インフィニット・ストラトス F   作:スカイマーク

3 / 14
どうもスカイマークです。
またお気に入り数が前回の2倍に…………すごいなw
登録者の皆さんありがとうございます。
それはさて置き、オーバーラップが5月にインフィニット・ストラトス最新巻を発売をするそうですね。
あらすじの中で物凄く驚いた事が一つありました。
それは一夏の死です。
主人公が死ぬのかよ⁉︎と思いながらインターネットでオーバーラップの予定表を見ていました。
長くなりましたが本編どうぞ。


モトノセカイ

一夏「ン……うぅ………」

 

VF-27ルシファーに乗っているパイロット少年、一夏は目覚めた。

 

一夏「ここは……」

 

辺りを見渡した。

外は薄白くと濃い白色だけだった。

 

一夏「……雲の……中…」

 

一夏は雲の中だと分かった。

機体(ルシファー)は自動オートパイロットになっていた。

そして一夏は自分が穴に吸い込まれた事を思い出した。

 

一夏「そうだ!俺は穴に吸い込まれて……」

 

……ここは何処なのか?

一夏はモニターでマップを機動し何処の星なのか探した。

しかしフロンティアネットワークが繋がらない為現在地が探せなかった。

フロンティアネットワークの再接続を試みた。

接続出来なかった。

次にフロンティア船団の反応を探した。

結果、フロンティア船団の反応はなかった。

 

一夏「フロンティア船団の反応がない…………まさか!バジュラに!?そんな筈はない!」

 

一夏はフロンティア船団がバジュラに襲われたと思った。

急いで他の船団の反応を探しフロンティア船団と戦況情報を集めた。

しかしどれもフロンティア船団と同じように反応しなかった。

 

一夏「7船団の反応もない…………どういう事だ……」

 

あらゆる方法で試みたがどれも、フロンティア船団や7船団、他の船団の反応がなかった。

他の船団もフロンティアと同じように反応が消えていると言う事はフロンティアはまだバジュラに襲われてないと一夏は考えた。

すると一夏は操縦席にもたれ上を向き独り言を吐いた。

 

一夏「……一体……どうなっているんだ……」

 

この時まだ一夏は知らなかった。

 

 

 

 

 

自分が

 

 

 

 

 

元居た世界(地球)にいる事を

 

 

 

 

 

それから数分後、一夏は機体の損傷がないかチェックした。

するとさっきまで出力が上がらなかった左翼エンジンブースターが元に戻っていた。

「破片が取れたんだろう。」と一夏は呟いた。

オートパイロットから手動に変え再び操縦桿を握った。

 

一夏「とりあえずこのまま飛んでいるのもアレだから下に降りてみるか……」

 

そう言って一夏は機体を降下させ雲の中から出た。

青い海が広がっていた。

一夏はこの星の大気をモニターで調べた。

ほぼ地球と同じ大気だった。

 

一夏「この星は地球と同じ大気か……」

 

そう言って一夏はヘルメットを取って後ろの席に置いた。

すると南に3キロ離れた所に小さな島を見つけた。

 

一夏「よし、あの島に着陸しよう。」

 

一夏は操縦桿を傾けルシファーを島に向けて飛行した。

島に接近したルシファーは先回した。

島は熱帯雨林とジャングルで覆い尽くされていた。

だが人や建物といった物はいなかった。

 

一夏「やっぱり人は居ないか……とりあえずこの島で寝床を作ろう。」

 

ルシファーをガンウォークに変形し降下して海から離れた浜辺に着陸した。

コックピットのハッチを開けEXギアに付属している銃とサバイバルグッズが入ったショルダーバッグを肩に掛けて地面に降り、銃を構えた。

 

一夏「…………」

 

数分後、一夏は銃を下げ周りの安全を確保した。

 

一夏「木の枝集めて火を起こそう。」

 

一夏は木の枝を集め向かった。

 

 

 

 

 

 

???「〜〜〜♪」

 

薄暗いラボの中でひとり無数のモニター画面に目を向けキーボードパネルを叩きながら鼻歌して作業をしている女性がいた。

ウサギ耳のを付けており不思議な国に出て来そうなエプロンドレスを見に纏う。

彼女は大きな「過ち」を犯した。

それはこの世界が女尊男卑になった原因でもある。

その原因は彼女、篠ノ之 束が開発したインフィニット・ストラトス「IS」なのだ。

宇宙に進出を目的としたパワードスーツの筈だった。

だがそれは「兵器」へと変わってしまった。

その所為で束は大切な友をひとり失くしたのである。

束はそんな自分が許せずISに内蔵されている「コア」の製造をストップした。

大切な友、一夏の為に、そして償いの為に。

するとラボに二人の少年が二人がかりで1メートルほど長い荷物を持ち束の所にやって来た。

ひとりは髪の毛が赤くロングヘアでバンダナを付けている。

もうひとりは亡き一夏の弟であり緑の瞳以外顔が瓜二つであった。

 

束「あっ!はっくん(晴人)!だっくん(弾)!」

 

