インフィニット・ストラトス F   作:スカイマーク

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どうぞスカイマークです。
最近本枠の小説を投稿していません。
何故なら高校が忙しいからです。
ホント申し訳ありません(ー ー;)
それでは本編どうぞ。


再会

 

泣き止んだ束は呼吸を整えて一夏と一緒に浜辺に座った。

 

束「ごめんねいっくん、重かったでしょ?」

 

一夏「いえいえ大丈夫ですよ束さん。」

 

束はニコリと笑った。

そして束は本題に入った。

今まで何処に行っていたのか。

どうして右腕があるのか。

 

束「ねぇいっくん、今までいっくんは何処に行ってたの?」

 

一瞬一夏は困った顔をしたが「束さんなら大丈夫。」だと思い口を開き、転移した事、フロンティア船団の事、右腕の義手と自分の体の筋肉と骨格の事、SMSと言う民間軍事会社に入った事、バジュラと言う地球外生命体と戦った事、バジュラとの最終決戦の途中に黒い穴に吸い込まれ元居た世界に来た事、向こうの世界で過ごした事全て話した。

真剣に聞いた束は一夏が言っている事を信じた。

 

束「へぇ〜そうだったんだー。しかしまさかとは思ってたけど本当に異世界があるんだー束さんチョービックリ!ところでさーいっくん。」

 

一夏「はい?」

 

すると束はある方向に指をさした。

 

束「アレなぁに?」

 

束が指さした方向。

それはガウォーク形態のルシファーだった。

 

一夏「あー、これは『バルキリー』と言って三段変形が出来る可変戦闘機で宇宙、空、水中、飛行可能で三段階変形のひとつバトロイド形態だと地面を歩く事もできます。」

 

その事を聞いて束は驚いた。

 

束「えぇぇぇ!?ウッソー!?」

 

一夏「俺のバルキリー名は『VF-27ルシファー』。サイボーグ専用機で普通のバルキリーとは違って高機動性能で速いんですよ。」

 

次の瞬間。

 

束「いっくん!」

 

顔を一夏に近づけウサギ耳をパタパタとさせる束。

彼女の目はキラキラと光っている。

一夏はいきなり束の顔が近づいて驚いた。

 

一夏「な…何ですか!?」

 

束「乗せて!」

 

一夏「べ…別にいいですよ…」

 

束は「やったー!」とガッツポーズしてジャンプした。

 

 

 

 

ヘルメットをかぶり一夏は束をルシファーのコックピットの後部座席に乗せて全システムを起動してエンジンをスタートさせた。

計器をチェックして操縦桿を握る。

脚部のブースターを噴射しルシファーが浮上する。

束は「おー!」と感動していた。

そして高度が25メートルになり一夏はガウォークからファイターに変形させる事を束に伝えるべく後部座席の方を振り向いた。

 

一夏「束さん、今から一般戦闘機と同じ飛行の『ファイター形態』に変形します。少し揺れますよ。」

 

束「OK〜!」

 

 

束は笑顔で承知した。

まるで子供のような束を見て一夏は小さく笑い前を向いた。

そしてガウォークからファイターに変形して飛翔した。

 

 

ルシファーは急降下したり急上昇したりと飛んでいた。

後部座席に座っている束ははしゃいでいた。

そして海面すれすれに飛行して潜水した。

 

束「ウッハァー!すごい!束さんチョービックリ!」

 

一夏「フッ、そうですか。」

 

しばらく一夏は水中で潜水した。

そして一夏は束にある事を聞いた。

 

一夏「束さん……」

 

束「なに〜?いっくん。」

 

 

 

 

 

 

晴人は……あの後どうなったんですか?

 

 

 

 

 

束「……」

 

あの後、誘拐事件の時。

さっきまで子供のようにはしゃいでた束はまるで別人のように表情が変わり複雑な気持ちになった。

しかし一夏に言わなければならない。

言わないといけない。

束は複雑な気持ちを押しきって口を開き落ち着いた声で言葉を発した。

 

束「いっくんが庇った後、はっくんはあの工場に戻っていっくんを探してたんだよ。」

 

一夏「……」

 

束「そこにこの私、束さんが駆けつけ、はっくんを保護したんだよ。その後はっくんは束さんのところで暮らしているよ。」

 

一夏「そうですか……束さん、晴人を助けてくれて有難うございます。そしてすいません、晴人の面倒を見てくれて……」

 

束「そんなのいいよいっくん。悪いのちーちゃんだよ。」

 

一夏は「ちーちゃん」即ち「織斑千冬」の言葉を聞いて操縦桿を強く握る。

憎い。

許せない。

弟よりも自分の名誉を守った千冬を一夏は憎む。

晴人も同じだろう。

すると束は話を変えた。

 

束「ねぇいっくん。いっくん今住むところないでしょう?」

 

一夏「まぁそうですね。」

 

束「じゃーさー!束さんのところに来ない?」

 

一夏「え?」

 

束「だって今のいっくん危ない立場なんだよ?このバルキリーとか言うものを持ってるし、しかもいっくんは世の中では死んでいるんだよ!?」

 

