君の孫   作:JALBAS

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いよいよ最終話です。
現時点では、百の魂を持つ両面宿儺を倒す手立てはありません。やはり、今一度3年前に戻って復活を阻止するしか無い・・・・
謎の声に導かれ、リクオは御神体に向かいます。
果たして、御神体でリクオを待つ者とは?




《 最終話 》

 

リクオと氷麗は、御神体のある山の頂上に到着する。

窪地の中に降り、御神体の巨木を囲む川の前まで来る。以前の小川は水嵩が増えて、来る者を拒む池のようになっている。

「ここから先は、隠り世だ。」

「え?何ですか?それ?」

「あの世って事だよ。」

「えええっ?!」

リクオの言葉に、氷麗が驚き、足が竦む。

「怖かったら、そこに居ていいぜ。」

そう言って、リクオは池の中に半身を浸かりながら、どんどん進んで行く。

「な・・・何を言ってるんですか?私は、リクオ様の側近頭です。あの世だろうと何処だろうと、お供します!」

氷麗は、啖呵を切ってリクオの後に続く。

池を渡り、巨木の下の岩の裂け目に入って行く。その中は、3年前と変わらず、小さな祠に三葉と四葉の口噛み酒が供えられている。

『よく来たな、リクオ。』

「お・・・おやじ?!」

祠の上に、うっすらと、奴良鯉伴の姿が浮かび上がる。

「り・・・鯉伴様?ど・・・どうして?」

『悪いな、ここに来てもらわねえと、話が出来なかったんだ。最も、ここで話ができんのも、俺の力じゃ無くてこの人のお陰なんだがな。』

すると、鯉伴の横に、ひとりの女性の姿が浮かび上がる。

「み・・・三葉?い・・・いや、違う・・・・」

三葉に良く似ているが、もっと年齢が上で、ストレートの長い黒髪をしている。

『私は、二葉・・・・三葉の母です。』

「み・・・三葉のお母さん?」

「な・・・何でおやじが、三葉のおふくろと一緒にいるんだ?」

『言ったろ、彼女の力を借りてるって。彼女が口噛み酒でここの御神体とムスバレてるから、こうして話ができる。但し、ほんのわずかな間だけだ。だから、要点だけを伝える。』

