久々の投稿です。
どうぞ!
一夏「ふぅ〜」
シャワーを終えタオルを腰に巻きパイロットスーツを片手に持ってシャワールームから出た一夏はクローゼットを開きパイロットスーツをハンガーに掛けて中に入れて閉じた。
そしてタンスから衣服を取り出して着替え始めた。
黒い半ズボンに一枚のTシャツと言う単純な格好で部屋を後にしてルシファーが置いてある滑走路の方へ向いルシファーのコックピット座席に座りモニターに電源を入れた。
モニター画面にタップし機体に搭載されているカルチャーメモリーに接続した。
カルチャーメモリーに接続した一夏は「ファイヤーボンバー」と日本語で書かれたファイルを開き「突撃ラブハート」をタップした。
するとコックピットから音楽が流れ始めた。
ギター、ドラム、ベース、キーボード、の音が絡み合い激しく響き渡る。
そしてギターとボーカルを担当している「熱気バサラ」の歌が響く。
『Let's go 突き抜けようぜ
夢に見た夜明けへ
まだまだ遠いけど 〜』
一夏は目を閉じて後ろにもたれ歌を聞きながら口ずさむ。
弾「いい歌だな。」
下の方から弾の声が聞こえた。
体を起こし一夏は下の方に顔を向けた。
当然弾がいた。
一夏「ん?弾、どうした?」
弾「いや、聞いた事も歌が此処から聞こえてきたから来たんだよ。」
弾は音楽が大がつくほど好きで独学でドラムをやっていた程だった。
一夏「そっか、いい歌だろ?」
弾「ああ、ハートにビンビン来るぜ!一体誰の歌なんだ?」
一夏「熱気バサラ、ファイヤーボンバーって言うバンドチームでボーカルとギターを担当してる。」
弾「へぇ〜」
一夏「でもこの歌、十四年前の曲だぜ。」
弾「十四年前って、お前どこで知ったんだよソレ……」
一夏「俺が所属していた小隊の隊長(オズマ隊長)が勧めてきたんだ。それからこの曲にハマってみんなでバンドとかやってたな。昔ファイヤーボンバーは流行ってたらしいが今はもう伝説のバンドになって幻化している。今は銀河の妖精と呼ばれるシェリルとランカぐらいだな。」
弾「伝説のバンドねぇ、つーかお前向こうでバンドやってたのかよ。」
一夏「まぁな、バサラと同じギターとボーカルを担当してたぜ。」
バンドのリーダーだったオズマは「バンドと言えばファイヤーボンバーだ!」と言いファイヤーボンバーの曲しかやらなかった。
一夏は弾が独学でドラムをやっていた事を思い出し今でもやっているのかと聞いた。
一夏「そう言えばお前、まだドラムやってんのか?」
弾「ああ、やってるぜ!晴人の奴もベースとかやってるぜ。」
一夏「へぇ〜、晴人の奴がねぇ。」
すると弾は何かいい事を考えたのか一夏にある提案をした。
弾「なぁ一夏、俺と晴人でバンド組まないか?」
一夏「別にいいけどバンドって言っても、最低でも四人は必要だぞ。あとひとりはどうすんだよ。」
弾「まぁそこは束さんかクロエちゃんで埋めるから心配するな。」
と言う弾だがこの後、束とクロエに断られた。
翌日の朝
自分の部屋の洗面所の鏡の前で歯を磨いていた一夏。
トントン
玄関からノックする音が聞こえた。
一夏「ん?」
洗面所から顔を出し玄関を見る。
すると玄関の向こうから声が聞こえた。
クロエ「おはようございます一夏さん。」
声の正体はクロエだった。
一夏「あーちょっと待ってくれ今開ける。」
歯ブラシを口にくわえたまま一夏は玄関に向かいドアを開ける。
玄関を前にはクロエがいて「おはようございます一夏さん。」と言いお辞儀をして要件を一夏に伝えた。
クロエ「朝早くすいません、どうしてもお伝えしたい事があって来ました。束様が10:30にラボに来て欲しいとの事です。」
一夏「俺も丁度束さんに用があったんだ、わかった。連絡ありがとうクロエ。」
クロエ「では私はこれで失礼します。」
もう一度一夏にお辞儀をしてこの場を去った。
10:30
一夏は束のラボの前に立ち止まりドアの横壁に埋め込まれているパネル式のインターホンを鳴らした。
一夏「俺です束さん。」
束『ハイハイいっく〜ん、中に入ってー』
一夏はドアを開けて薄暗いラボの中へと入った。
ラボの奥に無数のモニター越し座りキーボードパネルで操作する束。
一旦手を止めくるりとイスを後ろにいる一夏の方に向けた。
束「やーやーいっくん、待ってたよ。実はお願いがあって呼んだんだ。」
一夏「それは奇遇ですね。俺もですよ束さん。」
束「じゃー先にいっくんから要件を言っていいよ。」
一夏「昨日、調べたんです。今の世界の状況を。」
昨日、弾と別れた後クロエにパソコンを借りて世界の状況を調べた。
世界の状況は余りにも酷かった。
つまり女尊男卑の威力が大きくなり強くなっていたのだ。
日本を合わせてこの世界の国の7割は女尊男卑が当たり前になり日本の政府の人間はほぼ女尊男卑に毒された女性だった。
インターネットの裏サイトの動画でもわかった。
それはアメリカの女性警察官が何もしていない五人の男性を所持していた銃で発砲している動画だった。
その後、五人の内二人が死亡したと字幕に書かれてた。
他の動画ではチェコスロバキアの都市では男性による女尊男卑反対のデモが起きていた。
