集めて供物とすることで、一気にマイナスエネルギーをこの世界に流し込むことができる。そうなれば…」

 

 

遠藤「この世界はマイナスエネルギーで溢れた暗黒の世界になる!! そうか以前お前らがアメリカを占領したのは… そして失敗後すぐに撤収したのも!!」

 

 

ファル「そういうことだ。タイミングが命なもんでな。今度は邪魔されないようにプリキュアをここに釘付けにしておくために貴様らを人質にさせてもらった」

 

 

その企みを聞いた遠導博士は激昂して暴れたが、まるで拘束は緩む様子がなかった。

 

 

遠藤「ふざけるな!! そんなことは絶対にさせん!! 言え!! いったいどこでそんなふざけたことをするつもりじゃ!!」

 

 

ゴーロ「テメェが知る必要はない。ここでプリキュア共々死ぬんだしな」

 

ファル「連中が入って来れば、入り口の分解光線があいつらをズタズタにする。そして同時に貴様も道連れだ!!」

 

遠藤「なっ何ぃ!?」

 

 

驚愕した遠藤博士に、ゴーロはゲヒゲヒと笑った。

 

ゴーロ「俺たちゃやさしいからな。大切なコズミックプリキュアと一緒にふっ飛べ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜♪〜♫〜♪〜〜♪〜♫〜♪〜♫〜♫〜♪〜♪〜♪〜

 

 

するとその時、どこからかハープのメロディーが流れてきた。

 

 

 

ファル「ん? これは!!」

 

その音に気付き険しい表情をするや否や、何かが壁をぶち破って飛び込み、ファルは大きく蹴り飛ばされていた。

 

 

ゆう「通達する。プリキュアを破壊するのは私の使命だ。余計なことをするなと警告したはずだ」

 

明らかに見下したように自分たちを冷たい目で見てくるゆうに、ゴーロは怒り狂って飛びかかった。

 

 

ゴーロ「ほざけ!! 毎度毎度邪魔しやがって!!」

 

 

 

 

 

 

しかし、ゆうはその突進をあっさり受け止めるとさらに見下したように言い放った。

 

 

ゆう「嘲笑する。学習能力すらないとは所詮はガラクタだな」

 

 

そしてそのまま、ゴーロを先ほど蹴り飛ばしたファルに向けて投げ飛ばした。

 

 

 

ファル「ぐああああっ!!」

 

ゴーロ「グオオオッ!!」

 

その投げ飛ばされた先では、プリキュア用として設置していた分解光線の発射装置があり、それに叩きつけられたゴーロとファルは大爆発とともにどこかへと吹き飛んで行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてその隙に椅子に縛り付けられていた遠藤博士はゆうに助けられていた。

 

 

 

ゆう「遠藤博。私の祖父に相当するものと認識している。ボディに破損はないな」

 

 

遠藤「あ、ああ。お主が四季ゆうか? 央介がわしの妻に似せて作ったロボットという」

 

 

ゆう「肯定する」

 

 

遠藤「…そうか。なぜわしを助けた?」

 

髪や目の色こそ違えど、死んでしまった自分の妻の若い頃に瓜二つの顔をしたゆうに複雑な感情を抱きながら遠藤博士は当然ともいえる質問をした。

 

 

ゆう「回答する。人質作戦などは悪人の行う下劣な戦術でしかない。お前たちのような人質がいては、コズミックプリキュアが全力で戦わない。ランたちもすでに脱出ポッドまで案内した」

 

 

あくまでもゆうは正面切って戦おうとしているだけであり、プリキュアの破壊を目的に行動している。

 

それがわかってもなお、遠藤博士は質問せざるをえなかった。

 

遠藤「四季ゆう。お主は一体何なんじゃ?」

 

 

ゆう「回答する。私はプリキュアを破壊する死神である」

 

 

全く迷いがないゆうの答えに遠藤博士も何も言わなかった。

 

 

そうこうしているうちに、リリーフとダイダーが部屋の中に駆け込んできた。

 

 

リリーフ「博士、無事ですか… って!?」

 

ダイダー「あなたは!?」

 

豪「じいちゃん!? …にゆう姉ちゃん!?」

 

 

 

ゆう「来たな、コズミックプリキュア。 遠藤博、豪を連れて行け。 脱出ポッドはこの先だ」

 

 

 

 

 

リリーフとダイダーの姿を認めたゆうは、遠藤博士に脱出ルートを指示すると、左手を親指・人差し指・中指の三本を立てて前に突き出した。

 

ゆう「チェインジ!!」

 

 

