今回はヴィルコラク遊撃隊と一夏のバトルです
ガリビア『こいつで最後だ!』
ミサイルを発射し最後のIS部隊の隊員を撃墜したガリビア。
旋回してスレイマニ達と合流しヴィルコラク遊撃隊は並列飛行しながら航空要塞「オルゴイ」の元へと飛翔する。
スレイマニ『オルゴイは間も無くロンドンの中心部に着く、さっきよりも戦闘が激しくなるだろう。全機本気を出せ。』
オルマ『肩慣らしも終えたところだし、いっちょドカンと行きますか!』
キリアコフ『やっと本格的に戦える!』
ガリビア『ガハハハッ!腕が鳴るぜ!』
その時だった。
スレイマニのレーダーに何か反応した。
スレイマニ『レーダーに反応………』
IFFに反応していない……
オルマ『どうした隊長?』
オルマが声を掛けたがスレイマニは返事を返さずレーダーを見つめていた。
隅っこにあった白い点がありえない速さで真ん中に近寄る。
スレイマニ『リバース!』
スレイマニの言葉に驚き部下たちは並列飛行を解いて散らばる。
すると真下から黒い戦闘機が飛んで来た。
それは見た事もない戦闘機だった。
一夏はヴィルコラク遊撃隊と接触した。
真上を飛んでいたヴィルコラク遊撃隊は一夏が搭乗しているルシファーが急上昇し近づいてくる事に気づき並列飛行を解いたのは50メートル先だった。
一夏はルシファーをそのまま通過し捻り込みしてヴィルコラク遊撃隊と同じ高度で飛びそしてオープンチャンネルを開いた。
一夏「此方SMSのナイト1だ、あるクライアントの依頼でお前たちテロリストを撃墜しに来た。」
スレイマニ『…………』
それを聞いたヴィルコラク遊撃隊は返答しなかった。
敵に喋る口はないかと一夏は思い少し笑う。
一夏「まぁいい、今から一匹ずつ撃墜させる。」
一夏は素早くペダルと二つの操縦桿を細かく操作しある機体の真横をとらえた。
その機体はガリビアが乗っていた。
コックピットからルシファーの機動性に驚くガリビアの顔がはっきりと見えた。
ビームポッドで何発か連射しガリビアのSu-37に命中し墜落した。
一瞬の出来事だった。
オルマ『ガリビアぁ!』
墜落していくガリビアのSu-37。
主にコックピットを狙ってない為ガリビアは脱出出来た。
一夏『安心しろ命は取らない分残りの人生ムショでの生活にしてやるよ。』
キリアコフ『ふざけやがって!』
言葉に痺れを切らしたキリアコフは急速旋回しルシファーの後ろを取る。
キリアコフ『その機体を今直ぐ綺麗な花火にしてやる!』
もう少しで一夏のルシファーをロックする。
キリアコフは操縦桿のミサイル発射ボタンに指を掛け何時でも堕とせるようにする。
だがそれは出来なかった。
キリアコフ『なっ!?』
予想していなかった事が起きた。
敵の戦闘機が『変形』したのだ。
ロックした敵(一夏)の戦闘機(ルシファー)が人型のロボットに変形しながらキリアコフの真上にピタリとつき飛翔しているのだ。
スレイマニーとオルマは目を見開いて今起きている事に驚いた。
オルマ『なんだありゃ!?』
スレイマニ『変形した………だと?』
唖然としたスレイマニはただその様子を見る事しかが出来なかった。
バトロイドでキリアコフの上にピッタリとついている一夏。
照準をキリアコフのSu-37のエンジンに合わせる。
一夏「散れ。」
アサルトモードのビームポッドで一発撃ち込みSu-37を直線に貫いた。
キリアコフは脱出出来たが自分のSu-37は無残に散った。
オルマ『クソッ!トーリャがやられた!どうします隊長!』
スレイマニ『落ち着け、連携攻撃を仕掛ける。』
2機目のSu-37を撃墜した一夏。
敵が接近してくる事を知らせるアラートが鳴り始めた。
残り2機のSu-37に視線を向けると2機のSu-37は一列になって此方に向かって飛行していた。
連携攻撃を仕掛けてくる。
ビームポッドをライフルモードに変え先頭のSu-37の左の主翼に狙いを定め放った。
紅色のビームが先頭のSu-37の左主翼目掛けて飛んでくるが紙一重で避けられた。
しかし先頭のSu-37がギリギリ避けた所為で後ろのSu-37の左主翼を貫き爆破した。
幸いパイロットは脱出していた。
だがそんな事は気にしない一夏は攻撃を避けたSu-37に少し驚いた。
一夏「攻撃を避けたのか……あの戦闘機パイロット、ベテランだな…」
攻撃を避けたSu-37のパイロットは相当勘が鋭いベテランパイロットだと悟った。
Su-37は真っ直ぐ此方に向かって来てる。
そしてロックされミサイルを一発放った。
真っ直ぐルシファーに向かってミサイルは飛んでくる。