すると治安維持IS部隊が武力による鎮圧が始まったのだ。
そして一番酷かったのは日本だった。
あるニュースサイトではある記事が掲載されていた。
それは「女尊男卑団体IS集団、○○○男子高校へ侵入し男子生徒370人を理由もなく殺害。」と書かれた記事だった。
近年日本では女尊男卑団体による事件が多発している。
これを見た一夏は頭の額に手を当てこう思った。
この世界は更に酷くなった、と。
一夏「女尊男卑の力が前より遥かに大きくなり世界中で事件やデモが起きている。その所為で毒された人たちによって関係ない人たちの命が奪われ死んでいく。」
拳を強く握りしめ更に言葉を続ける。
一夏「だから俺はこのイカれた世界に『SMS』と言う男女平等なPMC(民間軍事会社)を立ち上げ世界を戻す。その為に束さんの協力が欲しいんです。」
一夏の言葉を聞いた束は子供のような表情から真剣な表情に変わった。
束「つまりいっくんは元の世界に戻したいんだよね?私はいっくんの為なら協力するよ。束さんは具体的に何すればいいのかな?」
すると一夏はズボンのポケット中からUSBメモリーを取り出し束に見せた。
一夏「これはカルチャーメモリーに入ってるVF-25、F、S、G、の設計図をコピーしたUSBメモリーです。これでバルキリーを作って欲しいんです。」
束「つまり束さんは整備担当って言う事だね、いいよ、天災と呼ばれたこの束に任せなさい!」
と言いながら椅子から立ち上がり束は仁王立ちで胸を張る。
一夏「他にも頼む事がいっぱいあるのですが今はそっちの方が最優先ですので。」
束「いいよいいよいっくん、束さんは何でも出来る天災だから安心しない!」
「ありがとうございます。」と一夏は束に御礼しUSBメモリーを渡した。
束「じゃあ次は私の番だね。」
束は指をパチッと鳴らした。
すると一夏の横にIS「ラファール・リヴァイヴ」が無人のまま現れた。
束「さぁーいっくん、どの部分でもいいからそのISに手を当ててみて。」
一夏は束の言う通りリヴァイヴの腕に手を当てた。
一夏「…こう……ですか?」
するとリヴァイヴが光り始めた。
一夏「ッ!?」
光は徐々に大きくなり一夏を包みこみ強い光を放ち光が消えた。
そして
一夏「さっきの光はな………ッ!?」
気付けば一夏はリヴァイヴを纏っていた。
ISを纏っている事に驚く一夏。
だが、対してISの親(開発者)である束は普通の表情だった。
束「やっぱりいっくん、ISを動かせるんだね。」
一夏「俺が…ISを?」
驚きながらも正気な一夏。
束「うん、そーだよ。原因はわからないけど。まさかいっくんもかぁ〜」
今の束の言葉に「も」が付いてた事に気付いた一夏は疑問に思いそれを口に出した。
一夏「『も』って他にもいるって事ですよね?……ッ!ま…まさか!?」
弾「ああ、そのまさかだ。」
ラボのドアから弾と晴人が現れた。
そう、弾と晴人もISを動かせたのだ。
二人は束の元ヘ足を運ぶ。
一夏「弾…晴人…でもどうして?」
晴人「躓いた時誤って打鉄に触れちゃってさ。」
と言いながら頭をかきながら照れる晴人。
弾「俺は束さんのラボの掃除しようとISのコアを移動させようとしたらコアが反応した。」
と弾は平然と言う。
晴人と弾の話を聞いて「偶然じゃねーかよ!」と心の中で突っ込んだ。
一夏「あのー、そろそろコレ(IS)解除してくれません?」
初めてISを纏った一夏は元に戻す方法がわからない。
束はもう一度指を鳴らしてISを解除し本題に入った。
束「実はね、宇宙進出の研究の為にね、いっくんにISを乗って自分の機動データと他のIS乗りの機動データを取って欲しいんだー」
一夏「機動データの収集?だったら晴人や弾に任せればいいじゃないですか。俺はIS何て操縦した事ないし。」
束「二人は一年前からISの操縦出来るけどまだ専用機を作ってないんだよ。まーいっくんも専用機ないしISに触れたばかり、けどいっくんの場合は戦闘経験豊富にあるし直ぐにISに慣れるよ。しかも直ぐにいっくんたちの専用機作れるかもしれないし。」
一夏「専用機?」
束「そう!いっくんがここ(元の世界)に帰って来るまではっくんとだっくんの専用機を作ろうと機体のデザインを考えてたんだ。でね!いっくんが帰った時、束の頭の中でひらめいたんだよ!いっくんたちの専用機!」
頭にクエッションマークを浮かばせる一夏たち。
一体どんな専用機を作るのだろうか?と。
束「どんなISを作るのか?って顔してるねぇ〜まーそれはお楽しみだよ!て事でいっくん、いいかな?」
一瞬、困った表情するが了承した。
一夏「わかりました。」
束は拳を上げてウサギのように飛び跳ね喜ぶ。
束「やったー!それじゃあ早速いっくん頼まれた物と専用機の素材を ー」
その時だった。
突然ドアが開いた。
束たちは視線をドアのに向けた。
ドアを開けたのは息を切らしたクロエだった。
クロエ「た、束様ッ!」
ゴーストについては今後のストーリーに関連していきます。
と言ってもストーリーの後半です。
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