ドールブレイクゾーン 機械仕掛けの彼女   作:甘原彩瀬

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第10話 砲弾の嵐の中で

2055年4月2日 10時17分遠藤拓哉

『ナニカ、イヤナヨカンガスル』

突然、シャレ達が騒ぎ出す。

シャレ達が集まりだし姫騎士の影になってゆく。

「どうした、ジャンヌ?」

シャレの集まり…ジャンヌは、鎧の動きを確かめ銃座に上がる。

「さっき、誰かに見られたたような気がしました。ヘリオン、速度を落として」

「私のレーダーには何も写ってないですけど」

「僅か一瞬、赤外線スキャナーをあてられたわ」

ヘリオンは、ジャンヌに言われるまま速度を落とし徐行する。

俺はシートベルトを外し、運転席を覗くレーダーを見る。

レーダーには何も反応してないか。

けど、ジャンヌがなにかに反応したら、何かやばいのが来る。

オレはシュバルツ・クーゲルの砲門を開け、砲身を車から出し席に戻った。

2055年4月2日 10時17分 ジャンヌ

ーーーーー

誰かに見られている気配が増えた、演算開始…演算完了。

「マスター、敵にこちらの位置がバレてる。攻撃が来ます」

マスターに報告したとたん、近くの草むらに何か落ちる、私は銃座から確かめると。

草むらの中にパイナップルみたいな形物体があった。

「グレネード」

つかさずマスターに向かって叫ぶ。

グレネードが爆発し、泥が飛び散る。

ちらっと天井を見ると、グレネードが、二発落ちてくる。

「迫撃だ、今度は二発」

急いで、機関砲で撃ち落とす。

次に金属反応装置が警告を発する。

4時の方向を見るとミサイルが迫りつつあった。

「ミサイルが来る、ヘリオン、フレアを焚いて後方に下がって」

装甲車の後方から、フレアが出てくる。

ミサイルはフレアに誘導され、明後日の方向で爆発する

「ジャンヌ、さっきからバックできない、タイヤに何か異常がある」

ヘリオンが大声で叫ぶ。

「マスター、銃座変わってくれませんか?タイヤを見てきます」

銃座から飛び降りタイヤを確かめる。

右前輪異常なし、左無し、後輪――

後輪を見ようと後ろに移動しようとした瞬間、首に鎌をかけられる。

「ッシャ」

摩擦音とともに、鎌が引かれた。

2055年4月2日10時17分 遠藤拓哉

ーーーーー

「おい、ジャンヌ、タイヤはどうなってる?」

無線でジャンヌに呼びかけをするが、反応がない。

それに、ジャンヌが降りてから、迫撃が止んだ。

「ヘリオン、仕方がないジャンヌを置いて全速前進だ。バックがダメでも前ならいけるかもしれない」

へリオンは、バックから1速に入れアクセルを踏み込む。

車体が大きく揺れ、壁に頭を打ちながらジャンヌに合流地点を送る。

相手が迫撃をして来たってことは、武装は迫撃砲と対戦闘侍女人形マイクロミサイルポッド、タイプは…多分…ヘリオンと同じライダータイプか対ライダータイプに特化したスナイパータイプか。

俺は火器が生きているかチェックしながら、相手の居場所を考える。

「ヘリオン、左折しろ」

俺は、銃座から頭を出し索敵をする。

2055年4月2日10時17分 ジャンヌ

ーーーーーーーー

 鎌が首の人工皮膚を切り裂かれようとした瞬間、全身をシェレに戻し、ジャンヌに戻りながら回し蹴りを放つが、そこには何もなくただ空間を蹴っていたのだ。

「残念」

再び、背後に何者かの反応を捉え、シェレになり今度は背後に下がりながら0.3ミリレーザ砲で反撃をする今度は手ごたえがした。

ジャンヌに戻り相手を睨む。

そこには、黒いローブを纏った少女が不気味な笑みを浮かべながら立っていた。

レーザー砲は、少女のローブを射抜(いぬ)射抜いていたが、大したダメージ入ってない様だ。

目標を捕捉…反撃を実行する。

目標に距離を詰めながらグランディウス・イルダイヤを構える。

出力50%、グランディウス・イルダイヤの刃が光出す。

「はぁぁ」

身体を一回転するように勢いをつけ斬りつける。

少女は、大鎌の柄で、私の斬撃を受け止める。

「シャ」

少女は、摩擦音を発すると共に、鎌の柄が収縮し、私の目の前が暗闇に包まれた。

柄を収縮し、鎌で私の頭部を跳ねたと理解するひ、ひ、暇。

 メールを一件受信しました。

2055年4月2日 10時24分

ーーーーー

あれから、7分が経ったか。

手元の時計から、シュバルツ・クーゲルの画面に目を移す。

俺達は今、細い道を時速130kmで駆けている。

このまま、走っても意味は無い、今度はこちらから仕掛けなければな。

俺はセカンドスクリーンを立ち上る。

「ヘリオン、速度を落としてくれ。ソナーを放つ」

ヘリオンの速度が落ちていく。

天井に設置されているレバーを三回倒し、ソナーに電力を送る。

ソナーと言いても潜水艦についているソナーとは違い、ヘリオンの屋根についている棒から超音波で、敵機を見つける、ヘリオンのもう一つの目だ。

ソナーボタンを押し、モニターを見る。

モニターは、SDキャラで表示されたヘリオンを中心に円が浮かびあがる、円は少しずつ広がると共に、オレンジの点が表示される。

オレンジのマークは、敵性反応を意味している。

もう一度、ソナーを押すと、オレンジのマークの他に、緑のマークが並列に並んでいた。

 

 


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