インフィニット・ストラトス F   作:スカイマーク

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どうもスカイマークです。
サブタイトル通り一夏達は「自分で自分を殺して」名前を変えます。
それではどうぞ!


名前捨てた革命者たち

ヴァラヒアによるロンドン襲撃事件から数年が経ち西暦2062年の終わりの節目12月31日。

日本のある町の墓場に黒いスーツを着てサングラスを掛けた三人の少年たちが横に並び歩く。

その姿は大人のように見える。

だがこの墓場には誰一人も居なかった。

聞こえるのは乾いた風の音と革靴の歩く音だけ。

三人は左手にバイオレットカラーの花束を持ち左右いた二人は右肩に工事用のハンマーを担いで歩く。

そして少年らは足を止めた。

目の前に黒石で作られた3つの墓があった。

右の墓には「織斑 晴人」を刻まれ、左の墓には「五反田 弾」と刻まれ、真ん中の墓には「織斑 一夏」と刻まれていた。

何故、少年たちは此処に来たのか?

それは、

 

「本人」だからである。

 

だがそれは旧名である。

晴人と呼ばれた少年は今は「空・リーザ・バルコフ」

髪の色をブラウンカラーになり全くの別人になり弾と呼ばれた少年は「風馬・リーザ・レッグ」

昔は天然の赤毛のロングヘアだったが、今は黒色に染まっている。

そして一夏と呼ばれた少年は今は「翼・リーザ・バーフォード」

昔の姿と違い骨格が女性のに近く髪型も変わっている。

戦友のミハエルが見ればギャラクシーのブレラに似ている、と言われた。

少年たちは旧名で刻まれている墓に其々目の前に立っている。

黙ったまま花束を墓の前に置いた。

すると風馬が沈黙を破り呆れ笑う。

 

風馬「ハッ、まさか本当に墓があったとはな。」

 

それに続き晴人も口を開く。

 

空「しかも元住んでた町の近くにあるとはね、正直驚いたよ。ね、兄さん。」

 

話を振ってきた空に対し翼は応えた。

 

翼「ああ、しかも綺麗に磨かれてやがる……お前ら早いとこやるぞ。」

 

風馬「おう!」

 

空「うん!」

 

風馬と空はニヤリと笑い両手でハンマーをゆっくりと上げる。

翼は右手で銃の形を作り空気を圧縮させ衝撃弾を作り自分の墓に向ける。

そして自分たちの墓を破壊した。

風馬と空は勢い良くハンマーを振りかざし一撃で自分の墓を粉々にした。

翼は衝撃弾を放ち自分の墓を木っ端微塵にした。

 

風馬「意外に脆かったな。」

 

すると風馬は頭のバンダナを取り砕け散った自分の墓に捨てた。

 

翼「今日をもって俺たちは死んだ。そして俺たちは新しい人生を歩む、そして兄弟いや『リーザ』という苗字を持って家族になった。これからは何も縛られない、俺たちは思う存分この世界と戦える。いいな、空、風馬。」

 

空「うん!兄さん。」

 

風馬「ああ!翼。」

 

空と風馬はハンマーを捨て翼と共にこの場を去った。

 

 

 

翼たちは束と合流する為帝国ホテルの部屋で腰を掛けていた。

 

風馬「そろそろ時間だな。」

 

腕時計を見て時間を確かめる風馬。

その時ドアが開き黒いコートを纏ったショートヘアの女性が現れた。

束だった。

 

束「ヤッホーみんな、待ったかな?」

 

空と風馬は驚きの余り立ち上がった。

 

空「た、束さん⁉︎」

 

風馬「ど、どうしたんすかその髪型ァ⁉︎」

 

前までロングヘアだった束がショートヘアになっている事に驚く少年三人。

 

束「戸籍を抜いて新しい自分になったんだよ☆」

 

笑顔で爆弾発言する束に空と風馬は更に驚く。

だが束が戸籍を抜いた理由はあった。

保護プログラムにされている家族を開放する為だった。

驚いていない翼はその事を知っていた。

昨日、束が翼に伝えに来たからだ。

 

翼「それで、名前は決めましたか?」

 

戸籍を抜いたという事は名前がなくなる。

つまり束は名前がない状態だ。

彼女はニコリと笑って新たな自分の名前を言った。

 

ミミ「『ミミ・リーゼ・ラビット』それが私の名前だよ!」

 

ミミ・リーゼ・ラビット

つまり翼たちと家族になる。

 

翼「そうですか、じゃあこれで家族ですね『姉さん』」

 

風馬「ちょっとぉ!?何勝手に話進めちゃってんの⁉︎」

 

空「そうだよ兄さん!」

 

話がよくわからない空と風馬はツッコむが「まーまー、そんなのいーじゃん。」と説明するのを面倒くさがる束。

 

ミミ「あっ!そうだ!三人に渡す物があったんだ!えーと……」

 

コートのポケットを漁るように何かを探す。

 

