何時間か放置していたらいつの間にかお気に入りが19⁉︎
正直びっくりしましたw
では本編どうぞ
あれから一年半と言う月日が経った。
俺は民間軍事会社「SMS」に所属した。
きっかけは俺を事情聴取をしに来たSMS母艦マクロス・クォーター艦長「ジェフリー・ワイルダー」に「ご家族や親戚はいないのかね?」と尋ねられた事からだった。
この異世界に家族や親戚、兄弟と言うもののいない俺は艦長に「家族も親戚も居ない、俺は見捨てられた」と言った。
そもそも俺は姉に見捨てられたのだ。
そんな俺に家族なんか居ない。
あの時俺は酷く苦しみ怒り悲しんだ。
すると艦長は「では我々SMSに来ないか」と誘われ俺に手を差し伸べてくれたのだ。
俺は艦長の手を両手で握り泣きながら「はい」と答えた。
それから俺はオズマ・リー少佐率いる「スカル小隊」に所属し「バルキリー」と呼ばれる可変戦闘機に乗る為、訓練した。
丁度、スカル小隊の一員であるミハエル・ブランとルカ・アンジェローニも俺と一緒に訓練した。
ルカは俺より一つ上でミハエルは二つ上だった。
ある日のことだった。
ルカは高校生になりミハエルは高校生ニ年生になった時、俺たち人間は未知の生物「バジュラ」と呼ばれる地球外生命体と遭遇したのだ。
バジュラは宇宙移民船団を次々と襲った。
当時、政府や統合軍はこの生物を「ビクター」と呼び、バジュラ自体は国民に一切打ち明けていなかったのだ。
そして一ヶ月後、このフロンティア船団中域に計六体のバジュラが出現しフロンティアを襲いに来たのだ。
統合軍の依頼で俺たちはバジュラを殲滅に向かった。
ミハエルとルカは「銀河の歌姫」と呼ばれる「シェリル・ノーム」のライブステージでEXギアを使ったスタントをしている為、遅れての出撃だった。
バジュラは最終防衛ラインを突破しアイランド1に侵入した。
俺たちは必死の思いでバジュラを倒した。
なんとかバジュラを殲滅した。
大勢の人々を犠牲にして。
そして二週間後、ミハエルとルカの友人「早乙女アルト」がSMSスカル小隊に入隊した。
それから四ヶ月が経ちある事件が起きた。
アイランド1に数え切れないほどのバジュラの幼生が現れたのだ。
その時俺は別の任務でフロンティア船団にはいなかった。
俺は知らないままフロンティア船団に帰ってきた時は無残な姿だった。
ルカとアルトは無事だった。
オズマ隊長はその時行方不明だった。
その時、ミハエルがいない事に気づいた俺はルカに尋ねた。
ルカは震えた声でこう言った。
先輩は死にました。
1年半共に過ごし信頼していた戦友の死。
バジュラたちが現れた時いつか俺たちの中で誰かが死ぬ事は分かっていた。
俺はミハエルの最期を黙って聞いた。
涙を堪えて
そして一週間後
フロンティア新政府はバジュラの母星を突き止めた。
燃料も食料も三ヶ月分も満たないフロンティア船団。
そこでフロンティア新政府はバジュラの母星を侵略し居住地にすると決断した。
だがジェフリー艦長はフロンティア新政府に違和感を感じた。
そして艦長はアルトやルカ、一部を除く隊員を残しマクロスクォーターでフロンティア船団を離脱し真実を探しに向かった。
俺はオズマ隊長に連れられ整備室に向かった。
整備室に入った時、一機の黒いバルキリー「VF-27ルシファー」を見つけた。
VF-25と同じくYF-24をベースとする兵専用可変戦闘機。
主翼にエンジンを搭載し合計四つエンジンを搭載し飛行の限界を超えた高機動性能を発揮する。
するとオズマ隊長は「EXギアを搭載している、これをお前にやる。」と言った。
俺が使っているバルキリー「VF-25G」はフロンティア船団から離脱し統合軍と戦った時にエンジンがイカれて現在修理中だった。
オズマ隊長は「修理人が出払っていてお前のバルキリーが直せない。その代わり上のヤツがこの機体を回して来たんだ。」と言ったのだ。
そして今、俺はルシファーのコックピットに乗り出撃を待っていた。
真実を知った俺はマクロスクォーターでバジュラの母星に向けてフォールド中だった。
現在フロンティア新政府はバジュラの母星に侵略を開始しておりフロンティア船団が危うい状況だと知った俺たちはフォールド終了後直ぐに出撃できるように準備をしていたのだ。
そしてアナウンスが鳴った。
『間も無くフォールドが終了します、各小隊は出撃して下さい。』
操縦桿を握りペダルを踏み滑走路に向かった。
俺はルシファーを一度も飛ばした事もない。
つまり今から行く戦場で初めて操縦するのだ。
前に滑走路に上がるエレベーターを待っているバルキリー「VF-25S」が居た。