しかし一夏はビームポッドをアサルトモードに切り替え余裕でミサイルを撃墜した。
一夏「大体こんなもんか……」
Su-37のベテランパイロットは自慢の攻撃だったのだろう。
向こうの世界のドッグファイトはミサイルを一回に何十発という数を発射するしそれをガンポッドで落とすのは普通だった。
一夏はバジュラたちと何回も戦っている。
バジュラの体内から作り出される無数のミサイルを避けたりビームポッドで破壊して来た。
一夏「こんなところで時間を掛けている暇はない。」
気付けば航空要塞はもうロンドン中心部に入る頃だった。
ルシファーをファイターに変形し高速機動でSu-37の後ろを取った。
一夏「遊びはおしまいだ、堕ちろ。」
その言葉はオープンチャンネルで4機目のSu-37のパイロットに放った言葉だった。
そしてライフルモードのビームポッドでSu-37の右垂直尾翼と右主翼を貫き撃破した。
これで4機のSu-37を撃墜し次の敵航空要塞の撃墜に向かった。
ロンドン中心部
街の何箇所かから黒煙が立っていた。
ブーメラン型航空要塞「オルゴイ」が街に攻撃を開始しているのだ。
無数のIS部隊と街に配備された撃墜用ミサイルでオルゴイに攻撃を仕掛けたが見えないシールドと対空砲、対空ミサイルで防がれ逆に攻撃を受けた。
『クソッ!なんてデカ物なの!』
『攻撃が効かない!?』
『だ、弾幕が!……きゃぁぁぁぁぁぁぁ!』
『どうすれば…どうすればいいんだ!』
隊員たち混乱状態。
それでもオルゴイに攻撃をする。
だが結局二の舞になってしまう。
すると見た事もない1機の黒い戦闘機が隊員たちの横を通って行った。
一夏が搭乗しているルシファーである。
一夏「此方SMS、ナイト1よりイギリス軍全IS部隊へ、これより敵航空要塞の撃墜及び破壊に参加する。」
一夏はオープンチャンネルで全IS部隊にそう告げた。
『SMS?PMCかしら?』
『そんな会社聞いた事もないわよ。』
一夏「フッ、今日出来たばかりのPMCだ。あるクライアントの依頼でこの航空要塞を撃墜しに来た。」
『はっ?戦闘機があのデカ物に勝てるワケ?』
『ハハッ!冗談言わせないでよ!』
完全に見下されている。
一夏『ナイト1攻撃体制に移行する。』
オープンチャンネルを切り一夏は再び操縦桿を握る。
そして機体を航空要塞に向けて飛翔する。
航空要塞に近づくたび弾幕が激しくなるが、ルシファーの機動性を利用して避ける。
『っ!?な、なにあれ!?』
『なんて機動性と速さなの!?とてもISでも追いつけない!』
『どうしてあんな激しい弾幕を軽々と避けれているの!?』
さっきまでルシファーを見下していたIS部隊の大半の者たちはルシファーの機動性とスピードに驚き唖然としていた。
するとあっという間にルシファーはオルゴイの後ろを取った。
一夏「アレがエンジンか…」
オルゴイの主翼に排気ノズルつまりエンジンがあった。
そこで一夏はエンジンを狙う事にした。
しかし問題があった。
オルゴイには見えないシールドが展開されている。
このシールドを破らなければエンジンを破壊する事が出来ない。
IS部隊はこのシールドで苦しんでいた。
だが、
一夏「やってみなければ分からない!」
バトロイドに変形しライフルモードのビームポッドを構えオルゴイの右主翼エンジンを狙い撃つ。
ビームはオルゴイの右主翼エンジン目掛け飛ぶ。
するとビームはオルゴイの前で何かを破った。
オルゴイのシールドを破ったのだ。
そして右主翼エンジンに命中し貫通した。
更に一夏は左主翼エンジンも貫いた。
オルゴイの主翼エンジンは爆発を起こし黒煙を上げ機体制御が不能になった。
高度が少しずつ落ちテムズ川に巨大な水柱を立て墜落した。
そして5秒後に爆発した。
ルシファーをガウォークで旋回させコックピットの中からその様子を見ていた一夏はプライベートチャンネルの周波数をラビットハウスに合わせクロエと交信した。
一夏「此方一夏、攻撃目標の航空要塞と4機の戦闘機の撃墜を完了した。」
クロエ『了解しました。あとは軍の方々にお任せしましょう。』
一夏「了解。ミッションコンプリート、帰投する。」
クロエとの交信を切ってラビットハウスに帰投する一夏。
その時、さっきまで唖然としていたIS部隊の隊員たちが目の前に現れた。
そして全員此方に火器を構えひとりの隊員が前に出てオープンチャンネルに話し掛けて来た。
『戦闘への参加そして謎の航空要塞の撃墜に感謝します。ですが貴方のその変形する高機動の戦闘機、あの航空要塞の見えないシールドをたった一撃で破壊し装甲を貫くその武器、世界中で見た事がありません。』
