インフィニット・ストラトス F   作:スカイマーク

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どうもスカイマークです
タイトルで勘付いた人もいるでしょうが本編をどうぞ!


蒼きスナイパーの復活

束「ど、どうしたの!?クーちゃん!?」

 

束は早足でクロエの方に寄り心配した。

クロエは息を整えて束にある事を伝えた。

 

クロエ「『あの人』が目を覚ましました!」

 

「あの人」と言う言葉を耳にした束と晴人と弾は驚く。

一夏は「一体誰の事だろうか?」と思った。

 

束「ほ、本当に⁉︎」

 

クロエ「はい、間違いありません。」

 

束「わ、わかった今行くから。みんな!行くよ!」

 

晴人と弾は「はい!」と言い束と共にラボを出た。

一夏はラボを出て行った束と晴人と弾を唖然していた。

 

一夏「………」

 

クロエ「一夏さん行きましょう。」

 

一夏「あ…ああ……」

 

クロエの後を追うように一夏もラボを出た。

 

一夏(一体誰だ「あの人」とは?)

 

だが一夏はこの時知らなかった。

束や晴人と弾そしてクロエも知らなかったが「あの人」と言う人物は向こうの世界の人だという事を。

そして死んだと言われた一夏の親友だと言う事を。

 

 

 

 

クロエの後を追うように付いて行く一夏。

そしてクロエは「病室1-1」と書かれてあるドアで立ち止まった。

束たちが先にいる為ドアが全開だった。

 

一夏「クロエ、聞きたい事があるんだが『あの人』って誰だ?」

 

クロエ「私たちも知りません、9日前突然ラボの中で血を流して倒れてたところを発見したんです。治療してなんとか一命を取り留めましたが今まで昏睡状態でした。」

 

一夏「突然束さんのラボで倒れてた……怪しいな…」

 

クロエ「私たちもそう思っています。見つけた時、あの人は壊れたISなような物を纏ってました。ですがあの人を治療した後、束様はあの人が纏ってた物を調べました。結果それはISではない事が分かったのです。その写真がこれです。」

 

クロエはポケットから一枚の写真を一夏に見せた。

一夏はその写真に写っている物を見た。

 

一夏「ッ!?そ…それは⁉︎」

 

目を疑った。

写真に写っている物は後腹部が貫かれ血痕が付着しているEXギアだった。

その時、一夏はルカにミハエルの最期を聞かされた事を思い出しこのEXギアがミハエルの物と分かった。

 

クロエ「一夏さん?」

 

急いで一夏は病室に入った。

 

束「いっくん⁉︎」

 

晴人「兄さん⁉︎」

 

弾「一夏⁉︎」

 

束たちは突然一夏が慌てて病室に入って来た事に驚く。

一夏はベッドに体を預けている「あの人」の方に目を向けた。

「あの人」と目が合った。

震えた声であの人、いや、彼の愛称の名前で呼ぶ。

 

一夏「ミ…シェル?」

 

彼も呟く。

 

ミハエル「イチ…カ?」

 

彼が一夏の名前を口にした時、一夏は確信した。

彼はミハエル。

ミハエル・ブランだと。

 

ミハエル「イ…チカ……一夏なのか⁉︎」

 

ミハエルは慌ててベッドから起き上がろうとする。

しかし腹部に激痛が走った。

 

ミハエル「グッ!?」

 

一夏「ミシェル!無理するな。」

 

一夏はミシェルの背中を支えながらゆっくりとベッドに寝かす。

 

ミハエル「俺は……バジュラの幼生と相打ちになって宇宙に放り出された筈……」

 

一夏「多分、お前は俺がいた世界に転移されたんだ。」

 

ミハエル「俺がいた世界?」

 

一夏はミハエルに説明した。

オズマしか言っていない自分の事も。

バジュラとの最終決戦の途中、突然ブラックホールのような穴に吸い込まれ元の世界に戻った事も。

ミハエルは黙って聞いた。

そして15分に渡る説明を終えた。

 

ミハエル「大体内容は分かった。俺はアイランド1で産まれムラたがるバジュラの幼生と相打ちになって宇宙に放り出され、転移し此処、ISと言うパワードスーツが存在する世界に居ると。」

 

一夏「ああそうだ、付け足すとISは女性しか動かせない、その所為で世界は女尊男卑となっている。」

 

ミハエル「女尊男卑ねぇ……」

 

束「あ…あの〜」

 

一夏とミハエルは束の方を向く。

束と晴人、弾とクロエが苦笑いしていた。

 

晴人「感動の再会中だけど僕たちの事忘れてないかい?」

 