「あ・・ああ、分かった。」

『単刀直入に言うぞ、もう一度三葉の所へ飛べ!リクオ!』

「な・・・何だって?」

『今・・・いや、3年前だがな、糸守は大変な事になってる。このままじゃ、皆死ぬ。繭五郎のせいでな。』

「何だと?」

『奴が、住民の避難を邪魔している。三葉も奴に捕まっている。そして、皆が死ねば、奴の思惑通りになる。その結果は、お前がその目で見て来ただろう。』

「ああ・・・だ・・だがおやじ、もう、三葉との入れ替わりは絶たれてる。どうやって3年前に飛ぶんだ?」

『入れ替わりは、宮水家・・・・いや、ミヤズミから受継がれた三葉の能力だ。それは、お互いが意識を失って無ければ使えねえ。だから、お前の力で飛ぶんだよ。』

「お・・・俺の力?お・・・俺には、入れ替わりの力なんてねえぞ!」

『入れ替りじゃねえよ!三葉と、ひとつになるんだ。俺達親子には、その力がある筈だぜ!』

「え?ま・・・まさか、鬼纏?」

『そうだ!』

「ま・・・待ってくれ、おやじ。三葉を鬼纏ったって、ここに三葉をどうやって呼ぶんだよ?」

『お前が飛ぶって言ったろ!三葉を鬼纏んじゃ無くて、お前が三葉に鬼纏憑くんだよ!』

「な・・・何だと?」

『三葉の畏を感じ取って、三葉と一体になる。何度も三葉の体に入れ替った、お前なら出来る筈だ!』

「し・・・しかし、俺は、三葉の畏を見ちゃいねえ。どうやって、三葉の畏を感じ取るんだ?」

『おいおい、お前の目の前にあるのは何だ?』

言われてリクオは、自分の目の前を見る。そこには・・・・

「そうか、口噛み酒!」

『そうだ!それは、三葉の半分。三葉と、御神体を“ムスビ”つける、三葉の畏そのものだ!』

「わ・・・わかったぜ、おやじ!三葉に鬼纏憑いて、繭五郎を叩っ切って来るぜ!」

『頼んだぜ!』

『三葉をお願いします、リクオさん。』

そこまで言って、鯉伴と二葉の姿は、幻のように消えて行った。

リクオは、視線を祠に移す。祠には、2つの瓶子が供えられている。リクオは、自分が供えた左の瓶子を取り上げる。

3年の歳月が過ぎ、瓶子の周りには苔のような物がこびり付いている。リクオはその蓋を開け、蓋に中の液体を注ぐ。

「・・・これが、三葉の半分・・・・」

「り・・リクオ様・・・」

複雑な思いで、それを見詰める氷麗。

リクオは、蓋に注いだ口噛み酒を、一気に飲み干した。

「?!」

突然、目の前が回り出すような感覚を覚えるリクオ・・・・

 

何だ?一杯で、もう酔いが回ったってのか?

 

流星群の中にでも飛び込んだかのように、凄まじい勢いでリクオの周りを光が流れて行く。そうしている内に、目の前に眩い光が迫って来て、リクオはその光に飲み込まれる。

 

「あれ?」

本体のリクオは、変化が解けて人間の姿に戻っていた。

「り・・リクオ様?」

「そうか、妖怪の僕だけ、三葉さんのところへ飛んだんだ!」

 

こ・・・ここは?

リクオは、光の中に居た。周りには何も無い、白い闇だ。

すると、目の前にひとりの女性が現れる。白い着物を着た、髪の長い女性・・・・どこか、顔立ちが三葉に似ている。

「あ・・・あんたは?」

『私は、ミヤズミ・・・・』

「あ・・・あんたが・・・」

『マユゴロウを、救ってあげて下さい。』

「救う?」

『彼は、両面宿儺様のお心を分かっていない・・・・両面宿儺様を慕うがあまり、暴走してしまって・・・・』

「ああ・・・あんたの事も、相当恨んでたぜ。」

『それも、誤解なんです・・・・私が土地神とムスビついたのも、人と交わったのも、両面宿儺様のお心に従ったことなのです。』

「な・・・何だって?」

『面宿儺様は、私達よりもずっと長い時を生きて来られました。2400年前、今の御神体の山の頂上に彗星の破片が落下したのも、目撃されていらっしゃったのです。』

「何?」

『だから、1200年前の災害の時、また1200年後に同じ事が起こるのを予期できました。それで私に、その事を古文書に残すように伝えたのです。また、糸守とそこに住む全ての者を護るため、土地神とムスビつく事を命じたのです。』

「そ・・・そうだったのか・・・」

『面宿儺様は、妖怪でありながら、妖怪も人も分け隔て無く愛しておられました。そのお心を受け継ぐため、私に人と交わる事も勧められたのです。』

「・・・話は分かった・・・だが、俺は繭五郎は救えねえ。奴を、叩っ切らなきゃならねえからな・・・・」

『いいえ、それが救いになるのです。このままでは、面宿儺様を世界を滅ぼす悪鬼にしてしまいます。それでは、この世の全てを愛した面宿儺様が報われません。そんな事、マユゴロウも心の底では、決して望んではいません。しかし、もう彼は、自分では止まる事ができないのです・・・・どうかお願いです。マユゴロウを、止めてあげて下さい!』

「分かった・・・あんたの願い、確かに聞いたぜ!」

その言葉に、ミヤズミは笑みを浮かべ、光の中へ消えて行った・・・・

 

 

 

――― 3年前の糸守 ―――

三葉を締め上げる蔦は、どんどんきつくなって行く。

「はあ・・・んっ・・・んふっ・・・」

そして、空には、完全に2つに分かれた彗星の姿があった。その破片が、もう直ぐここに墜ちて来る。

 

も・・もう・・・だめ・・・・た・・たすけて・・・リクオくん・・・助けてっ!