そして突き出した左手の指を立てたまま、手の甲を内向きにして顔の前へと横向きに持って行き、人差し指と中指の間から赤い右目を光らせた。

 

ゆう「スイッチ・オン!!」

 

 

次の瞬間、黒い電流のようなものが火花をあげてゆうの全身を走り、一瞬ののちにその姿は変わっていた。

 

 

彼女の着ていた黒いスーツは、フリルのない落ち着いたデザインのロングスカートの黒一色のドレスに変わっており、同じく黒一色の肘まである手袋とブーツを着用していた。

 

 

デッド「バトルスタイルコードネーム、キュア・デッド。破壊する。ターゲット、コズミックプリキュア」

 

 

冷たく名乗りをあげると、デッドはデスサイズを振りかざし、リリーフとダイダーに突っ込んでいった。

 

 

 

 

ダイダー「くっ」

 

リリーフ「なんの!!」

 

なんとかそれを受け止めたリリーフとダイダーは、逆にデッドを蹴り飛ばした。

 

 

デッド「賞賛する。さすがは叔母だ」

 

 

地震の攻撃を受け止めて反撃してきたことに、デッドはどこか嬉しそうに微笑むと再び攻撃を仕掛けていった。

 

 

 

豪「ちょっ!! 姉ちゃん達やめてよ!! 戦う理由なんてないってば!!」

 

 

必死の思いで叫んだ豪だったが、目の前で繰り広げられている戦いは一向に止まる気配がなかった。

 

 

すると、さっきの爆発の影響か、天井が崩れ始めたかと思うと海底研究所そのものが大きく揺れ始め、周辺から浸水が始まっていた。

 

 

その状況にこれ以上ここに留まるのは危険と判断した遠藤博士は、豪の腕をひっつかんだ。

 

 

 

遠藤「やむをえん。豪、ここは脱出じゃ」

 

豪「で、でも!?」

 

遠藤「あいつらは三人ともわしらが死ぬことを望んどらん。それだけは確かじゃ。その思いを無駄にするな!!」

 

 

ぐずる豪を無理やり説得すると、遠導博士は力の限り叫んだ。

 

 

遠藤「わしらは先に行く。お前らも早く脱出するんじゃぞ!!」

 

 

リリーフ「わかりました!!」

 

ダイダー「必ず後から行きます!!」

 

 

デッド「警告する。行きたければ私との勝負を済ませてからだ」

 

 

激闘を繰り広げていたコズミックプリキュアとデッドの返事を背中で聞きながら、遠藤博士は豪を連れて走り出した。

 

 

豪「姉ちゃん達、三人とも死なないで」

 

 

後ろ髪を引かれる思いだったが、やむをえないとばかりに豪も駆け出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリーフ「ヤァアアアア!!」

 

ダイダー「ハァアアア!!」

 

 

デッド「…」

 

 

コズミックプリキュアは気合の入った雄叫びと共に、デッドは無表情に戦い続けていたが、海底研究所の揺れは激しくなっていき、隔壁のいたるところから浸水が始まり天井は崩落を続けていた。

 

 

 

リリーフ「くっ、さすがにこれ以上は…」

 

ダイダー「限界に近い… 私達も逃げないと…」

 

 

リリーフとダイダーも限界が近いと判断し、目の前に天井が崩落してきたことでさすがのデッドも矛を収めた。

 

 

デッド「状況を分析する。これ以上の戦闘は困難と判断する」

 

 

淡々と解説をすると、デッドは崩壊してきた天井の穴から飛び出していった。

 

 

ダイダー「行きましょう。あの子なら大丈夫よ」

 

リリーフ「うん。死なないでね、デッド。あなたはこの世界の可能性でもあるから…」

 

 

 

 

 

 

崩壊していく海底研究所の中、脱出ポッドに乗り込んでいたラン達は遠藤博士の到着をギリギリまで待つつもりだった。

 

節子「早くしないと逃げることもできなくなるわよ。そしたら私達まで…」

 

逃げることを提案していた節子だったが、ランと京香先生は頑として動こうとしなかった。

 

京香「助けに来てくれたリーフさん達を見捨てていけません」

 

ラン「それに、逃げようったってあなた一人でそれ動かせないでしょ」

 

 

二人の正論に節子は何も言えなくなってしまった。

 

そんな会話をしていると、豪を連れた遠藤博士が頭を守りながら必死に走ってきた。

 

 

 

ラン「おじいちゃん!! 豪!!」

 

遠藤「心配かけたな。さぁ脱出じゃ」

 

 

脱出ポッドに乗り込んだ遠藤博士は、手早くポッドを起動させていった。

 

 

京香「リーフさん達は?」

 