一夏「あっ、すまない。」

 

ミハエル「一夏、この人たちは?」

 

一夏は「俺の弟と親友だ。」とミハエルに伝えた。

ミハエルは一夏に弟がいる事に驚く。

 

一夏「みんな自己紹介しくれないか?」

 

すると真っ先に束が挙手した。

 

束「ハイハ〜イ私からいいかな?」

 

一夏はコクリと頷いた。

 

束「ゴホン!えー私がISを開発した産みの親、束だよ〜★」

 

「苗字は『篠ノ之』だよ〜」と付け加え束は自己紹介を終える。

 

晴人「僕は晴人、兄さん(一夏)の弟です、よろしく。」

 

弾「俺は弾って言うんだ、よろしくな!」

 

クロエ「私の名前はクロエ・クロニクル、束様の補佐をしております。以後お見知り置きを。」

 

クロエはお礼儀正しくお辞儀する。

一夏の弟と親友たちの自己紹介が終わり次はミハエルの自己紹介になった。

 

ミハエル「ミハエル・ブランだ。住んでいた世界ではイチカと同じSMSスカル小隊に所属していた。『ミシェル』と呼んでくれ、よろしく頼む。」

 

束「此方こそよろしくみっくん。みっくんの事は話を聞いて大体わかったから、じゃー束さんはラボに戻るからあとはクーちゃんに任せるよ。」

 

クロエは「承知しました。」と言いながら束に体を向けてお辞儀をする。

「それじゃー」と束は病室を出た。

病室では患者のミハエル、一夏、晴人、弾、クロエ、の四人だけになった。

するとミハエルは一夏にある事を聞いた。

 

ミハエル「なぁ、一夏……」

 

一夏「どうした。」

 

ミハエル「……俺が居ない間……クランは……どうしたんだ?」

 

クラン・クラン

ゼントラーディーでミハエルの幼馴染である。

SMSのクァドラン・レアのパイロットでピクシー小隊の隊長を務めている。

バジュラの幼生がフロンティア船団を襲った時、相打ちを負ったミハエルは宇宙に放り出される直前にクランに「愛している。」と伝えた。

だがその言葉は酸素が宇宙に流出した音でかき消されてしまい途中までしか言えなかった。

ミハエルはクランの事が好きだった。

クランも同じだった。

だがお互い告白もままならないままだった。

一夏は応えた。

 

一夏「初めてクラン大尉を見た時はお前の死をルカから聞いた後だった。クラン大尉はお前のバルキリー(VF-25S)のコックピットの中でお前のヘルメットを抱きしめてお前を名を言いがら泣いていた。」

 

ミハエルは目を閉じて上を向いた。

一夏は間を空けてまた言葉を発した。

 

一夏「それから少しずつ落ち着いてきた、お前のメガネをお守りにな。」

 

ミハエル「そうか……」

 

ミハエルはわかった。

クランも俺と同じ後悔があると。

もう少し前に伝えとけば良かった。

だがまたいつか会える。

きっと会える。

その時は、彼女に伝える。

自分の想いを。

目を開け元の目線に戻した。

 

ミハエル「サンキューな、一夏。」

 

一夏は「別にいいさ。」と応えた。

一方の晴人たちは無言だったがクロエが沈黙を破った。

 

クロエ「私、お茶をお持ちしてきます。」

 

クロエはそう言ってお茶を作りに病室を後にした。

すると弾が一夏に話しかけて来た。

 

弾「なぁ、一夏。」

 

一夏「ん?なんだ?」

 

弾「此処に来る途中束さんから聞いたんだよ。お前が会社立ち上げるって。」

 

その言葉に食らい付いたのは

 

ミハエル「一夏、お前会社立ち上げるのか?」

 

少し驚くミハエルだった。

弾の言葉からしてまだ内容は知ってないようだ。

すると晴人が弾の言葉に続くかのように言葉を発した。

 

晴人「一体どんな会社なの?兄さん。」

 

会社の事を話したほうがいいのか話さないほうがいいのか困る一夏。

だがミハエルにも少し関係する為、一夏は話す事に決めた。

「とりあえず座ろう、話はそれからだ。」と言い折り畳みのパイプ椅子を3つ取り出し座る。

晴人と弾も座り一夏の方に目線をやる。

ミハエルも真剣な表情で一夏を見る。

そして一夏は言葉を放った。

 

一夏「俺はPMCを立ち上げるんだ。」

 

晴人「PMC?」

 

弾「何だよそれ?」

 

晴人と弾は首を傾げる。

一夏は説明しようと口を開けたがミハエルが説明した。

 