 

その時、蔦に締め上げられて苦しんでいた三葉の体に、突然変化が起こる。

髪は瞬く間に銀色に染まり、棚引くように後方に伸びる。夥しい妖気と共に体もひと回り大きくなり、その勢いで蔦を引きちぎる。

「うおおおおおおおおおおおっ!」

「な・・何?ばかなっ?」

三葉の変化に、驚く繭五郎。

『おおっ!総大将っ!』

糸守の妖怪達は、主の出現に歓喜の声を上げる。

『り・・・リクオくん?ほ・・・本当に助けに来てくれたの?で・・でも、どうして?』

同じ体の中で、意識を共有している三葉が、リクオに尋ねる。

三葉・・・いや、リクオは、持っていた“零葉”を抜き、切っ先を繭五郎に向けて叫ぶ。

「細かい説明は後だ!とにかく、あいつを叩っ切る為に、3年後から戻って来たぜ!」

 

こ・・・これが、変化したリクオくん?本当に、手紙の時と全然雰囲気が違う・・・・野性的っていうか・・・何か、カッコいい・・・・

 

「あの時の若造か・・・どうやってまた入れ替ったかは知らぬが、貴様の畏は、この“退魔の剣”の前では無力じゃぞ!」

繭五郎は、左腕を天に翳す。その左腕が、見る見る内に巨大な剣へと姿を変えて行く。

「三葉、お前の全てを俺に預けろ!」

『ええっ?!な・・何言ってんの?こんな時に!』

「変な勘違いしてんじゃねえ!心をひとつにしろって意味だ!お前を鬼纏って・・・いや、俺が鬼纏憑いてんのか?どっちでもいい、力を合わせて奴を切る!俺を信じろっ!」

『わ・・・わかった!リクオくんを信じる!全て、預ける!』

リクオと三葉の心がひとつになり、変化した三葉の体が激しく輝き出す。

「な・・・何?あ・・・あの光は?」

逆鬼纏が完成し、光魔の鏡に包まれたリクオの姿が、そこにあった。

「いくぜ!」

繭五郎に向かい、突進して行くリクオ。

「わ・・・わしは負けんぞ!両面宿儺様の無念を晴らすまでは、何があろうと!」

繭五郎は、退魔の剣で迎え撃つ。

「うおおおおおおおおっ!」

「ぬわあああああああっ!」

退魔の剣が、リクオを捕らえる・・・と思いきや、剣は光魔の光に吸い込まれるように消えて行く。そして、リクオの刃が繭五郎を一刀両断する。

「光魔畏襲零波斬!」

「ぐわああああああああっ!」

激しい血しぶきと共に、夥しい妖気が繭五郎の体外へ放出されて行く。

「お・・・おのれ・・・や・・やはり、あの時に殺しておけば・・・・」

断末魔の繭五郎を、リクオは冷ややかな目で見つめている。

「わ・・・わしの宿願が・・・両面宿儺様の無念が・・・・」

「・・・そいつは違うな・・・」

「・・・なに?・・・」

「両面宿儺は、無念なんか残しちゃいねえよ。お前も、その魂を受け継ぐ者なら分かるだろう。奴は、妖怪も、人も、生きとし生けるもの全ての幸せを願っていた。自分が忘れ去られる事なんか、少しも悔いちゃいねえ・・・・無念と思うのは、お前の勝手な妄想だ。」

「な・・・何じゃと?・・・・」

「お前がやっていた事は、単なる自己満足・・・・いや、それどころか、両面宿儺の慈愛に対する冒涜だ!」

「そ・・・そうであったか・・・・両面宿儺様、も・・・申し訳ございませ・・・」

そこまで言って、繭五郎は完全に消滅した。

『やったあ!流石総大将!』

蔦が消え、妖怪達は歓喜の声を上げる。

「手前ら、浮かれてる場合じゃねえ!もう邪魔者は居ねえ、急いで住民を糸守高校へ追い立てろ!早くしねえと、彗星の破片が墜ちて来る!」

『へ・・・へいっ!』

リクオに激を飛ばされ、妖怪達は、宮水神社に集まった住民を糸守高校に追い立てる。

テッシー達も正気に戻り、最初の指示を訂正し、皆を糸守高校に誘導する。

 