遠藤「あやつらは別ルートじゃ。心配はいらん。よし準備できた。いくぞ!!」

 

 

そうして崩壊していく海底研究所から脱出していく中、当然ともいえる疑問が噴出し始めていた。

 

京香「にしても、Dr.フライは一体何を考えてるんでしょう」

 

遠藤「うーむ。なんでもデビルの塔とかいうのを建造すると言っておった。以前アメリカに侵攻したのもそれが理由だったようじゃ」

 

 

ラン「私達を人質にしたのはそのための時間稼ぎってこと? リーフさん達を呼び寄せておくために?」

 

 

遠藤「あわよくば、基地諸共に始末するつもりだったのかもしれんな。こうも簡単に基地が崩壊するとはとても思えんし…」

 

 

それを聞いて京香先生は驚愕の表情を浮かべた。

 

 

京香「基地をそんな簡単に放棄したってことは、連中とてつもなく大掛かりなことをするってことですよね!?」

 

その言葉に脱出ポッドの中に緊張が走った。

 

 

節子「それって連中が最後の大勝負を仕掛けるってことですか? そうなったら…」

 

節子が青い顔をしていると、崩壊していく海底研究所からかなりボロボロになった三冠号が発進してきた。

 

 

リリーフ『みんな大丈夫!?』

 

三冠号からの通信を聞いて、豪は心からほっとした表情を浮かべていた。

 

 

豪「姉ちゃん。よかった〜…」

 

 

ダイダー『安心してられないわ。パーフェクトが初めからここにいなかったところを見ると、連中の作戦がかなり進行しているとみていわ』

 

 

ダイダーの通信に、遠藤博士も真剣な表情と共に告げた。

 

遠藤「うむ、こうなったら総力戦じゃ。絶対に敗北することは許されんぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、一足早く別の脱出ポッドで海底研究所から逃げ出していたゴーロとファルは、ボロボロの体を引きずるようにしてDr.フライに噛み付いていた。

 

 

 

ゴーロ「テメェ、ありゃどういうつもりだ!? 俺達まで巻き添えにする気だったのか!?」

 

Dr.フライ「何を言うとるか。プリキュアどもが大暴れしたから崩壊したんじゃろうが。まぁどうせ放棄するつもりだったせいで、最近メンテナンスをサボっておったというのもあるじゃろうが」

 

 

ファル「ほざけ!! おかげでこっちは死にかけたんだ。おまけにあの女、こっちにばっかり攻撃してきやがって!!」

 

 

コズミックプリキュア以上に自分達に攻撃を仕掛けてくるゆうにファルは我慢がならないというように不満をぶちまけた。

 

 

 

その時、周囲に黒い靄のようなものがうっすらと立ち込めるとドスの効いた低い声が響いた。

 

パーフェクト「落ち着けゴーロ、ファル」

 

ゴーロ・ファル「「はっ、パーフェクト様」」

 

 

かしこまって敬礼をしたゴーロとファルにパーフェクトは続けた。

 

 

パーフェクト「間も無くデビルの塔が完成する。あとは呼び水となりやすいように奴隷となる人間を連れてくるのだ。よいな」

 

 

 

それだけを言い置くと、黒い靄は逃げるように消えていった。

 

 

ゴーロ「一体どうしちまったんだ、パーフェクト様は? 前は俺達を助けてくれたってのに、最近は放置しっぱなしだ」

 

 

ファル「お姿もほとんどお見せにならなくなったしな。この世界にい続けることでエネルギーを消耗しておられるのかもしれん」

 

 

疑念の沸いていたゴーロとファルに対して、Dr.フライはやる気十分というように呼びかけた。

 

 

Dr.フライ「ならば、いち早くデビルの塔を完成させるのじゃ。今回はマイナスエネルギーを全開にすればいいだけじゃからな。建物の建設をする手間が省けて良いわ」

 

 

ゴーロ「よし、いいだろう」

 

ファル「マイナーどもに、マイナスエネルギーの結晶は取り付けさせたんだな?」

 

 

Dr.フライ「もちろんじゃ。いくぞスイッチオン!!」

 

 

すると、山のいたるところに仕掛けられていた大量のマイナスエネルギーの結晶が爆発し、みるみるうちにどす黒い霧が噴出し山の全体を覆い隠していった。

 

 

Dr.フライ「日本一の山か。ここが世界を暗黒に染め上げる起点となるのじゃ。覚悟しておけ人間ども!!」

 

 

 

その叫びとともに、Dr.フライの眼前では富士山の荘厳だった姿が見るのも禍々しい姿へと変わっていった。

 

 

 

 

第47話 終

 


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