束は作業をやめ二人に体を向けた。

 

晴人「束さん、頼まれた物持って来ましたよ。」

 

晴人と弾は荷物を束の方に持って行った。

 

束「二人ともいつもありがとー!」

 

弾「いえいえ、俺たちはここで暮らしている分束さんのお手伝いは当たり前ですよ。なっ晴人。」

 

晴人「ああ。」

 

この二人は見捨てられたのだ。

一年半前、晴人はあの時、一夏の庇いで工場から逃げ切れた。

だがその後、晴人はひとり無残になってしまった瓦礫の工場の中で一夏を探していた。

一夏は見つからなかった。

見つかったのは一夏らしき右腕だった。

晴人は地面に膝をつけ涙を流し大声で叫び狂い始めた。

そこでやって来たのが束だった。

束は晴人と一夏が誘拐された事を日本政府の情報機関からハッキングして知った。

「きっとちーちゃんが助けに来てくれる。」と束は親友であり晴人と一夏の姉、織斑千冬を信じた。

だがそれは大きく覆した。

千冬は助けに来ず大会に出たのだ。

彼女は弟たちより名誉を大切にしたのだ。

信じられなかった束は急いで人参ロケットで晴人たちが囚われている工場へと駆けつけて来た。

晴人を見つけた時、彼の表情は死んでいたのだ。

涙を流し無の表情でヨロヨロと瓦礫と化した工場を立ち去ろうとしていた。

束は晴人を止め抱きしめた。

「いっくん何処にいるの?」と晴人に問いた。

晴人は何も反応しなかった。

すると束は晴人が両手で抱きかかえている右腕を見つけた。

束は「それ…て…」と震えた声で晴人に視線を戻すと晴人はゆっくりと頷いた。

この右腕が一夏のものだと分かった。

束は涙を流しもう一度晴人を抱きしめた。

「ごめんね…ごめんねはっくん…ごめんね…」と束は晴人を抱きしめながら謝り続けた。

それを聞いた晴人は泣き始めた。

束の中で。

晴人はもう何処にも居場所がなかった。

そこで束は晴人を保護しラボという居場所を作った。

一方の弾は一夏と晴人の親友だった。

何故、弾が束のところに居るのかと言うと、晴人たちが誘拐された二ヶ月後に女尊男卑に風潮された妹の蘭が祖父の厳に頼み家を追い出されたのだ。

そこで街をふらふらしている弾は晴人と遭遇し束に引き取って貰ったのだ。

そして二人は女尊男卑に毒されて政府の人間たちの差し金で世の中では死んだ事になっている。

二人の戸籍を抹消しようとした束は手間が省けてラッキーだった。

こうして二人は束と三人でラボで暮らしているのだ。

 

束「じゃあそれー適当に置いといて。」

 

晴人と弾は荷物を壁の隅に置いた。

するとその時ラボ中にアラートが鳴り始めた。

 

弾「なっ!?なんだ!?」

 

晴人「何が起こってるんだ!?」

 

二人はこのアラートを聞くのは初めてだった。

 

束「こっ……このアラート………まさか!?」

 

ウサギ耳をパタパタさせる束。

急いでキーボードパネルを操作しモニターを切り替えた。

束が打ち上げた人工衛星「ウサミ」を起動した。

この人工衛星ウサミは束の特定された人を見つける優れた衛星。

一年半前の誘拐事件で一夏と晴人が囚われている場所を見つけたのだ。

その後ウサミはもう二度と使う事がないと思い束は特定の人物を一夏と晴人にしたまま放置した。

だがウサミが特定の人間をとらえたのだ。

 

束「まさか……そんなまさか!?」

 

死んだはずの人間がいる訳がない。

束は驚愕しながらキーボードパネルを打つ。

 

晴人「ど、どうしたんですか?束さん。」

 

晴人と弾は束の近くに寄った。

モニターに映し出されたのは地球だった。

少しずつ小縮されある島へと近づいた。

そこは熱帯雨林とジャングルで覆い尽くされた小さな島だった。

その島は今は夜。

束は浜辺に何か明るい光を見つけた。

誰かが焚き火をしている。

キーボードパネルを打ちそこをさらに小縮した。

すると信じられない人物が映った。

晴人の兄であり弾の親友でもある。

そして束の大切な友。

一夏だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木の枝を沢山集めた一夏は浜辺に戻って来た。

木の枝をルシファーの脚部を置いた。

途中帰りに、川を見つけた。

一夏は食料を確保する為川に向かった。

川に着きパイロットスーツの上半身だけを脱ぐ。

一年前の右腕は鉄で出来た義手だったが今は対人用の義手になっていた。

本物の腕に見せるようにシリコンで人と同じ皮膚の色や感触を再現されており手首の中にブレード(手刀)が収納されている。

他にも銃の形を作ると衝撃弾や炎弾、プラズマ弾が撃てる。

そして戦車の砲弾を受け止めれる耐久性を施しているが衝撃が強くて一般の市民には大抵無理だろう。

 