背中に盾と剣を配した牛の骸骨のエンブレムを持つ俺のスカル小隊隊長「オズマ・リー」(スカル1)だった。
するとチャンネルチャットからオズマ隊長が俺に話しかけた。
オズマ『一夏、覚えてるか?お前が初めてスカル小隊に入隊した時の事を。』
一夏「ええ、緊張でガチガチだった俺は隊長からスモークグレネードを喰らいましたね。」
オズマ『あの時お前はまるでお人好しの子供だった。だが日に日に成長し子供からガキになって今は男、お前はもう立派な男だ。だから…死ぬな!俺たちと一緒にフロンティアに帰るぞ!』
その言葉を聞いて俺は安心した。
そして俺はオズマ隊長にある事を言った。
一夏「隊長、実は俺、別の世界から来たんですよ。俺には姉と弟がいて三人で仲良く暮らしてたんです。けどある日、女性にしか使えないアーマードスーツが誕生したんです。その所為で男女の社会的パワーバランスが一変して女尊男卑が当たり前になってしまったんです。姉はそのアーマードスーツを来て世界大会で優勝したんです。そして世界から注目を浴び有名人になったんです。けど俺と弟は世界から周りから「姉の付属品」「出来損ない」いろいろ呼ばれました。俺と弟はそれに耐えきれなくて姉に何度も相談しました。けど姉は「忙しい」「お前たちなら大丈夫だ」と何もしてくれませんでした。そんなある日の事でした。姉は世界大会連覇する為第二回世界大会に出場し決勝戦まで上り詰めました。ですがその裏方、俺と弟は誘拐されましてある倉庫に連れられました。誘拐した奴らの目的は姉の決勝戦の辞退。俺たちは姉が絶対助けに来てくれると思ってました。けど姉は決勝戦に出場しました。姉は自分の家族よりも名誉の方を大切にしたんです。俺たちは酷く姉を憎み悲しみました。そんな時でした。一体のアーマードスーツを纏ったパイロットが現れました。そいつは俺たちを助けに来たのではなくここにいる俺たち含め全員を殺しに来たんです。俺は弟を倉庫の外に出し庇いました。俺は奴のグレネードを喰らってしまいました。背中に大きな火傷を負い右腕を失いました。俺は意識を失いそして意識が戻った時にはこの世界に居たんです。」
オズマ『そうか……だからー 」
キャサリン『エンデュミオン4出撃完了、続いてスカル1出撃準備して下さい。』
エレベーターの台が下りてきた。
オズマ『話はこの戦いが終わってからにする。出撃したら直ぐ戦闘になる。気を引き締めろよ一夏。』
一夏『了解ッ!』
オズマ隊長のバルキリーが前に進みエレベーターの台に乗り、台はオズマ隊長のバルキリーを乗せて上に上がった。
ペダルを少し踏みルシファーをエレベーターの前まで詰めた。
オズマ隊長に全て話した俺は元居た世界の親友たち、そして弟晴人の事を思い出す。
弾…
鈴……
晴人……
元気にしてるかな……
2分後
エレベーターの台が下りてきたと同時にオペレーターの声が入ってきた。
キャサリン『スカル1出撃完了、続いてスカル4出撃準備して下さい。』
一夏「了解。」
ルシファーを台の真ん中まで進ませた。
そして台はルシファーを乗せたまま飛行甲板に上がった。
まだフォールド中で紫色の風景だった。
キャサリン『スカル4へ、あと15秒後にフォールドを出ます。その為フォールド終了後の出撃となります。なのでそのまま待機して下さい。』
一夏「スカル4了解。」
フォールドの中で飛翔しているバルキリーたちは問題はないが、フォールドを出る瞬間に出撃したらフォールド波で機体がバラバラにされてしまう。
飛行甲板に上がった俺は操縦桿を握りルシファーを滑走路に移動させた。
機体の最終チェックをしてフォールドを終わるのを待った。
そしてフォールドが終了し、
キャサリン『フォールド終了!スカル4発進して下さい!』
一夏「了解!スカル4、一夏、出撃するッ!」
俺は戦場へと飛翔した。
フロンティア新政府であり大統領である三島は脱走しまた戻って来たSMSにより真実を暴かれた。
そして戦場の真ん中に白いワンピースを着た巨大なランカ・リーが「愛覚えていますか」を歌っていた。
そこでクォーターはマクロスキャノンをランカに放った。
するとランカからノイズが発生し消え本性を現した。
バトルギャラクシーだった。
バトルギャラクシーがランカを映し出していたのだ。
アルトの証言でランカは人類を裏切っておらず、バトルギャラクシーにとらわれている事が判明した。
そして更にギャラクシーの上層部であるグレイス・オコナーとその部下はバジュラを乗っ取り全銀河を支配しようしていた事も分かった。
戦況は一気にこちらの方に逆転した。
だがしかし
バトルギャラクシーから無人戦闘機「V9」が無数射出された。