ミハエル「PMCとは『プライベートミリタリーカンパニー』の略語。日本語にすると『民間軍事会社』、VIPの護衛や戦争面の仕事などなんでもござれ、まぁ簡単に言えば傭兵みたいなもんだな。こっちから見るとSMSみたいなもんだな。」

 

一夏「ミシェルの言う通りだ。立ち上げる理由は2つある。ひとつ目はこの女尊男卑な世界には大半男性の死亡率が俺がいた頃より高くなっている事。死因はIS関連や女尊男卑に毒された者による無差別殺人だ。俺はそれを阻止する。そして2つ目は俺と一緒に吸い込まれたV9の処理だ、V9がテロ組織に手に渡ったらこの狂った世界は更に狂い始め世界は滅びる。俺はこの世界に迷い込んだV9を破壊しこの狂い果てた世界を戻す為、『Strategic Military Services 』を建てる。」

 

ミハエル「『Strategic Military Services』ってお前、この世界にSMSを作るのか⁉︎」

 

ミハエルは一夏の言葉に驚愕する。

対して一夏は「ああ。」と頷く。

 

ミハエル「一夏…まさかお前…バルキリーを…」

 

一夏「ああ、束さんにカルチャーメモリーに入っているVF-25シリーズの設計図をコピーして渡した。あの人は天災だから何でも作れるぞ。」

 

ミハエル「だがパイロットはどうするんだイチカ。」

 

一夏「パイロットは元航空自衛隊の男性パイロット。」

 

元航空自衛隊男性パイロット。

ISの誕生、そして女尊男卑によってやむおえなく「パイロット」と「自衛隊」という職と夢を失くした男性たちの事。

今の航空自衛隊は女性だけであり戦闘機ではなくISなのだ。

もちろん陸、海、どの自衛隊も女性だけであり全てISなのだ。

そこで一夏はバルキリーのパイロットを元航空自衛隊の男性パイロットに決めたのだ。

 

一夏「でも元空自だけじゃない、この世界で苦しんでいる人たちにバルキリーを託したい。」

 

それだけではない。

世界中の元戦闘パイロットたちそして空に憧れパイロットの夢を持つ者たち、これまでISに苦しんで来た者たちの為に使って欲しい。

 

一夏「世界最強と呼ばれるパワードスーツ『IS』、本来は宇宙に行く為に作られた。だが今は兵器となり世界最強と呼ばれる。」

 

ミハエルたちは黙って一夏の言葉を聞く。

少し間を空け更に発する。

 

一夏「世界を戻すには束さんが研究しているIS宇宙進出、それと男性がISを操縦可能にする研究が必要だ。だから俺は宇宙進出の研究と男性がISを操縦可能にする研究を取り入れたいと思う。世界を戻す方法はそれしかない。」

 

一夏は立ち上がり拳を強く握りしめこう言い放った。

 

 

 

 

 

 

一夏「俺は戦う。女尊男卑となった世界を元の世界に戻す。例えどんな事があろうと俺は戦い続ける。」

 

瞳は真っ直ぐだった。

晴人と弾は一夏の姿を見て見開く。

その姿は様々な戦争で生き抜いて来た戦士だった。

言葉に感動したのか晴人と弾は決意した。

 

晴人「兄さん、僕も戦うよ。」

 

弾「俺も戦うぜ、一夏。」

 

二人の言葉を聞いた一夏は二人の方に体を向ける。

 

一夏「いいのか?お前ら、死ぬかもしれないんだぞ。」

 

それに対し二人はクスクスと笑い晴人がこう言った。

「もう僕たちは死んでるよ。」と。

思わず一夏は一本取られたと笑う。

そして真剣な表情で一夏は二人に問いた。

 

一夏「俺たちは命を奪う事が仕事だ。何か失っても後戻りは出来ないぞ。」

 

晴人と弾は真剣な眼差しで一夏を見た。

 

弾「覚悟は出来ている。」

 

僕「僕もだよ、兄さん。」

 

二人の決意が本物だとわかった。

 

一夏「よし、わかった。ミシェル、お前はどうする。」

 

一夏はミハエルの方を向く。

ミハエルは笑い右手で銃の形を作り一夏に向けた。

 

ミハエル「そりゃフロンティア支社代表として日頃サボっていないか見てやるよッ!」

 

と言い銃の撃つ仕草をした。

こうして束含め晴人と弾、ミハエルたちは第一号のSMSの社員となった。

 




さぁミシェルさん復活しました!
今後どうなるか次回もお楽しみに!

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