インフィニット・ストラトス F   作:スカイマーク

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どうもこんにちはスカイマークです。
この小説は随分前に書き留め式で書いた物です。
ではどうぞ


はじまり

西暦2058年

 

人里から離れた夜の工場。

 

 工場の中で複数の人間が銃の引き金を引き、複数の火花が放たれる。

 

 晴人「うわ!!あぁぁ!!」

 

 物影に隠れていた織斑晴人が悲鳴をあげ晴人の口を誰かが塞ぐ。

 

 一夏「落ち着け!! 」

 

 晴人の口を塞いでいたのは、同じ年である兄の織斑一夏だ。一夏は晴人を落ち着かせるため声をかけるが

 

 晴人「で、でも... 僕達...もう、姉さんに...」

 

 晴人の目は絶望に染まり、生気がない。実は、さっき二人を誘拐したテロリスト達の口から姉である千冬が自分達を見捨て大会に出場したと聞かされたのだった。

 

 晴人はそれを聞き諦めていたが、一夏は隠し持っていた針金で手錠を開けテロリストの隙をついて晴人の手錠も外して二人で逃げ今に至るのだった。

 一夏は千冬の名を聞き、険しい顔をして晴人の肩をつかみ目を合わせる。

 

 一夏「そんなの知るか!! 例え、あの女が見捨てたとしても、俺たちは生きるんだ!! 生きて、生きて俺たちの存在を証明するんだ!!」

 

 晴人「兄さん...」

 

 

 「はぁ!! 何ガキ二人も仕留め切れてねぇんだよ!!」

 

 突然女の声がしたと思えば、倉庫の壁が崩壊し一体のISが出現する。そして、ISのセンサーが隠れている一夏と晴人を感知してテロリストもろとも攻撃した。

 

 一夏「クソ!! 味方もかよ!! 走れ!!」

 

 一夏は晴人を立たせ二人は倉庫の出口まで必死に逃げるが、女性は二人に向けグレネードを発射した。

 

 一夏「クソ!!」

 

 一夏は自分達にグレネードが発射されたのを見て、前を走る秋人の背中を強く押し工場の外に出し、扉を閉める。

 

 晴人「兄さん!?」

 

 一夏「...生きろよ...例えあんな姉の下で生まれても、お前はお前だからな...」

 

 一夏は晴人にそう伝えて扉に鍵をかける。そしてグレネードの弾が一夏の真後ろで爆発した。身を焦がす程の熱風が背中の皮膚を焼き何か抉り出るような感覚、衝撃で身体が宙を舞う。

その時、視界から誰かの右腕も宙に舞っていた。

それは自分の腕だった。

 

 一夏(...あぁ、ここで俺死ぬのか...結局、俺は何もできなかったな...…クソみたいな人生だった...あぁ、クソ)

 

意識が遠のいて行く中、一夏の体は地面に叩きつけられた。

そして一夏は意識を失った。

 一夏達を攻撃していた女性は既に脱出し、誘拐犯達も殺されていたため誰も気づかない。一夏の目の前にブラックホールのような穴が出現し一夏の姿が消えた事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い暗闇の中少しずつ声が聞こえた。

最初はノイズのように聞こえて来た。

だが声とは全く別の別の音が聞こえた。

俺は誰かが歌っていると気づいた。

その時だった。

暗闇の中に小さな光が見えた。

その光は少しずつ大きくなり俺を飲み込んだ。

 

 

俺が目覚めた時、最初に見たのは白い天井だった。

その時点で俺はベッドに寝かされている事に気づいた。

更に横に心電図や色々な物が置いてあり左腕に輸血されている事に気づいた。

そして俺はここが病院である事に気づいた。

だが見た事もない物もあった。

起き上がろうとしたが全身に麻酔が回っていて起き上がれなかった。

その時、奥からドアが開く音が聞こえた。

誰かが入って来る。

そして俺の目の前に現れた。

 

???「どうやら目覚めたようですね。おはようございます。」

 

その人は女性だった。

キャリーウーマンの様な服を着てベレー帽を被っていた。

左手に見た事もない細いタブレットを持っている。

 

モニカ「私の名前はモニカ・ラング。SMSマクロスクォーターのブリッジオペレーターをしています。」

 

一夏「……SMS?………マクロスクォーター?……」

 

聞いた事もない単語だった。

彼女、モニカは言葉を続けた。

 

モニカ「貴方はいきなりマクロスクォーターのブリッジで倒れているところを艦長が発見しここ軍事病院で治療を受け今に至っています。体の方は麻酔を打ってありますが完治しています。」

 

一夏「怪我………っ!?」

 

俺はISを纏った奴から弟の晴人を庇って怪我を負った事を思い出した。

 

一夏「どのくらい寝てたんですか?俺。」

 

彼女は一週間と言った。

俺は唖然とした表情で左手を額に当てた。

すると俺はある事に気づいた。

右腕の方に目を向けた。

俺は目を疑った。

ロボットの様な腕、つまり義手が付けられていた。

彼女、モニカが言うには発見した時には右腕がなかったと言う。

だが彼女は言葉を続けた。

 

モニカ「貴方は手術が出来ないほど重症でした。なので貴方の骨格と筋肉を軍式の人工物に取り替えさせて貰いました。」

 

俺は疑ってしまう程混乱してしまった。

だがあの怪我をして当然だと思い直ぐ正気に戻った。

モニカは「貴方の名前を教えて下さい」と尋ねた。

俺は自分の名前を言った。

するとモニカは手に持っていたタブレットを操作し始めた。

 

モニカ「おかしい。貴方らしき名前が載っていません。」

 

俺はひとつ聞きたい事があった。

ここはどこの国なのかを。

 

一夏「ここはどこの国なんですか?」

 

するとモニカは驚いた顔でこっちを向いた。

 

モニカ「いえ…ここは国ではなくフロンティア船団ですよ?」

 

一夏「フロンティア船団?」

 

俺はまた聞いた事もない単語を聞いた。

だが「船団」と言う事は船だと気づいた。

だが俺はひとつ疑問に思った。

それはここが病院という事を。

 

モニカ「ここは巨大都市型移民船。環境艦とともに閉鎖系バイオプラントを形成する第5世代型宇宙移民船です。」

 

一夏「宇宙移民船!?」

 

俺は驚愕してしまった。

ここは国でも地球でもなく宇宙船だと言う事を。

恐る恐る尋ねてみた。

西暦何年かを。

そして

 

モニカ「今は2058ですよ?」

 

俺は異世界に飛ばされたと言う事に気づいた。

そしてここから俺は第二の人生が始まったのだ。

 

 


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