かなりパニック状態になったが、それでも何とか住民の避難は成功し、彗星の破片が落下する時には、糸守の住民全員が糸守高校の校庭に居た。

三葉(リクオ)は妖怪達と一緒に、校舎の裏の少し離れたところで、住民達の様子を伺っていた。

『リクオくん、ありがとう。私だけじゃ無く、糸守の皆も助けてくれて・・・・』

「礼には及ばねえよ。意識を共有してるから分かるだろう、3年後の俺の世界を護るためには、どうしても奴は倒さなきゃならなかった。」

『ううん、目的は何であっても、リクオくんが、私達を助けてくれた事に変わりは無いよ。』

「へっ・・・」

『・・・また、逢える・・よね?』

「ああ・・・だが、この後お前が何処に行くのか分かんねえから、逢いたきゃ奴良組に来い!」

『う・・うん!』

「言っとくが、知り合う前に来んじゃねえぞ!分かんねえからな!」

『は~い!』

その直後、三葉に体の感覚が戻る。

「あ・・・あら?」

自分の体を見ると、普段の、人間の体形に戻っている。

 

そうか・・・・もう、3年後に帰っちゃったんだね・・・・本当に、ありがとう!リクオくん・・・・

 

 

 

――― 3年後、御神体のある山頂の縁 ―――

リクオと氷麗が、遙か彼方の山間の、赤く燃えるような空を見詰めている。

「ま・・・まだ、皆闘っているのか?」

「リクオ様、今のあなたは・・・」

「分かっているよ、氷麗。今の僕じゃ、行っても足手纏いになるだけだ。ここは、妖怪の僕を信じて待つしか・・・・」

すると、突然、山間部の空が夜の闇に変わる。

「あれ?」

それと同時に、リクオの姿が、妖怪の姿に変化する。

「り・・・リクオ様?!」

「おう、待たせたな氷麗。」

「う・・・うまくいったんですか?」

「ああ、繭五郎は叩っ切ったぜ!三葉も、糸守の人間も、妖怪も無事だ!」

「やった!流石リクオ様・・・・で・・・でも、糸守の町は・・・・」

「ああ、それは仕方ねえよ。彗星の破片の落下は止められねえからな。」

「じゃあ、三葉達は?」

「あれから3年経ってる。どこか、他の土地に移ってんだろ。まあ、その内向こうから逢いに来るだろう。」

「え?逢いに来るって?ど・・どういう事ですか?リクオ様?」

「さあ、もうここには用はねえ。帰るぜ!」

リクオは、氷麗に背を向けて歩き出す。

「ま・・・待って下さい!逢いに来るってどういう事ですか?リクオ様~っ!」

氷麗は、慌ててその後を追って行く。

 

その後、奴良組に戻って驚いたのは、誰も繭五郎が転生した両面宿儺との闘いを覚えていない事だった。あの闘いで、傷付いた者、命を落とした者もいたが、皆元に戻っていた。3年前に行って繭五郎を倒したため、両面宿儺の復活そのものが無かった事になっていた。青田坊や黒田坊ら側近達も、お爺ちゃんですら、あの辛かった闘いを何も覚えていない。いや、無かった事になっているから、最初から知らないんだ。

僕と氷麗だけは、その時にあの世とこの世の狭間のような場所に居たからか、その事を覚えている。でも、いずれ忘れてしまうのだろうか?両面宿儺の想いを考えれば、その方が良いのかもしれない。

 

そのひと月後、奴良組総本家の前の石畳を、門に向かってゆっくり歩いて来る人影があった。

髪は長く、結って組紐で後ろに纏めている。年の頃は、二十歳くらい。紅葉柄の赤い着物を着た、この場の雰囲気によく合った女性であった。

女性は、そのまま門をくぐり、敷地の中に入って行く。

「お・・・おい!」

「知らない人間が、入って来たぞ?」

屋敷の庭には、小妖怪達がうろうろしていたが、その女性はそれを見ても驚きもしない。むしろにっこりとそれらを眺め、屋敷の玄関に向かって行く。

「す・・・すみません。どちら様ですか?」

「こ・・・ここは、人間の方が来られるところでは・・・・」

丁度玄関に居た、氷麗と青田坊が女性を引き止める。

「これは、お久しぶりです。青田坊さん、氷麗さん。」

『え?』

2人は驚き、顔を見合わせる。

「青?あんたの知り合い?」

「いや、全然知らん!お前の知り合いじゃねえのか?」

「ああ、そうでした。この姿は、あなた方にはお見せした事が無かったですね。」

『はあ?』

2人は、余計に訳が分からなくなって戸惑う。

「み・・・三葉さん?!」

そこに、玄関の奥から声がする。リクオであった。

『み・・・三葉~っ?!』

青田坊と氷麗は、またも驚きの声を上げる。

「そうよ!始めましてになるのかしら?氷麗。」

三葉は、少し悪戯っぽく笑う。

 