束が言う事は確かだった。

元居た世界、つまりこの世界と向こうの世界の年は同じだが、科学の進歩は向こうの世界がダントツである。

この世界の科学者にとってルシファーはパンドラの箱とも言えるだろう。

そして世界に一夏が生きていると知ったら大騒ぎになり命の危険が多い。

それに織斑千冬も黙ってはいないだろう。

一夏は少し考えた。

 

一夏(束さんはいい人だ。けどこれ以上迷惑かけたら……でも晴人は俺の事を心配してるかも知れない。ここは束さんの言葉に甘えよう。)

 

一夏「じゃあ……お言葉に甘えて……お願いします。」

 

束「決まりだね!それじゃー早速束さんのお家(ラボ)へレッツゴー☆」

 

と束は言い拳を上にあげた。

 

一夏「え!?でも束さんのあの人参のロケットはどうするんですか?」

 

束「あーアレ?アレは使い捨てバージョンだから大丈夫だよ。」

 

すると束はポケットの中から小さなボタン装置のボタンをポチッと押した。

その頃、一夏と束がいたあの小さな島が人参ロケットの爆発によって半分無くなった事は別の話だった。

 

束「それじゃー改めてレッツゴー☆」

 

一夏「了解。」

 

一夏はルシファーを水中から一気に空へと上昇し、指示されたところに飛翔した。

 

 

 

あれから3時間飛行し日本領空内に入った。

どうやらあの小さな島は南大西洋に浮かぶ島らしい。

この世界の一番速い乗り物でも6時間以上かかるが、このルシファーは3、4時間で南大西洋から日本に行ける。

 

一夏「束さん。」

 

ルシファーを操縦している一夏は後部座席に座っている束の方を振り向けず、一夏は前を見ながら束を呼んだ。

 

束「ナニいっくん?」

 

一夏「IS開発やっているんですか?」

 

束は一瞬顔を曇らせたがまたいつものテンションで言葉を放った。

 

束「そりゃー勿論、束さんはISの産みの親だもん。親は最後まで子供(IS)の面倒はちゃんとしなきゃいけないんだよー。」

 

もしISがなければ普通に暮らせたのだろうか?

周りから「織斑千冬の付属品」「出来損ない」と言われずに済んだのだろうか?

その言葉を聞いて色々複雑な気持ちになる一夏。

だがISが誕生しなければ沢山(向こうの世界)の人達に会えなかったかも知れない。

束だってISを兵器にしたくなかったと思っている筈。

すると束は一夏にある事を言った。

 

束「あっ!そうそう!束さんはね今ISを宇宙で自由に飛び回る研究をしているんだよ!」

 

一夏「宇宙と男性ですか。」

 

束「うん!本来ISは兵器じゃなくて宇宙に行くものなんだよ。イヤーいっくんが異世界に居た話を聞いて束さん興奮MAXだよー。」

 

一夏「そうですか……束さん、そろそろ目的地周辺です。指示をお願いします。」

 

束「オッケー、左に見える小さい島見えるよね?」

 

一夏は左を向いて小さい島を確認した。

 

一夏「はい見えます。」

 

束「じゃあその付近に近づいて。」

 

一夏「わかりました。」

 

束の指示を聞いてルシファーを島に寄せ、島の真上でガウォークに変形し空中で停止した。

すると束はポケットの中からケータイを取り出し誰かに電話を掛けた。

 

束「もしもしクーちゃん?…………あーそれに乗ってるの束さんといっくんだよ………うん!それじゃーお願いねー」

 

その時だった。

突然島にノイズが掛かる現象が起きた。

島が少しずつノイズの所為で消えてゆく。

一夏は驚いたが直ぐに立体映像だと気付いた。

そして立体映像で映し出された島は消え正体を現した。

それは空母と研究所のような建物が合体したものだった。

束に聞いてみると空母と研究施設を合体させた潜水可能の移動式研究所だと言う。

「滑走路に着陸して。」と束が言い一夏はルシファーをガウォーク形態のまま滑走路に着陸した。

すると一瞬、ガタンッ!と揺れ滑走路がエレベーターのように下がり始めた。

そして滑走路が下がっていく内に元の高さだった滑走路のところが両サイドから現れるハッチが閉められ空の光を閉ざし視界が真っ暗になった。

だが直ぐに灯りがついた。

一夏はヘルメットを外しコックピットのハッチを開けた。

後部座席に座っていた束がコックピットから降りて一夏に向け両手を広げ

 

束「ようこそ!我が家『ラビットハウス』へ!」

 

と言いニコリと笑った。

すると束の後ろから二人の少年が現れた。

晴人と弾だった。

 

晴人「……兄…さん?…本当に兄さんなの?」

 

震えた声で言葉を発する晴人。

 

一夏「そうだ俺だ晴人……大きくなったな…」

 

一夏はコックピットから降りて笑う。

晴人は「兄さん……」と呟いて目に涙を浮かばせ一歩ずつ一夏に近づいて左腕を握り顔を近づけて涙を零した。

 

晴人「…本当に兄さんだ……生きてたんだね……兄さん……」

 

肩を震わせている晴人を一夏は義手の右腕で抱きしめた。

 

一夏「ごめんな晴人、心配させて。」

 

久しぶりに弟と感動の再会を果たした一夏は兄として微笑んだ。

束も弾も涙を浮かばせている。

すると一夏はある事に気付いた。

何故ここに弾が居るのかと。

だが今は弟の晴人の再会を楽しむ事にした。

 

 




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