一夏『何が言いたい。』
少し苛立った声で一夏は隊員に問いかけた。
『貴方のその戦闘機の機動性と武器は次元を超えています。なので貴方の身柄を預からせて貰います。』
そんな事か、と一夏は呆れて鼻で笑う。
一夏「フッ、どうせこの兵器を自分たちの国の物にするつもりだろ?生憎こっちは会社の技術は極秘で何処の国にも渡せれない代物だ。」
そう言いIS隊員たちに背を向ける。
隊員たちはいつの間にか下ろしかけていた火器を構え直し警戒する。
『では貴方に取ってその戦闘機はなんですか?』
簡単な答えだ。
崩れ掛けた世界を戻す為。
居場所をなくした人たちの為。
このバルキリーは世界を直し未来を繋ぐ「翼」である。
一夏「未来への翼だ。」
一夏はそう行ってルシファーをファイターにして宇宙へと飛翔して行った。
ロンドンから謎の武装組織の攻撃を阻止した一夏はラビットハウスのブリーフィングルームで、ミハエル、束、クロエ、晴人、弾が椅子に座り埋め込まれている大型モニターで1時間前起きたロンドンテロのニュースを見ていた。
『先程1時間前、イギリスの首都ロンドンで謎の武装組織の攻撃がありました。信じられませんが謎の武装組織は巨大な航空要塞でロンドンを襲いました。これに対しイギリス政府は軍に要請、ロンドン空域にIS部隊を配備しました。しかし航空要塞の兵装と目に見えないシールド、そして4機の戦闘機により壊滅状態になりました。ですがイギリス軍の情報によりますと、見た事もない戦闘機が突然現れ4機の戦闘機を撃墜し航空要塞も撃墜したとの事です ー 』
束「流石に情報規制されてるよねぇ〜これじゃー会社の宣伝にもならないよぉ〜」
わざとらしく肩を落とす束。
すると隣でノートパソコンを使って何か探していたクロエが口を開いた。
クロエ「確かにテレビでは情報規制が掛かってますがインターネット上では情報規制は掛かっていません。」
クロエはパソコンの画面を大型モニターで映した。
有名な動画投稿サイトを開き、ある動画を再生した。
それは地上から撮影された4機のSu-37を撃墜しているVF-27ルシファーだった。
そしてもうひとつルシファーがスピリタスを撃墜する動画もあった。
コメント欄を見てみると「あの黒い戦闘機変形した!?」「なんだあの機動性は!?」と驚きのコメントを上げている。
クロエ「現地の人たちが撮影しそれをインターネットやSNSなどに拡散しているようです。」
その所為でインターネットの情報規制を掛ける事が出来ないらしい。
するとクロエのパソコンからビデオ電話が掛かって来た。
開くと大型モニターに椅子に腰掛けているスコールが映った
スコール『祖国を守ってくれてありがとう一夏くん。お陰で家族も無事だわ。』
一夏「仕事したまでだ御礼なんて別にいい。約束は守ってくれよ。」
「全く、つれないなお前は。」とミハエルは両手を頭に組んで後ろにもたれる。
スコール『勿論よ、明日あの子たちと合流してそっちに向かうから後で座標を教えて頂戴。それより一夏くん、貴方イギリス政府に好かれているわね。』
晴人「好かれている?どうゆう事ですかスコールさん。」
スコール『一夏くんのあのバルキリーを見てイギリス政府は今後、一夏くんを全力で探しすそうよ。』
一夏「どうせルシファーを量産して自分の国の兵力にするつもりだろ、考えが見え見えだ。」
束「いっくんのバルキリーにそんな事したらこの束さんは許さないぞー!」
頬を膨らませプンプンと束は怒る。
一夏「何があろうとルシファーや他のバルキリーは渡さない。例え世界の敵になろうがな。」
その言葉を聞いてスコールは小さく笑った。
スコール『それじゃあ私はこれで失礼するわ。クロエちゃん後でそちらの座標をメールで送くって。』
クロエ「かしこまりました。」
スコール『それじゃあ失礼するわ。』
スコールとのテレビ電話を終え大型モニターは動画投稿サイトに戻った。
その後、ロンドンでテロ行為を犯行し世界を震撼させた謎の武装組織の声明がインターネットで投稿された。
彼らは「ヴァラヒア」
中東アジア、中央アジアの軍事コンサルタント「ニコラエ・ドゥミトレスク」という人物を中心に旧統合共産諸国と男尊女卑を母体とする同志を集め女尊男卑壊滅と共産主義の実現を目的とした武装組織である。
そしてロンドンを救った一夏は仮のコールサイン「ナイト1」とIS部隊に名乗った後にロンドンを救った「英雄の騎士」と呼ばれた。
タグにボカロが付いてますがIS学園入学時に関係してきますのでご理解下さい。
次回は束さんバルキリーの次に新たに発明します。
次回もお楽しみに!