一夏「プラズマで魚を麻痺させるか。」

 

一夏は右腕の義手で銃の形を作りプラズマ弾をチャージする。

 

一夏「そう言えばプラズマ弾を放つのは初めてだ……なっ!。」

 

そう呟いて川に向けプラズマ弾を放った。

川に放ったプラズマ弾は着弾したところに2メートルを超える水柱を立てた。

水面に無数のスパークは飛び散り一瞬で消えた。

 

一夏「こいつが一番衝撃が強いな。さてと魚は……」

 

一夏は川の水面にプラズマ弾で麻痺している魚を探した。

すると数秒後、麻痺した魚たちがプカプカと浮き始めた。

 

一夏「見つけた。」

 

再びパイロットスーツを着て川の中に入り魚を5匹をゲットし今日の食料を確保した。

空はいつの間にか黄金色に染まっていた。

 

一夏「もう日が沈む……戻ろう…」

 

両手で5匹の魚を抱きかかえるように一夏は浜辺に戻った。

魚は一度ルシファーから1メートル離れたところに置きルシファーの脚部に置いといた木の枝を魚の近くに置き一本ずつ円になるように枝を置いた。

余った枝は魚に串刺しにして魚の塩焼きにしたり火が良くなった時に使える。

そうして一夏はサバイバルグッズのライターで円に並べた木の枝に火をつけた。

そして砂で汚れてしまった5匹の魚を海で洗い内蔵を取り出し余った木の枝で串刺しにして

火の周りに置いた。

そうやっている内にすっかり日が暮れ夜になった。

千以上の星が空で輝いている。

背中を地面につけて星を見つめた。

 

一夏「オズマ隊長……艦長……ルカ……アルト……」

 

一夏はSMSのみんなの事を心配した。

バジュラとの最終決戦で突然穴に吸い込まれ気付けばこの星に飛ばされた。

一刻も早く戦線に戻らなければならない。

だがどうやって戦線に戻れば良いのか分からない。

この星は何処の星なのかも分からない。

フロンティア船団も他の船団の反応がない。

 

一夏「今考えても無駄か…………」

 

一夏は起き上がり焚き火の火に通した魚を一本手に取りひとくち食べた。

 

一夏「…………美味い。」

 

天然の魚をあっという間に食べその後、黙々と残りの4匹の魚を食べた。

そして銃を近くに寄せ体を横にし、海の波の音と潮風の香りを体いっぱいに吸い込み、眼を閉じた。

こうして1日が終わった。

 

 

 

 

 

 

筈だった。

 

 

 

 

 

穏やかな眠りにつくいい具合のところだった。

だが深い眠りにつく一夏の聴覚が刺激された。

刺激したのは音でありその音は風を斬り裂く砲弾の音に近かった。

その音に刺激された聴覚は眠っていた脳に伝わり危険を察知した脳は覚醒し一夏を目覚めさせた。

目覚めた一夏は銃の手にし人間とは思えない速さで起き上がり音がする空の方へと銃を構えた。

すると真上にある物体が此方に近づいて来た。

最初はミサイルかロケットかと思った。

だが此方に近づいていく内にある形に見えて来た。

それは

 

一夏「ニン……ジン…?」

 

人参だった。

人参と同じ色に塗装されておりもはや人参そのものだった。

人参は更にスピードを上げ一夏の方へと向かって落ち行く。

一夏は軍式の人工肉体になった体でルシファーの方へと下がった。

人参は元いた一夏の手前で地面に突き刺さり爆炎のように砂煙が舞った。

砂煙が晴れ視界がはっきりと見えた時、人参が真っ二つに割れた。

危険を察知した一夏は銃を構えて警戒した。

そして真っ二つに割れた人参から人影見え徐々に姿を見せた。

不思議な国のようなエプロンドレスを着てウサギ耳のカチューシャを付けている女性だった。

彼女は一夏を見つけ目が合った。

一夏は警戒心を解かなかった。

 

一夏「誰だ!」

 

すると彼女は笑顔で目に涙を浮かべ

 

???「いっくん……私だよ……束さんだよ?」

 

と震えた声で伝えた。

 

一夏「た…ばね…ッ!?」

 

その時、一夏の頭の中で「束」と言う人物を思い出した。

それは元居た世界の知り合いの名前だった。

一年半前、元居た世界の記憶を思い出す。

ISというアーマードスーツが原因で世界が女尊男卑へと変わった世界。

そして目の前に現れている彼女がISの産みの親「篠ノ之 束」だった。

 

一夏「…た……束…さん…」

 

元居た世界の事を思い出した一夏は自然に警戒心を解き銃を構えるのを止め唖然と束を見つめた。

途切れた声だったが束は一夏の声がはっきりと聞こえた。

感情を抑え切れなかった束は一夏の方へと走り出した。

 

束「いっくーん!」

 

そして力いっぱい一夏を抱きしめ子供のように泣いた。

その時、一夏はやっと気付いた。

ここは元居た世界だと。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。