三葉は奥の部屋に通され、部屋の中央に正座している。その向かい側、部屋の奥にはリクオが座っている。氷麗達側近は、三葉の後ろに並んで座っている。

まず三葉は、リクオに丁寧にお辞儀をする。

「リクオ様、その節は、大変お世話になりました。混乱を避けるため、お礼に参るのに3年も掛かってしまった事、深くお詫び致します。」

「や・・・やめてよ、三葉さん。そんな硬苦しい挨拶は。それに、“様”もやめてよ。前みたいに、“リクオくん”でいいから。」

「いえ、そういう訳には参りません。」

三葉は、真剣な表情でそう答える。

「で・・・でも、三葉さんは奴良組じゃ無いんだから・・・・」

「実は、お礼に参ったのもそうですが、本日は、リクオ様にどうしても聞いて頂きたい、お願いがあって参ったのです。」

「え?お願い?・・・な・・・何?」

「入れ替わりが起こるまで、私は妖怪を誤解していました。また、自分に妖怪の血が流れている事すら知りませんでした。そんな人間だった私を、奴良組の皆さんは暖かく受け入れてくれました。私は、この組の皆さんが好きです。また、奴良組がこのような素晴らしい組になったのも、ひとえにリクオ様のお力だと思います。」

「ええっ?そ・・・そんな大袈裟な!そもそも、この組を作ったのはお爺ちゃんだし、皆をまとめ上げたのは父さんで・・・・」

「いいえ!皆さん、リクオ様に惹かれてここに居るのです。リクオ様だから、命を預けられるのです!」

この言葉には、側近達も同意して、無言で頷いている。

「私は、そんな奴良組に、リクオ様に惚れました!私を、奴良組に入れて下さい!」

「は?」

一瞬、皆三葉の言葉が信じられず、その場を静寂が包む。

「私を、リクオ様の百鬼に加えて下さい!」

『な・・何~っ?!』

今度は、皆揃って驚きの声を上げるのであった・・・・

 





ここまで読んで下さってありがとうございました。
第一話を書いた時は、まだ構想が完全に出来上がっていなかったので、うまく纏めることができるかどうか分からなかったんですが、何とか無事完結できました。
ぬらりひょんの孫とのクロスを考えた時に、真っ先に思ったのが“繭五郎”を意味のあるキャラにしたいという事でした。最初はラスボスの手先とも考えたんですが、結局ラスボスにしてしまいました。
それともうひとつ、三葉の体でリクオを変化させたかった。そのために、三葉を半妖にしました。そうすれば、入れ替わりの能力の理由にもなるので。ただ、繭五郎との因縁なんて、最初は何も考えてませんでした。書いてる内に、その方が面白いかと思ってこういう流れになりました。
あと、できるだけ飛騨地方に縁のある妖怪を出したかった。結局4匹しか出せませんでしたし、釣瓶落としなんかは他の地方にも出てますね。(ぬらりひょんの孫のアニメの、京妖怪が集まってる中にそんなようなのも居ました。)そんな中、両面宿儺は自分でもお気に入りです。百の魂というのは、やりすぎの気もしましたが・・・・

いまひとつなのが、ラストの部分です。終わり方として、三葉がリクオに惹かれて奴良組に入る方が面白いのでこのラストにしましたが、これだと両面宿儺の愛した糸守を捨てちゃう事になるんですよね。ミヤズミの血を引く三葉が、そんな事しちゃいかんだろうとも思ったんですが・・・・まあ、何かいい理由が思いついたら、その辺は番外編にでもしたいと思います。

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