ミミ「うーんと……あっ!あった!」

 

ポケットから腕に着ける灰色のバンドを三つ出し翼たちに一個ずつ渡した。

 

風馬「これなんすか?」

 

ミミ「これは『ガンボックス』!名前の通り銃の箱。頭の中で欲しい銃をガンボックスに命令するとIS展開と同じように展開されるんだよ!これからつっくんたちは危険な目にあうかもしれないから護身用として作ったのだ!」

 

早速翼たちはガンボックスを右腕に着け銃を展開した。

「うん!ちゃんと起動しているみたいだね!」と束は満足し頷く。

翼は直ぐに収納して腕時計で時間を確かめた。

 

翼「時間だ、そろそろ行こう三人とも。」

 

銃を収納した空と風馬は無言で頷きミミは笑顔で「オーケー!」と言い全員部屋から出て行き下のフロントでチェックインしてロビーに向った。

するとロビーに黒いスーツを纏ったミハエルが翼たちに気付き手を振った。

翼たちもミハエルに気付きそっちに向かった。

 

ミハエル「よっ一…じゃなかった翼、チェックイン済ませたか?」

 

翼「ああ、済ませた。」

 

ミハエル「よし、じゃあ行きますか。車は外に用意してあるぜ。」

 

ミハエルが先頭に立ち帝国ホテルを出て黒のベルファイアに乗りミハエルが運転する。

二ヶ月前に運転免許を簡単に取得したミハエル。

だがカーナビを操作するのは苦手。

何せ異世界の彼から見れば「物凄く古いカーナビ」だから。

ようやく目的地のセットが出来た。

目的地は旧羽田整備地区。

約60年以上前までは羽田空港の整備地区だったが今はプライベート機を所有する一般市民の整備地区として滑走路として使用されている。

車を走らせ翼たちを乗せたミハエルは高速道路を使って旧羽田整備地区へ向かった。

なぜ翼たちは旧羽田整備地区へ向かうのか?

それはSMSの発表会見があるからだ。

理由はSMSが急激に成長した事とバルキリー、IV、量産型IV、そして世界で唯一IS操縦出来る男性(翼、空、風馬)の発表をするからである。

ロンドン襲撃事件から一ヶ月が経った頃、ミミがSMSのホームページを製作し条件付きで社員と戦闘機パイロットを募集を掛けたところ沢山の応募者が来た。

その所為か今、バルキリーの存在が世界に注目を浴びる事になった。

その時、束が2機のIVの量産型機を完成させた。

丁度、発表するタイミングが良いと考えたミミは翼たちと話し合いその結果、バルキリーとISに乗れる自分たちの事も発表する事に決めのだ。

助手席に座っていた一夏はFMラジオをつけ音楽を聴きながらミハエルから貰ったメモ帳でプログラムを確認した。

車は高速を下り一般路を通り目的地、旧羽田整備地区に着いた。

車から降り御一行はSMS用として仮設された建物に入り待合室に入った。

中に入ってみるとSMS社員のスコール、オータム、マドカが居た。

 

ミミ「スコォォォォォォリュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!」

 

いきなりミミが飛び出してスコールに飛び付く。

スコールはミミを受け止めず左に寄り避けた。

そのままミミは顔から床へとダイブした。

すぐに起き上がり「なんでハグハグしてくれないのぉ!」と子供のようにプンスカ怒るミミに「貴方が飛んでくるからよ。」とスコールは呆れた声で発した。

気を取り直してスコールは翼たちの方に体を向けた。

 

スコール「随分と早いわねみんな。」

 

翼「『本人』が遅れたら主催者側としてダメだろ。」

 

スコール「そうわね。『社長』が遅れたら困るわ。」

 

翼はSMSの社長だった。

候補で社長を決めたところダントツ翼だった。

ミハエルを社長に候補した翼だったが「俺はそう言う柄じゃない。」と拒否されたのだ。

オータムは窓から滑走路の真ん中にある会場の様子を見た。

 

オータム「おいおい、まだ1時間もあんのにもう沢山来てやがるぞ。」

 

呼び掛けるようにオータムは大声で言うと空と風馬とミハエルも近付き窓から会場を見た。

会場は報道陣や海外メディアたちで埋め尽くされていた。

今回の発表会見は報道陣とメディアだけの発表会見なのだ。

 

空「本当だ、まさかこんなに来るとは思わなかったよ。」

 

風馬「す、すごいな……」

 

報道陣とメディアの多さに驚く空と風馬。

ミハエルも驚くが初めての光景で唖然としている。

一方のマドカは発表会見では出番がない為、スマホを取り出しイヤホンを付け椅子に座って音楽を聞いてた。

賑やかに会話している翼たちは30分間続いていた。

30分後、翼たちは待合室から出て自分たちの準備をするべく別れた。

そして発表会見が始まった。

 




前書きの意味わかりましたか?
苗字は思いつきです。
次回もお楽しみに!

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