V9は有人機より遥かに高機動性能が高く次々とバルキリーが落とされて行く。
オズマ「クソッ!なんて速さなんだ!」
V9を撃墜するのに手こずるオズマ。
するとV字型に飛行する17機のV9がオズマを襲い掛かってきた。
オズマ「チッ!」
オズマはバルキリーをガンウォークからファイターに変形しこの場から離れた。
だがV9たちはそれを追いかけ正確にビームガンポッドを連射する。
オズマは歯を食いしばり攻撃を避ける。
反撃しようと試みようとしたがちゃんと後ろにつかれて反撃出来ない。
オズマ「クッ!俺のケツにちゃんと食い付いて来やがる!」
そうしているうちに17機のV9との距離が縮まっていく。
その時だった。
一夏『隊長ッ!』
オズマ機に近いV9が横からくる一発のビームで爆発し一機の黒いバルキリーが横切った。
それは一夏のルシファーだった。
すると残りの16機のV9はオズマを追うのを止め一夏を追った。
オズマ『一夏ッ!』
一夏「こいつは任せて下さい!」
と言い一夏はルシファーのスピードを上げ飛翔する。
高機動性能の持つルシファーは、ほぼV9と同じ速さで互角と言っていい。
ルシファーを上昇させ捻り込みをしてV9の後ろを取った。
一夏「貰った!」
一夏はトリガーを引いた。
するとルシファーの両翼の付け根に計2門内蔵されているビーム砲「ROV-25」が放たれた。
放たれたビームはV9を2機破壊した。
残りの14のV9は一夏と同じように捻り込みをし一夏の後ろを取る。
そして新たに3機のV9が増援に来た。
一夏「クソ!増援か!」
一夏はペダルと操縦桿を細かく素早く動かしV9の攻撃を避ける。
ルシファーを初めて操縦する一夏にとって心も体も辛い。
何故ならルシファーは高機動性能であり生身の人間には耐えられない高G機動に耐えきれるサーバーグラント(サイボーグ兵士)だけの専用の機体なのだ。
だが一夏は半分サイボーグで半分人間、つまりサイボーグの中間。
サーバーグラントは高G機動はなんとも思わないだろうが一夏にとって高G機動は辛いのだ。
するとV9が二手に分かれ左右から攻撃を仕掛けてきた。
一夏は更にスピードを上げ機体を動かして避ける。
もの凄いGが一夏に襲い掛かる。
一夏「グッ!」
攻撃を避ける度に今までのGより遥かに超えるGが体に来る。
V9は一夏の撃墜を最優先にしたのか更にV9の増援が一夏を襲う。
無数の敵をひとりで相手した事もない一夏は反撃よりもまずV9から振り切る事にした。
気がつくと戦闘宙域の端にいた。
すると1機のV9が前方にいる事に気づいた。
前にいるV9はルシファーに狙いを定め攻撃した。
一夏「クッ!」
一夏は避ける。
その攻撃は後ろにいる1機のV9に命中し前にいるV9をビームガンポッドで破壊した。
だが破壊したV9を避けきれずV9の破片が機体に当たった。
するとアラートが激しく鳴り始め左翼エンジンの出力が上がらなくなった。
一夏「クソッタレ!破片がエンジンに入ったか!」
ルシファーのスピードは下がってしまいV9に追いつかれてしまう。
その時だった。
突然前方にブラックホールのような穴が現れた。
左に回避した。
だが穴は掃除機のように吸引する。
一夏はルシファーをガウォークに変形して穴に逆らうように脚部を向けてブースターを最大出力で振り切ろうとした。
それでも穴の吸引力は抵抗するルシファーより上だった。
すると一夏の後を追うV9たちは攻撃しながら此方に来た。
一夏「ハッ!しまった!」
しかしその攻撃は穴に吸い込まれてしまった。
そして一夏に近づいたV9たちは穴の吸引力に引かれてしまいコントロールを失ってしまった。
ぶつかり合って自爆するV9もあればそのまま穴に吸い込まれるV9もいた。
一夏を追っていた多数のV9は穴に吸い込まれてしまった。
一夏「ウゥゥゥゥゥゥゥ!」
唸り声を上げながらスロットルを上げ続ける一夏。
ガウォークからファイターに変形し主翼のブースターと脚部のブースター合わせて四つのブースターで穴から離れようと試みた。
左翼エンジンの出力が上がらないが右翼エンジンがあるよりマシだった。
一夏「ぐぅぉぉぉおおおおおおおおおお!」
雄叫びを上げスロットルに力を込める。
すると機体が徐々に穴から離れる。
一夏「よし!このまま……しまった!?」
刹那
前方に破壊された空母艦の破片が穴の吸引力により此方に寄せて来た。
一夏は回避しようとした。
しかし機体のバランスを失ってしまった。
一夏「うぁぁぁぁぁぁ!」
そして一夏はルシファーと共に穴に吸い込まれてしまい気を失ってしまった。